[過去ログ] (´・ω・`)エンドロールは滲まない('、`*川 (361レス)
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1: 2013/06/14(金)17:58 ID:ehFC5L620(1/87) AAS
まとめ

ローテクなブーン系小説まとめサイト
外部リンク[html]:lowtechboon.web.fc2.com

規制されたのでVIPから引っ越してきました。
ついでにようですも取ってみました。

引っ越しがてらまずは過去の話を改めて投下します。
内容は以前投下したものと変わりません。
281: 2014/08/31(日)21:10 ID:Kf2nAHbY0(23/53) AAS
〜〜〜〜〜〜

車の外には、変わり映えしない白がひたすら広がっていた。
ときおり立っている標識や、すれ違う対向車がなければ、進んでいるのかすら分からない。

(´‐ω‐`)「ふぁ……」

ほどよく効いた暖房も相まって、どうしても眠たくなってくる。
きっとそれは、運転する紅里ちゃんも同じはずだ。
あくびを噛み殺し、声をかけてみる。
省8
282: 2014/08/31(日)21:12 ID:Kf2nAHbY0(24/53) AAS
今日の日付が変わるころ、こっそり車で迎えに行く。
ふたりで行っておきたいところがある。
そこですべて話そう。

紅里ちゃんの提案は、要約するとこういう内容だった。
断る理由はなかったし、僕はすぐに賛成した。
だけど、どこへ行くのか聞こうとしたとき、紅里ちゃんは再び友達に捕まってしまった。
話の内容からして、クラス全員で打ち上げをするようだった。
省5
283: 2014/08/31(日)21:15 ID:Kf2nAHbY0(25/53) AAS
昼間のことを思い出すと、不安になってきてしまう。
どこに向かっているか分からないことも、それに拍車をかけていた。

車の外には相変わらず、さっきまでと似た景色が広がっている。
時刻ももうすぐ1時半になろうとしている。
いつまでこうして、先の見えない状況が続くのだろう。

(´・ω・`)「あ……」

景色がわずかに傾いて、木々が目に見えて増えた。峠に入ったらしい。
省4
284: 2014/08/31(日)21:18 ID:Kf2nAHbY0(26/53) AAS
滞りなく駐車場に入ると、車は一台も止まっていなかった。
景色が売りの穂実路峠に、こんな時間に来る物好きはいないだろう。
別れ話をしに来る僕たちも、また別の物好きには違いないけれど。

適当な場所で車は止まり、ライトが消される。
少し先さえ見えない暗闇が、目の前に広がっていた。
メーターの明かりすら、いまは眩しいと思ってしまうくらいだ。

エンジンと、暖房だけが音を鳴らしている。
省5
285: 2014/08/31(日)21:22 ID:Kf2nAHbY0(27/53) AAS
(;´・ω・`)「……ねえ」

僕が小さく呼びかけると、紅里ちゃんはゆっくりとこちらを向いた。

(;´・ω・`)「僕たちは、さ」

('、`*川「うん」

(;´・ω・`)「ほんとに、本当に……別れ、なきゃ、いけないのかな」
省7
286: 2014/08/31(日)21:24 ID:Kf2nAHbY0(28/53) AAS
詰まりこそすれど、想いは言葉となって吐き出され続ける。
ただ、吐き出しても、吐き出しても、楽になる気配はなかった。

(´ ω `)「だったら、別れなくたっていいでしょ……?」

それどころか、次から次へと、言いたいことが溢れてくる。
口下手な僕がすべてを言葉にするには、どれだけ時間がかかるか想像もつかない。

(´ ω `)「連絡だって、まめにするよ。学校が休みになったら、会いに行くよ」

かといって、言葉にしなければ紅里ちゃんには届かない。
省7
287: 2014/08/31(日)21:26 ID:Kf2nAHbY0(29/53) AAS
(´;ω;`)「……嫌なんだよ! 別れたくない! 好きで、好きだから……いっしょにいたいんだ!」
288: 2014/08/31(日)21:30 ID:Kf2nAHbY0(30/53) AAS
(´;ω;`)「なのに……どうして……別れなきゃいけないんだよ……」

喉元を通り越して、想いは涙になって溢れだした。
呼吸が上手くできない。前がよく見えない。口の中がしょっぱい。
胸が、心が、張り裂けたと思うほどに、痛い。

(´;ω;`)「紅里ちゃん、言ってたよね……大人になりたい、って」

('、`*川「……言った」

(´;ω;`)「大人になるって、どういうことなの?」
省7
289: 2014/08/31(日)21:33 ID:Kf2nAHbY0(31/53) AAS
(´;ω;`)「嫌だ……紅里ちゃん……いかないで」

僕には、何もわからなかった。
紅里ちゃんがなりたいものも、なりたい理由も。
どこでどうすれば、それをわかることができたのかも。

(´;ω;`)「おいて、いかないで……」

散々喚き散らしたあと、頭の片隅で、思った。
少なくとも、いまの僕は、彼女の語る大人には程遠いのだろう、と。
省7
290: 2014/08/31(日)21:36 ID:Kf2nAHbY0(32/53) AAS
でも、紅里ちゃんの方を向くなんて、到底できやしない。
自分の意思とは関係なく、涙が止まらなかった。
それに、いったいどんな顔をして、僕は彼女と向き合えばいいのだろう。

「……そのままでいいから、聞いてて」

紅里ちゃんの手が、うつむいた僕の頭を撫でた。
それだけで不思議と安心感を覚える。
我ながら、本当に小さな子供のようだった。
省6
291: 2014/08/31(日)21:40 ID:Kf2nAHbY0(33/53) AAS
「……わたしは、ショボと別れる。別れて、新富に行く」

「別れない、って選択肢もあるけど、わたしはそれを選んじゃいけないと思う」

お願いだから、やめてほしかった。
そんなひどいことを、優しい声で言わないで。
こうすることがふたりのため、みたいな言い方をしないで。
いっそ、事実を淡々と突き付けてくれた方がましだ。

「大人になる、ってどういうことなのかは……正直、よくわからないや」
省9
292: 2014/08/31(日)21:43 ID:Kf2nAHbY0(34/53) AAS
「だから、ショボ……ううん。直彦の想いも、直彦への想いも、新富には連れていけない」

紅里ちゃんは僕をあだ名じゃなく、初めて、名前で呼んだ。

「わたしね、直彦のこと……好きだよ。大好きだよ」

いつの間にか、僕の頭を撫でていた手は、動きを止めていた。

「大好き、だけど……直彦のために、自分の夢は、諦められないや」
省7
293: 2014/08/31(日)21:45 ID:Kf2nAHbY0(35/53) AAS
紅里ちゃんの涙を見て、僕はすべてを察することができた気がした。
うつむいたままだったら、どれだけ話してもわからなかったと思う。

僕の紅里ちゃんへの想いと同じだったのだ。
同じくらい、あるいはそれ以上に強い想いを、彼女も抱いていた。
ただ、想いの矛先が、違っていただけの話だった。

僕がなにを言っても、紅里ちゃんの決意は変わらないだろう。
変えるだけの力を、僕は持ち合わせていない。
省5
294: 2014/08/31(日)21:48 ID:Kf2nAHbY0(36/53) AAS
終わらせる瞬間は、とても不思議な気持ちだった。

(´ ω `)「……別れよう」

受け入れたようにも、諦めたようにも、ごまかしたようにも思えた。

〜〜〜〜〜〜
295: 2014/08/31(日)21:49 ID:Kf2nAHbY0(37/53) AAS
翌日の朝は、少し目覚めが悪かったこと以外、いつもと変わりなかった。

(´・ω・`)「おはよう」

着替えてリビングに行くと、すでに朝食が用意されていた。
食パンにウインナーに目玉焼き。あとは好みでかける調味料がいろいろ。
簡単なものだけど、これくらいの方が起きたばかりの胃袋にはちょうどいい。
ひとまずはトースターに食パンを一枚放り込んで、焼けるまで適当に食べて待つことにした。

家に帰ったのは、空が白み始めたころだった。
省8
296: 2014/08/31(日)21:51 ID:Kf2nAHbY0(38/53) AAS
朝のニュース番組がいったん終わり、飼い犬を紹介するコーナーが始まる。
少し遅れて、トースターから食パンが茶色く焼けた顔を覗かせた。

バターを食パンに塗りながら、起き抜けの頭で昨日の夜の記憶を振り返る。

帰りの道中、紅里ちゃんは新富に行ったあとのことをいろいろと話してくれた。
話していないと眠くなる、なんて言っていたけど、すぐに嘘だと分かった。
無言の時間に耐え切れなくて、少しでも場を明るくしたかったのだ。

紅里ちゃんが語る新富での生活は、希望に溢れていた。
省8
297: 2014/08/31(日)21:54 ID:Kf2nAHbY0(39/53) AAS
拍子抜けするほど何もない、日常の延長線上にあるような最後だった。
顔を見ることすら、これっきりになるのかもしれないのに。

(´・ω・`)「……夢、だったのかな」

そんなわけはないと分かっていても、思わずにはいられない。
現実的過ぎて、逆に現実味が感じられなかった。
まだ夢の中に片足を突っ込んでいるような頭では、なおさらだった。

ひとまず、ちゃんと頭が回るようにする必要がありそうだ。
省4
298: 2014/08/31(日)21:57 ID:Kf2nAHbY0(40/53) AAS
僕はなんとなく手を引っ込め、玄関へと向かった。
父さんは着替えの真っ最中で、母さんは台所だ。僕が行くのが一番手っ取り早い。

それにしても、こんな朝から訪ねてくるなんて、郵便か、宅配業者の類だろうか。
なんて思っていると、再びインターホンが鳴らされた。
業者が何度も鳴らすとは、少し考えづらい。セールスかもしれない。

(´・ω・`)「はいはい……」

そこまで考えておきながら、僕は相手を確認もせずにドアノブをひねってしまった。
省10
299: 2014/08/31(日)22:00 ID:Kf2nAHbY0(41/53) AAS
(;´・ω・`)「あ、え……なんで」

一気に目が覚めて、すぐさま冬の町並みのように頭が真っ白になる。
だけど、白の中心で、紅里ちゃんだけがはっきりと認識できる。
彼女はまだ、僕の世界の中心にいた。

('、`;川「なんかさ、ふたりとも変な気を利かせてくれちゃって」

困った顔をして、紅里ちゃんが振り返る。
その視線の先には昨日も見て、そして乗った、彼女の家の車が止まっていた。
省7
300: 2014/08/31(日)22:03 ID:Kf2nAHbY0(42/53) AAS
紅里ちゃんはそうこぼすけど、僕は違った。

話したいことがないわけじゃない。
どれから話そうか迷うほどに、ありすぎる。

話したいことはどれも、昨日話したことの焼き増しだった。

僕はまだ、自分の気持ちをきちんと紅里ちゃんに伝えられていない気がしてきて。
だから、できるなら伝わるまで何度でも話したいと思った。

だけど僕は結局、うまく話せなくて、伝わらなくて、また話したいと思うのだろう。
省5
301: 2014/08/31(日)22:06 ID:Kf2nAHbY0(43/53) AAS
紅里ちゃんが毛糸の手袋を外して、右手を差し出す。
最後に握手をしよう、ということらしかった。

手を伸ばして、繋いで、離せば、僕たちは本当に終わる。
もう二度と同じ時間を過ごすことも、なくなるのだろう。
視覚化された最後を目の前にして、右手が鉛のように重くなる。

(;´・ω・`)「……紅里ちゃんこそ」

('、`*川「ん?」
省8
302: 2014/08/31(日)22:09 ID:Kf2nAHbY0(44/53) AAS
( 、 *川「……さようなら」

僕が握り返したのが合図だったかのように、顔を伏せて紅里ちゃんは言った。
彼女の手から力が抜ける。握手がほどけそうになる。
彼女の指が、僕の指のすき間をすり抜けていく。

(;´・ω・`)「あっ……」

とっさに僕は、紅里ちゃんの指先だけを捕まえていた。

( 、 *川「……」
省7
303: 2014/08/31(日)22:12 ID:Kf2nAHbY0(45/53) AAS
支辺谷で着るには薄手のコートを羽織った背中が、遠ざかっていく。
寒風になびく暗い茶色の髪が、車の中に消えていく。
エンジンがかかって、車がゆっくりと発進する。
僕はそのすべてを、玄関先からただ見ているだけだった。

('ー`*川ノシ

車が見えなくなる直前、車内の紅里ちゃんと目が合った。
あの笑みを浮かべて、手を振っていた。
省7
304: 2014/08/31(日)22:15 ID:Kf2nAHbY0(46/53) AAS
朝、紅里ちゃんが訪ねてきたあとは、何事もなく一日が過ぎていった。

リビングに戻ってからはトーストをもう一枚食べて、ココアを飲んで体を温めた。
自然とお腹は減って、昼食も夕食も完食した。
夕食のあとに見たバラエティ番組は、最近でも特に面白かった。
お風呂は少し熱めだったけど、体の芯まで温まって気持ちよかった。

紅里ちゃんがいなくなっても、普通に日々は過ぎていく。
僕はなんだかんだで普通に生きていくことができるのだ。
省8
305: 2014/08/31(日)22:18 ID:Kf2nAHbY0(47/53) AAS
口いっぱいに檸檬特有の甘さと酸味が広がっていく。
暖房で渇いた喉を、炭酸が撫でていく感触が心地いい。
紅里ちゃんが好んで飲んでいた理由も、いまなら分かる。

紅里ちゃんは新富の新居でどうしているのだろう。
疲れてもう眠ってしまったのか、興奮して眠れていないのか。
あるいは、都会の夜を楽しんでいるかもしれない。
支辺谷と違って夜でも遊べる場所はあるだろうし、その可能性もありえる。
省10
306: 2014/08/31(日)22:21 ID:Kf2nAHbY0(48/53) AAS
天井にぼんやりと紅里ちゃんの最後の笑顔が映る。
脳裏に焼き付いた記憶が、スクリーンに投影されるかのように。

いつの日か、僕は今日のことも思い出せなくなるのだろう。
忘れる気は微塵もないけど、望まなくともそうなるに違いなかった。

少しずつ、ふたりで過ごした日々を振り返っていた。
特に印象の強かった出来事は、鮮明に思い出せた。
紅里ちゃんの仕草のひとつひとつや、会話の内容も覚えていた。
省10
307: 2014/08/31(日)22:24 ID:Kf2nAHbY0(49/53) AAS
心臓の真上に、誰かが乗っているような感覚を覚えた。
起き上がるのにかなり苦労しそうなほどに、重い。
こんな想いを抱えて、僕はこの先、歩いていけるのだろうか。
紅里ちゃんが言っていた大人というものになれれば、軽くなるのだろうか。

そもそも、大人になる、というのはどういうことなのだろう。
紅里ちゃんが言っていたように、なんでもひとりでやっていけるようになるのが、そうなのか。

そんなことはない。他にも手段はある。
省8
308: 2014/08/31(日)22:27 ID:Kf2nAHbY0(50/53) AAS
追憶はいよいよ、昨日の別れ話のときにさしかかる。
思い出すことが辛い。心臓が重みで押しつぶされそうだった。

(´ ω `)「……そう、だ」

そういえば、紅里ちゃんは僕に謝るとき、泣いていた。
ただ、涙はこぼさないように、必死でこらえていた。
すでに泣いている僕を気遣って、自分を押し殺していた。

時と場合によって、自分の気持ちを隠すこと。
省6
309: 2014/08/31(日)22:30 ID:Kf2nAHbY0(51/53) AAS
(´;ω;`)

彼女が言っていた大人というものに、少しは近づけたのだろうか。

.
310: 2014/08/31(日)22:32 ID:Kf2nAHbY0(52/53) AAS
エンドロールは滲まない

第六話 GirlfriEND

おわり

.
311: 2014/08/31(日)22:33 ID:Kf2nAHbY0(53/53) AAS
以上で第六話の投下は終了です。

次回、最終回です。最後までお付き合いいただけると幸いです。

最後に感想、質問、批評などあったら好きに書いていってください。
312: 2014/09/01(月)03:11 ID:L9yCS99s0(1) AAS

優しい気持ちになれるこの話が好きです
最終回、期待してます
313: 2014/09/01(月)17:45 ID:Ao0yndpw0(1) AAS
乙!
楽しみにしてます
314: 2014/09/02(火)22:24 ID:XT3.DDvk0(1) AAS
果たして何エンドになるのやら…おつ
315: 2014/09/09(火)18:53 ID:4B.t6jo20(1) AAS

最終回楽しみにしてます

('、`*川(´・ω・`)(擬人化注意)
画像リンク[jpg]:i.imgur.com
316: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)18:59 ID:9jmJcA.g0(1/35) AAS
投下開始します。
317: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:00 ID:9jmJcA.g0(2/35) AAS
人ごみの中を歩くのは、いまだに苦手だった。
誰もが早足で僕を追い抜いていく。目的地にたどり着くまでに、何度も蛇行してしまう。
基本的にラッシュの時間帯にしか歩かないから、そう感じるだけかもしれないけど。

あるいは、仕事終わりで疲れているせいかもしれなかった。
今日も先輩といっしょに、得意先に顔を出して回った。
おかげで足が棒のようだ。早く家に帰って、窮屈な革靴を脱ぎ捨ててしまいたい。

(´・ω・`)「あ、どうしようかな……」
省7
318: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:03 ID:9jmJcA.g0(3/35) AAS
(´‐ω‐`)「……たまには、いいか」

自分に言い聞かせるように口に出す。
後ろから僕を追い越していった中年のサラリーマンが、奇異の視線をこちらに向けた。
目が合ってしまったので、わざと咳払いをして視線を逸らした。

(;´・ω・`)「……さっさと行こう」

さっきのサラリーマンはとっくに人ごみに消えて見えない。
それでもなんだか居心地が悪くて、僕はそそくさとその場を離れた。
省6
319: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:06 ID:9jmJcA.g0(4/35) AAS
信号を渡り、家電量販店の脇を抜ければ、左手に目的地の書店の看板が見える。
新富に来てから本屋を探して、たまたま一番最初に見つけたところだ。
他にも本屋があるのは分かっているけど、惰性でいつもここに来てしまう。

本屋に到着して、まずは二階へ向かう。
話題の本や文庫本が売られている階だ。

とはいえ、僕は小説を読んだ記憶があまりない。
せいぜい、面白かった映画の原作になった小説くらいしかなかった。
省7
320: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:09 ID:9jmJcA.g0(5/35) AAS
三階は僕にも関係のあるジャンルの本が置かれている。
経営やビジネス、政治、社会。いわゆる社会人向けの本だ。
看板の案内に従って、僕はそういったジャンルがまとめられている一角へ向かう。

働き始めて、自分がどれだけものを知らないか、ということを思い知らされた。
一般常識や社会人としてのマナーについて、就職してから何回怒られたか分からない。
マナー講座、新社会人の心得。そんな本を買いあさっていた春の日も、いまは少し遠く感じる。

(´・ω・`)「何か……ないかな……」
省9
321: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:12 ID:9jmJcA.g0(6/35) AAS
本当に久しぶりに、彼女のことを思い出した。
記憶の中の彼女は制服姿で、いまの僕から見れば幼い顔立ちで。
そして、きっと、本人以上に可愛らしかった。

あれから一度も会っていないし、連絡も取っていない。
だから、僕には彼女がいま、どうしているのか分からない。
まだ彼女は新富にいるのだろうか。

彼女は、大人になることができたのだろうか。
省8
322: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:15 ID:9jmJcA.g0(7/35) AAS
とりとめのないことを考えているうちに、ビジネス関係の本棚に目を通し終える。
結局、気になるような本は見つからなかった。
見逃しただけかもしれないけど、また探す気力はなかった。

そのまま隣の政治、社会関係の本棚に移る。
国会で法案がどうとか、経済協力がどうとか。
学生の頃は気にも留めなかった話題も、いまは目を通しておく必要がある。
ただし、興味はいまだに湧いてこないので、本の物色はかなり適当だ。
省6
323: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:18 ID:9jmJcA.g0(8/35) AAS
横を通ろうとしていた人に腕が当たってしまったらしかった。
あくびをしていたせいで、周りをよく見ていなかったのがまずかった。

(;´・ω・`)「あっ……!」

さっ、と顔から血の気が引く。
女性は転んでいないか。怪我をしていないか。本をだめにしてはいないか。
様々な心配事が瞬時に脳裏をよぎる。

(;´・ω・`)「すっ、すいませ……」
省5
324: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:21 ID:9jmJcA.g0(9/35) AAS
彼女は目尻の垂れた、つぶらな瞳で僕を見ていた。
幼い頃から変わらない、忘れるはずもない瞳だった。

ぶつかったせいなのか、少し乱れた前髪が顔にかかっていた。
髪の色は僕の記憶よりも短く、そして黒くなっていた。

紺色のパンツスーツ姿で、茶色の鞄を肩から下げていた。
学生服姿とは似ても似つかなかったけど、とても彼女に似合っていた。

「……ショ、ボ?」
省6
325: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:24 ID:9jmJcA.g0(10/35) AAS
エンドロールは滲まない

最終話 エンドロールは滲まない

.
326: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:27 ID:9jmJcA.g0(11/35) AAS
もしも、もしも僕が、彼女と再び出会うことがあったなら。
そのときこそ、僕の想いのすべてを伝えたい。
未練がましく、そう思っていた時期があった。

訪れるのかもわからない未来のために、自分の心と何度も向き合った。
心を言い表せられる言葉を探しているうちに、窓の外が白み始めたなんてことが、数えきれないほどあった。
そうやって準備に準備を重ね続け、僕は納得できる限りで想いのすべてを言葉にできた。

いまでもすらすらと口に出せるくらいに覚えている。
省7
327: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:30 ID:9jmJcA.g0(12/35) AAS
声にならない声を出すばかりの僕に、紅里ちゃんが語りかける。
こんなところは高校生のころからまったく変わっていなかった。

('、`*川「もう……何年ぶりだっけ? 6、7年?」

(;´・ω・`)「5年と、半年、くらい……かな……?」

最後に会ったのが、高校二年の3月。年度の替わる直前だった。
年度をまたいだせいで少し計算に自信がない。

('、`*川「あー、そうだっけ? もっと会ってない気がしてた」
省5
328: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:33 ID:9jmJcA.g0(13/35) AAS
(´・ω・`)「親からときどき近況とか聞いてたしね」

本当のことをそのまま言うわけにもいかず、とりあえずかいつまんで説明する。
嘘は言っていない。これも社会人になって身に着けた知恵のひとつだ。

('、`*川「そっか。お父さんとおじさん、職場いっしょだもんね」

そもそも、学年が違う僕と紅里ちゃんが幼馴染である理由がそれだ。
僕たちが付き合い、別れたことで、職場で気まずくなったりしていないか、一時期は心配だった。
だけど、幸いにもその点については問題ないらしかった。
省8
329: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:37 ID:9jmJcA.g0(14/35) AAS
そのあと、僕たちは駅前にあるチェーンの喫茶店に移動した。
僕は見慣れない飲み物のサイズの表示に苦戦しながらも注文を終えて、品物を待っている最中だ。
紅里ちゃんは長い呪文のような注文をそそくさと済ませ、先に席を確保している。

(;´・ω・`)「……なんだこれ」

少し経って、トレイに乗せられた飲み物が出てくる。
僕が頼んだエスプレッソと、紅里ちゃんが頼んだよくわからないなにか。
こんもりと生クリームが盛られているのは、あの呪文によるものなんだろうか。
省9
330: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:39 ID:9jmJcA.g0(15/35) AAS
('ー`*川「さて……それでは再会を祝しまして、乾杯!」

(´・ω・`)「はい、乾杯」

軽く乾杯を交わすと、盛られた生クリームがたゆんと揺れた。
見ているだけで胃がむかついてくる。

('、`*川「ショボの職場ってこの辺なの?」

(´・ω・`)「いや、二板のあたり。ここは通るだけだよ」
省10
331: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:42 ID:9jmJcA.g0(16/35) AAS
('、`*川「ねえ、ショボっていまどんな仕事してるの? 教えてよ」

尋ねてくる紅里ちゃんの態度は、空白の時間の存在を疑うほど、学生時代とそっくりだった。
僕たちは昨日まで制服を着ていたような気さえしてくる。
あるいは、そう振る舞うことで、空白を埋めようとしているのかもしれなかった。

(´・ω・`)「僕? ただの営業だよ」

('、`*川「なに売ってるの?」

ならば、紅里ちゃんの話に乗るのも悪くないと思えた。
省7
332: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:45 ID:9jmJcA.g0(17/35) AAS
僕は高校を卒業して、地元の理系大学に進学した。
地元といっても、新富の大学が支辺谷に学部ごと新設したキャンパスだ。

僕は四つある学科の中から、農学系の学科を選んだ。
農業のことを全般的に学ぶ、よく言えば多角的な、悪く言えば中途半端な学部だった。

この大学を選んだ理由は、特になかった。
支辺谷を離れてまでやりたいこともなく、動物や植物がそれなりに好きだった。
強いて挙げたとしても、これが精一杯の理由だった。
省7
333: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:48 ID:9jmJcA.g0(18/35) AAS
(´・ω・`)「これがやりたかったわけじゃないけど、やりたくなかったわけでもない」

('、`*川「うん」

(´・ω・`)「些細な不満はあるよ。ほんとに小さいものまであげたらきりがない」

('、`*川「まあ、ね」

(´・ω・`)「でも……それなりにやっていけてるから、いいのかな、って思ってるよ」
省10
334: 2014/11/10(月)19:49 ID:KyBcytxw0(1/2) AAS
読み読み
335: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:51 ID:9jmJcA.g0(19/35) AAS
('、`*川「大学に入って、講義を受けてるうちに、思ったんだよね」

乗り出していた体を少し後ろに預けて、紅里ちゃんは頬杖をついた。
それから、きっと甘ったるい匂いのため息をついて、こう続けた。

('、`*川「あんまり面白くない、って」

紅里ちゃんは目を細めて、ふい、と視線を逸らす。
同じような表情で講義を受けている彼女の姿が、容易く想像できた。

('、`*川「新富に来てからは、楽しいことばっかりだった」
省8
336: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:54 ID:9jmJcA.g0(20/35) AAS
('、`;川「楽しかったけど……それだけでさ」

('、`;川「やりたいことも特に見つからないまま、なんとなく保険会社のOLやってる」

苦虫を噛み潰したような表情で、生クリームの塊に口をつける紅里ちゃん。
僕にはなんだか、その甘さに苦しんでいるように見えた。
昔の自分の考えの甘さとか、楽しかっただけの日々の甘さに。

('、`*川「一年間やってきたけど、当然一人前にはほど遠いわけで」

('、`*川「家事も学生のころにもっと頑張って身につけておけばよかった、って後悔してる」
省5
337: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)19:57 ID:9jmJcA.g0(21/35) AAS
ぽつりとそう漏らした紅里ちゃんは、自嘲気味に笑っていた。
泣くとか、怒るとか、そういった段階を通り越して、もう笑うしかない。
彼女は知らない間にそんなところまで、たったひとりでたどり着いてしまっていた。
ひとりだったからこそたどり着けてしまった、と言い換えてもいいだろう。

( ー *川「……ねえ」

(´・ω・`)「ん?」

( ー *川「わたし、ショボに謝らなくちゃいけないね」
省7
338: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:00 ID:9jmJcA.g0(22/35) AAS
( 、 ;川「……」

いよいよ虚勢すら張れなくなった紅里ちゃんは、耐え切れなくなったのか目を伏せた。
僕は黙って、彼女がすべて吐き出しきるまで待つことに決めた。

きっと僕たちは、このために再会したのだ。
空白を埋めて、積もりに積もったものを崩して、溜まりに溜まったものを吐き出すために。
時間の流れが消し去ったものも、産み出したものも、全部リセットするために。

( 、 ;川「ショボ……いまのわたしは……どう見えてる?」
省5
339: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:03 ID:9jmJcA.g0(23/35) AAS
(´・ω・`)「……大人になる方法も、大人かどうかの基準も、僕には分からない」

(´・ω・`)「だから、紅里ちゃんが大人になれているのかも、分からない」

('、`;川「……」

紅里ちゃんはいつの間にか、真剣な面持ちで僕の話に耳を傾けていた。
最初からそんなつもりはなかったけど、無責任なことは言えないな、と思った。

(´・ω・`)「……ただ、僕の中の基準で答えるなら」
省6
340: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:06 ID:9jmJcA.g0(24/35) AAS
(;´・ω・`)「それに……っ」

再会してからずっと、頭の片隅に留めておいた想いが、漏れそうになる。
慌てて口を閉ざしてみたけど、それがかえって意味深な間を作ってしまう。

('、`*川「それに?」

紅里ちゃんも小首を傾げて、言葉の続きを待っている。
なんでもない、と話を切り上げても、追及されるのは目に見えていた。

(;´‐ω‐`)「……それに」
省7
341: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:09 ID:9jmJcA.g0(25/35) AAS
(;´‐ω‐`)「昔から紅里ちゃんは、僕にはずっと大人に見えていたし」

(*´・ω・`)「……いまだって、その、大人の女性って感じで……綺麗で、素敵だと思う」

再会した紅里ちゃんは、かつて思い描いた将来の彼女そのものだった。
いや、それ以上に凛々しく、綺麗な大人の女性になっていた。
昔の彼女がいまの自分を見たら、きっと大喜びするだろう。

('、`;川「……」

当の紅里ちゃんは目を丸くして、結構長い間、固まっていた。
省8
342: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:12 ID:9jmJcA.g0(26/35) AAS
('、`*川「ショボ、連絡先教えてよ」

日付けが変わる頃合いになっても、いまだに混雑している駅のホーム。
その中央で互いに乗る電車を待っていると、紅里ちゃんがそんな提案をしてきた。

('、`*川「いつの間にか連絡つかなくなってるんだもん」

(;´・ω・`)「いや、気付いたら紅里ちゃんの連絡先変わってたんだけど」

('、`;川「あれ、そう? 一括で連絡先変わった、って送った気がするんだけどなー」
省6
343: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:15 ID:9jmJcA.g0(27/35) AAS
('、`*川「あ、同じスマホじゃん」

(´・ω・`)「ほんとだ……アドレス交換のアプリ……も、同じか」

幸い、連絡先を交換するのに手間はかからなさそうだった。
そそくさと設定を終えて、互いのスマートフォンを乾杯するように軽く当てる。

('ー`*川「よしっ、これで愚痴る相手ゲット」

(;´・ω・`)「ひどい言い草だなあ……」
省8
344: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:18 ID:9jmJcA.g0(28/35) AAS
やがて電車が到着して、ホームは一時的に人で溢れかえる。
紅里ちゃんの姿も見失ってしまいそうになる。

「休みとか、いっしょに飲みに行ったりしようねー!」

(;´・ω・`)「社会人の先輩がおごってくれるならねー!」

人ごみの中から、紅里ちゃんが僕に呼びかける。
少し恥ずかしいけれど、僕も声を張り上げて返事をした。

「うーん、考えておく! またね!」
省7
345: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:21 ID:9jmJcA.g0(29/35) AAS
ほどなくしてやってきた電車に乗り込み、自宅の最寄り駅で降りる。
駅の出口から見える街並みに、実家に帰ってきたような安心感を覚えるようになったのは、つい最近のことだ。

小さな繁華街を抜け、夜の静寂に包まれた住宅街にさしかかる。
まばらに立てられている街灯の光だけが、闇を照らしている。
月は明かりにするには頼りなく、星は姿すら見えない。

支辺谷とは違う夜の暗さにも、すっかり慣れた。
ようやく都会に暮らす人間らしくなってきた、というところか。
省8
346: 2014/11/10(月)20:23 ID:ckTP.vuE0(1/2) AAS
支援
後でゆっくり読ませてもらうよー
347: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:24 ID:9jmJcA.g0(30/35) AAS
久しぶりに紅里ちゃんと過ごした時間は、楽しかった。

僕にとって紅里ちゃんとの思い出は、青春時代の一番楽しく、そして一番辛い思い出だった。
だから、彼女と再会したとしたら、嬉しさと悲しさが入り混じった想いを抱くはずだ。
それが、僕が「もしも」を思い描くたびに達する結論だった。

ところが、実際はどうだ。
驚くほどに普通に会話して、連絡先まで交換して、そのうち飲みに行くかもしれない。
こうしてひとりになって、ようやく少しだけ感傷に浸っている。
省4
348: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:27 ID:9jmJcA.g0(31/35) AAS
悲しくはなかった。
悲しい、と思うのなら、それはまだ終わっていない証拠だ。

関係の終わり、ということなら、紅里ちゃんが新富へと発ったあの日になるのだろう。
だけど、僕はその日の夜も、次の日も、そのまた次の日も、紅里ちゃんのことが好きだった。

僕の中では、何も終わっていなかった。
だからこそ悲しくて、声を殺して泣き、枕を涙で濡らした。

きっと関係の終わりは、例えるなら映画のクライマックスなのだ。
省8
349: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:30 ID:9jmJcA.g0(32/35) AAS
(´・ω・`)「……そういうことなんだな、きっと」

そうやって自己完結できてしまったことがおかしくて、つい笑みがこぼれる。
いまの僕の人となりは、昔の僕には欠片も想像できないだろう。
僕も変わった。あるいは、大人になったものだ。

(;´・ω・`)「……この匂い、紅里ちゃん?」

不意に鼻をくすぐった香りに、僕ははっとして周囲を見渡した。
当然ながら、紅里ちゃんの姿はどこにもなかった。
省8
350: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:33 ID:9jmJcA.g0(33/35) AAS
紅里ちゃんの、もとい金木犀の香りが、胸をくすぐる。
ざわざわ、と心臓に鳥肌が立つような感覚を覚えた。
だけど、痛むことはなかった。

肺いっぱいに空気を吸い込み、吐き出してみる。
いままでの人生で一番、楽に呼吸できた気がした。

(´‐ω‐`)「……よし、帰ろう!」

今日、本当の意味で僕と紅里ちゃんの恋は終わった。
省6
351: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:34 ID:9jmJcA.g0(34/35) AAS
エンドロールは滲まない

最終話 エンドロールは滲まない

おわり

.
352: ◆LemonEhoag 2014/11/10(月)20:38 ID:9jmJcA.g0(35/35) AAS
投下終了しました。

以上で、この作品は完結となります。
この作品を読んでくれたすべての人たちに、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
完結までご愛読していただき、本当にありがとうございました。

最後に感想、質問、批評などあったら好きに書いていってください。
353: 2014/11/10(月)20:45 ID:9brVpJqU0(1) AAS
乙でした
また一から読み直します
354: 2014/11/10(月)20:57 ID:KyBcytxw0(2/2) AAS
タイトルからして、スタートではもっと子供らしい青春の終わりを想像していたけど
青年としての始まりで幕が閉じて良かった
ショボは大人になったよ……これからも大人になるよ

渾身の乙!!!
355: 2014/11/10(月)21:20 ID:1HsZ0CdE0(1) AAS
乙!
良かったです
356: 2014/11/10(月)23:20 ID:ckTP.vuE0(2/2) AAS
苦味とさわやかさのある物語、とても好きでした!
本当に乙です!
357: 2014/11/12(水)17:21 ID:7dauhYNs0(1) AAS
まじおつ!
最後にスレタイとつながるとこまじで感動したわ
ショボンはこれからしっかり歩いて行けるんだろうなぁ
358: 2014/11/16(日)13:12 ID:j/N0v4.w0(1) AAS
遅ればせながら乙

なるほどねー滲む時点では終わってないのねー
はっとさせられたわー
359: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
360: 2015/03/13(金)19:09 ID:kjC0O3M20(1) AAS
( ^ω^)
361: 2015/03/14(土)20:15 ID:C0/mq58Q0(1) AAS
遅くなったけど乙でした!
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