[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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60: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/07(土)02:31 ID:7tfJJhllo(6/11) AAS
「大丈夫ですよ……。もう何も心配いりません。ちょっと悪い夢を見ていただけ……」

 およそ二十代前半から半ばくらいだろうか、マミよりもずっと年上の女性。それが幼子のように震えている。
 マミは彼女を抱き寄せ、そっと背中や頭を撫ぜる。優しく、彼女が落ち着くまで、ずっと。
ずっと張り詰めていたマミが今日初めて見せた、さながら慈母の如き笑み。

 マミの心に、温もりと共にじわりと湧き起こるのは、誰かを救った、救えたという実感。
この瞬間だけは魔法少女をやっていて良かったと思える。
取り分け今は、崩れそうな、壊れそうな自分を繋ぎ止めてくれる気さえした。

 数分後、どうにか落ち着いた彼女は涙を拭いて息を整える。
 マミは身体を離し、

「もう大丈夫みたいですね……。それじゃ、私たちはこれで……」

 立ち去ろうとした。その時、

「待って!」

 名残を惜しむかのように、彼女の背中を撫でていた右手が握られる。
振り向くと、彼女の真剣な眼差しがあった。

「私……うっすらと覚えてる。ここで何を見たか、何をしようとしたのか。
とても恐ろしい怪物だった……。
それに、あなたの黄色いリボンが私を受け止めてくれたことも覚えてる。
お願い、少しでいいから話を聞いて。それと、よければ話を聞かせて。何でもいい、私にお礼をさせてほしいの」

 彼女の瞳は、未だ不安に揺れていた。
 魔女は人の心の隙間に浸け込む。操られる人間には操られるだけの理由が、多少なりともある場合がほとんど。 
 だからといって、普通なら助けた人間に深入りなんてしない。
あれこれ追求されたり、秘密をばらされても面倒だからだ。
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