[過去ログ] 【ファンタジー】ドラゴンズリング2【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (368レス)
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147: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/21(土)11:45 ID:QkbALjB6(2/3) AAS
「……これで3対1だ。そなたに勝ち目はない、大人しく指環を渡すのだ。ここで渡せば悪いようにはせぬ」

何はともあれ指環を回収するのが先決だ。おそらく聞く耳持たないとは思いつつも、降伏を勧告する。

>「あぁ、マスターさんとやらは傍に置いてくれているんでしたっけ?」
>「でもそれは、きっとあなたの力に価値を感じているだけ。あなたという人間には、何の価値もない」

ラテがミライユを煽ってみせる。敢えて怒らせて、本心を引き出して対話しようとしているのだ。
功を奏してくれればいいが――と思いつつミライユの反応を見守っていた時だった。
オークの攻撃性を露わにしたジャンが殺意をむき出しにして襲い掛かっていくのが目に入った。
省28
148: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/21(土)11:54 ID:QkbALjB6(3/3) AAS
【誤植申し訳ない
>146 下から四行目
×シュマリは見事な啖呵で、最終的に二人をシュマリの加勢に向かわせることに成功した。
○ラテは見事な啖呵で、最終的に二人をシュマリの加勢に向かわせることに成功した。

それとホールドを放ったのは当然ながらミライユ殿に対してだ!】
149: 2017/01/21(土)13:05 ID:88unqtu9(1/10) AAS

150: 2017/01/21(土)13:06 ID:88unqtu9(2/10) AAS

151: 2017/01/21(土)13:06 ID:88unqtu9(3/10) AAS

152: 2017/01/21(土)13:07 ID:88unqtu9(4/10) AAS

153: 2017/01/21(土)13:07 ID:88unqtu9(5/10) AAS

154: 2017/01/21(土)13:08 ID:88unqtu9(6/10) AAS

155: 2017/01/21(土)13:08 ID:88unqtu9(7/10) AAS
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156: 2017/01/21(土)13:09 ID:88unqtu9(8/10) AAS
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158: 2017/01/21(土)13:10 ID:88unqtu9(10/10) AAS
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159: 2017/01/21(土)13:10 ID:Qv9tlQKT(1/8) AAS
生め
160: 2017/01/21(土)13:11 ID:Qv9tlQKT(2/8) AAS
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161: 2017/01/21(土)13:11 ID:Qv9tlQKT(3/8) AAS
産め
162: 2017/01/21(土)13:12 ID:Qv9tlQKT(4/8) AAS
膿め
163: 2017/01/21(土)13:12 ID:Qv9tlQKT(5/8) AAS
倦め
164: 2017/01/21(土)13:13 ID:Qv9tlQKT(6/8) AAS
績め
165: 2017/01/21(土)13:13 ID:Qv9tlQKT(7/8) AAS
熟め
166: 2017/01/21(土)13:14 ID:Qv9tlQKT(8/8) AAS
うめ
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169: 2017/01/21(土)20:57 ID:twErGvaq(1/3) AAS
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181: 2017/01/22(日)00:33 ID:a9Hn9Vu1(1/3) AAS
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184: [age] 2017/01/22(日)00:41 ID:vlEzVIn6(1) AAS
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185: [age] 2017/01/22(日)00:50 ID:RUfuTQ+n(1) AAS
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186: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/23(月)14:24 ID:UYM1vaS0(1/5) AAS
転移魔方陣へと素早く駆ける。
使い方は知っている。テッラが出したものとはいえ、ある程度汎用性のある魔術だ。
魔方陣は目の前だ。

しかし――
後ろからようやく現れたタイザンは汗だくで血眼になっており、もはや自分の判断や意思はなさそうだ。
惰性で動かされ、シュマリの身を案じている方に心が動かされているのが丸分かりだ。
その後ろから来るホロカはさらに遅い。それまでに何らかの妨害がある可能性は高いだろう。
省26
187: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/23(月)14:25 ID:UYM1vaS0(2/5) AAS
素早くラテの動きを振り切ると、まずは会員証を一枚スカートから抜き取り、操作して飛ばした。

「待ってなさい、シュマリ、今助けに行くからね!」

その標的は刀を抜き、殆ど狼と化してテッラと戦うシュマリへと向かう、タイザンの腕へと突き刺さった。
思わぬ後方からの不意打ちに、タイザンは刀を落とす。
そして、タイザンの目にはその目に入れても痛くないほど大切な、あの娘の名前とナンバーが飛び込んできた。

『No.1012 マトイ・シモヤマ』

「あぁっ……! マトイ…… そんな、これがあるということは、ミライユが、僕の娘を……!?」
省28
188: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/23(月)14:37 ID:UYM1vaS0(3/5) AAS
その時だった。横からジャンが物凄い勢いで突っ込んできた。
これまでにこの男のこのような表情を見たことがない。それはまさにオークそのものともいえた。

「グオォ……グガアアアァァァ!!!」

ついに、ジャンまで敵に回ったのだ。
ハーフオークには、昔、酷く痛めつけられたことがある。

(『女を殴んのって楽しいなァおい!』『チビのガキの癖に調子乗りやがって、ほら、立てよオラァ!』
『チッ、もう終わりなのか? 死にたくなかったら四つん這いになってこっちにケツ向けろよ、ゴラァ』)
省14
189: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/23(月)14:40 ID:UYM1vaS0(4/5) AAS
―――その瞬間だった。

>「ジャン殿……相手は指環を持っておるのだ!」

ティターニアが不意に動いた。
>「――ホールド!」

これは拘束系の魔法だ。地面から土が盛り上がり、相手の全身を拘束する。

「しめた……!」
省23
190: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/23(月)14:42 ID:UYM1vaS0(5/5) AAS
【ちなみに指環はミライユのもう片方の腕に握られています】
191: 2017/01/23(月)16:56 ID:oPrgYVAn(1) AAS
頑張れ
192: ◆ejIZLl01yY 2017/01/23(月)22:47 ID:SeUu6PQj(1/5) AAS
>「丸見えですよ。ラテ。お前は特別に最後に殺してあげます…… いや、これは"粛清"……
  不要なギルド員は、始末される定めにあるんです。じっくりと、甚振ってからね……!」

そんな……これでも、見切られるなんて。
驚いている暇すらなく、銀の閃きが私に迫る。背後からは熱波も感じる。
……避けられない。

「あ、が、あぁああああああああああああああああああああ!」

自分のものとは思えない、思いたくない悲鳴が聞こえる。体が思うように動かせない。地面に倒れ込む。
省22
193: ◆ejIZLl01yY 2017/01/23(月)22:50 ID:SeUu6PQj(2/5) AAS
よろめく体をなんとかまっすぐ立たせると、私は宝箱から鎖を取り出す。
鎖の先端には小さな鉄球が付いている。
それ以外は特筆すべき事もない。何か魔力が篭っているなんて事もない。

だけど空間を操るミライユさんの魔法にとっては、この武器はきっと厄介だろう。
だって放たれた鉄球の軌道を決めるのは、鎖を掴む私の手元。彼女の魔法の射程外。
跳ね返されても逆手に取られても対応出来る。

鎖を振り回し、鉄球を飛ばす。
省20
194: ◆ejIZLl01yY 2017/01/23(月)22:51 ID:SeUu6PQj(3/5) AAS
ポーション瓶に詰められたその赤黒い血液を……私は一息に煽った。

自分の中に巡る魔力と、魔物の血に宿る魔力が、混ざり合っていく。
魔物の肉も、口に放り込み、ろくに噛まずに飲み込んだ。うげえ、まずい……。

これが、誰もが忘れ、だけど皆が覚えている古代魔法……。
つまり……食事。食べる事だ。

人は禁断の果実を口にして、知恵と自由を得た。
アンブロシアとネクタルは口にすれば、神々と同じ時を生きられると言われている。
省20
195: ◆ejIZLl01yY 2017/01/23(月)22:52 ID:SeUu6PQj(4/5) AAS
鎖を、鉄球を、振り回す。
普段の私じゃ絶対に出せない、風をも置き去りにするような鋭さ。
鉄球は、ミライユさんには届かない。鎖の長さをそう調整したからだ。

手加減?そうじゃない。
私が手元の鎖を掴む力を少し弱めれば、鉄球の間合いは振り回した後からでも伸びる。

つまり「え?防御しないの?じゃあ鎖伸ばしますね。これは痛いぞー……」ってプレッシャーをかけ続け、防御を強いる事が出来るって事。

超高速で振り回される鉄球は、当たれば手足の骨くらい簡単に、帷子なんか関係なしに折れる。
省23
196: ◆ejIZLl01yY 2017/01/23(月)22:54 ID:SeUu6PQj(5/5) AAS
野生の力を身に宿し、殺気を乗せ投擲したダガーに、虚像を被せた。
今度こそ、見切れるもんか。

同時に【スニーク】を纏い、地を蹴る。
ネズミの瞬発力は、ほんの一瞬で私をミライユさんの懐へ運んだ。

右手には、森での活動に使う大振りのマチェット。
私はそれを、渾身の力で振り抜いた。

ミライユさんが指環を握り締めた、その手を斬り落とすように。
省15
197: 2017/01/24(火)00:45 ID:0zKrx5aG(1/5) AAS
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198: 2017/01/24(火)00:48 ID:0zKrx5aG(2/5) AAS
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199: 2017/01/24(火)00:52 ID:0zKrx5aG(3/5) AAS
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200: 2017/01/24(火)00:53 ID:0zKrx5aG(4/5) AAS
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201: 2017/01/24(火)00:53 ID:0zKrx5aG(5/5) AAS
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202: 2017/01/24(火)00:58 ID:EiQyCJxo(1) AAS
埋めますか
203: 2017/01/24(火)07:41 ID:ffMphuE7(1/2) AAS
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204: 2017/01/24(火)07:52 ID:ffMphuE7(2/2) AAS
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205: [age] 2017/01/24(火)07:53 ID:FpGlBBCa(1) AAS
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206: 2017/01/24(火)13:36 ID:vsp79v7Q(1) AAS
埋め
207: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/24(火)21:34 ID:oB1r/UUP(1/3) AAS
>「ジャン殿……相手は指環を持っておるのだ!」

後ろからティターニアが止めようとしてきたが、もはや遅い。
今のジャンはミライユを潰すことしか頭になかった。

「――黙ってろッ!!」

そうティターニアに吐き捨て、二度の投擲で怯んだであろうミライユへとさらに突進する。
ティターニアが援護のつもりか、ミライユの周りの土が盛り上がって体を拘束するように動き始めた。
ジャンにとっては都合がよかった。これなら顎をかち割りやすい。
省15
208: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/24(火)21:34 ID:oB1r/UUP(2/3) AAS
そして完全に中指に嵌まった瞬間にジャンは、気がつけば海の上に立っていた。

波立つことのない静かな海と、雲一つない見事な晴天。
薄暗い洞窟からの突然現れた爽やかな天候に、ジャンは戸惑い辺りを見回す。
すると声がした。明るい少年のような声だ。

「――指環を嵌めたということは時が来たのか、それとも」

声の主はジャンの目の前に、空間からぬるりと姿を現した。

「君は、力を求めるだけの愚か者だったのか」
省23
209: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/24(火)21:35 ID:oB1r/UUP(3/3) AAS
怒りのまま走るのではなく、仲間と一緒に歩く。
ただそれだけでよかった。ジャンは思い出す。この指環を巡る旅を始めてから、ずっと仲間に助けられてきた。
一時の怒りで自分を見失い、仲間よりも先走って思うがままに力を振り回すなんてこと、あってよかったのか?

「ダメだよな……それじゃあ、格好よくねえ。
 歴史に名を残すんだったら、もっと格好よくいかねえとな……!」

「――気づいたようだね。なら行くといい」

気づけば嵐は止み、海は再び凪いでいた。ジャンは静かな海の上で大きく息を吸い込み、目を閉じた。
省28
210: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)22:55 ID:PfG98e+1(1/4) AAS
>「丸見えですよ。ラテ。お前は特別に最後に殺してあげます…… いや、これは"粛清"……
不要なギルド員は、始末される定めにあるんです。じっくりと、甚振ってからね……!」
>「あ、が、あぁああああああああああああああああああああ!」

「ラテ殿……!」

ついに残酷で無慈悲な本性を現したミライユ。
額に青筋を立てたその姿は、ティターニア達に見せていた快活な娘の面影は無く、まさに物語に出てくる悪の魔女そのものだ。
タイザンを、娘を殺した事実を知らしめ絶望させた上でじっくり甚振ってから葬る。
省21
211: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)22:59 ID:PfG98e+1(2/4) AAS
ティターニアは不敵な笑みを作って応じながら、時間稼ぎをする。
次の一手を考える時間を……だ。
実を言えば自分が放った魔術なのでジャンを解放することはいつでも可能なのだが
理性を失った状態のジャンにこのままミライユを葬らせて本当にいいのか。
そして、殺す事が本当にテッラの言う“悪しき者を正しく罰する”ことになるのか。
そしてもちろん、この状態のジャンを解放して今度こそミライユに指環を嵌められては一巻の終わりだというのが一番の問題だ。
まだミライユが自分の方が優位と認識していて嵌める気になっていない今のうちに不意打ち等で指環を奪取してしまいたいところだが……。
省23
212: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)23:02 ID:PfG98e+1(3/4) AAS
「導師様……あの人を助けてあげて。ずっと過去に囚われている。精霊が助けて苦しいって言ってるの……」

「しかし――タイザン殿の仇だぞ!?」

あまりに予想外の訴えに、思わず聞き返すティターニア。

「それは許さない。だから……助けるの。死んで終わりなんて許さない。救う事があの人にとっての最大の罰――」

少女の髪の間から覗いている狐耳に気付き、ティターニアはこの少女は精霊使いではないかと検討をつけた。
獣人族に多く見られる、精霊使いという術士達がいる――精霊と対話し、独特の世界観を持つ者達。
そしてこの世界でのエルフは、受肉した精霊と言われている――
省20
213: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)23:06 ID:PfG98e+1(4/4) AAS
重傷を負い倒れているシュマリからは、しかしまだ魔力が感じられる。大丈夫、まだ息はある。
ティターニアはやおら眼鏡を外した。
彼女が近眼なのは、精神世界を見る能力に偏り過ぎて、物質世界を見る能力が割を食っているためだ。
そのため普段は特殊な魔術が付与された眼鏡を通し調整をかけている。
その眼鏡を外したということは、これから行使するのは精神世界を顕現する特殊な術だということ。
ティターニアはエーテルセプターを構え、横からホロカにも手を添えさせる。
そして高らかに詠唱を始めた。
省24
214: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/26(木)01:01 ID:1EoHxC9l(1/4) AAS
>「あなたを、殺したくない。傷つけたくもない。だけど……あなたを止めます」

ラテがポーション瓶の中身を飲み干すと、肉体の一部が鼠のような怪物へと変貌した。
そして鎖の付けられた鉄球が振り回される。
遠心力をもって徐々にその破壊力の輪は迫ってくるが……

ドォォン、と空中に浮いた爆薬――ミライユの空間操作によって操られた物体が爆発すると、
それらは鉄球を砕き、同時に周囲に浮いた針とともに飛び散る。
瞬く間にラテにその複数の爆風と毒針が襲い掛かる。しかし、ミライユの方も毒針の一部は身体へと刺さっており無事では済まない。
省14
215: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/26(木)01:02 ID:1EoHxC9l(2/4) AAS
>「指環の力よ!」
>「そのハンマーと短剣はよ、お前が持っていいもんじゃねえんだよ!」

「そんなっ……その力がハーフオーク程度に……!?」

あっさりと破られた拘束魔法。そこからジャンが飛び出してくる。
ジャンは大剣を担ぎ、そのハーフオークの力とは思えぬ水魔法の激流を放った。
それはミライユの背後にあるあらゆるものを押し流そうとする。

「くっ、うわぁぁぁああ!!」
省30
216: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/26(木)01:04 ID:1EoHxC9l(3/4) AAS
「お……お姉……さま……?」

15歳の少女である姉・メルセデスが、自分よりも背の高い23歳妹・ミライユに、
慈しむように語り掛ける。その姿は15歳であれ、ミライユにとってはいつになっても姉であることには変わりがなかった。

≪ミライユ、退きなさい。今からでもやり直せるから、正しい道を行くの。
あなたの本当の敵は……指環の魔女。お父様とお母様と私、エルジュ家を破滅させた全ての元凶よ。
その方たちに、指環を渡し、あなたの愛する人、マスターの元で、ゆっくり休んで。痛かったでしょう?≫

>「シュマリ……! もういいから退きなさい、まだやり直せるから……!」
省21
217: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:17 ID:E1+pXxZy(1/4) AAS
爆薬が爆ぜ、毒針が私に降り注ぐ……私の作り出した【ファントム】に。
遅い。
私は既に懐へと潜り込んでいる。

体幹の回転に合わせてマチェットを一振り……肉を切り、骨を絶った。確かな手応えを感じる。
だが薄皮一枚残して手首は切断出来なかった……。
斬り落とせていれば、ここで戦いは終わっていたのに。

自分の非力を悔いている暇はない。
省33
218: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:18 ID:E1+pXxZy(2/4) AAS
>「ティターニア・グリム・ドリームフォレストの名において乞う――
其は 何処より遠く何より近い場所 生命の生まれる場所にして何時か帰る場所
果て無く巡る魂の円環 忘れ去られた記憶に刻まれた聖痕 我が声に応え暫し顕現せよ――」

ふと、ティターニアさんの声が聞こえた。

>「――夢の森《ドリームフォレスト》」

直後に感じるのは、清らかなマナの迸り。
吹き抜ける風のように広がっていくそれは、黄金と白銀が彩る古代都市を緑の森へと塗り替えていく。
省33
219: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:21 ID:E1+pXxZy(3/4) AAS
フェンリルの牙が、巨岩を飴玉のように噛み砕いていた。
それでも降り注ぐ小さな石塊から、テッラの両翼が私達を守る。

そう、もう指環を巡る争いに決着はついた。
なら……この二匹が、大人しくしている理由もない。

「試してたんだな、ずっと」

蚊帳の外の存在でしかない私だから、今分かった。

そもそもたかが人間相手に、世界の滅びと予言された狼と、神に非ずして神に値すると謳われる竜が、こんなボロボロになる訳がない。
省18
220: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:23 ID:E1+pXxZy(4/4) AAS
これほどの傷と出血……。
そして何より、あの鬼気迫るほどの精神力を、ミライユさんは姉との再会で、失ってしまった。

もう、助からないだろう。
だから、せめて安らかに……。

魔力を体に纏う。
使うのは【スニーク】でも【ファントム】でもない。

私達レンジャーは、魔力の流れを偽装して姿を消したり、残したり出来る。
省14
221: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:50 ID:GkpI7Ad5(1/3) AAS
激流を大剣から放つなか、タイザンの遺体がこちらへと投げられる。
慌てたジャンは激流を収めて大剣を地面に突き刺し、両手でそれを抱え持った。

「……死体は粗末に扱うもんじゃねえぞ」

再びこみ上げてきた怒りを抑えつつ、ゆっくりとタイザンの遺体を地面に降ろす。
そして再び大剣を振り上げ、刀身から放たれる激流によって二つの武器をこちらへと運んだ。

激流によって押し流した武器や爆薬の中から、ミスリル・ハンマーとサクラメントを拾い上げる。
水に濡れて淡く煌くその二つは、怒りに燃えて投げつけたあの時より輝いているように思えた。
省15
222: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:51 ID:GkpI7Ad5(2/3) AAS
>「ティターニア・グリム・ドリームフォレストの名において乞う――
其は 何処より遠く何より近い場所 生命の生まれる場所にして何時か帰る場所
果て無く巡る魂の円環 忘れ去られた記憶に刻まれた聖痕 我が声に応え暫し顕現せよ――」

>「――夢の森《ドリームフォレスト》」

詠唱を終えると同時に、古代都市に一陣の風が吹き抜けた。
魔力の素養がないジャンですら感じる濃密な魔力の風は、伝わる場所全てを草木生い茂る森へと変貌させる。

>「ミライユ殿、ここは現在と過去が入り混じり、死した者とも対話できる場所――
省16
223: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:51 ID:GkpI7Ad5(3/3) AAS
指環を受け継ぐべきかは誰か、既に決まったと言いたげにミライユを守ろうとはしていなかった。
ミライユの胸から転がり、黄金に輝くその指環をジャンは拾う。
今身につけている指環と同格の力を持つであろうそれを、ティターニアへ渡すことにした。

「――あんたとその子、二人であいつに勝ったんだ。
 戦利品だよ。俺はまだ壊れてない家で漁ってくるから、帰るのはちょっと待ってくれや」

大地を表すであろうそれをティターニアに渡し、既に息が小さくなっているミライユの元へと向かう。
ラテがもう助からないと判断したのか、飲ませていたそれは戦士にとっては身近なもの。
省12
224: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/26(木)22:09 ID:Cd/Gxe8H(1) AAS
【ミライユ殿のPLに意思確認なのだがパーティー入りして継続参加してもいいかもとかは思ったりするか?
もしそうならここからそれ用の振りをすることもやぶさかではない。
もう敵役の短期参加で決めているということなら蛇足な感じになってしまいそうなので先に聞いてみた】
225: 2017/01/26(木)23:32 ID:1EoHxC9l(4/4) AAS
【ありがとうございます。どうやらミライユ死亡が確定しているようなので、このまま死体の後処理はお任せします。】
【同時にこれ以降の生存NPCのシュマリ、ホロカは自由に動かして頂いて結構です。】
【ティターニアさんの次の書き込み以降、時間のある時にミライユEDを書きます。(その次の方が飛ばしても大丈夫です)】

【継続参加はしませんが、人数が足りなくて回らなそうなときは適宜味方か敵で参加希望するかもです。】
226
(1): ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:10 ID:0oBAucsK(1/5) AAS
「ラテ殿! 何を……!?」

>「もう眠りなさい、ミライユ。あなたは怖い夢を見ただけ……。
 もう一度、眠りに就いて……次に目が覚める時は、お母さんがあなたを起こしてくれるわ」

ラテはメルセデスの幻影をまとい、安楽死の薬を飲むように誘う。
折角人間の心を取り戻したのに。折角本当の敵に気付いたのに。そんなのはあんまりだ。
ラテはミライユがこの重傷ではもう助からないと見立てたが
ティターニアは、すぐにユグドラシアに搬送して治癒魔術の専門の導師の治療を受けさせればギリギリ助かるかもしれない、と踏んでいた。
省22
227: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:13 ID:0oBAucsK(2/5) AAS
ティターニアは自らの顕現した夢の森にて、ミライユの過去の一端を見ることとなった。
本当の悪の魔女は――その中にこそいた。
魔女の襲撃を受け姉を殺された時、ミライユにとっての世界の全てが狂い始めたのだ。

>≪ミライユ、退きなさい。今からでもやり直せるから、正しい道を行くの。
あなたの本当の敵は……指環の魔女。お父様とお母様と私、エルジュ家を破滅させた全ての元凶よ。
その方たちに、指環を渡し、あなたの愛する人、マスターの元で、ゆっくり休んで。痛かったでしょう?≫

指環の魔女――指環の名を冠するその敵の名に、ほぼ確信に近い予感を感じた。
省18
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