マルチジャンルバトルロワイアルpart20 (683レス)
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293: desire ◆Wott.eaRjU 2012/12/08(土)23:15 ID:x3t4VzTe(22/25) AAS
エリアD-4南部をゼロが歩いていた。
目指すはエリアA-2であり、目的は古城の調査。
ラッドの首輪を回収し、更に御坂美琴達の追撃を警戒し、自身のワープを利用しここまで来ていた。
漆黒の仮面は既に元通りに戻っている。

「やはり“不死者”といえども致命傷は死にいたるか。
そうでなくては、殺し合いなど成り立たない」

ラッドの死はあっさりとしたものだった。
首を落とした途端に、除々に始まろうとした再生も止まってしまった。
やはり永遠の命など眉唾ものなのだろう。
だが、死ねない身体がもたらす悲劇はゼロが誰よりも知っている。
正確に言えば、ルルーシュ・ランペルージと契約した魔女C.Cが知っていた。

「自分の知らないところで、死ねない身体になったとしたら……それは悲しいことだ。
奴もギラーミンによる犠牲者だったのかもしれないな」

ラッドを許したわけではない。
ラッドの罪は死ですらも償えるものではなく、実際にゼロの感情は晴れなかった。
だが、ラッドは望んで命の理から外れたわけではなかった。
不死の身体となったせいで、迫害を受け続けたC.Cの記憶には少なからず、ラッドに対する同情のような感情があったのかもしれない。
そして改めてギラーミンの力の底知れなさをゼロは感じ取った。

「人間を不死にする力……シャルルのギアスのような力か。
やはりギラーミンが保有する力は侮れない。いや、奴の背後に居る力か……」

ギラーミンが約束通り、優勝者としての願いとしてナナリーを蘇らせてくれるならそれでいい。
しかし、決別した時には戦わなければいけない。
相手の保有する力は絶大であり、未だその全容もわからない。
それでもゼロは、進むのを止めるわけにはいかなかった。
ここで諦めてしまえば、自分が蹴落としてきた参加者が無駄になる。
彼らの想いを無に帰して、自分はここまで進んでいるのだから。

「シャルル、マリアンヌ……やはり人間は個でしか生きられないのだよ。
私達は、誰もが違っている。争うことで、互いの明日を求めている。
だからこそ私達も彼らと同じ……ルルーシュはナナリーという明日を、私は死という明日を求めて、まだ歩いて行ける」

故に魔王は己の道を進み。
両の拳をこの先、いくら血に染めようとも構わない。
魔王の本質は戦いを広げていくことなのだから。
ただ、魔王も救いという明日を求めて修羅の道を進んでいく。
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