[過去ログ] 怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 (965レス)
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251: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 2017/11/03(金)11:29 ID:hgX6G2js(5/8) AAS
怪盗少女の予告状が方々に出回った次の日の夜。
満月に照らされた闇夜の中、黒巣邸には多数の人間が詰め掛けていた。
黒巣邸は敷地が広い割に邸宅がそれほど大きくないため庭が広大であり、また外観を崩すと塀を設置していない。
そんな黒巣邸を常日頃守っているのは邸宅の主人である黒巣黄吉が雇った警備員達だ。
しかし、今日に限っては数々の泥棒や企業スパイを撃退してきた彼らの姿は庭に見えない。
本来彼らがいるはずの場所には、アクアメロディを捕まえるべく派遣されてきた警官がひしめいている。
その外側―――黒巣邸の外周部には押し寄せたマスコミが撮影機器を構え、今か今かとその時を待っていた。
「ったく、予想はしていたが……なんだこれは。まるで祭のような騒ぎじゃないか」
「何せ久しぶりのシティのアイドルの登場ですからね。やはり皆注目しているのでしょう……と」
ギロリ、と不謹慎な軽口に反応して睨み付けてくる上司に口を噤みつつ、二階堂はやれやれと溜息をつく。
予告状を見た時はあれほど燃えていた小銭だが、今現在の彼は不機嫌さを隠そうとはしていなかった。
その理由は自分ら怪盗対策班が邸宅内部ではなく、庭側に回されたこととマスコミの防波堤を押し付けられたせいだった。
(まあ、気持ちはわかるんだけどな……単にこの配置は上の点数稼ぎだから)
各所に配られた予告状はマスコミのみならず警察にも影響を及ぼしていた。
マスコミが注目する中、知名度のある怪盗であるアクアメロディを捕まえればその功績は大きい。
その手柄に手が眩んだ上層部は、自分らの管轄である部署の人員を邸宅内部に待機させたのだ。
当然、そうなると割を食うのは独立愚連隊扱いである怪盗対策班である。
内部人員のフォローと言えば聞こえはいいが実際はマスコミに邪魔をさせないための外壁扱い。
せめて侵入前、逃走後に備えて、といきたくてもマスコミの数は半端ではなかった。
隙を見て自分達の網を掻い潜ろうとするマスコミ達を注意しつつ、二階堂はまるでアイドルのコンサートみたいだなと人事のように思い。
だとすると俺達は整理員か?
そう考えてしまい軽く落ち込み、小銭の心情に同情するほかなかったのだった。
「けど、実際のところ本当に本物が来るんですかね?」
「さてな、俺は来ない可能性のほうが高いと思っているんだが……」
疑問形でありながらも、いかにも「俺、期待してます!」といった感じの口調で間貫が二階堂に声をかける。
二階堂個人の予想では、本物かどうかは五分五分であった。
予告状自体は過去のものと合致するが、それ以外の部分に違和感が多いのだ。
アクアメロディの獲物は宝石専門であるはずなのに、ターゲットである宝石の名前が記載されていない。
これはターゲットをいつもハッキリと宣言していた彼女らしからぬ文面だ。
らしからぬ、と言えば宝石の持ち主だけではなく、警察やマスコミにも予告状を流した点も気になるところである。
正直、シティで名高い怪盗の名声を利用しただけの愉快犯や偽物の可能性のほうが高いと二階堂は考えていた。
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