[過去ログ] 八幡(9)「迷子?」雪乃(9)「うん・・・」 (156レス)
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51: [] 2015/06/10(水) 00:22:14.21 ID:gQTnBX1Y0(1/23) AAS
八幡(知らない天井だ・・・。じゃねぇよ!えっ?てか口にガムテ張ってあんじゃん!しゃべれねーし!それと腕と足が縄で縛られてる!?これが噂のSMプレイ!?やだっ俺小学生で大人の階段登っちゃうの?まだ純粋な子供でいたいよお母ちゃーん!)

雪乃「んー!んー!」

八幡「!?」

八幡(さっきの女の子だ!俺と同じように縛られて身動きが自由に取れないみたいだな・・・)

八幡(と、とにかく冷静に考えて状況を整理だ!そうこういうときは深呼吸だ!はい!すってーーーはいてーーーって口呼吸できねぇから上手くできねぇチキショー!更に焦ってきたじゃねぇか!)

八幡(ふぅ、一人で脳内漫才をして少しは落ち着いたかな?よし、まずは状況を整理だ。ふむ・・・。仮にだ。仮にだぞ。すごく、すごく考えたくないことだが・・・さっきの男は俺の妄想ではなく本当に誘拐犯で俺らは誘拐されて軟禁されてるとか・・・?)
52: [] 2015/06/10(水) 00:24:08.45 ID:gQTnBX1Y0(2/23) AAS
八幡(はっはっは!まっさか〜そんな漫画みたいなことが・・・。ん?扉の奥から話し声が・・・)

?「だからぁ、お宅の娘さんの命が惜しかったら金だせって言ってんだろうがぁ!なんなら可愛い娘ちゃんの泣き声でも聞かせてやりましょうかぁ!?」

八幡(・・・こいつぁ腹を括るしかねぇみたいだな・・・)ダラダラ

八幡(なんか逆に切羽詰りすぎて冷静になってきたぞ・・・。うーん、ここは普通の部屋じゃないな。もう使われていない建物の一室みたいだ。高いところに壊れた窓が一つだけあるだけか?おかげで薄暗い・・・。こういうときは通気口とかあってそこからの脱出が定番なのがベターだけど・・・ってあるぅぅうぅぅ!通気口普通にあるよぉぉぉぉ!)

八幡(でもあれ一人じゃ無理な高さだな。二人なら行けるか・・・?たぶんここはあの娘一人を入れる部屋だったのだから見落としたのか?だがラッキーだ。あれを使わない手はない)

八幡(でも脱出できる場所があってもまずは縄を解かないとな・・・、おっいい感じのガラス破片があんじゃんか。割れた窓ガラスかな?これで切ろう)キコキコッ

八幡(よしっ、切れた。次はあの娘だな)
53: [] 2015/06/10(水) 00:53:39.43 ID:gQTnBX1Y0(3/23) AAS
雪乃「んー!んー!」

八幡「分かってるって、テープを剥がすけど大きな声は出すなよ。あいつらに気付かれるかもしれない」

雪乃「んー・・・ぷはっ。ありがとう。・・・ねぇ・・・ここはどこ?私たちなんで縛られてたの・・・?」

八幡「静かに、いいか叫ぶなよ・・・たぶん俺たちは誘拐されたんだ」

雪乃「ゆ、誘拐っ?」

八幡「決まったわけじゃないが、こんな状況だしな」

雪乃「ど、どうするの?」

八幡「勿論、逃げるぞ。いいかあそこに通気口があるだろ?見た感じ錆びてるから頑張れば外せるかもしれない。しかもあれなら俺らでも通れるはずだ」

雪乃「う、うん。でも高いよ?」
54: [] 2015/06/10(水) 00:55:13.21 ID:gQTnBX1Y0(4/23) AAS
八幡「・・・俺が肩車してお前が柵を外して入るしかないな」

雪乃「えっ///」

八幡「し、仕方ないだろっ、流石に俺は持てないだろうし・・・。ていうかこんなときに恥ずかしがってるなってのほら早く乗れ」

雪乃「う、うん。失礼します・・・」

八幡(ってかっる!なにこいつ天使なの?翼でも生えてるんじゃない?ていうかなんかいいにおいがする気がーって、俺が恥ずかしがってどうすんだよ!)

雪乃「んしょ・・・んっしょ・・・もう少しで取れそう・・・」

八幡(って、両足が頬にぃぃ!って苦しい苦しい首にまできてるよ!なにこれ恥ずかしいのに苦しいよぉぉぉぉ!)

八幡「んぐぐぐ・・・」
55: [] 2015/06/10(水) 01:00:09.45 ID:gQTnBX1Y0(5/23) AAS
雪乃「あっ、やっと取れたー。よいしょっと、はい!私が引っ張るから手を伸ばして!」

八幡「はぁはぁ・・・ありがとう。ていうか静かにな・・・」

雪乃「大丈夫?ごめんね?私そんなに重かったかな・・・?」

八幡「い、いや、軽かったぞ。天使の羽が生えてるのかと思っちゃったわ」

八幡(やべーっつい本音が!これは流石に引かれるか?)

雪乃「て、天使って・・・///ほらっ早く手を出してよっ」

八幡(天使がいたよ・・・)
56: [] 2015/06/10(水) 01:01:42.01 ID:gQTnBX1Y0(6/23) AAS
八幡「あ、ありがとう」

雪乃「んっー、はぁっ・・・あなたは少し重いねっ」

八幡「そりゃすいませんでしたね、んしょっと。悪いが先頭を任せてもいいか?」

雪乃「任せて、でも変なところ見ないでね?」

八幡「み、見るわけないだろ!そういう変なこと考えてないで早く行けって、状況分かってるのか?」

雪乃「分かってるよ?でも怖いって気持ちも強いけど、あなたと一緒なら大丈夫って思えるの。なんだか不思議よね。私たちさっき会ったばっかりなのに」

八幡「そうか・・・」

八幡(そういう俺も満更でもなかった。この娘の為に勇気を出そうと思っている自分がいる。)
57: [] 2015/06/10(水) 01:06:19.53 ID:gQTnBX1Y0(7/23) AAS
眠いんで寝ます。なんかゆきのんが幼すぎるってレス多いんですけどそれとなく理由あるんでもう少し待ってください。ヒッキーが大人っぽいのはボッチで本しか読んでなかったとかなんとかっていう設定でオナシャス
64: [] 2015/06/10(水) 11:30:44.52 ID:gQTnBX1Y0(8/23) AAS
雪乃「ううう、でも暗くて前がよく見え・・・きゃぁぁぁぁ!」ガシャーン!

八幡「おい!どうした!っておわぁぁぁ!」

八幡(なっ!急に坂になってる!暗くて気付かなかった・・・!)

八幡「ぐ・・・ぬぬ・・・」

八幡(なんとか堪えて彼女とぶつからないようにしないと・・・)

八幡「おい、大丈夫か!」

雪乃「いたた・・・。うん、なんとか。あ、明かり見えるちょっと待ってて今柵を外すわ。うんっしょっと・・・。」
65: [] 2015/06/10(水) 11:31:31.99 ID:gQTnBX1Y0(9/23) AAS
雪乃「わわっ」

雪乃(少し高いけど降りられるかな?)

雪乃「えいっ・・・!痛っ!」

八幡(降りた音が聞こえた、俺もそろそろ滑るか・・・。お、結構高いな、よく降りれたなあいつ)

八幡「よっこらしょっと、ん?どうした座り込んで?急ぐぞ」

雪乃「あはは、ごめんちょっと降りるのに失敗しちゃって足くじいちゃったみたい・・・」
66: [] 2015/06/10(水) 11:32:34.13 ID:gQTnBX1Y0(10/23) AAS
八幡「・・・歩くのは危ないな。仕方ない。おんぶしてやるよ、ほら」

雪乃「え、え。いいの?」

八幡「大丈夫だ。妹もよくおんぶしているから慣れてる」

雪乃「妹さんがいるの?」

八幡「あぁ、世界一可愛い妹がいるぞ」

雪乃「私は?」

八幡「は?」

雪乃「私はどれくらい可愛い?」

八幡(この娘なにいっちゃってんの?もう早くしないといけないのにぃ!)
67: [] 2015/06/10(水) 11:33:17.23 ID:gQTnBX1Y0(11/23) AAS
八幡「あー、世界一可愛いよ。うん。ほら早く行くぞ」

雪乃「世界一可愛い・・・///」

八幡(ていうか世界一可愛い二人がいたらそれ世界一じゃねぇじゃんか!馬鹿か俺は)

雪乃「そ、それじゃあお願いします・・・」

八幡「はいよっと」

八幡(・・・自然とおんぶしちゃったけど、すっごいはっずい!やべーよ!やわらかいよー!いいにおいしちゃうよー!はっ!いかんいかん今はそんなこと考えてないでクールになれ八幡!早くここから抜け出してこの娘を安全なところに連れて行かないと・・・)
68: [] 2015/06/10(水) 11:35:06.68 ID:gQTnBX1Y0(12/23) AAS
雪乃「ねぇ、無事に逃げれたらあなたに伝えたいことがあるの」

八幡「気になるから今言えよ」

雪乃「そ、それはまだちょっと恥ずかしいというか心の準備が・・・」

八幡「まぁいいけど・・・」

雪乃「私ね・・・今とっても楽しいの」

八幡「は?」

雪乃「だってそうでしょう?まるで物語の登場人物みたい」

八幡「あぁ、そうだな・・・」
69: [] 2015/06/10(水) 11:36:01.60 ID:gQTnBX1Y0(13/23) AAS
雪乃「だから、私を最後まで守ってね・・・約束だよ」ニコッ

八幡「あぁ・・・約束する」

雪乃「ふふっ」

八幡(だが俺は知っている。そんなの本の中の物語だ。現実の世界はそんなに甘くはない。友達も出来ず、周りから悪意の目を常に向けられ居た堪れない人間だっているのだ。世の中いいことばかりじゃない。いいことが続けば悪いことだって起きる。今の現状なんか正にそうだ。あの男だけではなくきっと仲間が出口を見張っているだろうし、見つかった時点でアウトな俺らはどう考えても不利だ。この娘は未だに現実を見ていない。いや見たことがないのだろう)

八幡(それでも、俺はたった今約束してしまったのだ。最後までこの娘を守ると。妹以外と約束したのは初めてかもしれない俺だが、まだこの娘と友達でもなんでもない俺だが、女の子の約束の一つも守れない男に俺はなりたくない)
70: [] 2015/06/10(水) 12:12:39.17 ID:gQTnBX1Y0(14/23) AAS
八幡(だから俺も無事に逃げられたら彼女に伝えよう。俺の初めての友達になってくれと)

八幡「よしっ出口だ。もう少しで外に出れるぞ」

雪乃「うん!」

男「はははっ、脱出ごっこは楽しかったかな・・・?」

八幡「なっ!?」

八幡(やはり現実は甘くないか。分かっていたはずだ。だが、俺にも意地があるこの娘だけでも助けるんだ・・・!)

八幡「いいか、俺があの男に突進して時間を稼ぐからお前は走って逃げろ。足が痛いかもしれないけどそれしかない」

雪乃「で、でもそれだとあなたが・・・」

八幡「たぶん目的はお前だ。俺はすぐに解放されるさ」

雪乃「う、うん分かった・・・」
71: [] 2015/06/10(水) 12:13:27.37 ID:gQTnBX1Y0(15/23) AAS
男「最後の会話は終わったかな?大人しく捕まってくれるなら痛いことはしないよ?」

八幡(チャンスだ。向こうは油断している。近くまで寄って不意打ちすれば、俺でも体制を崩せるかもしれない。)

八幡「近くまで寄って俺が体当たりするからそのまま逃げろ。いいな」コソコソ

雪乃「うん・・・」

八幡「分かりました抵抗しません。」

男「うんうん、素直な子供は好きだよお兄さん」

八幡(そんなの嘘だけどなぁ!食らえ八幡ボンバー!)ただの体当たり
72: [] 2015/06/10(水) 12:14:52.83 ID:gQTnBX1Y0(16/23) AAS
男「うおっ!」

八幡「今だ逃げろ!」

雪乃「うん!」

男「はっはっは。僕は一応ボディーガードとして雪ノ下家につかえてたんだよ?子供の体当たり程度わけないんだよねぇ!」

八幡「うわぁ!」

雪乃「!?」

八幡「早くいけぇ!前を向いて走れぇ!このやろぉぉぉぉぉ!」

雪乃「う、うん!」

男「はぁしつこいなぁ・・・。あんまり子供はいじめたくないんだけどねぇ・・・おらぁ!」

八幡「ごふっ!」ガハッ・・・
73: [] 2015/06/10(水) 12:16:36.32 ID:gQTnBX1Y0(17/23) AAS
八幡(いてぇ・・・マジで殴りやがったな・・・。息が苦しい・・・。やっぱり俺なんかには無理だったのか?)

八幡(いや、それでも・・・それでも・・・)

八幡「お、俺はあの娘を・・・守るって・・・約束したんだ・・・だから・・・だからぁ!・・・諦めてたまるかよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

男「はぁ、そういうのはお遊びでやってよね。もう君の出番はないよ。うらぁ!」

八幡「ごはっ・・・!」

男「まぁ、外には仲間がいるから今頃お嬢様も捕まっているだろうし、君はなーんにも役に立てなかったね。アハハッ!」

八幡(ははは・・・やっぱり仲間はいるよな・・・俺の行動は全て無駄だったのか・・・。畜生・・・・畜生!)
74: [] 2015/06/10(水) 12:17:18.58 ID:gQTnBX1Y0(18/23) AAS
八幡「それでも守るって・・・約束したんだ・・・あの娘を・・・絶対に・・・!」フラフラ

男「だーかーらーもうそういうのはいいっ」

陽乃「よく言った少年!」

男「!?」

八幡「!?」

陽乃「いやーそんな熱いこと言える少年も今時少ないよー。お姉さんちょっとうるっときちゃった」

陽乃「でもすっごいぼろぼろだね〜あの娘の為にこんな体張ったの?かっくぃー!」
86: [] 2015/06/10(水) 23:52:31.77 ID:gQTnBX1Y0(19/23) AAS
八幡(そう言いながら彼女は自然な歩調で俺に近づいてきた。あたかも目の前の男がいないかのように)

八幡「あんたは・・・?」

陽乃「あぁ、私?あの娘のお姉ちゃんだよ」

八幡(やっぱりか・・・)

男「お、おい!」

陽乃「私が来たからにはもう安心だよ〜。お姉さんにまっかせなさい!」

男「聞いてるのか!」

陽乃「るっさいな〜。ねぇこの私がこんなところにいるんだよ?状況わかんないの?」

男「びくっ」
87: [] 2015/06/10(水) 23:54:21.61 ID:gQTnBX1Y0(20/23) AAS
陽乃「さっさと諦めて大人しくしたほうが身のためだと思うんだけどな〜」

男「う、うるせぇ!ここまで来て引き下がれるかよ!そうだ!あんたを捕まえれば・・・!」

陽乃「私が難しいと思って妹を誘拐したくせによく言うね〜。そもそもこの私がそんな簡単に捕まるとでも思ってるの?」

陽乃「・・・・・思い上がるなよ愚民が」

八幡(先ほどまでの朗らかな印象のギャップのせいだろうか、彼女のその一言はこの場の空気を氷点下まで下げるのではないかというぐらい冷徹で冷たくとても恐ろしかった)
88: [] 2015/06/10(水) 23:55:51.95 ID:gQTnBX1Y0(21/23) AAS
男「お、うぉぉぉおおお!」

陽乃「あーらよっと」

男「おわぁ!」

八幡(彼女は勢いよく掴みかかろうとした男を軽やかにかわし、そのまま男を受け流した。なにもんだよ・・・)

陽乃「あははっ、焦りと激昂のせいかな?動きが単調だよ〜?そんな腕で私んとこのボディーガードだったなんて、あははっ笑える〜」

男「うおおお!」

陽乃「で・も。流石の私も大の大人に真っ向から勝てませんので・・・」
89: [] 2015/06/10(水) 23:57:10.09 ID:gQTnBX1Y0(22/23) AAS
パチン

陽乃「みんな〜よろしく〜」

SP「ハッ!」バタバタ

男「なっ!」ハナセェーーー!

陽乃「はいはい大人しくしましょうね〜。そうそう私の妹を誘拐したんだし、あとでじっくり可愛がってあげるから待っててね」ニコッ

男「ヒィッ!」

八幡(こっわ!あの娘と似た顔してるけど笑顔の種類が違いすぎる!)
90: [] 2015/06/10(水) 23:59:17.03 ID:gQTnBX1Y0(23/23) AAS
陽乃「さってと。これでおしまいかなぁ。一応周りの散策もお願いしよっかな」

SP「了解です!」

陽乃「ありがと。ん〜、君動ける?」

八幡「動けるっす・・・」

八幡(本当は体中痛いっす!)

陽乃「さっすが男の子〜。じゃあこっち来て、応急手当しなきゃね」

八幡「え、いやでも・・・」

陽乃「もぉー遠慮しないの。ささっこっちこっち」

八幡「はい・・・」
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