[過去ログ] 2chライトノベル板大賞 2007下半期 (114レス)
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46: 2008/02/02(土)17:29 ID:IngaGgAO(4/6) AAS
<<DOORS I まぜこぜ修繕屋>> 【著:神坂一/絵:岸和田ロビン/レ:角川スニーカー文庫】
個人的に神坂一健在を強く印象付けられた一作です。基本パロディ満載のコメディなんですが、
端々に乾いた悪意が潜んでおり、あははと笑っていると突如噴出したその毒に打ちのめされ
そうになったりします。「妹」と「触手」を繋げる助詞を「が」にし、それを実際に
大真面目に描写してしまうとか、いやそれは普通思いついてもやらんだろ……。
嫌展スレあたりでもあまり見かけないような文字通り嫌〜な展開が当たり前のように
ポンポン飛び出す様は正に圧巻というか何というか。スレイヤーズが一世を風靡した時代も
はるか遠く、神坂一はもう終わった作家という印象を持っている人も多いかもしれませんが、
いやいやどうしてまだまだ。今期はもう一つ アビスゲート (1) 果て見えぬ淵の畔に
も始まっていますが、敵の異質感の描写など、ここでも神坂節の一端を味わうことが出来ます。
<<アガルタ・フィエスタ! (4) 祭りの終わり>> 【著:三田誠/絵:双龍/レ:電撃文庫】
残り一枠は迷った末これに。同じ作者ではアニメ化中レンタルマギカの新刊三冊も
かなり良かったし、他にもいくつか候補はあったんですが、敢えてこっちで。三田誠は
基本王道的ジュブナイル作家と思うんですが、シリアスな重い作品も少なくありません。
しかし、本作は最も明るい部類の作品。特に主人公サイドのまっすぐな明るさは三田
作品中でも群を抜いており、この「祭り」を貫く一つの芯となっていたように思います。
最後まで八王子は八王子らしく世話焼きで、イセリアはイセリアらしく偉そうで、仲間たちも
敵さえもそれぞれ個性のまま突っ走っていきました。気軽に読めて爽やかな気分で終われる、
まさにライトノベルの基本の一つを体現するような作品になったと思います。
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