[過去ログ] 自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第92章 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
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458: 石動 ◆Ir0KQby7irVk 2016/01/09(土)12:36 ID:sGRSl4w9(5/6) AAS
「お、おおおお! 飛んだ! 真に飛びよったわい! なんと、面妖なことよ! 鉄龍の腹に収まって空を飛んでおる!」
ドゥクス神官戦士団団長のホーポーと神官戦士コクレン、それに空挺普通科隊員一個分隊を機内に収めたUH−60JAが空中に舞い上がると、早速齢六十近い神官戦士コクレンが歓声を上げた。
筋骨隆々の体躯を重厚なチェインメイルで固め、巨大なメイスを携えたスキンヘッドの神官戦士が子供のようにはしゃぐ姿に、空挺隊員たちはそろって目を丸くした。
「コクレン殿、少し落ち着かぬか」ホーポーがやんわりと諭す。
「そうは言ってものう。これで落ち着けといわれても無理な話じゃよ。わしら空を飛んでおるのだ」コクレンはそう言って大きく開かれたキャビンドアから垂らした足をぶらぶらさせた。「腹がむずむずするわい!」
「ううむ。爺にもなってこの有様。修行が足らんと言うべきか。新たなるいくさの御業に触れて高揚する心栄えを、神官戦士の鑑とするべきか……」
頭を抱えたホーポーに、第2小隊長安西二尉が声をかけた。
「ホーポーさん。西壁に味方は見えますか?」
「おお、安西殿。しばし待たれよ」ホーポーはあっという間に眼下に迫る西壁上に目を凝らした。こちらを見上げて右往左往する集団が影となって見えた。壁の上で争う様子は無い。やはり、味方は──。
「見たところ、敵の手に落ちているようだ。だが、正直よく見えませぬな」
「やはり、そうですか。了解しました──OH−1改に連絡しろ。西壁は敵制圧下にある。捕虜の有無は不明。降着地点のみドアガンで掃討する!」
安西は心の底から気の毒そうに言うと、何事かを矢継ぎ早に指示し始めた。ホーポーの見立てでは、機内に収まる奇妙な軍〈ジエイタイ〉の兵士たちは、神官戦士が帯同するにふさわしい勇者であった。全てが鍛え上げられている。
「ホーポーさん、本機が最初に西壁に降ります。合図したらすぐに外に出てください。壁の上に万が一味方が生き残っていたらすぐに教えていただきたい」
「承知しましたぞ」ホーポーはつるりとした禿頭をなで上げた。
「ホーポーさんは、ヘリが恐ろしくないのですか?」安西がたずねた。
「なんの。拙僧、一度翼龍騎兵の如く空を駆けてみたいと思っておったのです。まさか夢が叶うとは思っても見ませんでしたぞ」
キャビンに座る神官戦士の背後では、空挺隊員たちが口々に感想を言い合っている。
「あれ、本当に坊さんか?」
「延暦寺の僧兵みたいなもんだろ」
「あの爺さんムッキムキだぞ。ロニー・コールマンみてぇだ」
「あっちの細い方が俺は怖い気がする。なんとなくだけど」
UH−60JAが西壁に迫る。城壁の〈帝國〉兵が空を見上げ、そのうちの一部が弓を構える姿が見える。全てが逃げ惑っているわけではないということだ。激しい戦いになろう。
「武者震いがするのぅ」
迫り来る戦いの予感に禿頭を紅潮させたホーポーは、小脇に抱えた宝杖を扱くと、凄みのある笑みを浮かべた。その様子を隣で見ていたコクレンは「神官長殿もわしと同じではないか」と不満げにつぶやいた。
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