[過去ログ] 2chライトノベル板大賞 2007下半期 (114レス)
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44: 2008/02/02(土)17:25 ID:IngaGgAO(2/6) AAS
例えば、パスキャッチの手応えという原初の快感、ゲームを把握する司令塔の視点、
魂が自然に昂ぶらせられる試合の熱気、勝利の歓喜と敗北の痛み、過程が泥臭くても
不恰好でも得点することそのものの美しさ、そして芸術の域まで昇華されたスーパー
プレイのエクスタシー……そういったスポーツ自体の愉悦がこの作品では随所に
表現されています。その点は、この作者が実際に取材を重ね、選手たちと一緒に汗を
流したという努力や、長年サッカーファンとしてスタジアムの熱気を共有してきた
積み重ねが形になったと言っていいでしょう。そういった意味で、本作はスポーツ
小説に本来必要な、しかし誰にでも書けるわけではない何かを備えた作品、この分野で
数少ない傑作と言ってしまっていいのではないか?見るだけとは言え長年のスポーツ
ファンとしてはそういう思いに駆られてしまいます。

ただし、スポーツ描写が優れているだけでは小説として十分とは言えません。本作には
もう一つの真価と言っていい特徴があります。それは、王道といっていい展開でありながら、
それを脇見もさせず一気に読ませてしまう筆力で、細やかな心情描写と緻密なストーリー
運びがそれを支える大きな原動力となっています。本作の登場キャラクターは、主人公を
はじめみんなどこか戯画的な造形を与えられていますが、実際に読んでみると余りそんな
ふうには感じません。心情のリアリティがキャラ造形の記号性を凌駕しているのです。
元々佐々原史緒の心情描写は、男性キャラはともかく、女性キャラについては定評があり、
女子高が舞台の本作はまさに適材適所と言えるでしょう。個人的には1、2巻ともここ数年
読んだ中で屈指の作品と評価しています。一押しは出会いの衝撃を買って1巻に。
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