[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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878: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/11(火)02:50 ID:mzUXsX6Bo(5/10) AAS
 肌を焦がす熱気と、肌を刺す冷気。
 それらが徐々に強まっていくのが、目を閉じても感じられた。
 近付いてくる炎弾と氷弾。 これは獲物を捕らえておくだけの生易しい物ではない。
 さしずめ、炎と氷の牢獄。じわじわと責め殺す為の拷問に等しい。

 にも関わらず、幻の中の男女は、陽の光を浴びながら愛を語らっている。
 二人はあまりにも場違いで、それは却って不気味で異質な印象と、恐怖を杏子に与える。
 こんな幻を見せる意味がわからなかった。

 この幸せに満ちた光景を見ながら死んでいけというのか。
 寄り添う恋人たちを羨みながら、妬みながら。
 こんな、寂しい暗闇の中で。

 或いは、焼かれ、凍らされたとしても、
魔法少女の肉体は杏子を簡単には死なせてくれないかもしれない。
 だからこそ、ホラーは回りくどい方法を取ったのかも。

 だとしたら零が敗れた時、ほど良く仕上がった身体と魂は、
さぞやホラーにとって上等な食事となるのだろう。

 死よりも辛い末路を想像する杏子の心に、仄かな影が差し始める。
 それは夜の闇よりも暗い影。
 魔法少女を魔女に変える、絶望という名の影。
 絶望に誘われそうになる杏子の前には二つの選択肢があった。
879: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/11(火)02:53 ID:mzUXsX6Bo(6/10) AAS
 ひとつは諦観。
 どうせ友達も、恋人も、家族もいない。学校も、帰る家もない。
 夢もなければ、生に執着する理由がない。
 すべて諦め、奪われる前に自ら捨てることで絶望を回避し、人として死ぬ。

 ひとつは懇願。
 独力でどうにもならない今、頼れるとしたら一人だけ。
 あの光の騎士に、銀の狼に――涼邑零に一言「助けて」と叫べば、彼はきっと救ってくれる。
 二週間にも満たない付き合いの杏子だが、好き嫌いは別として零はそういう人間だと思っていた。
 そして、あの騎士には、無条件でそう信じさせる何かがあった。

 重い目蓋に力を込めて、ゆっくりと目を開く。
現実の景色と並行して、視界の端では幻が躍っている。
 奇妙な感覚だった。

 ゼロは双剣で両腕と打ち合っていたが、どちらが優勢かまではわからなかった。
 ただ、時折こちらを気にしているのは確かだった。

――助けてくれ。

 その言葉が喉元まで出かかって――杏子は飲み込んだ。

――いいや! ダメだ!
  
 歯を食い縛り、首を振り、闘争心を揺り起こす。
 日々を生きているだけの杏子にある、現状では最大とも言える執着であり目的。
 涼邑零に勝ち、彼を超えること。
 なのに助けを乞うなんて、敗北宣言に等しい。自分から無理だと認めているのと同じだ。
880: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/11(火)02:56 ID:mzUXsX6Bo(7/10) AAS
 それだけは我慢ならなかった。
 一方的な希望に縋るつもりも、屈するつもりもない。そして絶望も御免だ。
 こんな幸せな幻にも心惹かれたりするものか。

――あんたの力は……借りない!

 声にならない言葉を、瞳に込めて伝える。
 届いたどうかは、どうでもいい。
 その意地を嘘にしない為にも、やるべきことがあるのだから。

 なんとか立ち上がった杏子だったが、無重力の空間に放り出されたような錯覚に陥った。
 敵はおろか、立っている床さえも認識が難しい。柄を支えにしてもなお、足元が覚束なかった。
 こんな状態では攻撃どころか防御も不可能。
 たった一瞬でもいい。敵を捉えるには、強い刺激が必要だと考えた。
 
 杏子は意を決して、刃を下に向けて槍を持つ。  
 振り下ろす先は、杏子が唯一認識できる対象。

 己の身体。
881: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/11(火)03:00 ID:mzUXsX6Bo(8/10) AAS
「――っ!! っく……っっ……っぁ!!」

 太股に槍が突き刺さる。
 動脈を避けたとはいえ、鮮血が刃を伝って床に染みを広げる。
 気を失いそうな激痛が、脳天まで駆けき抜ける。すべての感覚が痛みで塗り潰される。

 だが、そうでなくては意味がない。
 強い痛みを受けた時、よく星が飛ぶとか火花が散ると言うが、
実際に目の前で光がチカチカ明滅している。お陰で幻も気にならない。

 耳に入る音楽も、まったく聞こえない。
聞こえるのは、うるさいくらいに速くなっている心臓の鼓動。
それすらも、聞いているというより感じている。

 最初の鋭い痛みが過ぎた後、重く靄がかかっていた頭が、不思議とクリアになるのを感じた。
 この程度の怪我なら幾度となく経験している。まして自ら覚悟して作った傷だ。
 それで身体の自由を取り戻せるなら安い代償。

 杏子の行動は早かった。
 モロクはゼロを抑えるのに手一杯で、背後で立ち上がる杏子に気付いていない。
 痛みで誤魔化せるのも精々が数秒。

 片手で胸のソウルジェムを握り締め、片手で槍を振り被る。
 手に魔力を滾らせ、赤く血に染まった足を踏み込み――。

「はぁああああああ!!」

 投擲。
 一回り大きくなった槍は赤い光を纏い、矢の如く飛ぶ。
 槍は無防備なモロクの背中を貫き、穂先と柄の半分が胸から突き出た。
882: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/11(火)03:04 ID:mzUXsX6Bo(9/10) AAS
――やっ……た……!? 

 投げたままの姿勢で杏子は固まっていた。
 が、すぐにその表情が驚愕に歪む。
 キリキリとぎこちない動きでホラーが振り向いたのだ。
 
 威力より速攻を優先したとはいえ、手応えはあった。
 相手が魔女であっても必殺の一撃だったはずだ。

 頭の中が疑問符で埋め尽くされる。 
 昨日の、ホラーは殺せないという、零の言葉が現実味を帯びて思い出される。
 まだ闘志は萎えていない。反撃の意志は手折られてはいないのに。

 杏子は膝をつき、項垂れた。

 またもヴァイオリンの旋律が響く。
 手放した槍を再生成しても、それを振るえはしなかった。
杖代わりにして、なんとか崩れないように保つのが限界だった。

 今の杏子は、非常に不安定な状態にあった。
 さしずめ闇に張られた一本の綱の上にいるようなもの。
落ちこそしなかったものの、大きく揺れ、バランスを崩した。
 
 その原因は、ホラーに止めを刺せなかったからではない。
 再び眼に幻が映る。
 いつの間にか時は流れ、恋人たちにも変化が訪れていた。

 安らぎを否定し、幸せに背を向けた杏子。 
 しかし幻の第二幕は、前にも増して彼女の心を乱し、
絶望に誘うには充分な内容だった。
883: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/11(火)03:09 ID:mzUXsX6Bo(10/10) AAS
ここまで
続きは近日中で、もうすぐモロク戦も終わり

今回のは自分なりにガロの周囲をぐるぐる回る弾を解釈してみただけで、正しいかどうかはわかりませんが
たぶん火炎弾と氷弾で閉じ込めるだけじゃなく、あのピアノの音と回想にも
動きを封じる効果があったんじゃないかな、というか、効果があってこそのピアノではないかと
しかし鎧を着ているガロにはあまり効かず破れたのでは、なんて想像しました
うまくイメージが伝わるか自信はありませんが
884: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/11(火)05:04 ID:Lgbv5JXAO携(1) AAS
乙乙乙!

うぬぬ、やはりモロクには容易に近づけぬか。気をつけい杏子!彼奴はおぬしを囮にする気じゃ!(魔導輪風に)
885: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/11(火)13:35 ID:Q97KtI5SO携(1) AAS

今回は一話との対比になってるのかな
鋼牙とマミさや、零と杏子
その理由も太ももの傷とかも色々
886: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/11(火)19:45 ID:TQVBo7Si0(1) AAS
闇乙邪剣!

あのピアノの音はただの演出だと思ってましたが(アスモディのピロロロロンッ♪も)
こういう風に掘り下げるとモロクでもかなり強そうに見えますねww
回想もこうやって演出として昇華させると
まどマギとのシンクロ効果も働いてよい感じになりますね。

それはそうとバイオリンを使う魔女って杏子ちゃん・・・。
まさか前の時間軸のオクタヴィアのことを・・・。

というか杏子ちゃん幻覚戦法で一杯食わされるとはなんたる不覚・・・ww

>884
翼「邪美、ゴルバが見当たらん。何か知らないか?」
887: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/13(木)02:39 ID:6mBi425AO携(1) AAS
ここでオクタヴィアのテーマ「Symposium magarum(魔女たちの饗宴)」か!?
888: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/16(日)23:32 ID:hD1gZz9F0(1) AAS
牙狼2期こと、MAKAISENKIの連続放送がニコニコ動画で決定だよ!→ 外部リンク:live.nicovideo.jp

・・・あれ、白夜の魔獣は?RED REQUIEMは?
特に前者。これ無いと配信しか見てない人にとっちゃ、「あれ、邪美って・・・」になること確実だろうがw
889: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/17(月)00:34 ID:U9nwL8vZo(1) AAS
EDブツ切りパチ宣伝やるサイトはNG
890: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/12/17(月)02:36 ID:mzEinvu6o(1) AAS
投下の方は明日にはなんとか
昨日の生放送で知りましたが二期もやるんですね
どうせなら白夜とRRもやってほしいですが
紅蓮の森とグラウ竜は出したいと思っているので、生命はいろいろ参考になりました
891: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/17(月)07:19 ID:AviLEoH50(1) AAS
そんな事言い出したらいきなり二期から配信したのがそもそもn(暗黒斬

まぁ三百円でなんとかなるんだからちゃんと予習しときなさいってことでしょう。

鎧の召還もできないとか言っておきながら二期では普通に(ry
892: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/18(火)03:25 ID:r6v7avV+o(1/5) AAS


 鎧を召喚し、銀牙騎士ゼロとなった零は、

「サンキュー、あんこちゃん。ここからは俺に任せてくれていいぜ」

 と、杏子をねぎらう。
 当の彼女と言えば、ゼロの姿に驚いたのか、呆けている。
 ゼロが声を出して、初めて反応するほどに。

「あ……あんた……」

 指を差して震える杏子は二の句が継げずにいるらしい。
 そんな彼女に、ゼロは狼の面の下で僅かに口元を緩めた。
 あの小生意気な少女が自分に圧倒される様は、なかなか愉快。
せっかくだから暫く眺めていたいくらいだ――今が戦闘中でなければ。

 杏子の相手もそこそこに、ゼロは仮面の下の笑みを消す。
 気を引き締め、冷徹な戦士に立ち戻る。
 なにせ鎧を現世に召喚していられる時間は99.9秒。
ボヤボヤしている時間はないが、闇雲に攻めればいいものでもない。

 慎重に一歩を踏み出す。
 直後、ホラーが動いた。
 肩から放たれた炎弾と氷弾が向かう先は、ゼロでなく杏子。
 いつもの彼女なら難なくかわせる攻撃。だが気を抜いた一瞬の虚を突かれ、初動が遅れた。
893: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/18(火)03:32 ID:r6v7avV+o(2/5) AAS
 放たれた瞬間に、これまでと違うことをゼロは察する。
 曲線を描いて飛ぶ二つの弾は、杏子を囲み、円の中に閉じ込めた。
 まんまと杏子が罠に掛かった事実に、ゼロにも少なからず動揺が走る。

 人前での鎧の召喚を禁じる掟があるが、まさかこんな形で重要性を実感するとは思わなかった。
 しかも、ただの炎弾と氷弾かと思いきや、耳を塞いで膝をつく杏子。
 苦悶の表情で身をよじる。どうやら、彼女にしか聞こえていない音に苦しめられているらしかった。

「ちっ……あんこちゃん! ちょっと待ってろよ!」

 反応はない。声も届いていないようだった。
 急ぎ駆け寄ろうとするゼロの行く手を、分離した両腕が阻む。
 背後の敵は排除したものの、後がないモロクは持てる全力でゼロに抗った。

 モロクの反撃は熾烈を極めた。
 ゼロも高速で双剣を振るうが、十合、二十合と斬り結ぶも、突破には至らない。
 
 こいつは手こずりそうだ。
 ゼロは打ち合いながらも、冷静に状況を分析する。
 だが同時に、こうも思っていた。

 勝てない相手ではない。 
 99.9秒の制限時間内には押し切れる。
 今度は余裕でも慢心でもない。ただ自信と予感があった。

 それよりも危ないのは杏子だ。急がなければ彼女は持たない。
 どんな干渉を受けているのか知らないが、
少なくとも彼女の周囲を飛び回る炎と氷の塊は徐々に接近している。
894: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/18(火)03:35 ID:r6v7avV+o(3/5) AAS
 目の前の怪物から気を逸らさず、
それでいて杏子にも注意して戦いを続けること数秒――。
  
 杏子と視線がぶつかった。
 目を閉じ、俯いていたはずの杏子が顔を上げていた。
 言葉はない。声を発する余裕もなかったのだろう。
 しかし、意思だけは確かに伝わってきた。

 何よりも、その眼。
 力強く、まだ諦めていない。まだ戦意は挫けていない。
 杏子の瞳は雄弁に物語っていた。

 あんたの力は借りない――と。

 何者にも屈すまいと、強くあらんとする瞳。
 そこに宿す光を零は知っている。

 だが零の友であり、超えたいと憧れる目標でもある、一人の男。
彼の持つ静かだが逞しく、気高い眼とは違う。
 何かに飢えているかのようにギラギラしている。そして荒々しく攻撃的で余裕がない。
 彼が狼だとするなら、杏子は野良犬といったところか。
895: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/18(火)03:40 ID:r6v7avV+o(4/5) AAS
 つい昨日、彼女を挑発するのに使った台詞だが、
零は決して杏子を侮ったり見下して言ったのではない。
 むしろ、好感すら抱いていた。
 その野良犬のような眼光こそ、彼女に興味を持った理由なのだから。

 それは若さゆえ、未熟さゆえの光。
 また、彼女自身の境遇のせいもあるのだろう。
 どこか懐かしいのは、かつて同じ眼をしていた少年を知っているからか。

 とある老いた魔戒騎士に拾われた少年がそう。
 修行を始めた頃、完膚なきまでに叩きのめされ、数えきれないほど地を這わされた日々。
 少年は師を睨みつけ、敵わないとわかっていても、何度でも立ち上がった。

 愛する義父と愛する女性を同時に奪われた夜。
 周りも見えないくらいに怒りの炎を燃やし、この手で仇を討つと誓った。
 時には義父、時には仇敵、時には戦友。思えば彼は常に自分より強者に挑んでいた。

 虚勢を張って、無理をして。
 それでも、独り意地を貫こうとする姿。
 懐かしく思うのは丸くなった証だろうか、と軽く自嘲する。
 そして杏子は宣言通りに、弱々しくも自らの力のみで立ち上がった。
 
――さぁて。そっからどうする気だ、あんこちゃん? 
896: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/18(火)03:42 ID:r6v7avV+o(5/5) AAS
もうちょっといきたかったですがここまで
続きは明日か明後日
897: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/18(火)12:09 ID:lhvbQYnAO携(1) AAS
はやく♪はやく♪♪
898: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:05 ID:P2uWvMw9o(1/6) AAS
 双剣がモロクの両腕と激突、火花を散らす。
 ゼロは杏子を横目で気にしながらも、もう心配はしていなかった。
彼女を助け出す確かな手立てがあった訳でも、逆転の秘策に気付いてもいない。

 杏子が力及ばず死ぬ可能性は、依然として高い。
 だとしても心配しないのは、それを彼女が望んでいるから。
 単純でドライな理由だが、彼なりの敬意でもあった。

 杏子が自分の太股に槍を突き刺しても。
 血を流し、痛みに悶えても、それは変わらない。
なんら動じることなく、己の務めを果たす。
 魔戒騎士の務め。ホラーを狩り、人を守る。それこそが魔戒騎士の誇り。
  
 掟には拘泥しないが、誇りは守る。
 騙そうが賺そうが、ホラーは倒す。
 では、少女をホラーとの戦いに巻き込むのが騎士の在り方かと問われると――。

――ま、そこはそれってことで。

 杏子を呼んだのは、彼女が庇護の対象ではなく、荒削りだが一人前の戦士だと認めたから。
 昨日から考えてはいたのだ。果たして護り、遠ざけるだけが彼女らの為だろうかと。
どうせ無関係ではいられないのに。
 杏子にしろマミにしろ、守られるだけのお姫様を望みはしないだろう。

 今宵、零はホラーの作戦を見抜けず、危うく追い詰められかけた。
しかし見誤っていたのは、ホラーの知恵だけではなかった。
 魔法少女を。もっと言えば佐倉杏子という少女を、心のどこかで軽んじていた。
899: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:08 ID:P2uWvMw9o(2/6) AAS
 今、槍を振り被って放たんとする姿は、さながら戦乙女。
 雄々しくも美しい。
 小娘だと侮っていると、こちらに槍が飛んでくる。

 防御を固めて、ゼロの救出ないしホラーの撃破を待つのが賢い判断。
 しかし、彼女は逃げを選ばなかった。
 あくまで独りで勝つことを選んだ。ある意味では愚かな選択とも言えるだろう。
 
 意地か、それとも誰かに頼ることを考えもしないのか。
 どちらにせよ、これが独りだったなら防御は無意味だ。
杏子がするように、起死回生の一撃に賭けるしかない。
 
 そもそも二人は未だパートナーでもない。利用し合うだけの関係。
信用できないからと頼らないのは、それはそれで当然の選択と言える。
 にしたって無茶が過ぎるというものだが、
そんな彼女の向こう見ずというか、なんというか――ひねくれた部分も含め、面白いと思っていた。

――なら、俺も任せっぱなしじゃ格好がつかねぇな……!

「はぁああああああ!!」

 杏子が豪快な雄叫びを上げるのに合わせ、静かに、素早く銀狼剣が閃く。
 目的は杏子の決死の投擲を通し、一気に勝負を決めること。
 対等の立場と認めるからこそ無様な姿は見せられないし、その覚悟をふいにさせられない。
もとよりホラーの浄化は魔戒騎士の使命。
900: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:12 ID:P2uWvMw9o(3/6) AAS
 手のひらを魔戒剣が貫いたように、柔らかい部分は刃も通る。
 モロクは弱点を避け、器用に双剣をさばいていたのだが。
 打ち合っているうちにゼロは既に癖を見抜き、後は機を見て対応するだけだった。
 そして今が、そのチャンス。

 切先が触れるか触れないかの刹那。
 軌道を変えた双剣は、同時に左右の指の股を切り裂き――。
 四つに割れた腕が床に落ちた。

 杏子の動きを遅れて察したモロクは、前後に気を配る必要に迫られた。
 逃げるべきか、守るべきか、それとも反撃か。
 だが、どこに? どちらを?
 思考はパンク状態に追い込まれただろう。一瞬の選択が生死を分ける。
ふたつの腕を使い分ければ、不可能ではなかったかもしれない。

 そこへ襲い来る衝撃。繋がっていない腕から伝わる激痛。
 両腕を失い、とうとうモロクは選択できず、動くこともできなかった。
 直後。
 
 モロクの胸部から槍が突き出す。

 確実に致命傷。
 誰が見ても同じ感想を抱くだろう。
 しかし、モロクは立っていた。

 胸を貫いた槍を抜きもせず、ゆっくりと振り向く。
 息も絶え絶え、発条の切れた人形のように。
 崩れ落ちる杏子に、憎悪に染まった視線を向けるモロクは、
もうひとりの敵を存在ごと忘れ去っているかのようだった。 
901
(1): ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:16 ID:P2uWvMw9o(4/6) AAS
 ゼロは冷静に両者を眺めている。
 ただ一人、彼だけはこうなることを予測していた。
 昨日、杏子と話した実験。魔法少女の力がホラーに通用するかどうか。

 結果としては、まずまずだった。
 充分なダメージは与えられるが、やはり封印には至らないか。
 まだ判断するには早計だが、経過を観察する余裕などあるはずがなかった。

 ゼロは直ちに、その場で跳躍。
ムーンサルトでモロクの頭を跳び越しつつ、頭上で双剣の柄尻を組み合わせる。
 銀狼剣は繋がり、ひとつの剣に――銀牙銀狼剣になった。

 剣は銀の光を帯び、ゼロ自身も月光を浴びて鎧を白銀に煌めかせる。
 ゼロは着地を待つことなく、頭上から破邪の刃を振り下ろす。

「っりゃぁああああああ!!」

 一刀両断。

 モロクの額から股に掛けて線が走り、切れ目から光が溢れる。
刺さった槍ごと、モロクの肉体が崩壊していく。
 残滓のような淡い燐光も解けてゆき、じきに完全に消滅した。

 浄化を確認したゼロは精神を集中。
 すると身体を覆っていた鎧は、零から抜けるように何処かへ消えた。
 鎧を魔界へ送還した零は、大きく長い息を吐く。

『今回、ちょっと危なかったわね』

「まぁね。たまにはこういうこともあるさ」
902
(1): ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:18 ID:P2uWvMw9o(5/6) AAS
「さてと……終わったぜ、あんこちゃん」

 静寂を取り戻した廃ビル内に残ったのは、零を除いて一人。
 協力者にして今回の功労者、もしかすると二戦目の対戦者になる少女。
 今夜は流石に疲れたし、杏子も負傷しているのだから再戦は避けたいところだが、どうなるやら。
 とりあえず感謝を伝え、休戦を申し込むべく振り返り、

「……あんこちゃん?」

 異変に気付く。
 杏子は先ほどと変わらず膝をつき、顔を伏せたままだった。
 ホラーから解放されてなお、彼女が静かな時点でおかしかったのだ。

「おい! どうした!?」

 両肩を掴んで揺さ振っても返事はない。
 持ち前の生意気さも、猛々しさも、完全に沈黙している。
 顔を上げさせても、曇った瞳に涙を滲ませ、虚空を見つめるばかり。

 零はハッと息を呑む。
 そこにいたのは自分の力だけを頼りに生きるしたたかな野良犬ではなく、
まるで冷たい雨に濡れて途方に暮れている捨て犬のようだった。
903: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:19 ID:P2uWvMw9o(6/6) AAS
ここまで
次はたぶん日曜日
長くなりましたが、もうすぐ一区切り
モロク戦はいろいろと迷ったり、反省の多いパートでした
904: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/20(木)04:17 ID:7iM0/wdAO携(1) AAS
オーオオオー♪オーオーオー♪オーオオオー♪オーオーオーオー♪あんこぉ〜♪ANKO★
905: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/22(土)00:00 ID:5fSCQJE0o(1) AAS
コピペミスがありました
>>901>>902の間に



 久しぶり――と言っても、数分と経っていないのだが――に声を発したシルヴァに、
零は事もなげに答えた。
 手練の騎士が思わぬ不覚で格下のホラーに敗れるのが事実なれば、
歴戦の騎士がそう簡単には倒されないのも、また事実。

 心滅獣身のガロ、ガルム、キバ、レギュレイス。
 数々の幸運と鋼牙に助けられた分も大きいが、零とて伊達に生き残ってきていない。
 銀牙騎士の称号を継いではいない。
 この程度の逆境、幾度となく潜り抜けてきた。



といった文が入ります
なくても通じますが一応
906
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/22(土)00:53 ID:jHqQxNDf0(1) AAS
あれ?銀牙騎士絶狼って零が初代じゃないの?
907: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/22(土)05:58 ID:Akw7GqkAO携(1) AAS
>>906
あれ?零のお師匠さんも若い頃は二刀流でぶいぶいいわしてたんだと思ってた。

あの鶴みたいなお爺ちゃんが絶狼の鎧を召喚とか胸熱。
908: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/22(土)08:42 ID:zh79TZjp0(1) AAS
バラゴ様の「そこの無名の魔戒騎士・・・」という台詞から勘違いしているひとは多いが、零は銀牙騎士絶狼の後継者であって初代ではないです。

小説版では現にシルヴァに命を与えて仮死状態の道寺(零の養父で先代の銀牙騎士絶狼)が登場している。

おそらく、バラゴに道寺と静香を殺されたときに自分の本名「銀牙」とともに騎士の系譜からも名前を消したものと思われます
909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/23(日)01:04 ID:Gg0cqMnR0(1) AAS
騎士の系譜に名前がないってあったから先代居ないと思ってた……
道寺さんも銀牙騎士絶狼なら途絶えたはずの系譜とか言うかなぁと思ったが
実際は
銀牙騎士絶狼(道寺)―風雲騎士波怒
          └銀牙騎士絶狼(零)
なのか
910
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/23(日)13:22 ID:DSuT39aQ0(1) AAS
白夜騎士は血統による継承ではない(翼の両親は両方とも魔戒法師)から系譜によって違うみたい。

完全にイレギュラーなのは妖赤の罠の灼熱騎士ヤイバ。もともと五道アキラはサーカス団に拾われた孤児であり魔戒騎士の家でもなければ、修練所にいたわけでもない。
911: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/12/24(月)02:07 ID:IJBv/Tavo(1) AAS
ちょっと体調を崩してしまい、もう少し……
生放送は最終回のCパートを削られたのが何気に残念でした
912: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/24(月)10:26 ID:GMCTKt9AO携(1) AAS
お大事に。

でも刮目して投下を待ち続ける!目ん玉乾いた……
913: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/24(月)14:51 ID:8eXhU/xYo(1) AAS
>>910
小説読んでないけど
孤児だが実は魔戒騎士の家の生まれでしたとか言う
どこぞのジャンプ漫画みたいなオチではないん?
914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/24(月)15:43 ID:SXOhDN+v0(1) AAS
>913

それなんてリン(北斗の拳)?
915: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/29(土)00:58 ID:eR33kitAO携(1) AAS
>>1は体調どうかな?
一区切りつかないと年が明かないよ〜☆

ゼロあんはよいものだ。
916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/29(土)18:29 ID:F6asRM0E0(1) AAS
鋼牙「ゴンザ、リバートラの刻を。」
ゴンザ「かしこまりました。≫1様、ささ、これをお飲みください。」
917: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/12/30(日)02:34 ID:OTr2Izzro(1) AAS
間が開いてすみません
年末はいろいろ大変で、おまけに大事なところで思うように書けないでいます
ですが年内中に一度は必ず投下したいと思います
918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)11:18 ID:lucgo8kyo(1) AAS
てことは今夜くらいかしら

でもあんまし無理はしないでね
919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)12:26 ID:aXo0dUpjo(1) AAS
(グレゴリオ暦で年内とは言ってない)
920: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)17:59 ID:MhUklWxK0(1) AAS
『旧魔界暦の可能性もあるぜ』
921: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:48 ID:kS6KKwzDo(1/5) AAS


 一人の女がいた。
 女には恋心を寄せる男がいて、男も女の想いに応えた。
 仲が危うくなることも多々あったが、二人はそれすら糧にして愛を育んだ。
ひとつ荒波を乗り越えるたび、互いの絆は強固になったと信じられた。
 
 彼はヴァイオリニストで、将来を嘱望されていた。
 道半ばで限界を感じて挫折した女は、彼の才能を信じ、夢を託した。

 せめて自分は支えになろうと、献身的に尽くす女。
 期待を背負い、才能を開花させていく男。
 二人は幸せだった。
 
 しかし、幸せ過ぎた時間は唐突に対価を求める。
 幸せは長く続かない。月並みな台詞だが、優しく緩やかな時間は何の前触れもなく終わりを告げる。
それも考え得る最悪の形で。
 
 ある時、男が事故に遭った。
命に別状はなかったが、ヴァイオリニストの命である手――左手の感覚が失われた。

 互いに依存し合う関係は、一方が崩れると共に大きく揺らぐ。
 それでも女は男を懸命に彼を励ましたが、必死のリハビリの甲斐なく、
左手は永遠に戻らないのだと医師に告げられ、男は絶望した。

 そして遂に、その日が訪れる。
 夕方、街外れに佇む廃ビル。その屋上、フェンスの外側に男は立っていた。 
 冬の寒風に晒されながらも微動だにせず、諦めきった寂しげな瞳で遠くの空を見つめる。
落ちかける夕陽が妙に眩しくて、男の頬を一筋の涙が伝う。
922: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:50 ID:kS6KKwzDo(2/5) AAS
 何分くらい、そうしていただろう。
 靴を脱ぎ揃え、いよいよ死への一歩を踏み出そうとした、その時。
 屋上のドアが勢いよく開かれた。

 現れたのは女。
 フェンスを挟んで、涙ながらに説得を始める。
 だが、男は拒んだ。それどころか女を激しくなじった。
 
 お前が好きだったのは俺の才能だろう、と。
 自分が諦めた夢を押し付けるな、と。
 俺はお前の代理でも夢の道具でもない、と。

 そんなふうに思われていたことは内心ショックだったが、女は怯まなかった。
 彼は正常な精神状態ではない。
 だから、すべてが本心だとは思えない。いや、思いたくなかった。

 押し問答が続いて数分。
 このままでは埒が明かないと、女もフェンスを乗り越えた。
 一歩進めば墜落死は間違いなしの狭い足場。強風も相まって、足の震えが止まらない。
 そんな場所でも、女は呼びかけ続けた。

 もう一度、抱き合えば心がわかると思った。
 想いは伝わると思った。
 これまで、ずっとそうだったから。きっと、今度もそうに違いないと。

 男は女を突き放した。
 だが、それは彼女の為というより、静かに迎える最期の時を邪魔されたくない感情が強い。
 すれ違う気持ちに打ちのめされ、女も平静さを失っていく。
923: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:51 ID:kS6KKwzDo(3/5) AAS
 
 感情を爆発させた女は抵抗にも構わず、必死に、半狂乱の勢いで男に迫る。
 縋る女と、拒む男。
 二人は不安定なビルの外縁で揉み合い――。

 不意に、女の両手が男を押した。
 踏ん張りが利かず、男はぐらりと揺れ、そして。 
 後退ったそこには、何もない。

 男の身体が空中に投げだされた瞬間、時間が止まった。
 いや、止まっていたのは時間ではなく、女のすべて。
 ただただ、景色だけがスローモーションで流れていく。

 視線が交差する。
 その目は驚愕に歪んでいた。
 何が起こったのか理解できていないのは、彼も同じ。
しかし、ほんの一瞬、理解が追い付いた彼の瞳に浮かんだ感情。
 
 烈しい怒り。
 絶望と諦めを凌駕する怒気は、男の最後の尊厳すら奪ってしまったからなのか。
 言い訳も謝罪も許さず、男は女の前から消え去った。
 永遠に――。
924: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:53 ID:kS6KKwzDo(4/5) AAS
 男は女の希望そのもの。
 その希望が今、自身の手で、音を立てて壊れた。
 想像よりもずっと小さく呆気ない落下音。それだけに現実味を伴って耳に響く。

 下を覗く勇気もなく、金網を握り締めて放心していた女だったが、
やがて曖昧な足取りで左右に揺れながら一階に下りる。

 自分の目で確かめるまで信じない。
 もしかしたら、もしかしたら、まだ息があるかもしれない。
いや、男が事故に遭った日からすべてが悪い夢だったのかも。

 甘い期待は、玄関を抜けた瞬間に砕け散った。
 そこに転がっていたのは、物言わぬ姿になり果てた男。
血溜まりに横たわる恋人に、女は掛ける言葉を持たなかった。
 
 抱き起そうと後頭部に触れると、ぬるりとした感触。
 手にはめた白い手袋が、見る見るうちに赤く染まっていく。

 ようやく実感した。
 愛する者は死んだ。
 自分が殺したのだと。
 
 女は跪き、声にならない嗚咽を漏らした。
噛み殺した慟哭は低く、獣染みた唸り声にも感じられる。
 女は悲しむ以上に、恐れていた。

 男がいなくなったことを。
 その手に掛けてしまった事実を。
 そして、自身のこれからを。
925: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:55 ID:kS6KKwzDo(5/5) AAS
 男が死んで、夢も希望も消えてなくなった。
 けれど、自分には後を追う資格すらない。
もしも死後の世界なんてものがあるとして、そこで彼に会ってしまったら――などと考えたりもした。

 こんな世界に意味はない。世界は終わったも同然だった。
 でも現実は違う。誰が死のうと世界は回る。
また明日は来る。愛した男のいない、暗く、重く、辛いだけの明日が。

 そこで、彼を殺した自分に課せられる役割は何か。
単に社会的な裁きだけでなく、自分を取り巻く世界はどう変わるのか。
 想像した女は、辛うじて嘔吐を堪えた。
 声を張り上げて泣き叫ばなかったのも、その恐れに起因していた。
 
 数分後、幽鬼のような表情を浮かべた女は行動を始めた。
無我夢中で、それでも手だけは別の生き物のように丁寧に。

 自分が、その場にいた痕跡を消していた。

 頭の中で冷静さを保ったままでいる意識の一部が急き立てる。
 日没までに済まさなければ。
 内なる声に従って、女は動く。証拠の隠滅が困難でない間に手早く。
926: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/01(火)01:35 ID:z0lL6wd5o(1/2) AAS


 幸い周囲に人の姿はなく、目撃される心配はなかった。
 
 しかし、女と死体となった男以外に、ずっと一部始終を眺めていた者がいる。 
 そこにいるのに、そこにいない観測者。
 舞台と客席のように、隔たれた関係。
 
 問えるものなら問いたかったが、感覚だけが切り離された状態では干渉できない。
故に、考えるしかなかった。
 女は、どの時点で壊れたのだろうか、と。

 最も大きいと考えられるのは、男を突き落とした瞬間だろう。
 もっと前、男が事故に遭った時からかもしれない。
 それとも、説得を拒絶された時?
 或いは――罪と恐怖から逃れようとする浅ましい自分自身に失望したからか。
 
 男の死に際の眼差しが脳裏に焼きついて離れない。
 その場にいない観劇者は、これまで光景を俯瞰的に観ていたが、この時は別だった。
映画のカメラのように視点が動き、女と重なった。
 女が味わった恐怖を、絶望を、より強烈に、効果的に、彼女に刻み込むかのように。
 

927: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/01(火)01:36 ID:z0lL6wd5o(2/2) AAS
短いですが、ここまで
正月中にもう少し進めたいと思います
本当はクリスマスに投下する予定でしたが、遅くなりました
しかし年を跨いで、何故こんな鬱な話を書いてるのか
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あと 75 レスあります
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