Shibu3 project★11【ポチひとし出禁】 (330レス)
Shibu3 project★11【ポチひとし出禁】 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/
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レス栞
1: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/15(金) 08:36:14.23 『シブサンプロジェクト』 将来の夢を追いかけるプラチナムプロダクション所属の 小学生から高校生までのメンバーで結成された大型ガールズグループ! 元所属メンバーの話題もどうぞ。 【このスレの簡単なルールとお願い】 スレ荒らしで長文連投埋め立て荒らしのポチひとしは当スレ出禁です。 公式サイト https://shibu3.am%65baownd.com/ https://platinumprod...alent/shibu3project/ SNS https://x.com/shibu3project https://www.instagram.com/shibu3project/ https://www.t%69ktok.com/@shibu3project https://www.youtube....uYNjNlP9FRcdsy7lrERg https://www.youtube....8UDF8nHQLEDQAi89LoPw https://live.line.me/channels/164693 Wiki https://ja.wikipedia.../wiki/Shibu3_project https://jpop.fandom..../wiki/Shibu3_project http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/1
2: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 08:59:29.44 害虫ポチが他界すれば人気が出るからwww http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/2
3: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/15(金) 11:29:34.27 あいつちょっとしたことでもすぐ死ねとか書き込むからスレの雰囲気悪くするんだよ 何様のつもりなんだろう http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/3
4: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:21.72 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 けれども春が来たころは、おとうさんもおかあさんも、何かひどい病気のようでした。 ある日おとうさんは、じっと頭をかかえて、いつまでもいつまでも考えていましたが、にわかに起きあがって、 「おれは森へ行って遊んでくるぞ。」と言いながら、よろよろ家を出て行きましたが、まっくらになっても帰って来ませんでした。二人がおかあさんに、おとうさんはどうしたろうときいても、おかあさんはだまって二人の顔を見ているばかりでした。 次の日の晩方になって、森がもう黒く見えるころ、おかあさんはにわかに立って、炉に榾ほだをたくさんくべて家じゅうすっかり明るくしました。それから、わたしはおとうさんをさがしに行くから、お前たちはうちにいてあの戸棚とだなにある粉を二人ですこしずつたべなさいと言って、やっぱりよろよろ家を出て行きました。二人が泣いてあとから追って行きますと、おかあさんはふり向いて、 「なんたらいうことをきかないこどもらだ。」としかるように言いました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/4
5: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:27.30 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/5
6: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:33.68 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/6
7: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:38.46 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/7
8: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:43.06 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/8
9: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:47.58 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/9
10: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:52.66 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/10
11: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:36:58.00 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/11
12: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:37:05.86 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/12
13: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:37:10.60 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/13
14: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:37:15.06 そしてまるで足早に、つまずきながら森へはいってしまいました。二人は何べんも行ったり来たりして、そこらを泣いて回りました。とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へはいって、いつかのホップの門のあたりや、わき水のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、おかあさんを一晩呼びました。森の木の間からは、星がちらちら何か言うようにひかり、鳥はたびたびおどろいたように暗やみの中を飛びましたけれども、どこからも人の声はしませんでした。とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように眠ってしまいました。 ブドリが目をさましたのは、その日のひるすぎでした。 おかあさんの言った粉のことを思い出して戸棚とだなをあけて見ますと、なかには、袋に入れたそば粉やこならの実がまだたくさんはいっていました。ブドリはネリをゆり起こして二人でその粉をなめ、おとうさんたちがいたときのように炉に火をたきました。 それから、二十日はつかばかりぼんやり過ぎましたら、ある日戸口で、 「今日は、だれかいるかね。」と言うものがありました。おとうさんが帰って来たのかと思って、ブドリがはね出して見ますと、それは籠かごをしょった目の鋭い男でした。その男は籠の中から丸い餅もちをとり出してぽんと投げながら言いました。 「私はこの地方の飢饉ききんを助けに来たものだ。さあなんでも食べなさい。」二人はしばらくあきれていましたら、 「さあ食べるんだ、食べるんだ。」とまた言いました。二人がこわごわたべはじめますと、男はじっと見ていましたが、 「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけではなんにもならん。わしといっしょについておいで。もっとも男の子は強いし、わしも二人はつれて行けない。おい女の子、おまえはここにいてももうたべるものがないんだ。おじさんといっしょに町へ行こう。毎日パンを食べさしてやるよ。」そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま、 「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家を出て行きました。ネリはおもてではじめてわっと泣き出し、ブドリは、 「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたが、男はもう森の横を通ってずうっと向こうの草原を走っていて、そこからネリの泣き声が、かすかにふるえて聞こえるだけでした。 ブドリは、泣いてどなって森のはずれまで追いかけて行きましたが、とうとう疲れてばったり倒れてしまいました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/14
15: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:37:35.19 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/15
16: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:37:57.94 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/16
17: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:38:02.40 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/17
18: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:38:07.44 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/18
19: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:38:12.12 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/19
20: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:38:17.39 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/20
21: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:38:22.12 「おおほいほい。おおほいほい。」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/21
22: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:38:50.55 ブドリがふっと目をひらいたとき、いきなり頭の上で、いやに平べったい声がしました。 「やっと目がさめたな。まだお前は飢饉ききんのつもりかい。起きておれに手伝わないか。」見るとそれは茶いろなきのこしゃっぽをかぶって外套がいとうにすぐシャツを着た男で、何か針金でこさえたものをぶらぶら持っているのでした。 「もう飢饉は過ぎたの? 手伝えって何を手伝うの?」 ブドリがききました。 「網掛けさ。」 「ここへ網を掛けるの?」 「掛けるのさ。」 「網をかけて何にするの?」 「てぐすを飼うのさ。」見るとすぐブドリの前の栗くりの木に、二人の男がはしごをかけてのぼっていて、一生けん命何か網を投げたり、それを操あやつったりしているようでしたが、網も糸もいっこう見えませんでした。 「あれでてぐすが飼えるの?」 「飼えるのさ。うるさいこどもだな。おい、縁起でもないぞ。てぐすも飼えないところにどうして工場なんか建てるんだ。飼えるともさ。現におれをはじめたくさんのものが、それでくらしを立てているんだ。」 ブドリはかすれた声で、やっと、 「そうですか。」と言いました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/22
23: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:41:06.04 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/23
24: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:41:10.71 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/24
25: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:41:15.17 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/25
26: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:41:20.35 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/26
27: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:53:41.23 >>3 荒らしに人格はない、死ね 雰囲気悪くしてるのは貴様だよ こんなスレを立てるのが一番不快に決まってるだよ 死ねよ、お前なんか生きてる価値がない http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/27
28: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:08.44 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/28
29: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:14.54 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/29
30: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:19.02 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/30
31: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:23.49 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/31
32: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:27.82 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/32
33: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:32.05 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/33
34: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:36.81 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/34
35: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:41.35 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/35
36: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:46.32 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/36
37: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:54:54.48 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/37
38: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:55:00.04 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/38
39: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:55:05.23 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/39
40: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:55:25.59 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/40
41: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:55:30.03 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/41
42: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 11:55:34.61 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/42
43: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 14:28:56.74 シブサンにしろヘイマミにしろ、全てが凡庸で特別に推す要素はない 本命からヘイトをそらすためのデコイだろう http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/43
44: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:12:36.33 デコイという言葉を使いたいだけの木偶の坊www http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/44
45: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:13:22.14 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/45
46: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:13:31.57 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/46
47: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:13:37.60 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/47
48: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:13:42.77 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/48
49: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:13:49.18 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽ひく音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、空を向いてかわるがわる山鳩やまばとの鳴くまねをしたりしました。するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が眠そうに鳴き出すのでした。 おかあさんが、家の前の小さな畑に麦を播まいているときは、二人はみちにむしろをしいてすわって、ブリキかんで蘭らんの花を煮たりしました。するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、まるで挨拶あいさつするように鳴きながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。 ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている白樺しらかばの木には、 「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。 そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。 そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗くりの木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。 ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたび薪たきぎを野原のほうへ持って行ったり、冬になってからは何べんも大きな木を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉などもって帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑にはたいせつにしまっておいた種も播かれましたが、その年もまたすっかり前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうの饑饉ききんになってしまいました。もうそのころは学校へ来るこどももまるでありませんでした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっとすこしばかりの黍きびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔いろを悪くして帰ってくることもありました。そしてみんなは、こならの実や、葛くずやわらびの根や、木の柔らかな皮やいろんなものをたべて、その冬をすごしました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/49
50: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/15(金) 16:14:09.07 ここは荒らしが立てた誹謗中傷のためのスレです 本スレ誘導パノノン Shibu3 project★11【シブサンプロジェクト】 https://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702520863/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/50
51: あぼーん [あぼーん] あぼーん http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/51
52: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/16(土) 10:08:12.97 >>51 コスパ良いな http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/52
53: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/17(日) 16:30:14.08 この児童ポルノマニアの中国人に要注意! U-15ジュニアアイドル板閉鎖の元凶 児ポ吉100選(60代無職 児童ポルノ収集家 中国人) https://i.imgur.com/8rX27Kl.jpeg Hey!Mommy! ライブ https://i.imgur.com/R7Z0Irg.jpeg 赤い服黒マスク男の左斜め2つ後ろの白髪小太り爺 欲バリセンセーション ライブ https://i.imgur.com/lq5eHy8.jpeg 物販Tシャツ着てない最前列右側黒Tシャツの後ろ4列目の白髪小太り爺 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/53
54: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/17(日) 16:30:19.42 【U-15板閉鎖の元凶はこの在日中国人】 U-15板における児童ポルノ投稿常習犯児ポ吉100選(60代無職 中国人 児童ポルノマニア) 児ポ吉100選は2022年11月にAce★氏にU-15板に女子小学生の極小眼帯ビキニを含む過激IV画像を添付した長文レビューを160レス以上 児童ポルノとして一斉削除される Ace★氏、削除議論児童ポルノで警告 22 Dele Ace ★ 2022/11/19(土) 08:12:36.92 ID:CAP_USER 今は削除で対応していますが、 今後も同じように継続する場合には板閉鎖を検討しなければならなくなります。 そのような事態にならないようお願いいたします。 Ace★氏のこの警告のわずか4日後、 Ace ★氏を逆恨みした児ポ吉100選は事もあろうに運営板の児童ポルノ削除議論に削除された過激IV画像を添付した長文レビューを150件再投稿するという前代未聞の異常な荒らしを行う 2022年11月に児ポ吉100選は Ace★氏に3回、U-15板住人に2回、削除花果★氏に1回 合計6回荒らし報告され浪人BAN 2023年1月は浪人BAN 5回 2023年3月は浪人BAN 1回 2023年3月1日にAce ★氏 U-15板閉鎖を発表 2023年3月15日 書き込み停止・31日閉鎖 https://i.imgur.com/Jct7UM6.jpg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/54
55: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/17(日) 16:30:24.58 U-15ジュニアアイドル板閉鎖の元凶 児ポ吉100選(60代 児童ポルノ収集家) https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpg https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpg https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/55
56: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/17(日) 18:27:13.00 >>51 TikTokから見れば4000円は小銭か http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/56
57: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/18(月) 00:57:12.83 ポチひとし児ポ吉100選の1日 http://hissi.org/read.php/geinoj/20220817/TGRiVzQvMTE.html?name=all&thread=all 板:ジュニアアイドル 日付:2022/08/17 ID:LdbW4/11 スレッド数:13 合計レス数:140 スレッド 1:発売時U-15のJr.アイドルDVD&Blu-rayを語るスレ★1 2:ジュニアアイドルで抜いたらageるスレ111 3:ジュニアアイドルDVDの売買について語るスレ Part4 4:【昔は天使】黒宮れいPart29【今は迷走中】 5:このロリっ子誰?と聞けば教えてくれるスレ38 6:【中沢ひめかのDVDで】新谷姫加9【目一杯抜いて!】 7:【#YOYOYO】石原さき【#よーよーよー】 8:ロリコンって病気なの? (544) 9:今、見たくなってしまったJr.アイドルDVDは? 10:元ジュニアアイドルの現在 11:ジュニアアイドル十傑 12:成沢理光 13:ジュニアアイドルの生パンが見たい レス数 00時:2 レス 04時:4 レス 05時:4 レス 06時:6 レス 07時:11 レス 08時:12 レス 09時:18 レス 10時:14 レス 11時:4 レス 12時:8 レス 13時:10 レス 14時:14 レス 15時:11 レス 16時:10 レス 19時:3 レス 20時:3 レス 21時:6 レス 合計:140 レス https://i.imgur.com/Jct7UM6.jpg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/57
58: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/18(月) 01:08:12.60 ぶらりと両手を垂さげたまま、圭けいさんがどこからか帰って来る。 「どこへ行ったね」 「ちょっと、町を歩行あるいて来た」 「何か観みるものがあるかい」 「寺が一軒あった」 「それから」 「銀杏いちょうの樹きが一本、門前もんぜんにあった」 「それから」 「銀杏いちょうの樹から本堂まで、一丁半ばかり、石が敷き詰めてあった。非常に細長い寺だった」 「這入はいって見たかい」 「やめて来た」 「そのほかに何もないかね」 「別段何もない。いったい、寺と云うものは大概の村にはあるね、君」 「そうさ、人間の死ぬ所には必ずあるはずじゃないか」 「なるほどそうだね」と圭さん、首を捻ひねる。圭さんは時々妙な事に感心する。しばらくして、捻ひねった首を真直まっすぐにして、圭さんがこう云った。 「それから鍛冶屋かじやの前で、馬の沓くつを替かえるところを見て来たが実に巧たくみなものだね」 「どうも寺だけにしては、ちと、時間が長過ぎると思った。馬の沓がそんなに珍しいかい」 「珍らしくなくっても、見たのさ。君、あれに使う道具が幾通りあると思う」 「幾通りあるかな」 「あてて見たまえ」 「あてなくっても好いいから教えるさ」 「何でも七つばかりある」 「そんなにあるかい。何と何だい」 「何と何だって、たしかにあるんだよ。第一爪をはがす鑿のみと、鑿を敲たたく槌つちと、それから爪を削けずる小刀と、爪を刳えぐる妙みょうなものと、それから……」 「それから何があるかい」 「それから変なものが、まだいろいろあるんだよ。第一馬のおとなしいには驚ろいた。あんなに、削られても、刳られても平気でいるぜ」 「爪だもの。人間だって、平気で爪を剪きるじゃないか」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/58
59: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/18(月) 01:08:17.23 ぶらりと両手を垂さげたまま、圭けいさんがどこからか帰って来る。 「どこへ行ったね」 「ちょっと、町を歩行あるいて来た」 「何か観みるものがあるかい」 「寺が一軒あった」 「それから」 「銀杏いちょうの樹きが一本、門前もんぜんにあった」 「それから」 「銀杏いちょうの樹から本堂まで、一丁半ばかり、石が敷き詰めてあった。非常に細長い寺だった」 「這入はいって見たかい」 「やめて来た」 「そのほかに何もないかね」 「別段何もない。いったい、寺と云うものは大概の村にはあるね、君」 「そうさ、人間の死ぬ所には必ずあるはずじゃないか」 「なるほどそうだね」と圭さん、首を捻ひねる。圭さんは時々妙な事に感心する。しばらくして、捻ひねった首を真直まっすぐにして、圭さんがこう云った。 「それから鍛冶屋かじやの前で、馬の沓くつを替かえるところを見て来たが実に巧たくみなものだね」 「どうも寺だけにしては、ちと、時間が長過ぎると思った。馬の沓がそんなに珍しいかい」 「珍らしくなくっても、見たのさ。君、あれに使う道具が幾通りあると思う」 「幾通りあるかな」 「あてて見たまえ」 「あてなくっても好いいから教えるさ」 「何でも七つばかりある」 「そんなにあるかい。何と何だい」 「何と何だって、たしかにあるんだよ。第一爪をはがす鑿のみと、鑿を敲たたく槌つちと、それから爪を削けずる小刀と、爪を刳えぐる妙みょうなものと、それから……」 「それから何があるかい」 「それから変なものが、まだいろいろあるんだよ。第一馬のおとなしいには驚ろいた。あんなに、削られても、刳られても平気でいるぜ」 「爪だもの。人間だって、平気で爪を剪きるじゃないか」 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/59
60: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2023/12/20(水) 09:50:25.88 UPLIFT プレミアム・サービスのお知らせ https://uplift.5ch.net/ UPLIFT 主な特典 ・連続投稿の規制を緩和します。 ・スレッド作成時の規制を緩和します。 ・5ch.netのスレッド表示画面に表示される広告を除去します。 ・5ch.net専用ブラウザで5ch.netの過去ログを閲覧できるようになります。 ・海外からのアクセス・ホスト経由からでも書き込みができるようになります。 ・書き込みが規制されているプロバイダーからでも書き込みができるようになります。 ・5ch.netを安定して利用できるように運営を支援できます。 5ちゃんねるを存続させるためには、皆様のご協力が必要です。 最後まで御精読いただきありがとうございました。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/60
61: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2023/12/30(土) 20:13:12.29 ポチひとし @isato_ochi 宮沢賢治 夏目漱石 近藤あさみ 千葉県 twilog.org/isato_ochi https://i.imgur.com/nlGlZ7V.jpg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/61
62: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/01/04(木) 11:47:21.53 ポチひとしよ、洗濯もしない同じワイシャツ(ヨレヨレ薄汚い)を着てライブに来るのはやめろ トイレ後は手を洗え ちゃんと風呂に入れ 体臭を撒き散らすな 客や出演者の迷惑を考えろ https://i.imgur.com/nlGlZ7V.jpg Hey!Mommy! ライブ https://i.imgur.com/R7Z0Irg.jpeg 欲バリセンセーション ライブ https://i.imgur.com/lq5eHy8.jpeg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/62
63: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/01/04(木) 11:55:07.41 ポチひとし児ポ吉100選はドリンクが100円高かっただの騒いだり 閉演後に使わなかったドリンクチケットがムダになるから今使わせろと受付でゴネたり みみっちい アラ還暦の年齢でこの幼児性… https://i.imgur.com/lShmSKD.jpg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/63
64: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/01/04(木) 15:39:22.48 ポチひとしはバイブ大好き趣味はジュニアアイドルのDVD蒐集と鑑賞 下着にしか見えないような水着が好き 特に15歳未満の紐ビキニや極小ビキニが大好物 おはようとリポストしかしない寡黙なXと違い匿名掲示板では下品な乱暴な言葉で他人を誹謗中傷 撮影会という名目の思春期女子との接触には何万円かけても平気だけどライブハウスのドリチケ貰い忘れを対応してくれなかったと大騒ぎするせこいみみっちさ https://i.imgur.com/nlGlZ7V.jpg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/64
65: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/01/04(木) 17:51:40.95 ポチひとしがライブハウスのトイレで自慰して手を洗わないってエピソードは吐き気がする http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/65
66: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/01/21(日) 10:21:40.56 ポチひとし(児ポ吉100選)、5ちゃんキャップ★に出禁を言い渡されました 227 香味焙煎 ★ sage 2024/01/21(日) 08:28:24.50 ID:CAP_USER 児ポ吉100選君はこのスレ出禁 文句があるなら以後は↓でやってください ジュニアアイドル・子役板に関するお知らせ [Ace★★] http://agree.5ch.net/test/read.cgi/operate/1677639788/5 > 5 :Ace ★ 2023/03/02(木) 05:10:54.98 ID:CAP_USER > 念のために書いておきますが、 > ジュニアアイドルのイメージビデオなど削除が多かったジャンルのスレは > 5ちゃんねる内には移住先はありません。 > もし見つけた場合にはスレ削除の対象になりますし、 > スレ立てした人は規制対象になるでしょう。 【規制議論板】質問でも雑談でもOKのスレッド★601 https://agree.5ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1705113041/227 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/66
67: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/01/25(木) 20:56:33.98 ポチひとし(児ポ吉100選) 60連投大暴れ! 【規制議論板】質問でも雑談でもOKのスレッド★601 https://agree.5ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1705113041/ http://hissi.org/read.php/sec2chd/20240125/d21CZ1JSdEgw.html https://i.imgur.com/jFGfB3F.png http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/67
68: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2024/02/14(水) 21:43:51.72 ポチひとし児童ポルノ100選 https://i.imgur.com/GaTmt8k.jpeg http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/68
69: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/02/23(金) 21:54:38.48 0062名無しさん@お腹いっぱい。 2024/02/14(水) 21:44:47.96 ポチひとし児童ポルノ100選 https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpeg 0063名無しさん@お腹いっぱい。 2024/02/15(木) 13:08:44.15 緑のマイネオロゴ入りシャツ似合ってるわ〜 0064名無しさん@お腹いっぱい。 2024/02/15(木) 18:42:24.73 【マイネオ】mineo狂信者児ポ吉巻込報告被害者の会 https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/phs/1685073374/ 【mineo】マイネオのワッチョイをオイコラミネオにした「狂信者」 https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/phs/1684674714/ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/69
70: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2024/02/29(木) 14:38:17.52 【規制議論板】児ポ吉対策所 https://agree.5ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1708617110/ https://i.imgur.com/tZ1cTrH.png http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/70
71: あぼーん [あぼーん] あぼーん http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/71
72: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/03/08(金) 16:52:39.49 >>71 こいつこそ児ポ吉100選だ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/72
73: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2024/03/11(月) 11:15:52.38 >>71 >>72 相変わらず顔文字妄想で狂ってる http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/73
74: あぼーん [あぼーん] あぼーん http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/74
75: あぼーん [あぼーん] あぼーん http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/75
76: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2024/03/13(水) 15:13:27.03 ↑ これマルチポストしてるのが顔文字な http://egg.5ch.net/test/read.cgi/indieidol/1702596974/76
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