[過去ログ] 【広島原爆】広島長崎の悲劇の日本史【長崎原爆】 (206レス)
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(1): 2009/09/01(火)19:36 AAS
週刊文春 090903号 仏頂面日記 148 宮崎哲弥

◆改めて推奨したい、第一級の正戦論の書
・八月十七日(日)

 六十四回目の敗戦の日に因んで、立て続けにマイケル・ウォルツァーの『正しい戦争と不正な戦争』(風紀社)
を紹介した(産経新聞コラム「断層」欄、読売テレビ系『たかじんのそこまで言って委員会』)。
 本欄では邦訳板行直後の昨年の十二月、詳しく触れたが、いま一つの反響だった。然るに、今回は時節柄もあって
か上々の手応え。
 繰り返しておくと、ウォルツァーのこの本は正戦論(戦争倫理学)の古典とされており、アメリカの士官学校において
教科書として採用されているほどの権威のある書物だ。
 ところがそこにポツダム宣言や原爆投下に対する明確な批判が書き込まれていることはあまり知られていない。
 本書は古今東西の戦争行為の理非を倫理学の視点から分析しているものだが、先の大戦の終結に関し
「日本のケースはドイツは十分に異なり、無条件降伏など要求すべきではなかったのだ。日本の統治者たちはより
一般的な種類の軍事的拡張を行ったのであって、道徳的に必要だったのは、彼らが敗北しなければならない
ということであって、彼らが征服され完全に打倒されるべきであるということではなかった」と指摘され、その不要な
無条件降伏を目的とした原爆投下は、不正な戦争行為に他ならなかったと断じている。
「千九百四十五年の夏において、勝利を目前にしたアメリカには日本国民に交渉を試みる責任があった。こうした
試みすらもなく原子爆弾を使用し民間人を殺害し恐怖せしめることは、二重の犯罪であった」
 これ以外にもウォルツァーは日本国憲法をアメリカの不当な「押し付け」であるとする一方で、しかし、日本国民には
その押し付けられた憲法の内容を議論し、自らの意思で変更することが可能であり、それこそが日本の民主主義の
可能性であると示唆している。
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