[過去ログ] ファンタジー剣士バトルロワイアル 第三章 (1002レス)
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128: 流れの行方は ◆Mc3Jr5CTis 2010/08/15(日)05:20 ID:xODqY+aQ(4/7) AAS
かつて存在し、そして失われた古代の魔法技術の遺産。
それがロストロギアである。
場合によっては世界を滅ぼしかねないその遺産の管理、封印もまた管理局の仕事の一つ。
時に持ち主の意思をもねじ曲げ、意図せぬ悲劇を呼びこんでしまう事例を多く見てきたシグナムは
少女とロストロギアの関係をそれとなく察する。

「おい、気をしっかり持て!」
「――うるさいっ! 私に……近付くなっ!!」

闇の中を薄暗く照らす、赤い光。
その光に導かれるように、黄泉の乱舞は更に勢いを増す。
魔力と体力、双方を消耗していたシグナムは段々その攻撃を捌き切れなくなり、ところどころにダメージを負ってしまう。

(クッ、このままでは――押し切られるかっ!)

速度面での自分の不利を自覚したシグナムは、身に纏った鎧をパージし、鞘へと戻す。
まともに受ければ身を切断されるであろう攻撃を鎧は防いではくれるものの、その重みで敵の動きについていけないのでは
本末転倒だ。
守りに身を固めたまま活路を見出す術もあったが、勇猛果敢な闘将はそれを良しとはしなかった。

剣と鞘の二刀を振りかざし、シグナムは猛然と駆けだす。
時に飛行魔法を使い、常識ではあり得ない挙動でフェイントをかける。
白刃に身を晒し、互いに刀身の届く僅かな空間をせめぎ合う。
無茶な動きに筋肉が軋む。
アクセルべた踏みで挑む剣舞の応酬に、空気は荒れ狂い、血風が飛ぶ。

頬を掠めた一閃で、顔を真紅に染めながら烈火の将はその口元に獰猛な笑みを浮かべる。
限界寸前まで回転するリンカーコアのうねりに、シグナムは心地良さすら感じていた。
こうして戦いに身を置く事で、自己の存在理由……それがやはり闘争にあるのだと実感出来る。
そう、あれこれ思い悩む必要などなかったのだ。
この身は今も昔も変わらず、主の願いを叶える為の戦闘用プログラムなれば――
剣を振るう理由は、主の尊い願いを叶えるためにこそあった。
ならば自分はどこまででも闘える。
再び胸を張って主に再会出来るその時まで。

「フンッ!」

シグナムの体当たりじみた剛剣が、黄泉の身体を弾き飛ばす。
ベルカ式魔法最大の特徴であるカートリッジシステムが使えない今、爆発的な魔力の燃焼を必要とする彼女の
必殺剣を使うには、シグナム自身に大きな負担がかかる。
使えばしばらくは回復出来ないほど魔力を消耗するだろう。
だが、余力を残したとしても、やられてしまっては話にもならない。
一戦、一戦に全力を尽くしてこそ、次に繋がる物が生まれるのだ。
そして何よりも――必殺剣を封じたまま勝てるほど、この地に呼ばれし剣士どもは甘くはない。
シグナムは先の闘いから、その事を学んでいた。

「いくぞっ! 受けてみよ、我が必殺の剣をっ!!」

シグナムの持つ魔剣が一瞬にして節分かれし、黄泉を目掛けて伸びてゆく。

「――ッ!?」

戸惑う黄泉の周りを、たちまちの内に取り囲む蛇腹の剣。
連結刃の結界を為す鋼線を伝うは、炎熱の魔力。
天を焦がすほどの焔を纏い、今、シグナムの必殺剣が発動する。

「紫電一閃ッ!!」
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