[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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248
(2): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/21(月)03:08 ID:jHZ4bEyP0(2/2) AAS
乙です。

なんか鋼牙に駆け寄るまどかを想像して、大河に駆け寄る鋼牙を思い出した。
厳しくも優しい所なんか確実に父親に似てきてるね。
いい父親になりそうだ。
249
(2): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/21(月)03:13 ID:YZxk4OtP0(3/4) AAS
いえいえ全然ww暇つぶしなんで気になさらないでくださいww

今回はなんか癒し系ですね。夜道に怖がったり、ママの雷を恐れたりしてるけど家族に心配かけるのを一番危惧してるあたり、まどかちゃんの思いやりというかそういうのが見えますね。やはりいい子だ。

今回の鋼牙、まるでカオルと話してるような感じですね。
それでまたまどかちゃんのリアクションもカオルっぽいww

というかまどかちゃんの学校には鋼牙みたいな先生いんのかwwww

ところで質問ですが、まどポはプレイされましたか?
あれにも名前付きの必殺技とかあるんで資料としてはうってつけかと。
250
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/21(月)03:49 ID:FHrDIV9uo(1) AAS
いつも乙

優しい>>1には申し訳無いけど、書かせてもらう

乙の一言も書かずに
議論やら、文句垂れ流す奴、好い加減に黙れ
251
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/05/21(月)11:35 ID:TY8PKfoM0(1) AAS
待っていた乙

>>250
まあ、まてそう言う流れにイラっとくるのはわかるし
俺もそう思わないわけじゃない
ただ、売り言葉に買い言葉ということもある
そこは、丁寧にいうべきだな

実際、好きだからつい論議に興じてしまう気持ちもあるんだろうが
そこはお互い>>1を慮るという意味でもドカッと長文を書いたり
乱暴な言葉を使うは少し控えてはどうだろうか?
252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/21(月)21:20 ID:GTK2oCbG0(1) AAS
まどかと牙狼の次回予告が話題に挙がっていたからちと思い出したが
こんなのもあった
動画リンク[ニコニコ動画]
いくつかそのまんま採用できるのもあるな・・・
253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/21(月)23:46 ID:YZxk4OtP0(4/4) AAS
牙狼×まどかの動画もっと増えてほしいな。擬似共闘みたいなのを見たい。

というか

牙狼も第一話は「夢の中で会った、ような・・」なんだよな。

さっきの話の続きだが、カオルの台詞で考えてみた。

一期「絵本」→夢に出てきた、黄金の騎士
  「偶像」→才能なんて、関係ない
  「水槽」→守ってくれるって、言ったじゃない。
二期「街灯」→一番に鋼牙に見てほしいんだ
  「赤筆」→だって、あなたは守りし者だもの
254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/05/22(火)00:50 ID:tUUXvMZG0(1/2) AAS
投下キテタ!乙!
やっぱり中学生のまどかには、鋼牙の厳格な雰囲気は怖いかwwww誰だって萎縮する。俺だって萎縮する。

あと、俺ら読者のスタンスとしては、やっぱ>>251がベストだよね。
あんましキツイ言い方するのは良くないけど、かと言って何も言わないままだと収拾付かなくなるし。

例えば>>248
雑談の内容自体は面白そうだから、続けてくれて全然構わないけど、
「日曜深夜には必ず投下」って宣言があった手前、その日曜深夜に雑談やっちゃったのは、さすがにマズいと思うww
ここの>>1は優しいから、「流れを切ってしまってすみません」なんて下手に出てくれてるけど、
ホントは「気にしないでください」じゃなくて、「こちらこそ、投下の妨げをしてしまってすみません」って謝るべきシーンだよコレ…。
いや、何かマナー講座みたいになって申し訳ないけどもww

これに限らず、俺らが>>1の優しさに甘えっぱなしじゃ駄目だと思うんだ…。
255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/05/22(火)00:51 ID:tUUXvMZG0(2/2) AAS
ごめん。>>248じゃなくて>>249だった。
256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/22(火)01:50 ID:n6UlvoTN0(1) AAS
マミさんについて色々言われてるが
そもそもマミさんって3話で退場してしまった事もあり内面描写が薄くて
人によって受け取り方が別れるキャラだからな
臆病でヘタレでボッチキャラだったり、厨二病で邪気眼キャラだったり
過去のトラウマで病的に魔法少女に拘るキャラだったりと
このように二次創作で書く人によって内面の描写やキャラがかなり別れるキャラだから(次点はほむほむ)
逆にあんまり本編とキャラがぶれないのはさやかとかQB
257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/22(火)09:30 ID:7+azuitm0(1) AAS
まぁ、その、なんだ。

っまどポ(番外編)

QBは外見の可愛さを諦めきれずに彼の言う「極めて稀な精神疾患」にかかったキャラにされる事もある。
俗に言う「きれいなQB」である。

1〜2話のキュゥべえは他のマスコット系と比べても遜色ないからね・・。
258: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/05/24(木)02:52 ID:iy8+U+rDo(1) AAS
もう少しかかりそうです
ちょっと大事なところなので、なかなか"らしさ"が出せず
259: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)02:52 ID:JqNzRaySo(1/9) AAS
 まどかは鋼牙と連れ立って夜道を歩く。
 一歩引いて鋼牙の横に並ぶまどかは、時折チラチラと彼を窺っていた。
 精悍な横顔は前だけを見据え、眼は微動だにしない。

 それでいてまどかの様子も的確に把握しているらしく、まどかの早歩きに歩幅を揃えている。
疲れて少し歩調を緩めると、合わせてもくれた。
 見た目ではわかりにくいが、彼が優しく、信用の置ける人物であることは改めて実感できた。
 故に魔物に対する不安や恐怖は、もう欠片も残っていない。何せ最強の存在が傍にいるのだから。

 しかし今、まどかの表情には不安が浮かんでいる。
 彼の隠れた優しさは素直に嬉しいのだが、気難しい性格にまどかは戸惑っていた。
 静寂の夜道を歩く間、二人は一言も口を利いていないのだ。
 
 鋼牙はおそらく沈黙を重苦しいと感じておらず、無駄な会話も必要としないだろう。
そんな彼と何を話せばいいのやら。
 平然と歩く鋼牙の横で、まどかは内心悶々としていた。

――世間話……なんて駄目だよね、全然続く気がしないもん。
じゃあ、ホラーのこととか……。でも何を訊いていいのかわからないし、
知っちゃいけないかもしれないし……。
何か……あぁっ、思いつかないよ急に〜!――

 そもそも大人の男なんて父親や教師以外に馴染みがないまどかである。
まして相手はテレビから出てきたみたいなヒーロー。一般人とは違う、ともかく凄い人間という認識。
 雑談が成り立つはずもない。まどかにとって鋼牙は未知の生物に等しかった。
 考え過ぎて目が回りそうになっていると、

「どうかしたのか?」

 鋼牙が振り向いた。
 どうやら、頭を振って悩んでいるところを不審がられたものと思われる。
260: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)02:55 ID:JqNzRaySo(2/9) AAS
 何を話せばいいか迷っていた、などと本人を前にして言えるはずもない。

「い、いえ! 何でもないです!」

 また首を振って、慌てて否定した。
 ますます不審さが増して、鋼牙は訝しげに視線を合わせてくる。
それが更にまどかを混乱させるとも知らずに。
 そして遂には涙目になって頭を下げてしまう。

「あの、ごめんなさい……」

「何を謝る?」

「私、緊張しちゃって……。パパ以外の男の人と二人で歩くなんて初めてで、
何を話したらいいかわからなくって……」

 しどろもどろになり、消え入りそうな声で俯く。
聞こえたかどうかもさだかでなかったが、鋼牙は正面に視線を戻し言った。

「無理に話す必要はない」

 端的だが、どこか穏やかな色も含んだ声音。
自分を励まし、慰めようとしてくれているのが、まどかにも理解できた。
 だがその励ましが、慰めが、より彼との違いを浮き彫りにする。

 切っ掛けは、ほんの些細なこと。だが自分は満足に受け答えもできなかった。
それが恥ずかしくて、情けなくて、まどかの気持ちは沈んでいく。
261: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)02:57 ID:JqNzRaySo(3/9) AAS
 無理に話す必要はない。そんなことはわかっている。
 わかっていてもできない。
 すぐに実行できることでも、なかなか勇気が持てない。 

――はぁ……どうしてこうなっちゃうんだろう……。
臆病で、弱虫で、自信が持てなくて。
迷って、振り返って、立ち止まって。
私、そんな自分が大嫌い……。

 もし私も冴島さんみたいに、マミさんみたいに輝けたなら。 
先の見えない暗闇でも、迷わず前だけを向いて歩けるんじゃないかって思えるのに……。

 でも、どうすればいいんだろう。この人なら、その答えを持ってるのかな……。
 訊いてみたい。どうしても知りたい。
 今なら訊ける。うぅん、今を逃したらもうチャンスはないかもしれない。
 だから私は――

 まどかは胸に当てた拳をキュッと握り、鋼牙を見つめる。
そして、なけなしの勇気を込めて質問をぶつけた。

「あの……訊いていいですか? どうやったら、冴島さんみたいに強くなれるんですか?」

「……強くなりたいのか?」

 突然の質問に流石の鋼牙も戸惑ったのか怪訝な顔で訊き返すが、急ぐまどかへの配慮か、足は止めなかった。
 まどかは肯定も否定もせず、鋼牙の横を歩きながら話を続ける。
262: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)03:00 ID:JqNzRaySo(4/9) AAS
「私って、昔から何の取り柄もなくて……これから先ずっと、誰かの役に立つこともないまま、
人に迷惑ばかりかけていくのかなって、そう思ったら凄く嫌で……」

 鋼牙は何も言わなかった。じっと黙して続きを待っている。
 取り留めのない想いを、ゆっくりと言葉に変換して紡ぐ為の時間。そう考えたら沈黙も悪くない気がした。

「ずっと考えていたんです、昨日のこと、今日のこと……。
私を助けてくれた二人は眩しかったんです。それでキュゥべえに素質があるって言われて、
同じことが私にもできるなら、私やさやかちゃんを助けてくれたみたいに誰かを守れたなら。
きっと、これ以上嬉しいことはないだろうなって……」

「だが――」

「命懸けだってことはわかってます! 今日の戦いも、とっても怖かった。でも、私……」

 だとしても憧れは止めらない。
 それで望む自分に成れるのなら。
未だ迷いは晴れないが、その為なら戦いを受け入れてもいいとすら思い始めていた。

 甘いと怒られるだろうか。現実を知らないと笑われるだろうか。
いや、彼なら認めてくれそうな気がする。
 確かな根拠がある訳じゃない。ただ、彼の寡黙な優しさを昨日も今日も見てきたから。
きっと真摯に受け止めてくれて、何かアドバイスをくれると思った。

「あっ、その、まだ決めた訳じゃないんですけど……願い事だって決まってないし……。
ただ私もマミさんや冴島さんみたいに誰かの助けになれたら、
黄金騎士みたいにかっこよくなれたら、輝けたなら……それくらいなんです、私の願いなんて。
強くなりたいって言うより、胸を張って誇れる自分になりたいって言うか。
だからキュゥべえと契約して魔法少女になることで叶えられるなら、私も……」
263: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)03:01 ID:JqNzRaySo(5/9) AAS
――絶望に暮れる人に希望を示せる、そんなあなたや彼女に少しでも近付ける。

 はにかんで頬を赤らめるまどか。
しかし、照れを誤魔化すような笑顔を向けられた鋼牙が彼女に応えることはない。
目を閉じ、何事か思案している様子。
 まどかが緊張しながら待つと、やがて鋼牙が目と口を開く。

「……無理だな」

 と一言。
 たった一言で、まどかの笑顔が凍りついた。

「え……?」

 まどかが発したのも、言葉にもならぬ掠れた疑問符のみ。
 それきり、いくら待っても続く答えは返らない。

「……それって、どういう意味ですか? 
やっぱり私なんかじゃできっこないってことなんですか……?
私、女だし、体も小さいし、運動も全然できないです……。
とても冴島さんみたいには戦えない、でも……!」

 魔法少女になれば変われるかもしれない。
 そう思っていたのに。

 まどかは歩みを止めない鋼牙に追い縋りながら震えた声で捲し立てるが、仕舞いには言葉を詰まらせてしまう。
 それでも問うと、ようやく鋼牙の顔がまどかに向いた。
264: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)03:03 ID:JqNzRaySo(6/9) AAS
「女は騎士にはなれん。だが、それ以前の問題だ」

「それ以前の……?」

 訊き返すも、やはり答えは返らない。これ以上はない、ということだろうか。
 まどかには鋼牙の言わんとしていることが、まるで理解できなかった。
そもそも端的過ぎて、正しく相手に伝える意思があるのかも怪しい。
 しかし何とか理解しようと首を捻っていると、鋼牙の足が止まった。

「誰かの役に立ちたいと言ったな」

「は、はい……」

 唐突に質問で返され、戸惑いがちに頷く。
 そして――。

「なら道のゴミ拾いか家の手伝いでもしていろ。今日からでもできる」

 ぞんざいに言い捨てられた言葉に、まどかは耳を疑った。
 後頭部を殴られたような、自分でも信じられないほどのショックに襲われた。
 初めて自覚した。自分が彼の優しさを誤解していたと。

「そんな……私、真剣に相談したのに……」

 助けたのはそれが魔戒騎士の使命だから。送ってくれるのも、その延長。人生相談に付き合う義理などない。
 だから、こんな子供の悩みなど、所詮ちっぽけなものだと思われたのだろうか。だから軽くあしらってもいい、と。
 そんなふうに考えたくないのに考えてしまう。
265: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)03:05 ID:JqNzRaySo(7/9) AAS
「俺も本気で答えた」

 彼はそう言うが、では他にどんな意味があるというのか。 
 まどかは訳もわからず混乱していた。頭の中はグシャグシャで、堰を切った感情が溢れて整理がつかない。

「酷い……っ」

 言ってしまった直後、あっ――と思わず口をついて出た言葉に驚き、まどかは押し黙る。
 それでも鋼牙は足も止めず、表情ひとつ変えない。
 自分では何をしようが彼を揺らせない、影響を与えられないのだと思い知って、また切なくなる。
 もう彼の隣にはいられなかった。

 気付けば裏道も終わり、また明るい住宅街に出ていた。家までは2,3分といったところか。
 まどかは鋼牙の前に勢い良く走り出る。

「近くなのでここからは一人でも帰れます、ありがとう……ございました……っ」

 顔を見られないようにお辞儀をするなり、反転して駆け出す。
 ずっと堪えているつもりだったが、振り返り際、潤んだ瞳から涙の滴が飛んだ。
 きっと鋼牙にも見られただろう。

 だというのに。
 やはり背後からは声も足音も聞こえてこなかった。
 何故だかわからないけど、それが無性に悔しくて悲しかった。
 それからまどかは休まず、振り返らず、家路を急いだ。

「ただいまっ――!」

 玄関を開け放つと素早く靴を脱ぎ、なおも走る。
266: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)03:07 ID:JqNzRaySo(8/9) AAS
「おかえり、まどか。心配――」

「まどか! こんな時間まで何……を……」

 この時ばかりは父と母の声も耳に届かなかった。
 床をドタドタ踏み鳴らし、階段を駆け上がる。
自室で鞄を投げ捨て、ベッドに身体ごと飛び込むと、やっと動きを止めた。

 枕に顔を埋めて洟を啜るまどかは、少しだけ冷静になり、鋼牙とのやり取りを思い出す。

――優しさを誤解していた。
 でも、それは冴島さんのせいじゃない。
 勝手に甘えて、期待を抱いて、何でも受け止めてくれるって心のどこかで思い込んでた。
 それで勝手に幻滅して馬鹿みたいだよぉ……――

 これから鋼牙の言葉の意味を考えてみようと思う。しかし鋼牙が何を伝えたかったのか、何を望んでいたのか。
そして、それを受けて自分がどうしたいのか、いつか確かな答えが出せるのだろうか。

――こんな私が、キュゥべえに煽てられたからって、
ちょっと力を得たくらいで冴島さんに並べるなんて、自惚れだったのかな――

 変わらない。
 何も変わらない。
 まだ暗闇を彷徨っているような気分。
 なのに闇に光を与えてくれるはずの黄金騎士の助けは期待できなかった。

「私、どうすればいいの……」
267: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/28(月)03:10 ID:JqNzRaySo(9/9) AAS
ここまで。次も間に合えば日曜深夜に
多くてもあと二回で2話を終わらせたいです

たくさんのコメント、いつもありがとうございます
でも、自分が優しいかどうかはよくわかりません
では今回の鋼牙は優しかったのかどうか

短いのに、これまでで一番苦戦した気がします
こんなのでいいのか、かなり悩みましたが、説明は作中で追々
268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/28(月)04:12 ID:HyXq8F5e0(1/2) AAS
乙であります。

鋼牙のやさしさは本当にわかりづらいですね・・・
カオルさまも理解するのに「生命」までかかったし。
鈴ちゃんにも最初は「はやく帰れ」って言ってたし、基本的に「子供は戦いにかかわるべきじゃない」って考えなんだろうね。
「同胞」であんな光景目にしてるわけだし。

そりゃそうだ。鋼牙も父や母を亡くし、孤独に闘う者。杏子ちゃんじゃないが、幸せな家族を持つまどかちゃんが闘うなど、よしとするわけがない。
大河さん、修練所の仲間、阿門法師、邪美、アカザ。師や仲間を戦いで失ってきた経験から戦いの悲痛さを知っているが故の

「なら道のゴミ拾いか家の手伝いでもしていろ。今日からでもできる」

なんでしょうね。
269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/28(月)11:10 ID:9frcEhFSO携(1) AAS
乙です
思うに鋼牙のイメージによっていろんな受け取り方ができそう

恐らく、誇れる自分になりたいなら奇跡に頼らず努力しろと言いたいのでは。
でないと後悔するぞと。まあ魔法少女まどかの性格からしてそうでもないかもしれんが。
ただ鋼牙は魔法少女の真実にリーチかけてるし、元が努力の人だから
結局マミがさやかに言った、誰の為の契約か、を言いたいのかも

「今日からでも〜」は人の役に立つことの最も簡単な部類だから。
魔法少女にならなくてもできることを提示してる
270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) 2012/05/28(月)12:21 ID:KIqp0sOAO携(1) AAS
鋼牙も騎士になる前に単純に強くなりたいと思ってたけど…って描写本編であったなぁ
それぞれが魔界騎士と接触して三者三様の捉え方に…楽しくなってきた!
271: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/05/28(月)13:15 ID:gBexz24v0(1) AAS
乙です
非常に鋼牙らしい台詞だが
ナイーブなキャラが多いまどマギの魔法少女に鋼牙の厳しい優しさを理解して受け止められるのかどうか…
寄りかかれる甘えさせてくれる人を求めてるマミさんとでは、そりゃ相性が悪いわな
まだ面識がないが杏子とも相性が悪そうだ
フォローしてくれる人間がいれば少しはマシになるんだろうが
カオルやゴンザが不在だからな…ザルバにフォローして貰うか?
272: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/28(月)13:20 ID:QHjTvrEK0(1) AAS
乙です。
なんかもうホントにこの作品テレビで見たいわ。

誇れる自分に、誰かの希望になりたいのなら戦いだけが方法じゃないぞって言いたいんじゃないかって思った。
例えばカオルだって自分の絵に誇りを持ってる。そしてその絵は鋼牙にとっての希望。
あくまで戦いは最後の手段であり、人知れず戦う魔戒騎士や魔法少女なんかより家族の手伝いや道端のゴミ拾いをやった方がよっぽど誇れる。
そう言いたいんじゃないかと思った。

それに相手がギャグ要素一切なしのホラーや魔女だしね。
力を得たところで精神をすり減らしていくのは目に見えて明らか。
273
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/28(月)14:33 ID:HyXq8F5e0(2/2) AAS
ほむらちゃんにとってはもしQBに煽られても今回の鋼牙の言葉がストッパーになってくれるのならプラスだと思うだろうね。

ところで気になったんだが、牙狼側からは鋼牙と零と魔導具コンビだけなのかな。冴島ファミリーや翼や邪烈も出るんでしょうか。
いや、翼が二期であまりにも出番が少なかったんでせめてココでは・・・と思っただけなんですがね。

でもまーマギカ側で魔戒騎士と相性がいいのはやっぱり杏子ちゃんでしょうね。まどかちゃんにもまさに「幸せな家庭持つ奴が首突っ込むな。」って鋼牙と同じニュアンスで叱ってたし。

ただ、戦いや病で死んでも鋼牙に希望を残せたいわばプラスの死に方をした冴島夫妻に対して杏子ちゃんの父の場合は自棄になって杏子ちゃんに絶望の種を残したマイナスの死にかただからこの差はデカイだろうね・・・。
274
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/05/28(月)20:36 ID:EhKlPvnj0(1) AAS
作者さんに聞きたいんだが、パロロワでの執筆経験とかあったりする?
この濃密な内面の葛藤とかあそこのssのクオリティに通じる物がある
この技量ならあそこでss書いててもおかしくない
275: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/28(月)21:08 ID:GheX7azDO携(1) AAS
まぁ、まどからの年齢で希望やなんやって気味が悪いわな 素直に親のスネをかじれと
もっとちっちゃな事に絶望や希望するのが子供もってもんしゃないか?
だから考え過ぎなガキンチョばっかのまどまぎって嫌い

全話見たしココも前スレの頭から追ってるしSS系のまどスレ見つけたら読んでるけど
276: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/28(月)22:28 ID:eMxwNpC70(1) AAS
鋼牙の切り替えしに目からうろこ
なんて正確で的確な正論なんだろう
277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/05/29(火)01:01 ID:+lw1sPSY0(1) AAS
乙!

泣ーーかしたー 泣ーかしたー カーーオルーに言ってやろーー

まどっちみたいな純真で可愛らしいJCに対してでも、お構いなしに辛辣に切り返す鋼牙さんマジ黄金騎士。
まあ、精神の未熟がそのまま破滅に直結する魔法少女は、甘い願望で契約するとシャレにならんレベルのしっぺ返しをくらうからなあ。
しかも、鍛錬すっとばしていきなり強くなれてしまう(&即実戦投入)せいで、精神的な成長はかなりおざなりというね…。
騎士や法師の卵なら、実戦に出る前に嫌ってほど精神鍛錬するだろうけど…。

まどっちも泣いてるだけじゃなくて、鋼牙が伝えたかった事をちゃんと考えようとしてるのは、さすが優しい娘。
その答えが見つかるまで、とりあえず契約は防げるかな?や、答えが見つかっても彼女の契約は防がないとヤバいんですがww
278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/29(火)01:45 ID:8nAa+09f0(1) AAS
二期以前でマギカたちにわかりやすいように諭せるのは零くらいだよね。

わざわざ人んちの食卓に御呼ばれしたり
見知らぬ剣豪と手合わせに付き合ったり
交通事故から助けた女の子と仲良くなってその家のケーキが好きになって常連になったり。

よくも悪くも付き合いがいい。だから零主役の回は悲壮なのだけど。

二期も視野に入れるならワタル先生やそういう葛藤を経験したレオくんも適任だろうけど。

≫277

カオル「鋼牙ったら女心のなんたるかがわかってないんだから。でもね、まどかちゃんにはまどかちゃんにしか出来ないことがあると思うし、あせらずにゆっくり考えたらいいと思うな。それが鋼牙や、マミちゃんの力になるかもしれないし。」
279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/05/29(火)02:32 ID:8r2jBgAz0(1) AAS
さすが鋼牙、口べたというかなんというかwwwwww
けど事実そうだよね「誰かの役に立ちたいなら」それこそそんな程度のことでもいいんだよね
むしろ、他人から見ればそっちの方が役に立ってる感があるというか
280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/29(火)03:05 ID:yPoLJiU5o(1) AAS
まどかもまどかで力に憧れている節は否めないな
健気で考え過ぎる性格でもやっぱりそういうお年頃だ
281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/30(水)19:20 ID:mX7RfDuSO携(1) AAS
鋼牙は努力家だから、まどかやキリカの願いにはいろいろ言いたくなるんだろうか
どっちも自分を変えるために何か動いた結果の願いとは思えないし
中学生らしいから悪いとは言わないが
282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/31(木)11:16 ID:z7dLpcaY0(1) AAS
パチ版の情報をたびたび列挙してるものですが、CRシリーズ限定の次回予告があるので紹介します。
パチンコの予告ですので、ストーリー的に関係の無いものもありますが、それは割愛します。

VSレギュレイス
ザルバ「天魔降伏の光が黄金の鎧に宿る時、輝く雄志が暗黒を討ち払う! 次回!鷹麟。 黄金騎士よ、闇夜に輝け!」

VSハンプティ
ザルバ「魔戒騎士の無敵の強さ。地道な修行と、折れない心の賜物さ。 次回!闘士。 その蹄は、天より轟く!」

VS魔界竜(もともとはパチオリジナルで、巨大な成体が登場していた)
ザルバ「太古に封印されし混沌の竜が蘇るとき、魔界を覆う暗雲が、光の騎士を包み込む! 次回!獄竜。 鋼の牙を、砥ぎ澄ませ!」

VSメシア
ザルバ「友よ、お前は感じた事があるか?暗黒の空に吹く黄金の風を。 次回!翼人。 巨大な陰我、切り裂け、牙狼!」

VSカルマ
ザルバ「妖艶なる使徒ホラーの呪縛。儚き英霊の旋律。それは赤きレクイエム! 次回!竜陣。 輝く奇跡、金色となれ!」

VS大号竜(パチオリジナルホラー。規格外のでかさの号竜。)
ザルバ「闇の檻につながれし、超弩級の魔戒獣。光の騎士は恐れない。希望を意味する名を持つかぎり! 次回!轟亀。
 牙狼の称号に、不可能は無いぜ!」

VS大群ホラー(一作目と二作目の二種類ある)
ザルバ「まさかアイツと手を組むことになろうとはな。手を出すな、鋼牙。お手並み拝見といこう。 次回!撃破。 駆け抜ける、二頭の牙!」
ザルバ「おいおい、聞いてないぞ。今度は二千体の大群だって?鋼牙、零、何としても生きて帰るぞ!次回!超撃。駆け抜ける、二頭の牙!」

大当たり確定のプレミア次回予告
カオル「鋼牙、あなたは最高の魔戒騎士だよ。私が保証する。魔戒騎士の掟に背いてまで私を守ってくれたこと、絶対にオ忘れない。次回、幸福。あなたもきっと、誰かに守られてる。」

スピンオフ機・暗黒騎士牙鎧伝にも次回予告があります。

VSガリウス
メシア「空に踊るは鋭き魔獣。暗黒騎士よ駆け上がれ。己の野望の頂へ。 預言!蛇剣。 いざ投じよ、漆黒の戦斧!」

VSブレイド
メシア「巨木をも断つ、魔獣の手刀。邪悪の使いが暗黒騎士の前にそびえ立つ。 預言!巨刃。いざ交えよ、闇の斬馬剣!」

VSバド
メシア「暗黒騎士よ聞こえぬか?馬鹿馬鹿しき銀の狼の遠吠えが。 預言!風雲。 迫り来る、虹の雷鳴!」

VS牙狼
メシア「ついに来たか。そなたの闇の試練の時が。彷徨える慟哭の竜、そして、黄金の影。 預言!金狼。 希望は、闇の僕となろう!」

プレミア
メシア「ふははは、よくぞ成し遂げた暗黒騎士!暗黒の道は、我とそなたの前にある。 預言!幸福。 さぁ、行くがよい!」
省1
283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/02(土)15:19 ID:gJtgm/Tlo(1) AAS
>>285
キリカは自分で自分を変えられないから、契約で変わることを望んだからねぇ
でも魔法少女の裏まで理解しつつ、大切な人の為に魔女になることまで選択して
まっとうできた彼女は今まで登場した全魔法少女の中では唯一、
満足した最後を迎えられていると思う
第三者から見れば悲惨な結末だとしてもね
284
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) 2012/06/02(土)19:33 ID:5lnqoWHAO携(1) AAS
もうすぐニコニコで生牙狼ですね。
重大発表もあるらしい。
285
(2): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/06/02(土)22:25 ID:RX+6tQoQ0(1) AAS
>>284
小西さん含めて全員フリーダム過ぎだったww
オクレヤダヨ君とかファンタ騎士とかww

蒼哭の魔翌竜は来年初春に公開だってね。
因みに零・翼・レオは登場確定。
286: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/06/04(月)02:46 ID:LfLT9Ckwo(1) AAS
いつものことですが、もう少し時間を頂きたいと思います
ニコ生は観ました。本編も配信してくれたら嬉しい
公開までにはもっと進めたいですが……

>>249
前回見落としていて申し訳ありません
まどポは未プレイです。やってみたいとは思うのですが、時間の問題と、変に影響を受けそうなので

>>274
パロロワで書いた経験はありません
ジャンル的には、ちょっと苦手な感じです
でも大勢のキャラの動かし方も、複数人でリレーするのも、凄いとは思います。とても出来る気がしません
287: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/06/04(月)11:48 ID:Uhti+A3j0(1) AAS
>>285
おお、三騎レオ出るのか、よかった。またRRのように鋼牙ザルバ以外全員新キャラみたいなことにならなくてよかったよ。
翼の出番多いといいな。
288
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/06/04(月)18:10 ID:CUEfzdF00(1) AAS
こう言っちゃなんだがもう少し密度を減らしてでもいいから展開を早くしてもいいんじゃないか?
まどマギ本編をナゾって12話ぐらいやるんでしょ?
このペースじゃあベルセルク並にいつ終わるかわからない
最悪途中でエタッてしまわないか心配で…
289: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) 2012/06/05(火)00:41 ID:zVPAK+2AO携(1) AAS
構想はあるみたいだしゆっくり待てばいいんでないの
290: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:25 ID:tOv9yjbAo(1/9) AAS
 
 夜の病院、廊下を歩く。
 病院特有の臭いと混じって、夕食の匂いが漂ってくる。
もうそんな時間かと時計を見ると、もう面会時間はギリギリ。

 病院食には食欲をそそられないけれど、空きっ腹に食事の匂いは辛い。
 もしかして彼も食事中だろうかと不安を覚えつつも、
それならそれで片手は不便だろうと食事を手伝ってあげるのも有りだろうか。
 
「ご飯を取って口に運んで、あ〜ん……って何を妄想してるんだ、あたしは……」

 さやかは緩んで火照った頬を、ぴしゃりと叩いて引き締める。
 途中トイレで身嗜みと髪型を軽く確かめてから、彼の個室の前に立つ。
 高鳴る胸を押さえ深呼吸。笑顔を作ってドアを叩く。

「恭介、あたしだけど……」

「どうぞ」

 遠慮がちに尋ねると、答えはすぐに返ってきた。
 ドアを開くと、ベッドに彼が座っていた。真っ白の患者衣を着た灰色の髪の少年。
さやかの幼馴染の少年、上条恭介が笑顔で歓迎してくれた。

「いらっしゃい、さやか」

「ごっめーん、遅くなっちゃった。ひょっとして、これから晩ご飯? 迷惑じゃない?」

「いや、さっき食べたところだよ」

「そっか、よかった」
291: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:27 ID:tOv9yjbAo(2/9) AAS
 そう聞いて、さやかは胸を撫で下ろした。
 食事を手伝えなかったのは残念だが、邪魔にならなかっただけで良しとしよう。
普段は家族の来る時間と被らないようにとか、訪ねる時間にも気を使っているのだが、今日はそんな余裕もなかった。
理由は勿論、魔女と魔法少女、ホラーと魔戒騎士の説明会。そして魔女退治の見学と、その後始末である。

「昨日も結局来れなかったし、今日もだったら悪いからさ」

 さやかは手近なイスに腰掛けながら言った。
 ほぼ毎日見舞いに来ているさやかだったが、昨日は来れず仕舞い、今日は滑り込みと、
恭介を後回しにしているようで、なんとなく気に病んでいた。

「別に毎日のようにお見舞いに来てくれなくてもいいんだよ? さやかだって大変だろ?」

「いいのいいの、来たくて来てるんだから。暇潰しの話し相手くらいにはなるでしょ?
それとも、あたしじゃ不満?」

 少しの謙遜と照れ隠しを込めて探りを入れてみたつもり。彼が自分をどう思っているのか知りたかった。
 少なくとも、さやかは彼に幼馴染以上の感情を抱いている。たぶん、物心ついた頃から、ずっと。
 すると恭介は、にこやかに言い放つのだ。

「暇潰しなんてとんでもない。いつも来てくれてありがとう、凄く嬉しいよ」

 その優しい微笑みに、さやかは頬が熱くなるのを抑えられなかった。
 指で頬を掻きながら、笑って誤魔化す。

「あはは……そうストレートに言われると照れるなぁ」

 恭介の顔を直視できなかった。顔を背けるしかなった。
きっと今、自分の顔はこの上なく赤く染まっているだろうから。
 しかし、喜びに浸っていられたのも束の間。
292: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:29 ID:tOv9yjbAo(3/9) AAS
 直後、さやかは密かに肩を落とした。
 長い付き合い故に知っている。彼は、この手の台詞をごく自然に、しれっと言ってのけるのだ。
 つまり、深い意味はない。

 いつからだろう。そんな言葉に期待してしまうようになったのは。
 その真実に気付いて落胆するようになったのは。
 彼の言葉や仕草に一喜一憂し、その度に馬鹿だと呆れる。
 だが、さやかは慣れているだけあって立ち直りも早かった。軽い溜息ひとつで気分を切り替える。

「あんまり時間もないから手短に。はい、これ。恭介が前に言ってたやつね」

 鞄から一枚のCDを取り出すと、ベッドの上に置いた。クラシックのアルバムである。
本当は他にもあったのだが、昨日は結局買いそびれてしまったので、これ一枚だ。

「うわぁ、ありがとう。これ聴きたかったんだよ」

 喜ぶ恭介をさやかは見ていた。
 湧き上がる気持ちの正体は、自分でもはっきりしない。
ただ、誇らしく微笑ましいような、それでいて悔しくもあり切なくもあるような――清濁混じり合った感情。
 確かなことは、恭介が嬉々としてCDを開く様は、さやかが訪ねてきた時よりも遥かに嬉しそうだった。
 
「じゃあ、帰るね」

 それを悟られまいと、さやかは立ち上がり、早々に帰ろうとするが、

「あ、待ってよ。せっかくだから少しだけ話していかないか?」

 呼び止められて振り向いた顔は微かに笑っていた。
 自分自身、本心では引き止められたかったことを否定できない。
 軽い足取りでイスに座り直す。
293: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:33 ID:tOv9yjbAo(4/9) AAS
「もう、しょうがないな。いいよ、なに?」

「学校とか、最近どうかなって。何か変わったことはあった?」

 変わったこと――そう問われて思い出すのは、何と言っても昨日と今日の出来事。
 信じてきた常識や世界を根底から覆され、自分も関わっていると言われた。
これ以上に変わったことなど、これまでのさやかの人生になかった。

「ん、と……そうだ! 昨日うちのクラスに転校生が来たよ」

「へぇ、どんな人? 男子? 女子?」

 興味を示す恭介に――自分で言っておいて何だが――さやかは渋面を表した。
 さやかにとってほむらは憎き敵であったし、恭介が彼女に興味を示すのも気に食わない。
しかし、本人のいない場所で他人を悪し様に罵る自分を彼はどう思うだろうか。
 さやかは迷った挙句、

「う〜ん……まぁ、女子だよ。運動も勉強もできるし、美人だけど、
あたしはあんまり好きじゃないかな。クールで他人を寄せ付けない感じでさ」

 ふぅん、と恭介は頷き、それ以上の詮索はしなかった。
 彼女にはまだ重大な秘密が隠されているのだが、言えるはずもない。
信じてもらえるとも思えないし、魔法少女としての彼女に興味がなかった。
彼女がどんな魔法少女であろうと、最早ほむらに対する印象は断固として揺るがない。

「それともう一人、ひょんなことから三年の巴マミさんって先輩とも知り合ったんだよ。
すっごい美人で大人っぽい人なんだけど……知ってる?」

「いや、知らないなぁ」

 さやかはマミの評価にも嘘を交えなかった。
 よくよく考えれば、もしこれで恭介がマミに興味を抱いたら。
女として数段格上のマミにさやかは太刀打ちできないのだが――どうにも、それが彼女の生来の性格だった。
294: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:35 ID:tOv9yjbAo(5/9) AAS
「あ、それから――」

 言いかけて、さやかは口を噤んだ。
 朝に目を釘付けにされ、夜に劇的な再会を果たし、最も鮮烈な印象をさやかに焼き付けた男性。
 魔戒騎士、冴島鋼牙。

「それから?」

「それから、え〜っと……何だっけ。忘れちゃった……」

 言えるものなら言いたい。
彼について知っている事実は少ないが、ホラーのこと、黄金騎士のこと、優に一時間は語れそうな気がする。
 だが、そうなれば事情を話さざるを得なくなる。彼は裏の世界の人間、情報の拡散を喜ばないだろう。
 リスクを承知で話してくれた鋼牙を裏切りたくなかった。

「あはは。相変わらずおっちょこちょいだなぁ、さやかは」

「だよね、えへへ……」

 どうやら誤魔化せたらしい。
 乾いた笑いを浮かべ、頭を掻きながら、さやかは改めて思った。
 魔法少女、魔女、ホラー、魔戒騎士――昨夜の出来事はすべて自分の心の中に留めておこうと。

 それから軽く二言三言交わし時計を見ると、そろそろタイムリミットが迫っていた。

「じゃあ、今度こそ帰るね」

「うん、来てくれてありがとう…………さやか?」
295: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:36 ID:tOv9yjbAo(6/9) AAS
 
 恭介が首を傾げた。
 帰ると言ったにも拘らず、さやかがイスから立たないからだ。
 さやかは思い詰めた表情で俯いていたが、やがて意を決して顔を上げた。 

「ねぇ、恭介……もしも、もしもだよ? 願いを何でもひとつだけ叶えられるとしたら、何を願う?」

 何故か、これだけは訊いておきたかった。
 自分の参考にしたかったのもある。
 だが、確かめたかった。彼は今、どんな心持ちでいるのだろうかと。

「何だい、急に?」

「あ〜、いや、今日まどかたちと話しててさ。なんとなく、そんな話題になって」

 曖昧に答えたが、嘘は言ってないからいいだろう。
 まだ首を傾げる恭介だったが、深く追及する気はないようだった。
腕を組んで真剣に考え始める。

「そうだなぁ……」

 恭介は十数秒ほど唸ってから、さやかを見る。
 
「もっともっとヴァイオリンを上手になって、もっと多くの人に聴いてもらうこと、
大勢の人たちを魅了する音楽を演奏することかな。
それでいつか僕だけの最高の音を奏でられたなら……」

 答えた彼の眼は輝きに満ちていた。その光は、さやかの懸念を一瞬にして払拭する。
 彼は、また弾けたら、などと口にしなかった。
 手首から先が動くか動かないかの瀬戸際に立たされているというのに。
少なくとも今は動かせないままだというのに。
296: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:38 ID:tOv9yjbAo(7/9) AAS
 良く言えば前向き、悪く言えば逃避かもしれないが、
さやかは彼が復活の為に必死にリハビリに励んでいると知っている。
 だからこそ、さやかの答えも決まっていた。

「うん……恭介ならきっと出来るよ。あたし、応援してるから」

 さやかは両拳をグッと握って、ありったけの想いを込めて彼女なりに勇気付けたのだが――。

「そんな簡単なものじゃないさ。
最高の音楽がどんなものかなんて僕にもわからないし、
それこそ神か悪魔の力でも借りないと実現できないものかもわからないしね」

 恭介は虚空を見つめ、呟いた。
 さやかの秘めた想いは、完全には伝わらなかったようだ。
落ち込む気持ちもあったが、それよりもある単語が気に掛かった。

「えぇっ、悪魔って……怖いこと言わないでよぉ……」

 悪魔と聞いて真っ先に連想したのは、この二日間に出くわした魔女と魔獣。
 あんなものに恭介が関わるなんて、考えるだけでも嫌だった。比喩だろうとわかっていても。
 昨夜以来、神経過敏になっているのは、さやかも自覚していた。

「はは、実際に契約とかしたんじゃないよ。ただ、芸術や音楽には付き物の逸話ってだけ。
自分を追い詰めて追い詰め尽くした果てに得た極限状態での閃きを天恵って言って、
自分以外の何かの力を借りて出来た気がしただけだと思う」

「だよね……なぁんだ、びっくりするじゃん」
297: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/06/11(月)02:41 ID:tOv9yjbAo(8/9) AAS
 ほっと息をつくさやか。
 不安は、恭介が軽く笑い飛ばしてくれた。そういえば、そんな話は聞いた覚えがあるような。
やはり杞憂に過ぎなかったのだと気を取り直した。

「でも僕にも似たような経験はある。
頑張っても頑張っても弾けなかった曲が何かの拍子に突然弾けたり、とか。
大げさだけど、そんな時は奇跡が起こってる気さえした。だから真実は誰にもわからない。
ひょっとしたら、天使や悪魔を見た人だっているかもしれないね」

「へぇ……恭介にも、そんな経験あるんだ……」

「勿論あるさ。もっとも、僕はそこまで極限に迫ったことはないけれど。
もし仮に、そんなものが見えるとしたら、それは本当に凄絶な精神状態だろうね。
過去、数多の芸術家や音楽家が狂気に取り憑かれ、身を削り、滅ぼしながらも作品を遺した時みたいに」

 たぶん恭介も同じ。彼は音楽しか見ていない。彼を想う自分の気持ちも見えていない。
 だが、それでもいいと、さやかは思っていた。
 自分のものにならなくても、他の誰かのものにならないなら。
 誰より近くにいられるのなら。

 それでもいいと、思おうとしていた。

 音楽を語る時、往々にして彼は多弁になる。
 芸を極めようとする人は、多かれ少なかれ他人と違うものが見えているのかもしれない。
素養も素質もさっぱりなさやかには些か理解し難い感覚ではあったが。

 内容は理解できなくても、さやかは彼の話が好きだった。
 彼の音楽が好きだった。
 彼が好きだから。
 理由は、それだけで充分だった。
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