[過去ログ] ファンタジー剣士バトルロワイアル 第三章 (1002レス)
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477: 七転八刀 ◆X8UEQnbu92 2010/10/25(月)16:48 ID:DL5oF+94(6/10) AAS
三角形の位置関係。誰もが誰かが先に動くのを待っている。
そこに三度、闖入者が現れる。

黄金の剣を手にした若い女が、声を張り上げて戦場に分け入って来た。
発する言葉は停戦を意味するものであるが、当人達にそれを受け入れる謂れは無い。
黒き騎士王が飛燕の速さで女へと踊りかかっていく。
慌てて迎撃に移る女騎士。が、技量の違いは明白だった。

五合も打ち合わぬ内に女騎士の手から黄金の剣が弾き飛ばされた。
騎士王はその軌跡を追って跳躍する。
その手に聖剣が収まる刹那、銀髪の男が発した闘気が戦場を駆け抜けた。
渦を巻く斬撃の気流が騎士王に殺到し全身を斬り刻む。
寸前で黒い鎧を生み出し全身を守ったものの、黄金の剣は弾き飛ばされあらぬ場所へと落ちていく。

が、銀髪の男も無傷ではない。
いつの間にかその背後へ忍び寄っていた少年――鉢金と風防眼鏡、そして鮮やかな黄色の外套――が、無防備な背を斬り裂いていた。
銀髪の男が喀血しながらも何事か毒づく。
少年はそれに野生的な笑みで答え、さらに剣を叩きつけようとする。
しかし銀髪の男が突き出した掌から幾条もの糸が放たれ、その糸に絡め取られ少年は硬直した。

錆白兵の眼力はそれが気によって構成された幻糸であると看破していた。
怒りの声が発せられ、直後少年は自由を取り戻す。どうやら一瞬動きを止めるので精一杯のようだ。
だがそのときにはもう銀髪の男は目前に迫っており、振るわれた剣は少年の脇腹を貫いた。
負傷していたためか傷は浅い。少年が後方に跳ぶとさしたる抵抗も無く剣は抜けた。

睨み合う手負いの二人。
負傷し動けない青年。
全身に傷を負いながらも戦意の衰えない騎士王。
武器を失った女騎士。
未だ五体満足の着物の女。
黄金の剣と騎士王との間には、青年と着物の女がいる。
ならばこそ、今が好機。

錆白兵は音も無く走り出す。
狙いは着物の女――ではなく、主無き黄金の剣。

秘伝の歩方、爆縮地にて一息に距離を詰め、疾風の如く剣を攫う。
脚を止めず錆白兵は腰に差していた鉄剣を抜く。
疾走の勢いを乗せ、投擲。狙いは着物の女。
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