小牧嬉歌「間違ってたらアレなんだけど……何回目、なの?」 (67レス)
1-

1: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:42 ID:loDylRht0(1/66) AAS
あらすじ
ウタちゃんはタイムリープに気付いてしまいました

SSWiki : 外部リンク:ss.vip2ch.com
2: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:43 ID:loDylRht0(2/66) AAS
注意
うたごえはミルフィーユのタイムリープもの
うたミルのオーディオドラマを聞いてください
外部リンク:youtube.com

オーディオドラマ#19までの情報しか使っておらず、核心そうにみえても自分の創作です。
なんでタイムリープものかは、してミルVol.7の19分ぐらいから。

小牧嬉歌=ウタ
省6
3: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:44 ID:loDylRht0(3/66) AAS


「ほんと。時間が止まっちゃえばいいのに」

1 #14

手鞠沢高校 アカペラ部室

今、音が傷ついてる。
省18
4: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:45 ID:loDylRht0(4/66) AAS
宮崎閏「確かに。合わせの時もなんか気が抜けてたような」

ムスブ「言われてみれば、いつにもましてボケっとしてる気もする」

ウタ「私、いつもボケっとしてる?」

レイレイ「ムスブと比べればね」

アイリ「それも言っちゃおう、ウタちゃん」
省33
5: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:46 ID:loDylRht0(5/66) AAS
レイレイ「冗談冗談。アイリの家にカセットもプレイヤーもあったから」

ウルル「へー、アイリさんの家は物持ちいいんすね。オムスビは?」

オムスビ「うちの倉庫にたくさんある」

レイレイ「さすがだね」

ウタ「えっと、カセットテープって音が良くないんですか?」
省17
6: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:47 ID:loDylRht0(6/66) AAS


夏休みのとある朝

ウタの部屋

私はカレンダーを確認する。

なぜなら、不安だから。
省6
7: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:48 ID:loDylRht0(7/66) AAS
3 #16

夏休みのとある夕方

手鞠沢高校 アカペラ部室

ウタ「あ、あれ……どこにいったかな……」

クマ「どうしたの、ウタちゃん」
省8
8: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:48 ID:loDylRht0(8/66) AAS
4 #17

夏休みのとある日

手鞠沢高校 アカペラ部室

ウタ「ん……部長……?」

アイリ「はーい、今日の練習はお外でやりますよ〜。出る準備して〜」
省19
9: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:50 ID:loDylRht0(9/66) AAS
5 #17

夏休みのとある日

街中 駅前

ウタ「……」

アイリ「みんな準備おっけー?」
省22
10: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:52 ID:loDylRht0(10/66) AAS
6 #17

夏休みのとある日

街中 駅前

ムスブ「ウタ」

ウタ「なに、ムスブちゃん?」
省10
11: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:52 ID:loDylRht0(11/66) AAS
7 #18

夏休みのとある日

街中 駅前

ムスブ「その代わり、本番までもう一段ギアをあげて練習すること。わかった?」

ウタ「うん」
省15
12: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:54 ID:loDylRht0(12/66) AAS
ウタ「いいえ、才色兼備のレイレイ先輩からすれば、私なんか虫けら同然の存在で、そんな殿上人が自分を好きになってくれてると思う方がおこがましいのはわかってます」

レイレイ「私はウタのことは好きだよ。ネガティブで扱いづらいところもあるけど、誰よりも周りを見ているウタとやるアカペラは心地良い。前にも言ったかな」

ウタ「はい、前に相談した時に」

レイレイ「まっすぐに歌うことが好きだと言えるウタは素敵だよ。キライになんかならない、むしろ好きなところをどんどん見つけてる途中だよ」

ウタ「でも、なんか、遠い気がして」
省16
13: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:55 ID:loDylRht0(13/66) AAS
8 #19

夏休みのとある日

手鞠沢高校 アカペラ部室

アイリ「じゃあ明日の本番に向けての意気込みを〜……」

ウタ「あっ」
省27
14: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:57 ID:loDylRht0(14/66) AAS
この世界は、巻き戻ってる。

何度も何度も、繰り返してる。

何度も何度も巻き戻して、傷ついてる。

するべきだった大切なことをしないで、何度も何度も。

ムスブちゃんはきっといつだって、1回目だ。
省8
15: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:58 ID:loDylRht0(15/66) AAS
9 #9

街中 カフェ

ウタ「はっ……」

クマ「小牧さん……?」

ウタ「えっと」
省19
16: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)19:59 ID:loDylRht0(16/66) AAS
10 #14

手鞠沢高校 アカペラ部室

私は繰り返した記憶をもっている。

すごい有利、いわゆるボーナスモード。

でも、問題があって。
省35
17: [sage saga] 2023/12/05(火)19:59 ID:9EHhZq9PO携(1) AAS
はいはいうんこうんこ
18: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:00 ID:loDylRht0(17/66) AAS
11 #19

夏休みのとある日

手鞠沢高校 アカペラ部室

もっと上手く行くようにと思ったけど、ほとんど何もできずに登校日前日になってしまった。

前回よりもほんの少しだけ上手な気がするくらい。
省18
19: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:00 ID:loDylRht0(18/66) AAS
12 #12

街中 カフェ

ウタ「はっ……」

ムスブ「急に変な声出すなー。こっちは頭使ってんだから」

えっと、カフェでムスブちゃんに勉強を教えてる。
省34
20: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:01 ID:loDylRht0(19/66) AAS
13 #19

夏休みのとある日

手鞠沢高校 アカペラ部室

ムスブ「自分の努力に対してだったり、ここに至るまでの決意に対してだったり、それは人それぞれだと思いますけど」

ウタ「はっ……」
省18
21: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:02 ID:loDylRht0(20/66) AAS
14 #6

手鞠沢高校 屋上

ウタ「あああああ!はぁ、はぁ……」

夕方の学校の屋上。午後の授業をまるまるサボった時に戻った。

ウタ「はぁ、ふぅ……」
省30
22: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:03 ID:loDylRht0(21/66) AAS
15

手鞠沢高校 屋上

クマ「落ち着いた……?」

ウタ「うん……」

クマ「何があったかはわからないけど……辛かったの……?」
省16
23: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:04 ID:loDylRht0(22/66) AAS
16

手鞠沢高校 屋上

ウタ「っていう、ことなんだけど……」

クマ「……」

ウタ「信じない、よね……」
省18
24: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:05 ID:loDylRht0(23/66) AAS
クマ「繰り返すのを止めるの……がんばって」

ウタ「え?」

クマ「え……?」

ウタ「そっか。止められるかもしれないんだ」

クマ「映画とかなら、最初に考えるのに……」
省22
25: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:05 ID:loDylRht0(24/66) AAS
17 #11

手鞠沢高校 屋上

ウタ「はっ……」

屋上。クマちゃんがいる。

直前のループでタイムリープのことを話したクマちゃんも、アカペラ部に入部してくれた。
省14
26: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:06 ID:loDylRht0(25/66) AAS
18 #13

手鞠沢高校 アカペラ部室

ムスブ「……38点!」

この点数だったら大丈夫。今回もムスブちゃんは赤点回避。

クマ「学年平均……ろ、68点」
省26
27: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:07 ID:loDylRht0(26/66) AAS
ムスブ「気合入れていきましょう、初ライブに向けて!」

ウタ「お〜〜」

ウルルちゃんはそれとなく現社の勉強を促せば赤点は回避できるから、これも大丈夫だった。

物理攻撃も解禁されない。

期末のたたかいのゆくえは無事に終わり。
省10
28: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:08 ID:loDylRht0(27/66) AAS
19

手鞠沢高校 屋上

レイレイ「たまには屋上もいいね」

ウタ「私はクマちゃんと良く来ます」

レイレイ「クマを勧誘したのも、ここだったね」
省16
29: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:09 ID:loDylRht0(28/66) AAS
終わった。

ふたりきりの屋上。中性的で長身の美少女。確信をもって追い詰める質問。

ウタ「け……」

レイレイ「け?」

ウタ「消さないでください!!」
省11
30: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:10 ID:loDylRht0(29/66) AAS
20

手鞠沢高校 屋上

ウタ「同じです、ね。タイムリープを自覚してて」

レイレイ「そうだね。タイムリープをする前の記憶もある、全部じゃないけど」

ウタ「記憶が戻る時間は、いつも違う」
省19
31: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:10 ID:loDylRht0(30/66) AAS
ウタ「いつも全力なムスブちゃんに申し訳なくて」

レイレイ「……」

ウタ「私達がこんなことしているのに、ムスブちゃんはいつも初めてを全力でやってて」

レイレイ「うん。私もそれは同意する」

ウタ「……なんなんだろ、私って」
省17
32: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:11 ID:loDylRht0(31/66) AAS
21

手鞠沢高校 屋上

ウタ「部長、ですか……?」

レイレイ「そう」

ウタ「うーん……何度目でもいつも同じような」
省20
33: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:12 ID:loDylRht0(32/66) AAS
レイレイ「アイリが望むなら、この青春をずっと続けさせてあげたい」

ウタ「あの、すみません」

レイレイ「なにかな」

ウタ「さっきから、逆に聞こえてて」

レイレイ「……」
省6
34: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:13 ID:loDylRht0(33/66) AAS
22

手鞠沢高校 屋上

ウタ「……」

レイレイ「最近、時間じゃなくて回数の最近、見るんだ」

ウタ「……えっと」
省24
35: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:14 ID:loDylRht0(34/66) AAS
レイレイ「記憶が戻っても、カギを忘れたフリをしてくれてたんだ」

ウタ「いえ、その日は絶対に持って行かないです。持ってるとそのイベントをとっさに避けてしまいそうなので」

レイレイ「大胆なのか弱気なのか判断しかねるなぁ」

ウタ「その、言いたいことはですね、えっと、そういうことも必要なんです」

レイレイ「そういうこと?」
省22
36: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:14 ID:loDylRht0(35/66) AAS
23 #16

夏休みのとある夜

ファミレス 店内

私はいつもの通りにカギを家に置いてきて。

部長とレイレイ先輩と私でファミレス。
省24
37: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:15 ID:loDylRht0(36/66) AAS
レイレイ「……」

ウタ「部長は、タイムリープできたらなぁとか思いませんか。私はもう何度もやり直したいことが山積みで」

アイリ「ウタちゃんはすぐにタイムリープの回数を使い切っちゃいそうだねぇ」

ウタ「はい。自分でもそう思います。自分で決められなくてよかったです」

アイリ「ウタちゃん、私はやり直したいことなんてないよ」
省16
38: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:16 ID:loDylRht0(37/66) AAS
アイリ「特別で大切な日を、みんなで歌えて嬉しい。そして、立派なミルフィーユができるのを楽しみに待ってるんだ〜」

ウタ「部長……」

アイリ「ん?なんか不思議な顔してる」

ウタ「レイレイ先輩!」

レイレイ「……うん。わかってる」
省21
39: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:17 ID:loDylRht0(38/66) AAS
24 #16

街中 夜

レイレイ「ウタ」

ウタ「良かったですね、レイレイ先輩」

レイレイ「うん。言っておきたいことがあるんだ」
省12
40: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:17 ID:loDylRht0(39/66) AAS
25

手鞠沢高校 某所

レイレイ先輩と一緒に部長の本心を聞いて。

時間は巻き戻る。

レイレイ先輩は、なんであんなこと言ったんだろう。
省13
41: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:18 ID:loDylRht0(40/66) AAS
26 #7

手鞠沢高校 アカペラ部室

アカペラ部室だ、よかった。

レイレイ先輩が言ってくれてよかった、選んでいいって。

さすがにあのまま未来に行きたくない。
省16
42: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:19 ID:loDylRht0(41/66) AAS
27

某所

大切な思い出を続けたいのに、こんなのってないよ。

ウルル「オムスビってさ、そういう真っすぐなところあってさ、それが……いや、なんでもない」

無理に明るくつとめようとするウルルちゃん。
省20
43: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:20 ID:loDylRht0(42/66) AAS
28 #15

手鞠沢高校 アカペラ部室

夏の朝の香りがする。

いつも通りの、大切な、アカペラ部室。

クマちゃんとウルルちゃんが一緒に登校してきて。
省32
44: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:21 ID:loDylRht0(43/66) AAS
29 #5

手鞠沢高校 アカペラ部室

また何度か繰り返して、分かったことがある。

いや、核心が分かったわけじゃないんだけど。

『ザザザ』という音は何かが大きく変わってしまった時に聴こえるらしい。
省9
45: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:22 ID:loDylRht0(44/66) AAS
30 #8

手鞠沢高校 屋上

壊さないように何度も何度も繰り返す。

ウタ「これでいいのかなって、予感はするから」

クマちゃんへの気持ちは本心だから、何度言ってもウソじゃない。
省13
46: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:25 ID:loDylRht0(45/66) AAS
31 #1

手鞠沢高校 軽音部室前

戻ってきた。今はいつだろう……。

ムスブ「ねぇ」

ウタ「はっ……後ろから、急に話しかけるのは……」
省20
47: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:26 ID:loDylRht0(46/66) AAS
32

手鞠沢高校 1年3組教室

あれから2週間。

入部届の予備は相変わらず残ってる。

軽音部室前に毎日通ってないから有名になってない。
省16
48: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:29 ID:loDylRht0(47/66) AAS
33 #2

手鞠沢高校 アカペラ部室前

アカペラ部室の前まで来たはいいけれど、緊張してきた。

よく考えたら、こっちは知ってるけど向こうは初対面なのだ。

しかも、あのウワサ通りの変人ということすら知らない。
省25
49: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:32 ID:loDylRht0(48/66) AAS
34 #2

手鞠沢高校 アカペラ部室

レイレイ「いらっしゃい」

ウタ「こ、こんにちは」

アイリ「新入部員候補?」
省20
50: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:32 ID:loDylRht0(49/66) AAS
ムスブ「アンタの名前。私たちは自己紹介したでしょ」

アイリ「趣味とか好きなものとか知りた〜い」

レイレイ「もしかして、アカペラ好きとか」

ウタ「……えっと」

ムスブ「……」
省16
51: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:35 ID:loDylRht0(50/66) AAS
レイレイ「入部なら大歓迎だよ。歌うことが好きとハッキリ言える君なら」

アイリ「入部してくれるの?ポイントサービスしちゃう」

ムスブ「ポイントってなんですか」

こんなスムーズに誘われていいんだろうか。

ウタ「えっと、その、あの……」
省33
52: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:36 ID:loDylRht0(51/66) AAS
35 #2

手鞠沢高校 アカペラ部室

ウタ「……」

レイレイ「はじめてのアカペラの感想はどう?」

本当ははじめてじゃないけれど。とても心地の良いアカペラだった。まるで、手をつないでいるような。
省24
53: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:37 ID:loDylRht0(52/66) AAS
アイリ「どうしたの、ウタちゃん」

ウタ「あぁ……」

恥ずかしいところとかネガティブなところも覆い隠して。

それでもアカペラ部に入部できそうで。

最初のアカペラはすごく上手くいって。
省10
54: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:38 ID:loDylRht0(53/66) AAS
36 #3

手鞠沢高校 アカペラ部室

突然意味不明な理由で泣き出した私も、もちろん受け入れてくれて、いつもと同じ時期にアカペラ部に入部できた。

そして、初回以降のアカペラは上手くミルフィーユにならなかった。

不思議、いや不思議じゃない。
省20
55: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:40 ID:loDylRht0(54/66) AAS
37 #4

手鞠沢高校 1年2組 教室内

部長がレイレイ先輩とムスブちゃんを説得して、ウルルちゃんを勧誘することになる。

記憶通り、といってもこの場面は1度しかないけど、私が1番に行かされる。

部長権限は強いので、行くしかない。
省11
56: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:41 ID:loDylRht0(55/66) AAS
ウルル「えっ?」

ウタ「間違ってたらアレなんだけど……何回目、なの?」

ウルル「……うそだぁ」

ウタ「今回は、やってない。自分でアカペラ部室に行って、入部させてもらったから」

ウルル「……」
省4
57: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:44 ID:loDylRht0(56/66) AAS
38

手鞠沢高校 1年2組 教室外

ムスブ「部長、レイレイ先輩」

アイリ「どうしたの?」

レイレイ「2人でこっちに来るね」
省12
58: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:44 ID:loDylRht0(57/66) AAS
39

手鞠沢高校 屋上

ウルル「うーたんとクマちゃんが大事な話をしてたのも、ここだっけ」

ウタ「うん。レイレイ先輩ともある」

ウルル「レイさんと?そんなことあったん?」
省21
59: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:45 ID:loDylRht0(58/66) AAS
ウルル「オムスビの、その、事故があった時あったじゃん」

ウタ「……」

ウルル「こんな冷ややかなうーたんの目、はじめて見たわ」

ウタ「続けて」

ウルル「うーたん、タイムリープの記憶が戻ったの、次の回じゃないから」
省19
60: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:46 ID:loDylRht0(59/66) AAS
40

手鞠沢高校 屋上

ウルル「これでタイムリープしてる。拾った時になんか設定しちゃったみたいでさ、登校日前日が終わると4月2日に戻るんよ」

ウタ「……」

ウルル「なんかAIみたいなのがいてさ、そいつが設定してくれるんだけど、そのままにしてる」
省23
61: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:46 ID:loDylRht0(60/66) AAS
ウルル「うーたん、どうしたら良いと思う?」

ウタ「私に聞くの、ウルルちゃんらしくない」

ウルル「らしくないか……きっついわ」

ウタ「ウルルちゃんは、どうしたいの」

ウルル「……」
省9
62: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:47 ID:loDylRht0(61/66) AAS
41

手鞠沢高校 屋上

ウルル「ダメなん?」

ウタ「うん」

ウルル「うーたん、すごい人の目気にしてるじゃん。軽音部室前の怪とか呼ばれてたの、嫌っしょ」
省21
63: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:48 ID:loDylRht0(62/66) AAS
ウルル「つまりさ、全部リセットしてやり直すってこと?」

ウタ「そう。繰り返した記憶もなくして、1回目で」

ウルル「うーたん、アカペラ部入らないかもよ?」

ウタ「それは運命だって、さっきウルルちゃんが言った」

ウルル「せっかく繰り返したのもったいないとか、思わん?」
省14
64: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:49 ID:loDylRht0(63/66) AAS
42

手鞠沢高校 屋上

ミライ『こんにちはー』

ウタ「あっ、こんにちは」

ミライ『私は時間流調整機器搭載対話型制御用汎用人口知能の、ミライです』
省33
65: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:50 ID:loDylRht0(64/66) AAS
ウルル「そうだ。ミライを自分は拾わないようにしたいんだけど」

ミライ『要望はわかりました。どこかに私を送る設定をしてください』

ウタ「どこか?」

ウルル「どこかって言われても……うーん」

ウタ「それじゃあ、持ち主のところに戻るとか。この時代に残ると、何か起こりそうだから」
省26
66: ◆ty.IaxZULXr/ [saga] 2023/12/05(火)20:51 ID:loDylRht0(65/66) AAS
43 #10 『はじまり』

手鞠沢高校 アカペラ部室

ムスブ「はぁ、ひとり3分以内で」

ウルル「よし。オムスビ様の許しが出たんでやっちゃいましょ!」

ウタ「あ、ありがたやー」
省13
67: ◆ty.IaxZULXr/ [sage saga] 2023/12/05(火)20:52 ID:loDylRht0(66/66) AAS
あとがき

1万文字くらいで済ませたかったけど3倍くらいある
とにかくオーディオドラマ聞いてね

それでは
1-
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ぬこの手 ぬこTOP 0.153s*