[過去ログ] ファンタジー剣士バトルロワイアル 第三章 (1002レス)
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707: 朝焼けに間に合わない ◆k7QIZZkXNs 2011/10/12(水)15:04 ID:LzafnBZG(5/10) AAS
『ここまでだ。次は腕を斬り飛ばす』

 実際その気はなかったが、あえて冷徹に告げる。これでどうやっても勝てないとわかってくれればいいのだが。
 自分の声が人間味を感じさせない機械の音声である事も、この時ばかりは役立ってくれるだろうとダース・ベイダーは小さく苦笑した。
 冷たい刃の感触が一気に死の恐怖を思い出させたか、ひっとしゃくりあげて少女は止まる。
 いくら腕が立つと言っても、やはりまだ幼い少女だ。恐怖を捻じ伏せ闘志へと変える事ができない。
 さしたる被害もなく、制圧に成功。結果は上々なのだが、ダース・ベイダーは仮面の下で苦い息を吐く。
 少女が生涯一番の強敵だったという訳ではない。幼い者を斬った事がない訳でもない。
 それでもやはり、再びジェダイとして生きる事を決意した今となっては、子供らより幼い者を斬る事には抵抗があった。
 安堵した一瞬、ダース・ベイダーはふとその場に新たなフォースの流れを感じ取る。
 首を巡らせるより先に、フォースのもたらす直感に従って全力で跳躍した。

 一瞬前まで彼がいた位置を、頭上から落下してきた“何か”が押し潰す。
 砂塵が巻き起こる。ダース・ベイダーは回避の動きを止めぬまま、その着弾点を凝視した。
 何か、ではない。それは人間だった。鎧兜を纏った大柄なシルエットが見える。
 そいつはのそりと立ち上がり、こちらへと向かって――来ず、少女を抱えて飛び退る。

「いいぞ、やっちまえ!」

 鎧武者は大声を張り上げる。当然ダース・ベイダーへ向けた物ではない。事態の推移についてきておらずきょとんとしている少女でもないだろう。
 だとするなら残る可能性は一つ。鎧武者の仲間だ。すなわち、ダース・ベイダーを敵と看做す者。
 今度は直感ではなく予測だった。再度フォースにて身を飛ばしたダース・ベイダーは、すんでのところで地面から突き出た巨大な光刃をかわす。
 実剣ではない――おそらくはフォースで構成された刃。それが証拠に刃は瞬く間に解け消え、何の名残も残さない。
 空中で四肢を振り、姿勢を制御。着地しつつ宝刀を構える。
 鎧武者は詰めて来ない。ほどなくその傍らに、第四の人物、金髪の女騎士が現れた。
 抜き身の刀を構えてこちらを睨む眼光は、当然と言えば当然だが敵意に満ちていた。そうでなければ奇襲など仕掛けては来ないだろう。

「こんなに早くあの女の甘言に乗った愚か者に遭遇するとはな。だが、間に合った……ここからは我らが相手をする!」
「え、我らって。俺も勘定に入ってるの?」
「当たり前だ! さっさと剣を抜け!」
「えー、さっきと話が違う……俺はこの娘を助けるだけでいいって言ったじゃないか」
「あれは首尾よくこいつを仕留められたらの話だ。仕損じた以上戦うしかないだろう」
「そんな事言っても、こいつすげー強そうじゃないか。完璧に不意を突いたのに倒せないって、普通ないだろ。ないって」
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