[過去ログ] 怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 (965レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
14
(2): 怪盗ルナの末路 絵画の檻 2011/11/08(火)00:09 ID:ZWHOR088(1/4) AAS
若くして亡くなった著名な画家、東雲雄一が残した最後の作品である十数点の絵画。
見る人が見ればわかると言われた作品であったが、
それを見た誰もが、ただの真っ黒な絵という感想で一致していた。
しかし、彼はこれを自身の最高傑作と言い残し、美術館の一室を買い取って展示するよう遺言を残していた。

「警備がほとんどされないわね。舐められてるのかしら?」

東雲雄一の最後の作品をいただくと予告状を出した怪盗ルナ。
しかし、警備員こそいるものの、美術館に特別な警備はされていなかった。
彼の作品は生前から多くの怪盗に目をつけられ、盗み出されて世間から姿を消していた。
しかし、最後の作品として残された品は、これまでとは逆に、狙った怪盗が次々と姿を消していた。
てっきり完全な警備態勢で迎えられると思ったが、あっという間に展示されている部屋の天井裏まで来ていた。

「時間は…、もうすぐね、3、2、1…」

重苦しい音を立てて、静まり返った部屋の扉が開く。
電灯で照らしながら警備員が入ってくるけど、数秒で異常がないことを確認すると、すぐに出ていってしまう。

「………。なによあれ、予告状出したんだから、少しは真面目に警備しなさいよ」

普段と変わらぬ警備態勢で、これで朝まで見回りに来ることは無い。
警備員が離れて行ったことを確認すると、展示室に降り立ち、その姿を現す。
全身を覆い隠す黒のコスチュームに身を包み、長い髪を一つに纏めた姿の怪盗ルナ。
身体にフィットしたコスチュームは胸やお尻の身体のラインがそのまま出てしまい、
薄い生地は光の中に出ると、胸とショーツのところ以外は肌が透けて見えてしまうセクシーなデザインだった。

「罠もないみたいだし、これは思ったより簡単だったかな」

展示室の中を確認していくけど、特に罠らしいものは見当たらなかった。
壁には額に入れられた十数点の真っ黒な絵が飾られ、
一番奥には画架に固定されたままの作品と東雲が愛用した画材一式が展示されていた。

「なんど見ても奇妙な部屋。さっさといただいて…っ!」

どこかから女の子が声を漏らしたような音が聞こえてビクッとする。
振り向いて背後を確認するけど誰もいない、自分以外には誰もいないはずの部屋で警戒していると、また声が聞こえて。

『…ぁぁ……ぃゃぁぁ……』

耳を澄まして声の方を警戒しながら確認していき、その正体に気付く。
画架に固定された絵から声が聞こえていることに気付いて、怖くなって後ずさりする。

「なに…、だれかいるの?」
『……出してぇ……ここから出してぇぇ…』

目を凝らして見ても誰もいなくて、仕掛けを探しても何も見当たらない。
悪寒が走り一刻も早く離れないといけないと全身で危険を感じているのに身体が動かない。

『…はぁぁ……あぁんっ…あぁっ…』

いやらしい感じになってくる声が頭の中に響いて来ると、何かに獲り憑かれたみたいに気が遠くなってくる。
目の前が真っ白になってきて、それからどうなったのか私には分からなかった。
1-
あと 951 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 1.892s*