[過去ログ] いろは「私、先輩のことが、好きです」八幡「……えっ?」 (393レス)
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7: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:00:24.72 ID:Vlu9VqDdo(1/17) AAS
――

――――

いろは「そんなわけで作戦会議でーす」

八幡「どうしてこうなった」

いろは「かわいい女の子と、しかもかわいい後輩と一緒にお茶なんてラッキーじゃないですかー」

八幡「かわいいって自分で言うんじゃねぇ。しかも二回も。唯一褒められる点は場所の指定がサイゼリヤだったってことだけだぞ」

いろは「あは。まぁそんなことは置いといて」

八幡「おーい」

いろは「どうすればいいと思いますかね?」

八幡「完全に無視か」

いろは「だってそんなのどうでもいいですし。はやく何か案を出してくださいよ」
8: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:00:51.74 ID:Vlu9VqDdo(2/17) AAS
八幡「って言われてもなぁ……」

いろは「じゃああれです。先輩がされたらドキッとするようなこととか」

八幡「……話しかけられたら、とか?」

いろは「どんだけ女子に免疫ないんですか!?」

じゃあいま私と話してるのもドキドキしてるってこと? ワンチャンあるかな。それ以前の問題だけど。

八幡「うっせぇ。ぼっちはみんな女子苦手なんだよ」

いろは「それじゃあ全然参考にならないじゃないですか」

八幡「だからそもそも俺に聞くのが間違いなんだって」
9: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:01:18.93 ID:Vlu9VqDdo(3/17) AAS
いろは「いやいや、聞きましたよ?」

八幡「何をだ」

いろは「葉山先輩とテニス勝負したそうじゃないですか。しかも勝ったとか」

八幡「ああ、あれか。いろいろ運が良かったからな」

いろは「経緯がどうであれ先輩は葉山先輩に勝った人間なんです。だから相談しているんですよ」

八幡「…………」

いろは「……先輩が」

八幡「?」

いろは「先輩だけが、頼りなんです」

少しだけうつむいて、目をうるませて、上目遣いで頼みこむ。これで大抵の男子はイチコロ――。

八幡「あざとい」

やっぱり先輩には効かないかー。
10: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:01:57.46 ID:Vlu9VqDdo(4/17) AAS
いろは「そういえば最近奉仕部の方はどうなんです?」

八幡「また話の振り方が雑だな。……そうだな、特にないんだよなぁ」

いろは「でも妹さんが入ってきたんですよね?」

八幡「ああ……そうなんだよ……。ただ大体雪ノ下か由比ヶ浜が小町と話すから、俺が校内で小町と話すことがないんだよな……。せっかく同じ高校に入れたのに……」

あっ、地雷だったっぽい。こうなった先輩はめんどくさいなー。

八幡「同じ学校で軽口を叩き合う兄妹を夢見てたのになぁ……。どうしてこうなっ――」

いろは「あー、もーいーです」

八幡「」
11: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:02:32.29 ID:Vlu9VqDdo(5/17) AAS
いろは「それで、どうしましょうか」

八幡「話の脱線の仕方が雑なら戻し方も雑だな。……そうだな」

そう言ったきり先輩は黙る。顎に手をやっているところを見ると、割とちゃんと考えてくれているらしい。

しかしそれも五分ほどで終わり――。

八幡「ダメだ、わからん」

弱音を吐き、そのままついさっき来た辛味チキンをかじる。美味しいよね、それ。

八幡「そもそも葉山が誰かと付き合うって絵が全く想像つかん」

いろは「えー? そうですかぁ?」

八幡「なんかあいつが誰かを好きになったりするのも――」

ふいに先輩の口が止まる。目の焦点が私に合っていない。まるでどこか遠くを見ているようにも見える。

その視線を追うが、別段気になるものはない。

いろは「……先輩?」

八幡「いや、なんでもない」
12: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:03:08.09 ID:Vlu9VqDdo(6/17) AAS
八幡「さてと、さっきの話だが」

いろは「おっ、何か思いつきましたか?」

八幡「普通に遊びに誘ってみるのはどうだ?」

いろは「それができたら苦労しませんよー」

それで何度断られたことか。葉山先輩のガードは固すぎて突破不可能な気がする。

八幡「いや、それは少し遠慮気味にだろ?」

いろは「?」
13: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:03:35.39 ID:Vlu9VqDdo(7/17) AAS
八幡「俺を連行する時みたいにもっと強引にやってみたらどうなんだ?」

いろは「それは先輩だからやるんですよ。葉山先輩にやったら嫌われちゃうじゃないですか」

八幡「そうか? 俺はむしろそっちの方がいいと思うんだが」

いろは「えっ?」

八幡「えっ?」

いろは「ひょっとして――」

八幡「口説いてないから」
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(2): ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:04:15.14 ID:Vlu9VqDdo(8/17) AAS
ないと意味ないんじゃないのか?」

いろは「あー、確かに言われてみればそうですね」

八幡「一応言い出しっぺはお前だからな」

いろは「でもこわいですね。嫌われちゃったらなんて、考えると」

八幡「まぁ、案は出した。どうするかはお前次第だろ」

先輩は今度はドリンクバーで取ってきたコーヒーをストローで吸う。そのグラスの周辺にはいくつものミルクとガムシロのゴミがある。

……あれ、それ一杯目だよね? その一杯にそれ全部入ってるの?
15: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:04:46.87 ID:Vlu9VqDdo(9/17) AAS
いろは「じゃあ」

バッグからスマホを取り出し、その画面上をなぞる。

いろは「……さてと」

送信を済ませてまたしまう。

八幡「……あれ、まさかもう?」

いろは「えっ? そうですけど?」

八幡「マジかよ。あんなに渋ってたのにすんなりと送るのか」

いろは「私、踏ん切りはいい方なんですよ」
16: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:05:14.30 ID:Vlu9VqDdo(10/17) AAS
八幡「ちなみになんて?」

いろは「えっ、先輩って後輩が好きな人に送るメールの中身とか気になっちゃうタイプなんですか正直引きました」

八幡「いやいや……、一応俺が案を出したんだし、その結果どうなったのか知る権利はあるだろ……」

まぁ、冗談だけどね。相談に乗ってもらっておいて、こんなことを本心で思うほど私も腐っていない。

そんなことを思ったら私自身が先輩の目以上に腐っちゃうし。やだ、それ腐りすぎ……。
17: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:06:16.81 ID:Vlu9VqDdo(11/17) AAS
いろは「はい」

スマホを先輩の方に向けて見せる。

八幡「なになに…………げっ」

先輩の顔がげんなりとする。はい、予想通りの反応ありがとうございます。

八幡「お前、マジでこれ送ったの?」

いろは「そうですよ? それにこうしろって言ったのは先輩でしょ?」

八幡「いや、まぁ、そうなんだけどさ……」

ちなみにそのメールの文面はこうだ。

 明日いっしょにおでかけしませんかー?(・ω・)ノ

 ららぽーとに行きたいので、船橋競馬場駅に午後一時に集合です〜o(^▽^)o

 楽しみにしてますね♪
18: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:06:44.96 ID:Vlu9VqDdo(12/17) AAS
いろは「……やっぱりこれはダメな気が」

八幡「今更かよ……」

いろは「でもですね、空いてる日を聞くといつもはぐらかされちゃうんですよ」

八幡「まぁ、あいつらしいな」

いろは「だから少し強引にしたんですけどね〜」

八幡「後輩から送るメールではないと思う」

いろは「ですよね……」

あー、何やってんだろ。もうちょっと考えてからにすればよかった。衝動で動くのはよくないね。

コーンーナーレープーリーカーハーイーラーナーイ

いろは「うわ、返信来たっぽいです」

ヤバい。本当にどうしよう。
19: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:07:34.77 ID:Vlu9VqDdo(13/17) AAS
FROM:葉山先輩

TITLE:RE:

お誘いありがとう。とても嬉しいよ。

でも、明日はどうしても外せない用事があるんだ。すまない。

またの機会に誘ってくれると嬉しいかな。

いろは「……断られちゃいました」

八幡「まぁ、なんというか……」

ご愁傷様ですとでも言いたげな顔をしている。先輩のことだから口には出さないんだろうけど。
20: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:08:02.14 ID:Vlu9VqDdo(14/17) AAS
いろは「はぁ……葉山先輩は鉄壁すぎですね……」

八幡「お前もよくアタックし続けようと思うよな。俺だったらもう諦めるだろうよ」

そもそもアタックしないまである、とかブツブツ言っているが無視。

いろは「それって諦めろってことですか?」

八幡「いや、そうじゃない……。なんというか、俺は諦めが早いからな。そういう姿勢は、尊敬するしすごいと思う」

一瞬心臓の鼓動のペースが崩れる。しかしそれも本当に一瞬で、すぐにまた元のペースに戻る。

……まさかね。それはない。
21: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:09:53.70 ID:Vlu9VqDdo(15/17) AAS
とりあえずここまで。これからのんびり書いていきます。
あといろはすかわいい。
24: ◆.6GznXWe75C2 [saga] 2015/04/14(火) 00:30:53.66 ID:Vlu9VqDdo(16/17) AAS
>>14
訂正

八幡「お前が必要としているのは奇策だろ? ならそのくらいやらないと意味ないんじゃないのか?」

いろは「あー、確かに言われてみればそうですね」

八幡「一応言い出しっぺはお前だからな」

いろは「でもこわいですね。嫌われちゃったらなんて、考えると」

八幡「まぁ、案は出した。どうするかはお前次第だろ」

先輩は今度はドリンクバーで取ってきたコーヒーをストローで吸う。そのグラスの周辺にはいくつものミルクとガムシロのゴミがある。

……あれ、それ一杯目だよね? その一杯にそれ全部入ってるの?
25: ◆.6GznXWe75C2 [sage] 2015/04/14(火) 00:31:25.74 ID:Vlu9VqDdo(17/17) AAS
>>23
ご指摘ありがとうございました。
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