女帝学園 (18レス)
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3: デアカルテ 2010/04/09(金)17:51 AAS
「「主将〜〜っ!!」」
部室の隅に居た他の部員が駆け寄ったが、主将と呼ばれた男子部員は泡を吹きながら土俵に崩れ落ちた。
「くっ・・・ど、どうしてこんなことを!?」
「ん? ・・・・・あっ!? ・・・そういえば、説明してなかったっけ・・・てへっ♪」
憤る男子部員数名に対し、全くそれを意に介してないかのように女生徒はおどけてみせた。
「んー。っていっても、ただの『部活統合』なんですけどね」
「『部活統合』・・・?」
そう。女生徒の言う通り、統合されたのは学校だけではなかった。
二つの学校が統合されれば当然、重複する部活も出て来る。
そういった部活を整理し、重複していなくても体外試合などの成績が振るわない部活は粛清、淘汰する。
それが新しい学校、しいては『新・生徒会執行部』の方針だった。
「・・・じゃあ、お前は・・・」
「あたしはK学園1年S組、鹿島杏子(かしま きょうこ)。生徒会執行部で書記をやってまーす」
「い、1年生だったのか!?」
相撲部員は男子の2〜3年生のみ。この場で一番歳下なのがこの杏子ということになる。
「しかも、運動部ですらなく、書記なのかよ・・・」
「ん? "書記なのか"ですって?」
男子部員がしまった、と思った時は既に遅かった。
杏子の長い腕が男子部員に伸び、顔を大きな手でその顔をキャッチした。
そのまま、片手一本で男子部員を持ち上げる。
「む"〜っ! む"〜っ!!」
杏子の手を放そうと必死にもがくが、その抵抗を意に介さないぐらい、両者の力の差は歴然だった。
ガコッ!!
「あ"ががが!!」
杏子の手の中で男子部員は大きな呻き声をあげた。
「口は災いの元♪」
気が済んだのか、杏子は手を放すと男子部員はドサッと地面に落ちた。
「おい! 大丈夫か!?」
「酷ぇ・・・顎が外れてる・・・」
残った部員が倒れた部員に駆け寄った。
「お、お前、1年だろ! せ、先輩に向かって何てことするんだ!」
残る部員は三人。その内の一人が勇気を振り絞って杏子に噛み付いた。
「ぶっ! くすくす・・・」
その様子が可笑しかったのか、杏子はお腹を抱えて笑い出した。
「な、何が可笑しい!?」
「先輩みたいな小っちゃくて脂肪だけの似非相撲部員に先輩面されても可笑しいだけです、ぷっ・・・あはは」
残っている相撲部員の身長はだいたい160㎝前後。土俵中央で昏倒している主将でやっと170㎝ぐらい。
全国平均とさほど変わらない。一般人としてはとりわけ、小さいわけではない。
「お、お前みたいなデカ女から見たら、どんな奴だって小さく見えるだろう!」
部員の言葉に、杏子の表情が変わる。
「あたし、確かさっき、『口は災いの元』って言いましたよね?」
「ひぃっ!?」
今度は、顎ではなく顔全体をその大きな手で掴んだ。
ミシッ、ミシミシ。
「いぎゃあぁぁっ!!」
杏子の表情は薄い笑みのまま。大して力を入れているようには見えない。
しかし、絶叫する部員の顔に徐々にその指が食い込んで行く。
まさしく、鉄の爪。アイアンクロー。
「あー、何こいつ。汚ーい」
突然、杏子は手を放した。その拍子に部員が地面に崩れ落ちる。
部員は口から白目を剥いて、泡を吹いていた。
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