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26: [sage SSuzai←アボーン用] 04/09/17 22:41 ID:UEEob6PS(2/4) AAS
「それよりも"アーティファクト"の事だが…、見せて貰えるかね?」
やはり彼にとっては、Stalker一人など"駒"以下の存在だったようだ。
彼の唐突な話し振りからも、それは伺えた。
私はバックパックからそれを取り出すと、少し考えてから、彼に手渡した。
彼は"アーティファクト"を受け取ると、目を細めながらそれを眺めた。
彼が品定めをしている間、私は大人しく椅子の上で彫像になっていた。
「…うむ、間違い無いようだ。御苦労だったな。」
そう言うと彼は、"アーティファクト"を無造作にデスクの上に置いた。
私はまるで自分の子供が粗末に扱われたような気分になり、彼に対し軽い憤りを覚えた。
彼にとっては万事がこの調子なのだろうかと、私は訝った。
大勢の人間を統括する"ハンドラー"ともなれば、心を殺すような事はやはり必要なのだろうか、と。
私は彼の中に、にょんと同じものを見た気がした。
「さて…、君はこれからどうするつもりかね?」
にょんの行方に思いを巡らせていた私を、ユルゲンスの声が現実に引き戻した。
彼の頭の中にはもう、にょんの事など一かけらも残っていないのだろう。
「ええ、一応取材…らしき事はできましたので、そろそろ引き揚げようかと思っています
たっぷりと貴重な体験をさせて頂きましたし、十分、良い記事が書けますよ」
私はそう言って彼に礼を述べた。
確かにこの男は気に食わない上、腹に何かを隠しているが、私がZoneの取材を出来たのは
彼とにょんが居たらばこそだった。
私ふと、私の両親は礼儀作法にはうるさかった事を思い出した。
「記事が書けたら、本をお送りしますよ。送り先はこちらで宜しいですよね?」
私笑みを浮かべながらそう言った。
少なくとも、それは作り笑いでは無かった。
今、ユルゲンスの顔に浮かんでいるような。
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