トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 (42レス)
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1: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00(1/42) AAS
情報を引き出すために拷問した相手から「お前らを○しにゴルゴがやってくるぞ」と教えられる、第69話『動作・24分の4』みたいなことになったら怖いかな〜って思って勝手にSSにしました。
キャラに似合ってないしゃべりかたとか原作との不整合な点とかルール違反とかあったらすいません。許して。

姫様「話します、話します」

今日も今日とて碌に抗うことなく姫様はご馳走責め・・・ 拷問に屈することに決めた。
トーチャーさんがいつもと同じように満足げに微笑む。エクスは日常通りにぼやく。
きちんと食事は3食与えられているというのに別腹はどれだけ底なしなのだろう。

エクス「あ〜あ〜あ、またですか。いっそのこと知ってる秘密全部紙に書いて提出すりゃどうです? 魔族の皆さんも手間が省けるでしょ?」

姫様 「そうがっかりするなエクス・・・ 話すのは止めだ。私は今、私の勝利を確信したぞ。残念だったな貴様、お前たちの悪運は尽きたようだ」

トーチャー「ほう、見事な自信ですね。揚げたてのドーナッツの誘惑を退ける精神力が残っていたとは」

姫様 「私の勝利はゆるぎないぞ。なぜなら・・・ 知っている秘密はもう全部話しちゃったからさ!」

エクス「お、おう」

妙に強気だと思ったらそういうことかとエクスは脱力した。いや用済みとして王国に追放されるのではなかろうか。
それなら喜ぶ事態だろうかと現実逃避にいそしむ。とにかくこれ以上恥をさらすことだけはなさそうだ。

トーチャー「それではこれは片づけるしかなさそうですね。ダターマ、負けを認めて向こうで一緒に食べましょう」

姫様 「待ってください。何か思い出します。どうか待ってください。」

なんだ、まだまだ続くのか。まあ追放されたら食い意地に負けて秘密を洩らした売国奴としてどんな目に合うかわからんからな。
そいつの持ち物・仲間として自分だってどうなるか。それならこのままのが良いのかもな。

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18: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:30:53.68 ID:NAWvVgn00(18/42) AAS
パート8 魔王城襲撃さる

ーーー 魔王城 会議室

トーチャー 「ご報告いたします。残念なことに現在のところゴルゴ13の発見に至っておりません」

トーチャー 「例のそっくりさんも陽動作戦の可能性がありますが、拷問しても有益な情報は得られず解放しました」

トーチャー 「本人は何も知らなかったようです」

ジャイアント 「こっちもよく似たやつを捕らえましたが別人のようですので解放しましたよ」

ジャイアント 「黒猫のロンとか名乗る自称○し屋(作・小池一夫、画・やまさき拓味「ラブZ」)でしたがギャグ顔になるので別人で間違いないです」

モリス  (あれは拷問ではない。詰問ですらない。しかし拷問とはどういうものか教えてやったらドン引きされて信頼なくなるぞ)

モリス  (魔物のほうが温厚で人間味あふれてるとか調子狂うぜ・・・ っといかんいかん余計なことは考えるな)
19: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:31:52.47 ID:NAWvVgn00(19/42) AAS
魔王様  「無関係の人を捕まえてしまったとは悪いことをしたな。まあ敵の作戦を一つ潰したということか。引き続いて頼むぞ」

魔王様  「敵の作戦を一つ潰したならばワシの警護の兵を娘や妻を守るのに使うべきとも思うのだが・・・?」

モリス  「ご家族を想う気持ちはよくわかるつもりです。本当に温かい家族愛です。しかし御家族は既にシェルターに避難しておられます」

カナッジ 「魔王様が倒れれば軍兵も市民もどうなりますか」

魔王様  「そうか、そう言ってくれるか」

ド ド ド ドカーン! 
20: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:33:35.32 ID:NAWvVgn00(20/42) AAS
ジャイアント 「う!?」

カナッジ  「どこだ?」

モリス ≪A班は爆破地点に向かえ、B班は逆方向だ。C班は持ち場を離れるな! 陽動かもしれん、冷静に対処しろ!≫ ← 無線機

ホリーズ隊員 ≪チーフ、ゴルゴです、A班はゴルゴを発見しました! 北門付近、武装しています、交戦中です!≫

モリス ≪指示を取り消す。B班もそっちへ向かえ。俺も行こう。魔物の兵隊さん達もよろしくお願いします≫

トーチャー 「この部屋はセーフルーム(緊急時に一時的な避難ができる密室のこと。パニックルームともいう)になっています」

トーチャー 「魔王様はここにいてくださいますよう」
21: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:34:14.89 ID:NAWvVgn00(21/42) AAS
ーーー爆破地点付近

ホリーズ隊員「撃て、撃て!」

ドガガガガ ズキュン ズキュン

魔物兵隊 「魔王様のところへ行かせるな〜!」

ゴルゴ  「・・・・」 

ドウン ドウン ドウン

魔物兵隊 「うひゃあ」「危ねえ」

モリス  「おい怪我はないか、撃たれたらさがるんだ」

モリス  「やはりゴルゴ13! お前の狙いは何だ?」

ゴルゴ  「・・・」 

ドウン ドウン
22: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:34:43.53 ID:NAWvVgn00(22/42) AAS
モリス  「ううっ 教えるつもりなどない、か」

モリス  「ならば俺たちの返答はこれしかないな! 撃て!」

ズキュン ズキュン ズキュン ガガガガ ドウン ドウン  ズキュン ドガガガガ

魔物兵隊 「どひゃあ、 に、逃がすな! 捕らえろ!」

ドウン ドウン

魔物兵隊 (うまいぐあいに魔王様の部屋とは別方向に逃げていくじゃないか、まずは一安心かな)

魔物兵隊 (でも逃げられたらどうしよう・・・)

ドウン ドウン  ズキュン ガガガガ ズキュン ズキュン  ドウン ドウン・・・  

【ゴルゴは姿を消した】
23: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:35:14.81 ID:NAWvVgn00(23/42) AAS
パート9 3人+1振り+1人

ーーー 魔王城 地下会議室

カナッジ 「幸いなことに昨日深夜の戦闘で死傷者は出ておりません」

カナッジ 「しかしゴルゴ13を取り逃がしました。再度襲来する恐れもあるかと」

魔王様  「・・・」

トーチャー「既にこの魔王城は安全地帯とは言い難くなっております」

トーチャー「モリスさんの進言を容れるべきというのが私達の総意です」

魔王様  「・・・うん。部下のお前たちやホリーズ・ガードの皆さん方を危険な目に合わせてしまった、ワシの判断ミスだ」

魔王様  「反省しなければいかん。すまなかった。ワシも避難すればゴルゴもどうしようもあるまい」

魔王様  「本音を言えばマオマオちゃんに会いたい。それにやはり妻子の最後の砦を人任せにはできない。父親の仕事だ」

モリス  (家族愛に溢れているなこの魔王)

魔王様  「だがワシがシェルターに入ろうとしたとき、ゴルゴに襲撃されたら・・・ それが恐ろしいのだ・・・ 中には娘も妻もいる」
24: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:36:32.34 ID:NAWvVgn00(24/42) AAS
魔王様  「ついでに人質の姫と聖剣も」

カナッジ 「シェルターは幾重ものゲートで塞がれております。万が一、いえ兆が一、隙をついて魔王様を倒し第一ゲートを突破しても」

カナッジ 「それからどうにかできるものではありません。バンカーバスターや原水爆にも耐え、細菌兵器も通しません。大丈夫です」

魔王様  「クックックッ。わかった。避難計画はエキスパートに任せよう。準備出来次第、避難したい」

モリス  「なるべく早く計画を作成します」

モリス  (魔王の他に目ぼしい奴はいない。仮に狙いが他の奴とすればとうの昔に仕事は終わっているはずだ)

モリス  (シェルターに入るその時が勝負だ!)
25: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:37:06.71 ID:NAWvVgn00(25/42) AAS
パート10 スペシャリストの疑問

爆発現場を魔王軍とホリーズ・ガードが共同で見分している。

マッドカイザー 「城壁が崩れているが、幸い発見が早かったからそこで諦めたのかもな」

マッドカイザー 「魔王様の居場所ともだいぶ離れている。あてずっぽうで仕掛けたのかも知れねえ」

マッドカイザー 「凄腕のヒットマンにしては仕事が雑じゃねえか・・・ ホリーズ・ガードはどう思います?」

ホリーズ隊員 「標的の居場所と離れた場所を爆破したのは、一般的にはそっちに注意を向けるためだろ」

ホリーズ隊員 「しかし今回、ゴルゴは爆発現場付近で俺たちを待ち構えていたような・・・ チーフのご見解を教えて下さい」

モリス  (なんで一幹部がカイザーを名乗るんだよ? スペルが違うのか? まあゴッドのほうが上だけどよ)

モリス  「今思い出したが、奴は拳銃しか使っていない。それに誰も○していないんだ」

モリス  「言うなれば騒ぎを起こしただけ。裏工作をした形跡もない」
26: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:37:36.42 ID:NAWvVgn00(26/42) AAS
モリス  「何事も綿密な調査を怠らないゴルゴがそんな穴だらけの仕事を・・・? 俺たちの武装が軽いものだと予測していたのか?」

モリス  (俺は前回ゴルゴの偽情報に惑わされ、ガード対象者を避難させた先で撃たれた)

モリス  (だが今回は避難させることこそが目的とは思えん。充分な武器があるなら昨日の時点で使えばいい)

モリス  (どれだけ考えても奴にとって魔王様を避難させたい理由がないのだ!)

モリス  「昨日の襲撃の目的は分からない。しかし充分な武器もなく情報収集も覚束ない状況にあるのかもしれない」

モリス  「奴が何をしたかったか考えても仕方ないな。やはり態勢を整える前に避難してもらおう。まごまごするべきじゃない」
27: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:38:10.75 ID:NAWvVgn00(27/42) AAS
パート11 貨物運搬計画

ーーー 魔王城 地下会議室

モリスはホワイトボードに資料を貼り付け、立案した避難計画を説明している。

モリス 「解説したことをもう一度大まかに言っておこう。装甲車を4台、兵員輸送車を1台使う」

モリス 「1台の装甲車を離れて走らせる。これで周囲の警戒・偵察を行う」

モリス 「その後ろを魔王様を乗せた兵員輸送車でついていく。これを貨物船と呼ぶ。こちらは左右とすぐ後ろを装甲車で囲む」

モリス 「先頭の装甲車は水先案内人だ」

モリス 「万一攻撃されたときには貨物船だけでも逃がす。そのため前は開けておく。連絡は暗号化する無線機でとりあう」

モリス 「まあこんな感じかな」

・←・←・←・←・←・←・←・・装甲車
←← 装甲車(やや距離を取る)兵員輸送車 装甲車
・←・←・←・←・←・←・←・・装甲車
28: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:39:21.81 ID:NAWvVgn00(28/42) AAS
ブルーゼ 「装甲車にはホリーズ隊員に乗ってもらうとして、貨物船には俺も乗り込もう」

ブルーゼ 「いざというときには俺を盾にして魔王様には無事でいてもらわなくてはいけない!」

魔王様  「・・・・ 礼を言わねばならんな、ブルーゼ」

モリス  「・・・・ 続けます。車列の周辺1キロメートル以内は魔王軍とホリーズ・ガードで警戒監視します」

モリス  「ゴルゴを発見したら直ちに全隊に知らせること! それでは準備にかかってください」
29: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:40:05.54 ID:NAWvVgn00(29/42) AAS
パート12 魔王撃たれる

ーーー 兵員輸送車内部

魔王様 「ワシは肩に角が生えている。入り口が狭いのではないかと心配したが、よい輸送車を探してくれた」

魔王様 「ブルーゼのようなデカブツでも難なく乗り込めるとはな。クックック」

ブルーゼ「ひどいなぁ・・・ ジュラルミンの盾も持ってきたんですよ」

モリス (・・・冗談を言えるくらいには精神的な疲労が取れたようだな)

ズッガーン!!!

モリス  ≪何事だ! 何があった、水先案内人、説明しろ!≫ ← 無線機

ホリーズ隊員 ≪こちらは水先案内人です。地雷を踏んだ模様です。タイヤが駄目になって走れません≫← 無線機
30: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:40:50.04 ID:NAWvVgn00(30/42) AAS
ドガーン!!!

ブルーゼ 「ぐあっ こっちもだ! 走れ、逃げろ!」

運転手  「駄目です、タイヤがやられました! 走行不能!」

モリス 「うう、あと少しのところで・・・ シェルターがすぐそこにあるというのに・・・」

モリス (? なぜタイヤが破損する程度に抑えたんだ? 吹き飛ばせる地雷は大きすぎて見つかりやすいと踏んだのか?)

ブウウウ ・・・・ ウウウウウ ブウウウ・・・・・

モリス 「何の音だ、双眼鏡をよこせっ!  ああっ ドローンだ!  隊員は下車しろ、撃ち落とせ撃ち落とせ!」

ズキュン ズキュン ズキュン ズキュン  ズキュン ズキュン ズキュン
31: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:41:22.00 ID:NAWvVgn00(31/42) AAS
モリス (しかし爆弾など積んではいないようだ。囮か? ドローンに気を向けさせようというのか?)

モリス (ならばドローンは無視して一刻も早くシェルターへ避難させねばっ)

モリス  ≪周辺1キロメートル以内にゴルゴはいないな!?≫

ホリーズ隊員 ≪はい、誰も見つけていません!≫

モリス 「魔王様っ、シェルターまで走れますか?」

魔王様 「クックック、見くびるな。ワシは飛べるぞ。」

魔王様 「あの大部隊の見張りを潜り抜けるとは、敵ながら見事なものよ」

ブルーゼ「感心している場合ではありませんっ 俺の陰に隠れて全速力でお願いします! それっ」

魔王様 (マオマオちゃんが成人するまでは○ぬわけにいかぬわ!)スピードフォーム

ビシーンッ!

魔王様 「がぁっ・・・」

ブルーゼ「あ、あ、あー! 魔王様ー!?」

モリス 「とっ 止まらないで! 運べー! ゲートまで魔王様を運べ―!」
32: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:42:53.16 ID:NAWvVgn00(32/42) AAS
パート13 無言の対面

ーーー 地下シェルター内部 研修室

運び込まれた魔王様と魔王軍幹部、ホリーズ・ガードを前にルルン王妃が険しい顔をしている

ルルン王妃 「・・・・」

モリス   「・・・・」

ブルーゼ  「・・・・」

モリス   「・・・・あの」

ルルン王妃 「いいえ、何も言っていただかなくてよろしい」

ルルン王妃 「誰かここへマオマオちゃんを呼んでくるように。そして私達3人だけにして下さい」

ルルン王妃 「今必要なのは3人だけの時間です。同じ部屋に他の人はいて欲しくありません」

ブルーゼが不思議そうな顔をしたマオマオちゃんを連れてきた。それから促されて研修室から出て行った。
マオマオちゃんは何が起こったのかよくわかっていない。喋らない父親と険しい顔の母親を眺めている。
33: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:43:27.78 ID:NAWvVgn00(33/42) AAS
ルルン王妃 「ゴッちゃん、出会ってから今までいろんな事があったよね」

ルルン王妃 「まさかこんな日が来るなんてね。ゴッちゃん、いつも強くてカッコよかったのに」

ルルン王妃 「そのゴッちゃんが喋らなくなっちゃうなんて」

ルルン王妃 「とても怖かったんだね。でももう安心していいよ。ここには3人しかいないから」

魔王様  「クックック・・・ 見せてもらった弾丸は12.7x99mm NATO弾とか言うらしい」

魔王様  「そんなものがツノを掠めおった、震えが止まらぬ」

魔王様  「やっと言葉が出るようになりおったわ」

マオマオちゃん「やったね よく見なけりゃわかんないくらいのちっちゃな傷しかついてないよ」

マオマオちゃん「そんなすっごい弾も避けちゃうなんてスピードフォームはやっぱり凄いね!」

【魔王様は生き延びた】
34: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:47:58.54 ID:NAWvVgn00(34/42) AAS
ーーー別の部屋

姫様  「魔王代理の人も避難してきたね〜 」

エクス 「例え代理に過ぎなくても身代わりにはしない・・・ 魔族の頂点に立つ理由がここにあるのかも知れませんな」
35: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:48:38.48 ID:NAWvVgn00(35/42) AAS
パート14 空港にて

多くの人と魔物が行きかう空港ーーー 国際線乗り場付近

バニラ 「事もあろうに魔王様を狙撃した奴がいる。幸い失敗したが、逃亡するかもしれないからここで見張るんだ」

バニラ 「この事件は魔王軍上級幹部と直近の家来にのみ知らされた秘密だから言いふらさないように」

バニラ 「それじゃあ3手に分かれて監視を開始!」

両親が経営する施設の従業員  (なあ・・・ うちのお嬢様ってそんなに偉い人なの? さすがは上級拷問官だな)

両親が経営する他の施設の従業員 (知らないのかよ。名門中の名門に生まれ二親に鍛え上げられた期待の超新星だぞ)

バニラ 「私はあっちで見張るからあんた達はそっちとこっちね」

従業員s「は〜い頑張ります」

バニラ 「・・・いっちゃった。私も頑張らなきゃ」

バニラ 「こんな人込みだとなかなか見渡せないわよね・・・ あれ?」

バニラ 「・・・ん? ・・・・・・んん!?」
36: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:49:06.83 ID:NAWvVgn00(36/42) AAS
バニラ (げえっ!? よりによって一人の時に見つけてしまった!? ありゃ本物だ〜!! どうしようどうしよう)

バニラ (落ち着け、私はペシュッツ家のエリート魔族だぞ。人間風情を恐れてどうする)

バニラ 「おっ おっ おっ おいお前」

ゴルゴ 「・・・何か用か?」

バニラ 「」← カミソリのような目で睨まれたように感じた

バニラ 「ただいまてろたいさくちゅうです しょーみーゆあぱすぽーと ぷりーず」

バニラ (めっちゃこわい)

ゴルゴ 「これでいいか」 つ[旅券]

バニラ 「あっ あっ ありがとうございました おきをつけて おかえりください」

ゴルゴ 「うん・・・」 
37: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:49:35.61 ID:NAWvVgn00(37/42) AAS
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バニラ (ごるごがとうじょうぐちへあるいていくけど あんなのむりだ めっちゃこわい)

バニラ (しんだとおもうくらいすっごいこわい・・・  すっごい怖い? これって拷問に使えるのでは?)

バニラ 「誰かにできることがペシュッツ家に生まれたこの私にできないはずがない」

バニラ 「ジェットコースターだの手作りケーキだの小細工に走り、他人を心底震え上がらせるという拷問の本質を忘れていたかも」

バニラ 「あの一睨みだ! あの凄味、オーラこそ私が手に入れるべき本質なのだ! 今度の拷問は成功間違いなし、汚名返上の日は近い!」

ーーー後日

バニラ 「拷問の時間だ!」キリッ

姫様  「あれ、なにか決心したの。いつもよりやる気ある顔してるね」

バニラ 「」しょぼ〜ん
38: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:50:17.59 ID:NAWvVgn00(38/42) AAS
パート15 スペシャリストの推測

陽鬼  「ご報告いたします。デューク・東郷らしい人物が出国したとの知らせが空港からありました」

陰鬼  「武器や兵器は何も持ってなかったって」

魔王様 「そうか・・・ ならばもう脅えることもあるまい」

魔王様 「念のため、あと3ヵ月ほどここで暮らす。幼稚園にも連絡してお友達とオンライン対面できるようにお願いするのだ」

魔王様 「魔王城はどうなっている」

カナッジ「影武者のマッドカイザーとジャイアントが上手くやっております。勘付いた者はおりません」

モリス (あんなもん、誰だって見りゃ別人と分かるわい! いや別魔か? いちいち突っ込まねえけどよ!)

魔王様 「ところでモリスさんが話があるようだ。他のものは席を外せ。話しづらいといかんからな」

魔王様 「・・・さて、ワシと貴方の二人だけだ。どうぞ話してください」
39: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:51:24.32 ID:NAWvVgn00(39/42) AAS
モリス 「魔王様にお支払いいただいた前金をお返ししようと思います。我々はミッションに失敗したと結論付けました」

魔王様 「ほう、それはどうして?」

モリス 「撃ち落としたドローンを調査したところ、空気の流れもわかるカメラ映像を送信した痕跡があります。ゴルゴはあの現場を見ていたのです」

モリス 「それに先日の死傷者なき魔王城襲撃、これを組み合わせるとゴルゴ13への依頼が見えてきました」

モリス 「ゴルゴは魔王様のツノを掠めるような狙撃を依頼されたのです・・・!」

モリス 「魔王城や自宅に居られては、外からでは壁や窓ガラスといった遮蔽物でわずかに射線がズレることも考えられます」

モリス 「忍び込んだところで魔王様の微妙な動きの予測は難しい・・・ すこし体を揺らすだけで”掠める”ことはできません」

モリス 「ましてやゴルゴの情報をキャッチして城中の警備が強化されています。静止した魔王様を狙える場所なんてありません」

魔王様 「ふうん・・・」

モリス 「だから魔王様には予測通りに動いてもらう必要があった・・・ シェルターの入り口へまっすぐに動いてもらったわけです」

モリス 「仮に魔王様の額がターゲットなら、一発目は試射ですぐに二発目が飛んできたはず。しかし一発だけでした」

モリス 「あの日の襲撃で我々を追い立て、魔王様に野外で予測通りの動きを取らせたのです! 前回と同じような手に引っ掛かりました・・・」
40: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:52:00.72 ID:NAWvVgn00(40/42) AAS
モリス 「これではプロ失格です。しかも警護対象者に怪我まで負わせてしまった。返金は当然のこと・・・ 違約金も払います」

魔王様 「クックック・・・ ワシの考えはちと違う。契約は誠実に遂行され成果も期待通りだ。返金など受け取らんぞ」

モリス 「は?」

魔王様 「こんなかすり傷を怪我とは言わない。『ワシとワシの家族に死者も怪我人も出すな』という契約通りだ」

魔王様 「それについ先日、王国騎士団から通信文が届きよった。」

モリス 「通信文、ですか」

魔王様 「要約するとこれは警告なんだそうだ。彼奴らめ、魔王軍が姫様に暴行を加え酷く負傷させていると思っておる」

魔王様 「それを止めねば次回は額に穴をあけるんだと。クックック、愚昧な者どもよ」

魔王様 「捕虜にそんな酷いことするわけないだろ。まったくもう! おまけに娘のお友達だぞ? それにしても鋭い推理だ。返金するというのなら」

魔王様 「幼稚園にでも寄付してください。早期教育の奨学金を創めることになりましたので。あと心苦しいから経費は貰っておいてください」

モリス 「あ・・・・ じゃあ・・・ そうします」
41: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:53:23.93 ID:NAWvVgn00(41/42) AAS
パート16 名もなき依頼人

ーーー5か月ほど前 王国 某所

モブ騎士 「あ、貴方が例のエキスパートか。先日は陛下が失礼をしたようだ。中身は知らないが依頼を受けてもらえなかったと聞いた、本当にすまなかった」

ゴルゴ13 「あんたは国王の代弁者か? それとも別口の依頼者か? 後者ならあんたには無関係だ。」

モブ騎士 「もちろん後者だ! 依頼というのは貴方に魔王を脅してほしいのだ! これは軍機だが、第三騎士団長の姫様が魔王軍の捕虜となった」

ゴルゴ13 「・・・・」

モブ騎士 「我が軍も救出を試みたが上手くいかない・・・ 悪虐な魔物どもが連日姫様に惨烈な暴行を加えているとの知らせもある」

モブ騎士 「どれほど辛く苦しい拷問かっ 想像もできないっ! 五体満足かもわからんっ 本来ならあいつらの首領・魔王の除去が一番良いのだろうが」

モブ騎士 「その報復か混乱で姫様が害されては元も子もない。姫様は高官として幾多の情報を知っているから捕虜交換も難しい」

モブ騎士 「だから・・・ 姫様に今以上のケガを負わせたら○されると怖気を震わせたい。『警告』を与えたいのだ」

モブ騎士 「不可解な話だが魔王は家族愛というのが人一倍強いらしい。だから魔王が強く家族を想っているときに○の恐怖を味わわせてやって欲しい」
42: ◆pitV0nGrEw [sage saga] 2024/04/23(火) 00:54:13.26 ID:NAWvVgn00(42/42) AAS
モブ騎士 「逆上しないよう敵を○すのは控えてくれ。この騎士団有志で集めた金貨で足りるだろうか?」

モブ騎士 「それからあなたのルールには反するかもしれないが・・・ これは警告なのだと貴方の仕事の後に教えてやってもいいかな?」

ゴルゴ13 「いいだろう。やってみよう・・・ ただしあんたの狙い通りにいくかどうかはわからない・・・」

モブ騎士 「・・・? ああ、ありがとう。よろしくお願いする・・・」

ーーー現在 魔王城

魔王様  「命を懸けてワシを守ろうとする魔物がいるように、何としてでも姫を助けたい人間もいるようだ」

魔王様  「手下に慕われるというのは良いことだな・・・」

END

おまけ

姫様 「あ”あ”あ”〜〜〜・・・ ぎぐ〜〜」 ← 秘密を喋らないと低周波マッサージ治療器を止めるぞと脅し上げる拷問に耐えている姫様

魔王軍がニューヨーク・ファミリーじゃなくてよかった。
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ぬこの手 ぬこTOP 0.166s*