[過去ログ] 蓮實重彦 Chapitre 21 (987レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
484: 2012/04/06(金)09:38 ID:i97ScCd2(1) AAS
LES HASUMIENS−蓮實 重彦
外部リンク[pl]:mixi.jp
管理しない管理人COVIA☆

映画の荒唐無稽について
2005/10/31 19:27 COVIA☆
面白いセリフがあったんで、のせてみました。

「映画を見るのが好きだったり、好きな映画について語ったり書いたりするのがするのが好きだったりする連中は体験的な事実として、そのほとんどが馬鹿だと断言しうる。
馬鹿とは何かという定義以前の段階で、彼ら、あるいは彼女らは馬鹿だと思って間違いない。また、映画を見るのが好きでなかったり、にもかかわらず見てしまった映画に
ついて語るのが好きではない連中も、ほぼ例外なしに馬鹿である。さらには映画を見るのが好きでも嫌いでもなく、それでいてときに映画を見てしまったりする連中も
程よく馬鹿だといえようが、彼ら、また彼女らの馬鹿さ加減が、映画を見ることにまったく関心を示さない連中のそれよりおとっていたりまさっていたりするわけではいささかもない。
では、映画が積極的に嫌いだと公言する連中が馬鹿でないかというと、これまた馬鹿たることをまぬがれていない。体験的な事実として、彼ら、または彼女らも
救いがたく馬鹿だと断言することができる。そして、以上の言説から、人類は押しなべて馬鹿の集積からなっているのだという命題を涼しい顔で引き出してみせる人間がいたとするなら、
これまた馬鹿というほかない。いま、さしあたり問題なのは人間が多少とも馬鹿であったりなかったりする生物か否かを知ることではなく、馬鹿たることによってしか
人は映画と関わりを持ち得ないという事実である。繰り返すが、馬鹿とは何かの定義はこのさいどうでもよろしい。映画を肯定するにせよ否定するにせよ、
映画という言葉で人が何事かを想像しうるかぎり、人は馬鹿たることをうけいれねばならない。そしてそのことを、人は体験によって熟知している。それは間違いのない事実である。
というのも、この世界に映画が存在しなければならないという正当な理由もないのに、誰も積極的にその正当な理由の欠如を不思議に思ったりはしな いからだ。」
                 「映画狂人万事快調」より
1-
あと 503 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.007s