[過去ログ] ファンタジー剣士バトルロワイアル 第三章 (1002レス)
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(1): 七転八刀 ◆X8UEQnbu92 2010/10/25(月)16:43 ID:DL5oF+94(4/10) AAS
身体能力は黒き騎士王が突出している。
二人を相手取って尚、守勢に回らず攻勢に出られるということが彼女の非凡さを表していると言えるだろう。
だが彼女が剣を交える者は尋常な剣士ではない。
攻撃が通じない者と、防御が通じない者。最強の矛と盾を体現する者達だ。

騎士王が迫り、男がここに来てようやく刀を抜く。
あざ笑うかのように不可視の剣は刀の壁をすり抜け男に吸い込まれ、やはり突破できず膠着する。
その一瞬の隙に着物の女が死角から剣を一閃。騎士王は今度は受けぬとばかり剣を翻し受け止める。

その瞬間、風が吹き荒れた。

驚かされたのは何度目か。
騎士王は愕然とその手の中の剣――刀身を晒した木刀を凝視していた。
風はその木刀から吹いている。どうやらあの木刀に風を纏わせ、光を屈折させ不可視としていたのだろう。
種が割れれば単純なもの。しかしこと剣戟に限れば絶大な益を与える魔技。

(どうやらあの女人の剣、あらゆる妖術を打ち消す業物と見ていいでござるな)

つまり受けるのならば鍛え磨いた剣の技でなければならないということだ。
そしてそれは錆白兵に取り最も得意とするところでもある。

黒き騎士は圧倒的な速度、力、そして技。刃渡りを知ってしまえば不可視の剣は脅威ではない。
着物の女人は魔性を滅する技。体技自体はさほどでもない。
青年はこちらも体技においては錆白兵が圧する自信はあるが、やはりあの絶対的な防御を突破する策が見出せない。

騎士王はもはや無益と見たか剣に絡む風を操作し、光の屈折よりも切れ味を増すことを選んだ。
回転を上げ、男と着物の女どちらにも攻める機を与えないよう、嵐のような連撃を解き放つ。
地は抉れ岩は砕かれ木々は薙ぎ倒されていく。剣が通過した後には何も残さない、その気概をありありと感じる。
攻めあぐね、二人の剣士は防戦一方となる。

好機だ。今こそ錆白兵が介入する絶好の戦機。

さて誰に仕掛けるべきか。
青髪の少女は剣舞が始まった初期から岩場の陰に隠れ様子を伺っている。
あまりに次元の違う戦いに恐れをなしたか、震えているのが見て取れる。これはもう無視しても構わないだろう。
錆白兵が戦列に加わったとして、騎士は間違いなく敵と見る。
が、首尾よく騎士を討ち取れたとしてもそれでは戦況は青年達の集団へと傾くこととなる。
たった一人の錆白兵の活路は乱戦の中にしかない。
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