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怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 (965レス)
怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/
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305: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/23(木) 12:59:44.34 ID:amBTRuIe 「きゃあ!」 警備員との戦闘を繰り広げながらも、念のためにと下半身に注意を払っていたのが功を奏し あわやノーパン状態の下半身が御開帳、という危ういところで美音のガードは間に合った。 しかしその代償として両手が一時的に使えなくなり、当然麻酔銃から針は発射されず。 そして天から降ってきたその隙を、警備員の男は見逃さなかった。 「なんだかわからねえが、チャンス!」 「ちょ、ちょっと待って……! ああ、もうっ!」 千載一遇の機会を逃すまいと、先程までの引け腰が嘘のように男は勢いよく地を蹴る。 形勢逆転とばかりに詰まっていく距離に、スカートを押さえたままで動きが制限された怪盗少女は 一旦態勢を立て直すべくバックステップし、跳躍と同時に麻酔銃を持つ右手を改めて構えた。 左手は下半身をガードするために使われたままだが、問題はない。 男の攻撃が届くのが先か、アクアメロディの射撃が先か。結果、先を取ったのは後者だった。 「ぐがっ……」 首筋に針を撃ち込まれ、途端に力なく地面に崩れ落ちていく三人目の警備員。 これでこの場の勝利の軍配は怪盗少女に―――とは、いかなかった。 「よし……っ!?」 危ないところを切り抜けた余韻に浸りつつ着地した瞬間に耳に届く、ガサリという草ずれの音。 不吉な予感を覚え、足元を見てみれば、そこでは輪っか状に編まれた縄が右足首を捕らえていた。 「しま―――!」 グンッ! と縄が繋がっている竹が一気に反り返り、捕らえた獲物を釣り上げる。 アクアメロディの軽い身体は、自然の力にまったく逆らえずあっという間に宙へと放り上げられ 地上から五メートルほどのところで、片足を縛られたままの状態で逆さまに吊るされてしまい 自然、重力に従ってスカートは垂れ下がり、中に隠れていた処女地とお尻が丸出しになってしまう。 「きっ、きゃあああっ!」 片足だけが捕らわれているがゆえに開脚を強いられ、スカートはまったく役目を果たせない状態 という、あまりにも大胆な格好を晒していることを自覚した美音の羞恥の叫びが場に響き渡る。 顔を真っ赤に染めながら慌ててスカートの前後を押さえ、大事な場所を見られまいと隠すが 幸いにも先程まで戦っていた警備員たちは全員地面に俯せに倒れこんで気絶しているため この恥ずかしすぎる格好を誰かに見られることはなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/305
306: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/23(木) 13:02:52.15 ID:amBTRuIe (油断した……また、こんな罠に引っかかっちゃうなんて……っ) 過去にも一度(外伝参照)同じ罠にかかったことがある身としては、自身の迂闊さを嘆くしかない。 しかしここで後悔にひたり、慌てるだけで時間を費やすのは愚の骨頂である。 冷静に落ち着いて、しかしできるだけ早くこの状況から脱するべく、リボンの下に仕込んでいた 折り畳みナイフを取り出した美音は、右足首を捕らえている縄を切断し始める。 「うう、私今凄い格好してる……」 逆さ吊りの状態から足首の縄を切るためには、身を起こし片手で縄を掴んだU字の体勢になり その状態を固定したままもう片方の手でナイフを使う、という形にならざるをえない。 だが、当然そうなると両手が塞がることになり、股間は下側からの視線に無防備になってしまう。 つまり、もしこの場に新手が現れれば美音は恥ずかしい部分を隠しようもなく見られてしまう上 ショーツを穿いていないことまでが相手に知られてしまうのだ。 「早く切らないと……っ!?」 タッタッタ…… 女の子としての窮地に気をはやらせる怪盗少女は、しかし近くから聞こえてきた足音に心臓を跳ねさせる。 この状況で最も起きてほしくなかった事態、すなわち新手が近くまでやってきたのだ。 「う、嘘! 早くしないと、こんなところ見られたら、私っ」 焦りに手元が滑りそうになりながらも、ナイフを動かし続ける。 しかし、動揺からかバランスを崩してしまい、反動で吊り下げられた身体がグラグラと揺れて 夜空の中剥き出しの桃尻が美味しそうにプルプルと震えるという扇情的な光景が生まれてしまう。 そんな無意識のサービスカットを作り出したことに気がつかない美音に余裕は欠片もなかった。 「こっちから声がしたぞ!」 (こ、こっちに来ちゃダメぇっ……!) 曲がり角のすぐ向こうから声が聞こえてきて、いよいよ進退窮まる美少女怪盗。 だが、無常にも足音はすぐそこに迫ってきている。 下半身を丸出しにした格好で追っ手を出迎えるなど、そんなことになれば末代までの恥。 アクアメロディとしても、一人の女の子としても一巻の終わりだ。 「お願い、間に合って……!」 「ここか!」 そして、遂に追っ手が姿を見せた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/306
307: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/23(木) 13:06:32.99 ID:amBTRuIe 「あ、危なかったぁ……!」 結論から言えば、美音の丸出し状態の下半身は見られることはなかった。 追っ手が曲がり角から現れるほんの数秒前に縄を切ることができたため、着地が間に合ったのだ。 とはいえ、あとほんの一秒でも遅れていればアウトだったので本当にギリギリだったと言える。 「もうっ、本当ならこんな苦労をしなくてもよかったのに……」 困難を態々増やす色々な、特に下着なしという破廉恥な縛りを課してきた電話の男に愚痴をこぼしつつ 怪盗少女は「何が狙いかは未だにわからないけど、絶対に報いを受けさせてやる!」と気勢を上げる。 そんな彼女が今通っているのは、縦一メートル、横幅二メートルほどの小さく狭いトンネルだった。 着地した後、再度追っ手を蹴散らして進んだ先にあったこの通路は奥行き五十メートルほど。 竹でアーチが作られており、内部は数メートルおきに蝋燭が通路両端に置かれ、明かりを燈している。 前後を挟まれてしまえば逃げ場はないため、本来なら別のルートを探すのが正解なのだろうが ここまで時間をかけすぎてしまったがゆえに気が逸ってしまったのと、少なくとも後方からの追っ手は しばらくは来ないと判断した結果、美音はこのトンネルを通ることにしたのである。 「早く帰ってシャワー浴びたい……」 慣れない条件付きの盗みという難行からくる肉体と精神両面での疲労が積み重なってか 可憐な唇から、いつも自信たっぷりなアクアメロディにしては珍しい弱音が零れる。 だが、怪盗としての勘と体感による推測からすると、ここを抜ければ外はもうすぐそこのはず。 だからあともう一踏ん張り! と自身に鞭を入れた美音は四つん這いで着実にトンネルを進んでいく。 しかし、体勢上、大きめのヒップがミニスカートを少し持ち上げてしまっているため 後ろから見ると裾からは臀部なのか太ももなのかという部分までが露出してしまっており それゆえに、後ろが気になるのか時折腰に手を回してはグイッと布地の裾を下に引っ張ってしまう。 「ふぅ、よいしょっ、ふぅっ」 また、この時怪盗少女は後ろにばかり気を取られていたためまったく自覚していなかったが 上半身、正確にいえば胸元もかなり扇情的な光景を生み出している。 ノーブラであるがゆえに、重力に従って下方にたわんだ乳房が水風船のようにたぷたぷと前後に揺れ その上、コスチュームの上着が胸の動きに引っ張られる形で乱され、首元の襟が肌から少し離れて その隙間から九十センチオーバーバストの谷間がチラリと覗けてしまっていた。 「ふうぅっ、そろそろ半分を超えたかしら……って、えっ?」 今の自分がどれほど男を情欲に誘う見た目になっているのか、まったく自覚のないまま 息を少し切らした美音は一旦現在の進行状態を確認するべく、後ろを振り向き。 そして次の刹那、仮面で素顔を隠しているその美貌に眩しい光が当てられた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/307
308: AM [sage] 2017/11/23(木) 13:11:29.95 ID:amBTRuIe 例によって規制にかかってしまったため あと五レス残ってますが、それはまた二十四時間後以降に投下します http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/308
309: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/11/23(木) 13:18:17.00 ID:UWKGTjL5 お疲れ様です! ノーパン激写とまではいかなくても かなり危うくて実用性の高い写真が撮られてそうでwktk http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/309
310: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/11/24(金) 04:08:54.04 ID:pS2z/Uv9 その光は…。機械が持ち込めない以上マスコミ以外だと思いますが、警備なら蹴散らせてもマスコミだったら厳しいですよね。 マスコミと言えば覗井照は出てくるのでしょうか?彼の番組で特集されたり、さらに撮馬久留夫と組んだりすればものすごい番組ができそう。 さて、上半身のガードが甘いアクアメロディ、コスチュームは新調されているのか?されていなければきついままのわがままバストがどうなるか見ものです。 AMさんも書かれていましたが最後の投稿が2011年の5月のシーフイントラップですが、他の板で新作はあったりするのでしょうか? 以前お聞きした時に教えていただいた魔法・超能力のとある、正義のヒロインのジャミング以外にあれば教えていただきたいです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/310
311: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/24(金) 13:26:57.72 ID:oQTklGl6 「えっ……あ! あの人はっ!?」 「いっ、いたーーーっ!!」 トンネルの入り口に身を屈め、大声を出しながら指差してくるその若者に美音は見覚えがあった。 小銭警部率いる怪盗捕縛チームの一人で、確か名前は間貫。 過去の塔亜邸からの脱出の際のどさくさに紛れて乙女の一糸纏わぬ胸を揉みしだいてきた男だ。 所業が所業だけに、良い印象がない。というか、苦手意識のある相手だがこの状況で出くわすとは。 (けど、これだけ離れていれば問題はないはず) 既に自分はトンネルの半分を越えたあたりまで進んでいる。 通路の低さゆえに内部の移動手段が四つん這いに限られる以上、今から彼が追い付くことはほぼ不可能。 出口側には今のところ人の気配はなく、挟み撃ちをされる心配もない。 どうやら一人のようだし、脅威ではないだろう。そう美音は判断したが、それは間違いだった。 間貫は明かりのランタンを手放し、地に俯せになり、匍匐前進の体勢をとると なんと、まるで夏場の台所に出現する黒いアレを彷彿させる速度でトンネルに突入してきたのである。 「降って湧いたこのチャンス、逃がさないぞアクアメロディ!」 「えっ、えええっ!?」 地面を指先とつま先で上手く掴む動きで接近してくる若者警官に驚きを隠せない怪盗少女。 正直気持ち悪いというか、人間としてありえない速度の動きだ。 しかし、そんな美音の感想とは裏腹に、間貫は遂に自分の努力が活きる時が来たことに感激していた。 夜目が利くこと以外、特に取り柄のなかった彼は何か一芸を身に着けようと常日頃から考えていた。 出した結論が「匍匐前進」だったのは、怪盗と言えば排気口内部の移動! というイメージから。 ならば狭く低い通路で素早く移動ができるというのは圧倒的なアドバンテージになる、と思ったのだ。 まあ、使いどころが限定的すぎるがゆえに理解者はいなかったのだが…… (今、全てを出し切る時!) 怪盗捕縛チームの最大標的であるアクアメロディを自分一人の手で捕縛することができれば大手柄。 他のメンバーからは一目置かれるだろうし、上司の小銭も褒めてくれるだろう。 ひょっとしたらそこから運が向いてきて、塔亜邸で出会った麗しの君とも再会できるかもしれない。 段々と都合の良い思考が湧き出てきていたが、それでも間貫のやる気を上げるには十分だった。 「う、嘘っ、追い付かれる……!?」 一方、思わぬ相手による怒涛の這い寄りに焦ったのは、追われる立場にいる怪盗少女だった。 前にしか逃げ場がない以上、できることと言えば足を止めない以外にない。 だが、出口まであと十メートルを切ったあたりで、遂に間貫に追い付かれてしまう。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/311
312: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/24(金) 13:31:46.31 ID:oQTklGl6 「逃がすかーっ!」 「きゃっ……!」 どうしてもお尻が気になって速度を出せない四つん這いの美少女怪盗のすぐ後ろにまで到着した間貫は 四肢に渾身の力を籠めると、低空で跳躍し、ラグビーのタックルさながらに飛び掛かる。 当然、美音は狭いトンネルの中で身をかわすことなどできるはずもなかった。 「―――むぐっ!?」 「ひゃあんっ!?」 ぼふんっ! 勢い余った若き巡査の跳躍を止めたのは、弾力に富んだふたつの水蜜桃だった。 「も、もごもごッ!!(こ、これはっ!!)」 「やっ、あっ! ちょっと、ど、どこに顔を突っ込んでるのよっ!?」 「もごーっ!(ケツだーっ!)」 風船のような張りと弾力を持ちながらも、心地よい柔らかさが伝わってくる重量感。 前に偶然触ったことがある麗しの君のおっぱいのそれとはまた違う、女体特有の触り心地。 スカート一枚で隔たれているだけの美少女怪盗の臀部という魅惑の柔肉は間貫を一瞬で虜にした。 (な、なんというデカさと柔らかさ! おっぱいと甲乙つけがたい! じゃなくて!) 想定とは少し違った形にはなったものの、狙い通りアクアメロディの捕獲には成功。 両腕で太ももを抱え込むようにホールドしたので、これで相手はそう簡単には逃げられない。 ゆえに重要なのはここからなのだが、この状況で手錠をかけるのは流石に難しい。 かといって、この体勢のまま人ひとりを抱えてトンネルから出るというのも無理がある。 となると、一番いいのはこの密着捕縛体勢を継続し、応援を待つことだ。 この状況で応援さえくれば最早怪盗少女に打つ手はない。だから、このままでいるのがベストなのだ。 (そう、これは正義のためだ! だからアクアメロディのお尻を堪能することになっても不可抗力!) 傍目には痴漢そのものな自分の行いを無理やり正当化する間貫。 しかし、当然ながら恥ずかしい場所に顔を押し付けられている側はたまったものではないわけで。 「このっ、んっ! 離れなさい……っ!」 美音は乙女のお尻に取り付いてきた破廉恥漢をどうにか引き離そうと四苦八苦するが 太ももをガッチリ抱え込まれてしまっているため、腰から下はほとんど身動きできない。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/312
313: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/24(金) 13:36:25.81 ID:oQTklGl6 (こんな時にスタンガンはバッテリー切れ、麻酔銃も弾切れだなんて……!) 道中、数十人の警備員及び警察を毎回律儀に全員倒していったことがあだとなり 一撃必倒の武器は現在使用不可能。また、この狭所では煙玉も催涙玉も使うわけにはいかない。 上半身は自由に動かせるも、腰が入らない状態ではロクな打撃を繰り出すことができず。 それでも羞恥心と嫌悪感に突き動かされて美音は手打ちのパンチを相手の後頭部にヒットさせるが やはり大したダメージにはならないのか、まったく拘束が緩む気配はない。 「もふもふもふもふっ!」 「ひゃっ! あんっ! やめて、顔振っちゃダメぇっ!」 徐々に若き迸りを抑えられなくなってきたのか、間貫の動きが大胆なものへと変化。 鼻先をお尻の割れ目に突っ込んだ状態から頭を左右に勢いよく振り始める。 そんなヒップ版のぱふぱふともいうべきな痴漢攻撃にたまらず悲鳴をあげる美音だったが 美少女怪盗の桃尻を味わうことに夢中な警察官失格男の耳には届かない。 「くんくん……スーッ、ハーッ!」 「きゃあああっ! バっ、バカぁっ! なんてところの匂いを嗅いで―――んぅっ!」 (ああ、いい匂いだ……これが女の子の、アクアメロディの匂いか……) 「このっ、変態! えっち! はぅ……! いい加減にしないと後で酷い目に……」 更に間貫は鼻先をより一層谷間にグリグリと押し込むと、あろうことか匂いまで嗅ぎ始めた。 いつも清潔にしているとはいえ、身体で最も不潔な部分の匂いを布一枚越しに好き放題吸引されるなど 初心な美音にとっては顔から火が出るほど耐え難い恥辱である。 だが、懸命に腰を動かそうとしても、足が固定されているため弱々しい動きにしかならず むしろ男を誘惑するような官能的な仕草となって、間貫を一層興奮させる結果に終わってしまう。 「んううっ……!!」 (へ、変なところに息が……!) 時折、蹂躙されるお尻の表面を流れ落ち、両脚の付け根の前側へと入り込んだ鼻息が 生暖かい微風となって下着の守りを持たない処女の閉じた柔筋を撫でていく。 そして、そのたびに怪盗少女の背筋が軽くのけぞり、何かを耐えるように唇を噛み締めた赤ら顔が 蝋燭の淡い光の中で照らし出されるという光景がしばし繰り返された。 「ふぅ……はぁ……はぁ……」 そして三分が経過した頃、美音は完全にグロッキー状態だった。 顔はおろか、全身が羞恥と与えられる刺激によって上気している様はなんともいえない色香を発している。 しかし、若き変態警官による恥辱は未だ終わらず、更なるピンチが怪盗少女を襲う。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/313
314: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/24(金) 13:40:21.33 ID:oQTklGl6 「ハァハァハァ……」 「やっ……そ、それはダメ! ダメだってば!」 間貫がアクアメロディのお尻を堪能するために起こした次なる行動は頬ずりだった。 だが、先程とは違い、その動きは今の怪盗少女にとっては危険極まりない。 何故なら、彼女は現状文字通りのパンツはいてない状態。 そして頬ずりによる上下の動きは最後の砦であるスカートを徐々に捲り上げていくわけで。 (いけない、このままスカートが捲れたら……!) トンネルの中での密着状態なので視界は制限されているが、もしスカートの守りを突破されて お尻に直接触れられてしまったら、そこに下着が存在しないことはすぐにわかってしまうだろう。 怪盗云々以前に一人の女の子としての尊厳にかけてそれだけは防がなければならない。 しかし、振り払おうと懸命に腰を揺すっても、煩悩パワーに支配された変態警官の拘束は緩まず むしろ美音側の動きが加わることで、より一層スカートの捲れ具合が危険なことになっていってしまう。 (―――あっ、ダメぇっ!!) そして遂に、危険水域を越えた布地の下から生尻がふるりと震えながら顔を出した。 臀部の下半分が完全に露出し、尻たぶに興奮から紅潮した間貫の頬が触れてくる。 裸のヒップに直接男の顔を当てられている嫌悪と羞恥に怪盗少女の全身がビクリと跳ねるが それ以上に、ノーパンがバレてしまったという事実に美音は打ちのめされてしまう。 次にこの男はなんと言ってくるのだろうか。変態に変態扱いされてしまうのか。 悪い未来予想図にガクリと頭を落としかけるが、しかし間貫が次に発した言葉は意外なものだった。 「この感触は……まさか! アクアメロディの下着がてぃ、Tバックだとぉっ!?」 「……えっ?」 「こんなミニスカートでTバックとはなんて素晴らし……いや、けしからんことを!」 抑え込み切れない本音を覗かせつつも憤る若き警官にきょとんとするが、すぐに理解した。 この男はショーツの感触がなかったことを、Tバックを穿いていたからだと勘違いしているのだと。 九死に一生を得た美音は、すぐさまそこに便乗する。 「ふ、ふふっ。女性経験があまりなさそうなお兄さんには刺激が強すぎたかしら?」 「だっ誰が童貞だ! くそっ、この程度の色気でこの俺が釣られ……あぁ、柔らかい……!」 無理に余裕ぶったためかなり棒読み臭かったが、興奮状態の間貫はアッサリと引っかかる。 安堵にホッとする怪盗少女だったが、危機は依然として継続中。 足をピッタリと閉じているために前側は見えず、後ろ側は露わなのが未だ下半分だけなので 相手もどうにか勘違いをしてくれているが、これ以上スカートが捲れると今度こそアウトだ。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/314
315: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/24(金) 13:43:59.59 ID:oQTklGl6 「まったく下着が見えないなんて、くうぅ……食い込みすぎだろ!」 (穿いてないんだから当たり前でしょ! ……だ、だからもう見ないでぇ!) ノーパン痴女と思われるよりかはマシだが、Tバックでも正直大胆なことには変わりはない。 あとはどうかこの男がこのことを黙っていてくれることを願うだけだ。 生尻を見られ触られ続けている状況に内心で涙目になりつつも、抵抗を続ける半ケツ状態の美少女怪盗。 「ぐへへ……」 「ひっ!?」 脱出の機会が訪れたのは、アクアメロディの下半身を拘束していた間貫の両手が動き始めた時だった。 お尻だけに飽き足らず、その下で剥き出しになっている太ももにまで手を出してきたのである。 汗ばんだ手で太ももを撫でまわされる感触に悪寒が走るが、それは同時に拘束の緩みでもあり。 (こ、この、調子に乗って……でも、チャンス!) 「―――えいっ!!」 「ムフフ、こっちもおっぱいやお尻とも違った柔らかさが―――むわぷっ!?」 ホールドが弱まった隙をついてグッと前傾姿勢をとり、溜めた力を反動で一気に後方へと解き放つ。 ばいんっ!! 怪盗少女渾身のヒップアタックが炸裂し、目の前の女体に夢中だった間貫はたまらずひっくり返ってしまう。 「あ、やばっ……」 距離ができたことによって形勢が逆転したことに気がついた間貫は青ざめるが後の祭り。 慌てて体勢を立て直そうと起き上がるが、そんな彼の目に映ったのは猛然と迫りくる靴裏だった。 「散々好き勝手にしてくれて、許さないんだからっ!」 「ぶげっ!」 「この、この、このっ!」 ゲシ、ガシ、ドガッ! これまでの鬱憤を晴らすかのようなアクアメロディの後ろ蹴りが何度も変態警官の顔面にヒットする。 四つん這い状態から繰り出されていたため威力自体は高くはなかったが、数が重なればダメージは甚大。 あっという間に顔を腫らした間貫は、欲につられて千載一遇の機会をフイにしたことを悔やみ そして、抜け目なくチラリと足の付け根に垣間見えた怪盗少女の下着の色を確認しながら気絶するのだった。 (……黒!) http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/315
316: AM [sage] 2017/11/24(金) 13:44:59.04 ID:oQTklGl6 以上で投下終了となります。 アクアメロディは穿いてないのに下着が黒とはこれいかに(すっとぼけ) 本編は基本シリアス方向で進めるつもりだったのに、気がつけばコメディ風味になっている不思議。 そしてまだ脱出はできていないのでこのミッションは続きます。 あと、自分作品についてですが、これが復帰作なので他にはありません。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/316
317: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/11/24(金) 14:00:02.85 ID:m08pkY0V お疲れ様です! 間貫、裏山死刑 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/317
318: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/11/25(土) 01:30:31.57 ID:gc9/iXVc 毎週ありがとうございます。ぜひこのままラストまで走っていただきたいです。 道(迷路)半ばでグロッキー状態で武器もなし。ここからどうなるか次も楽しみです。 黒い下着、いずれ多くの人の目に晒されるのか?そしてミッション次第でその存在も無くなるのかと妄想もはかどります。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/318
319: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/11/25(土) 03:17:28.46 ID:TgL7xsor 乙乙 間貫は前回で生乳を揉みしだき、今回は生尻を堪能できるとは役得だなー 現状で、一番美音の体を味わえている幸運な男ではなかろうか。 彼の次なるラッキーエロチャンスに期待しつつ まだまだひと波乱ありそうで、アクアメロディが次はどんな恥辱に合うのか実に楽しみで、次回が待ち遠しい! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/319
320: 名無しさん@ピンキー [] 2017/11/28(火) 21:42:09.91 ID:Hv9vlyjY え 待って 本当にAMさん? 懐かしみに覗いたスレでとんでもない方に出会えて衝撃だわ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/320
321: AM [sage] 2017/11/30(木) 11:32:23.71 ID:vlP9l13d 昼過ぎくらいから投下開始します。 作品は「怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー 第十二話」となります。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/321
322: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/30(木) 13:13:56.47 ID:vlP9l13d 「ふぅっ、長かった迷路もようやく終点ね」 目の前にそびえたつ、格子状に組まれた竹幹の壁を見上げながら安堵の吐息をひとつ。 この壁は竹林迷路の外周を囲んでいるもので、隙間から見える向こう側にはもう竹が見えない。 散々自分に破廉恥行為を働いてきた年若の男警官をボコボコにし、トンネルから出てきた怪盗少女は ノーパンノーブラ状態という羞恥を乗り越え、ようやく出口まで辿り着いた達成感に口元を綻ばせる。 「うん、向こうには人もいないようだし、ここから出ようっと」 今回も謎の男の指示通りマスコミに予告状を出しているため、敷地の外には大勢の記者やカメラマンが 詰めかけているが、その大半は正門付近に陣取り、お目当ての登場を今か今かと待ち構えている。 中にはアクアメロディが馬鹿正直に正門に来るはずがないと考え、壁の外を張っている者もいるが 土地の広さが広さなので当然全てを監視できるはずもなく、山勘で張り込むしかない。 幸いにも目の前の壁の向こう側には人がいる様子はないため、脱出に支障はなさそうだった。 「よーく狙って……と」 ボシュッ! 左腕を斜め上に向けて構えた数瞬後、グローブから先端にフックのついたワイヤーが打ち出され それは狙い違わず壁の頂点に達し、格子の隙間に引っかかって固定される。 ワイヤーが巻き取られはじめ、アクアメロディの細身を上方へと引き上げていく。 「さて、あとは上につくまで……」 「そうはいかんぞアクアメロディ!」 「えっ? って、こ、小銭警部!?」 上昇を始めた怪盗少女の耳を貫く怒声を上げたのは怪盗捕縛チームの隊長、小銭だった。 別ルートで迷路を脱出してきたのだろう、身体に笹の葉を多数纏わせながらも肩を怒らせている彼は 一人ではあったが、ようやく標的を見つけたとあって目を爛々と輝かせている。 しかし、その登場はいささか遅かった。既に壁際を昇りつつある美音に対し、小銭はまだ壁まで距離がある。 「くすっ、小銭警部。残念だけどまた今度ね」 先程追い付かれるはずがないと油断して酷い目に合ったばかりだが、二度も不運は続かないだろう。 その余裕から笑みを零した美音はウインクを飛ばして小銭に別れの挨拶を告げる。 だが、それがフラグだったということに彼女が気がついたのはそのすぐ後のことだった。 「逃がさぁぁぁぁん!!」 距離的に追いつくのは無理。それは小銭とてわかっているはずなのに彼の瞳に諦めはない。 すぐ傍に置いてあった伐採済みの竹幹を一本手に取ると、それを前方に突き出すようにしてダッシュ。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/322
323: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/30(木) 13:17:35.52 ID:vlP9l13d 「え、ま、まさかよね……?」 「棒高跳びで国体に出場したこともあるこの小銭を舐めるなよッ!」 手慣れたその一連の動きに嫌な予感を覚えた怪盗少女の頬に一筋の冷汗が流れる。 はたして、次の瞬間その予感は的中した。 小銭はこれ以上ないタイミングと角度で竹幹を地面に突き刺し、しなりを利用して跳躍。 一気に壁際を上昇するアクアメロディへと向かって高速で突貫していく。 「またこのパターンっ!?」 「逮捕だぁー!!」 先程のトンネルの悪夢再来かと身を竦める美音だったが、その怯えは杞憂に終わる。 成人男性にしては小柄な身体が着弾したのは上昇を続ける怪盗少女の少し右上地点だった。 如何な元国体選手と言えど、ブランク+道具が違う状況での必中は無理があったのである。 「クソッ! だがまだだぁ!!」 「お生憎様、こっちもボーッと見てるだけじゃないわよっ!」 竹壁にしがみついたのも束の間、すぐさま二度目の跳躍で目標の怪盗へと飛びつこうとする小銭。 しかし、それよりも早く動いたのは美音のほうだった。 つい先程意外な追撃を味わったばかりの彼女の立ち直りは早く、腰のポーチから素早く催涙玉を取り出すと それを足に力を込めようとしていた壮年の男警官の顔目掛けて投擲する。 「ぐわっ!?」 「命中っ♪」 狙い違わずヒットした催涙玉は破裂して中身を撒き散らし対象の目や鼻、そして口へと吸いこまれていく。 そうなれば当然小銭は涙と咳が止まらなくなり、跳躍どころではない。 「ごめんね小銭警部。大人しくしていればすぐに治ると思うから―――っ!?」 「ゴホゴホッ! こ、この小銭を舐めるなと言ったはずだぞゴホッ、アクアメロゲホゲホ!」 ペロリと舌を出して謝罪の言葉をかける怪盗少女。 しかし彼女は半年以上もの間溜めに溜めた小銭の執念を見誤っていた。 彼は激しく咳のせいで力が入らない上、目は涙でグショ濡れで視界が完全に塞がれているにもかかわらず なんとしてもこのチャンスを逃すまいと二度目の跳躍を決行したのである。 「ゲホゴホーーっ!!」 「なっ……」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/323
324: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/30(木) 13:24:29.01 ID:vlP9l13d まさかの跳躍に、今度こそ意表を突かれたアクアメロディは呆然とするしかない。 だが、それゆえに目が見えずとも相手のどこかを掴もうと空中でもがく小銭の執念が実った。 闇雲に振り回した右手が怪盗少女の顔面をかすめ、指先が目元の仮面に引っかかったのだ。 「あっ!? ダ、ダメッ!!」 「ゲフンッ!」 自分の正体を隠す最重要装飾に触れられて動揺する美音は慌てて空いた右手をガードにまわすが 指に感じた確かな手応えを離すまいとする壮年警官が力を籠めるほうが早かった。 ブチッ! 「いやッ!」 決して奪われてはならぬ仮面をむしり取られてしまった美音は咄嗟に手のひらで顔を覆い隠す。 幸いにも小銭は未だ催涙玉の効果で目を瞑っており、露わになった素顔は見られてはいない。 それ以前に、自分が宿敵の大事なものを奪ったことすら気がついていないだろう。 しかし、仮面がなくなったことによる動揺から怪盗少女は半ば思考停止状態に陥ってしまった。 一方、小銭にとっては絶好のチャンス到来と言える状況。 だが、彼は未だ空中を跳躍中であり、仮面をむしり取ったことで掴まるものもなくなった。 つまり、あとは重力に従って落下するだけとなるわけで。 「ぬっ!?」 己の身体が落ち始めたことを感覚で理解した小銭は再び両手を振り回す。 ここで彼が幸運だったのは、この時アクアメロディは顔を隠すことに注力していたため、顔を覆う手を 前に突き出すだけで簡単に危険を排除できるということに気がつかなかったことだった。 (とにかく何かを掴まなければ!) 柵でもアクアメロディの身体のどこでもいい。掴みさえすれば落下は免れる。 利かぬ視界の中、先程右手で掴んだ何かの近くに懸命に伸ばした左手が掴んだものは、布の感触だった。 「きゃあっ!?」 可愛らしい悲鳴が上がったのは、小銭が自身の落下をかろうじて防いですぐのことだった。 彼が掴んだのは怪盗少女の襟元で、引っ張られた布地の下からすべすべの肌色が出現してしまったのである。 防刃繊維のコスチュームは男一人分の体重がかかっても破れることはなかったが 生地が伸びることは避けられず、首筋から鎖骨までのラインが一気に夜風に晒されてしまう。 それどころか、空いた隙間から自己主張激しく鎮座しているEカップの深い谷間が見え隠れしていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/324
325: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/30(木) 13:29:25.54 ID:vlP9l13d 「や、やだっ……ちょっと、離しなさい!」 「誰が離すゲホッ! ク、クソッ、目さえ見えるようになれば……ゴホゴホッ!」 頭上からの焦り声に、自分の手が掴んでいるのがアクアメロディのどこかということを察する小銭。 右手は目を擦るために使っているため左手一本でぶら下がっている状態だが、決してこの手は離すまい。 そう硬く決意した壮年警官は、右手に剥ぎ取った仮面、左手にコスチュームを掴んでいることで 自分が今どれだけ宿敵たる少女を追い詰めているか気がついていなかった。 (こ、このままじゃ……!) 小銭の分の重量が加わったことで引き上げる速度を落としたワイヤーに引っ張られながら 焦りと羞恥で身を焦がす美音はなんとかこのマズイ状況を打破すべく思考を巡らせる。 このままの状況が続けば、時間の経過とともに小銭の視力は回復してしまうだろう。 そうなったら最後、今の際どい格好は勿論、仮面を失って露わになっている素顔をも目撃されてしまう。 (それだけは絶対ダメっ) それを防ぐためにはなんとか小銭を振り落とさないといけないが、相手も必死。 身体を揺らしてみてもほとんど効果はなく、むしろコスチュームの乱れが加速してしまい 今や空いた隙間からは谷間を越えて双子山の頂上までもが顔を出しそうになっている。 胸元は股間同様下着を身に着けていないノーブラ状態のため、そうなれば生乳ポロリが確定。 当然美音はそれに気がついており、更に頬が朱に染まるが今は恥ずかしがっている場合ではなかった。 左手はワイヤーに繋がっているため使えず、足は空中に浮いているため上手く力が入らない。 頼みの綱は右手だが、こちらも現在顔を隠すために使用中だ。 (まだ、小銭警部は目が見えていないはず。でも……) この状況を打破するためには右手を自由にするのが必須ということは痛いほど理解している。 しかし、いくら目が見えていないとはいえ、警官の前で自ら素顔を晒すという決断が中々できない。 更に、右腕は上着が下に引っ張られていることで動きが制限されてしまっているため どうしても一度コスチュームから手を抜き出す必要があるのだが、そうすれば完全に胸が露出する。 アクアメロディとして、一人の女の子としての葛藤が美音の動きを鈍らせていく。 だが、数多の修羅場を潜り抜けてきた経験が決断を促し、手遅れになる前に逡巡を断ち切った。 (―――お、女は度胸っ!) 迷いを振り切るように心中で叫んだ怪盗少女は右手を顔から素早く引き剥がすと その勢いのまま上着の肩口から腕を抜いて、ポニーテールを纏める頭上のリボンへと伸ばす。 一連の動きの中で、遂に右の乳房がコスチュームからぽろんっと零れ出たが、気にしている暇はない。 リボンの結び目に隠していた小型のナイフを握りしめると柄の部分を下にして一気に振り下ろし 未だ襟元を掴んで離さない小銭の手の甲を思い切り叩いた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/325
326: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/11/30(木) 13:30:12.55 ID:vlP9l13d 例によって規制にかかってしまったため あと四レス残ってますが、それはまた二十四時間後以降に投下します http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/326
327: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/11/30(木) 14:19:38.38 ID:UnWmLn2b お疲れ様です! 続きを楽しみにして待っております! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/327
328: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/01(金) 13:50:09.10 ID:gK0RNw5E 「ぐああっ!? ―――あ」 思わぬ痛みを受け、反射的に五指を開いてしまった小銭はしまったと悔いるも後の祭りだった。 己を支えるものを失った彼の小柄な身体は今度こそ空中に投げ出され、落下を開始する。 それでも再度何かを掴もうと足掻きを見せるも、それよりも先に怪盗少女の蹴りがヒット。 あと一歩のところまで宿敵を追い詰めた壮年警官は、それを自覚することなく地上へと墜落していく。 「おごっ!!」 数瞬後、鈍い音と共に地面にぶつかった小銭は唯一の戦利品であるアクアメロディの仮面を握りしめたまま ぼやけた視界の中に申し訳なさそうな美少女の顔を収めつつ無念そうな表情で気絶するのだった。 「はぁっ、はぁっ……流石は小銭警部。危ないところだったわ」 かろうじて小銭を退けるのとほぼ同時にワイヤーの巻き取りが終わる。 最後の一仕事とばかりに竹壁の頂上によじ登った美音は壁の上に腰掛け、ホッと一息。 散々な目にあってばかりだったが、ここまで来ればもう今夜のミッションは達成したも同然。 苦労を乗り越えた達成感が疲れを癒していく中、ふと視線を下ろした怪盗少女は現状を思い出した。 「あ……」 見ればコスチュームの上着が半分脱げて、右側がほぼ完全に裸になってしまっていた。 元の位置に戻ろうとする生地の反動が下乳で引っかかり、おっぱいを重たそうに持ち上げている。 上方向に浮かされた右乳房はその大きさを誇示し、その先端では桃色の蕾がツンと生意気そうな尖りを見せ 時折外気に震えて反応しつつも、摘まんでくれ、吸いついてくれとばかりに存在感を主張していた。 「やだもうっ、私ったらまたこんな恥ずかしい格好を……」 危機を脱するためとはいえ、女の子として大胆な行動をとってしまったことに赤面しつつ 美音はコスチュームの位置を元に戻すべくモゾモゾと身動ぎする。 着直した後は、奪われた仮面の代わりに露わになっている素顔を隠す方法も考えなければならない。 ―――バキッ (今、何か音が……) 手を動かしつつも思考にふけようとしていた美音の気を引く何かが割れるような音。 それは、彼女が今腰掛けている竹壁を構成する幹の一部が折れた音だった。 「あっ! さっき暴れたから……!?」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/328
329: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/01(金) 13:55:08.04 ID:gK0RNw5E 怪盗少女の推察通り、竹幹の耐久力は限界に達していた。 二人分の重量に加えて、暴れた負荷もあってフックがかけられていた部分がモロくなっていたのだ。 メキッ、バキバキッ! 一部分が破損すると連鎖するように竹幹が折れていく。 そうなるとその上に座っていたアクアメロディの身体はバランスを崩すしかなく――― 「きゃっ―――!」 次の瞬間には、半裸の肢体は竹壁の向こう側へと傾いた。 だが、本日三度目のハプニングともなれば美音に焦りはない。 竹幹が崩れたことは予想外だったが、着地そのものは難しくはないのだ。 高さ自体はそれなりではあったが、履いているブーツには衝撃吸収機能が備わっている。 あとはきちんと足から着地すればいいだけ。 (……え?) しかしここで美音の視界に落下地点で動くひとつの影が映った。 ゴソゴソと蠢くその影は何かを懐から取り出すと、上に向けて固定する。 月明かりに反射してキラリと煌めくそれは、デジタルカメラのレンズだった。 「っ!?」 パシャ! シャッター音が鳴りフラッシュが光るのと、怪盗少女が顔を両手で覆うのはほぼ同時だった。 指の隙間から見れば、眼下にはカメラマンらしき一人の男が興奮した様子でデジカメを構えている。 どうして人がここに、と混乱する美音だったが、考えてみれば小銭とあれだけ大騒ぎしたのだ。 たとえ離れた場所にいたとしても、壁の内側から声が聞こえてくれば寄ってくるのは当然である。 (そんなことにも気がつかなかったなんて!) いくら疲労と安堵に浸っていたとはいえ、油断の一言では済まされない失態。 しかも、ガードが間に合わず今の撮影でアクアメロディの正体が撮られてしまった可能性すらある。 こうなってはなんとしても下にいるカメラマンを逃がすわけにはいかない。 (早く地面について……っ!) 不安と焦りに身を焦がす美音だったが、物理法則を覆せない以上落下速度は早まらない。 男は一枚では全然足りないのか、シャッターを押しまくってアクアメロディの落下姿を収めていく。 コスチュームから絞り出されるように持ち上げられてたわむ右の生乳が。 そして、風圧で豪快に捲れあがったスカートの中の乙女の秘部が容赦なくレンズに捉えられてしまう。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/329
330: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/01(金) 13:57:22.56 ID:gK0RNw5E 「うひょーっ! こりゃ大スクープだ!」 (きゃあああッ! ど……どこを撮っているのよぉ!) 無防備に晒されている自分の一番恥ずかしい部分を激写され、心中で悲鳴を上げる美音。 しかし、足から降りなければならない以上、体勢を変えることはできない。 かといって、正体を隠すために使っている両手を顔から動かせるはずもなく。 フラッシュに身を焼かれる怪盗少女にできるのは歯を食いしばって羞恥に耐えることだけだった。 「おっと、そろそろ……」 だが、永遠にも思えた数秒間にも終わりは来る。 アクアメロディが着地すればデジカメを奪いに動くことは明白なため、カメラマンはお宝映像を守るために デジカメを懐に仕舞うと、名残惜しさを振り切って足早に退散し始めたのだ。 「そうは―――いかないっ!」 だが、その隙を見逃す美音ではなかった。 後ろを向いた男の背中に発射したワイヤーを引っかけ固定すると、竹壁を思い切り蹴って方向転換。 驚愕の表情を浮かべるカメラマンに向かい、落下の加速を伴った膝蹴りを繰り出す。 「やああっ!」 「グギャッ!」 ゴスッ! 見事鼻先にヒットした膝の一撃は、大の男をも気絶させるには十分な威力だった。 まさかの不意打ちにたまらず昏倒したカメラマンの懐からデジカメが転がり落ちる。 そのまま地面を滑るように着地した美音はスッキリした表情を浮かべていた。 「……あっ、それよりもこれの中身を確認しないと」 不埒な男を成敗した爽快感も束の間、デジカメを拾った怪盗少女はデータ確認を始める。 操作によって男が撮影した画像が映し出されるが、そのどれもが美音にとっては赤面ものだった。 アップで映る太ももや風に煽られて震動するバストが鮮明に記録されてしまっているのだから無理もない。 それに、これらが撮影されているということは、カメラマン自身にも見られていることを意味するわけで。 「うう、全部削除しないと……あと、一番最初のは……」 見知らぬ異性に裸同然の姿を見られてしまった恥ずかしさに羞恥心をこれ以上なく刺激されながらも 美音は肝心の画像、すなわち最初に撮られた映像の確認をすべくボタンを操作する。 果たして素顔は撮られてしまったのか。緊張に心臓をドキドキさせる怪盗少女の目に映ったのは http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/330
331: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/01(金) 14:00:39.96 ID:gK0RNw5E 「映ってない……! よかったっ」 ちょうど大きく広がったスカートの裾が、そこから上の部分を完全に隠している画像だった。 不運続きの一夜ではあったが、最後の最後で訪れた幸運に美音は顔を綻ばせる。 (でも……こ、これが一番恥ずかしい……) だが、正体が守られた代償として、最も見られてはいけない場所が開帳されてしまっていた。 広がったスカートの真ん中に、ノーパン状態の股間がM字開脚で惜しみなくクッキリ映っている。 処女らしくピッタリと閉じ合わさった姫筋も、その上に薄く生えた黒い恥毛もハッキリ丸見え。 落下直後だったとはいえ、あまりにも大胆なポーズの中での一枚だった。 「これも削除っ!」 ピッ、と恥辱からボタンを強く押して全てのデータを削除し終えた美音は改めて上着を着直すと 鼻血を出して横たわっているカメラマンの元へと近づいていく。 首にかけられた記者証には「撮馬久留夫」という名前が書かれていた。 「この人が……撮馬久留夫!?」 まさかあの破廉恥な場面ばかりを撮って雑誌に掲載していた本人と対面することになるとは。 思わぬ偶然に驚く他ない美音は、他に人が集まってこないうちにこの場から退散しようと足を動かし しかしふと真顔になると、再び撮馬の傍へと近づき 「念のためっ」 ゴンッ! 拾ったデジカメを頭頂部にぶつけ、追い打ちをかけた。 恥ずかしいところを好き勝手に撮られた恨みもあったが、これで記憶が消えてくれれば という切実にして打算的な思いがあったのも確かな行動であった。 「二度と会わないことを祈りたいわね……」 心の底からそう思う美音は、しかし知るよしもなかった。 願いとは裏腹に、この男と再会することになることを。 そしてその時に、今回とは比較にならぬ恥辱を味わうことになることを――― http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/331
332: AM [sage] 2017/12/01(金) 14:01:37.62 ID:gK0RNw5E 以上で投下終了となります。 当初はマスコミと警官の入り乱れる中の大立ち回りとかやろうかと思っていたのですが ノーパンがバレないという前提だと、どうやっても無理だと思いこの形に。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/332
333: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/01(金) 14:10:23.15 ID:OrpSZxbp お疲れ様です! 恥ずかしい所を激写されたけど、全国の男子高校生の夜のお供とはならず残念 美音の反応がエロ可愛いから、どんどんもっともっと恥ずかしい目にあって欲しく 彼との再会がとても待ち遠しいですね http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/333
334: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/01(金) 18:53:45.66 ID:RBJeBrxj ノーパンM字開脚を撮影されるのと比較にならない恥辱とな? AMさんはアクアメロディの生放送で全裸放尿を超えてくる気だろうか? そして美音の度胸はそれに耐えられるのか? 再会が楽しみです。 次のミッションは何か?それとも次回は日常回か?待ち遠しいです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/334
335: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/01(金) 19:39:24.12 ID:iAPVmdIy AMさん復活おめでとうございます! 今回もしっかり楽しませて頂きました。 個人的にはもう少しエロ多めが好きなので、撮馬氏の頑張りに期待します。 次回も楽しみにさせて頂きます!! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/335
336: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/05(火) 08:23:32.40 ID:0O+EXEpV エロを抜くと今回左腕にかなりの負荷がかかっているけど、痛めていたら成功率がかなり下がるね。 これで不覚を取ってエロい目に合うのか?脅迫者が治療を支持して恥凌(恥辱医凌)を受けるのか? なんて妄想が出てきた。実際怪我した怪盗とか、怪我の理由付けで医療関係に協力者がいないと治療も難しい気がする。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/336
337: AM [sage] 2017/12/07(木) 10:55:16.29 ID:SFM7CiMU 昼過ぎくらいから投下開始します。 作品は「怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー 第十三話」となります。 美音の左腕ですが、小銭が男にしては小柄で軽めだったのでノーダメということで http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/337
338: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 12:56:04.27 ID:SFM7CiMU 学園生活における男子禁制の地、女子更衣室。 夏真っ盛りで蒸し暑さを感じる中のプール授業が目前とあって、室内の女子たちは活気に満ち溢れていた。 色とりどりの女子高生たちの下着、あるいは全裸姿がひしめいてる光景は正に絶景の一言だが そんな中、未だ制服のままコンビニで朝一に買った雑誌に目を落とす一人の少女がいた。 アクアメロディが佐竹邸からの盗みを終えた翌週に発売された、撮馬久留夫の過激な下ネタ写真で 一部の人間から熱狂的な人気を誇るその雑誌には、本来掲載されるべき記事と写真が つまり、今やアイドル扱いの美少女怪盗を被写体とした特集が一ページも存在していなかった。 (よかった。ちゃんと消したから大丈夫だとは思っていたけど、やっぱり私の写真は載ってない) 雑誌末尾の「今週の特集は中止となりました」というお詫び文を読み終え、ホッと安堵の微笑み。 少女―――水無月美音は抱えていた心配事のひとつが解決し、肩の荷が下りた気分になる。 そんな彼女の背後に眼鏡をかけたおさげの少女が忍び寄り、ポンと肩を叩いた。 「ひゃあっ!?」 「おおう、思ったよりも大きな反応……」 「え、あ、楽子? ど、どうしたのいきなり?」 「いや、いきなりも何も着替えを始めてないの美音だけだからどうしたのかなって……」 不思議そうにこちらを見やる友人、長谷山楽子の言葉にハッとなった美音は周囲を見回すと 既に室内にいる同級生たちのほとんどはスクール水着に着替え終わっていた。 勿論楽子も着替え済みで、中々に均整の取れたスタイルがピッタリとした布地の上から確認できる。 「ご、ごめんっ。すぐに着替えるね」 まだ時間には余裕があるが、一人だけ遅れているとなると焦りも浮かぶというもの。 楽子に見えないようにこっそりと雑誌を閉じてロッカーにしまうと ストレートロングの黒髪を軽く左右に振り乱しながら、美音は慌てて制服を脱ぎ始める。 ブレザーとその下のワイシャツを身体から抜き取り、手慣れた動きでスカートのホックを外すと シンプルなピンク色のブラとパンティで大事な場所を隠しているだけの半裸姿が現れ その高校生離れした魅惑の肢体を目に入れた周囲の女子生徒たちが羨望と嫉妬の視線を送った。 「……あんた、相変わらずのナイスバディよねぇ。またおっぱい大きくなったんでしょ?」 「う、うん……」 「かーっ! Eカップとかグラビアアイドルかってーの! 女目線でもヤバすぎるわこれは!」 恥ずかしいからあんまり言わないで、という少女の懇願を込めた視線をあっさり無視した楽子は 学園男子垂涎のバストを穴が開くほどマジマジと見つめ、手をワキワキとさせる。 その仕草に嫌な予感を覚えた美音は一歩後退するが、逃がさないとばかりに踏み込んだ眼鏡娘は 文学少女風の外見には似合わない素早い動きで目の前の桃色下着のフロントホックを外してしまう。 瞬間、拘束から解放された乳房がプルルンッ! と勢いよく飛び出した。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/338
339: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 12:57:55.83 ID:SFM7CiMU 「やっ、ちょ、ちょっと楽子!?」 「何よ今のド迫力シーン!? こんなもん見せられて触らずにいられるかっ!」 「やぁんっ!」 自分では不可能な衝撃シーンを見せつけられた楽子は、たまらずぎゅむっと眼前の巨乳を掴み もみもみやわやわとその感触が本物であるか確認するかのように揉みしだく。 「ら、楽子……やめ、あ、んっ!」 「くっ! これは紛れもなく天然……わたしの負けね」 「……ふぅ……はぁ……最初から勝負なんかしてなかったんだけど」 圧倒的な敗北感に襲われた眼鏡娘はガクリと肩を落とすと、そのまま床へと崩れ落ちる。 当然だが、そんな彼女を見つめる美音の視線は冷たい。 「うぐぐ、こうして下から見上げると美音の顔がおっぱいに隠れて全然見えない。これが大台……!」 「あのね楽子、いい加減にしないと……」 「しかし隙ありー!」 「きゃあ!?」 恥ずかし気に頬を染めつつ、胸を両腕で隠しながら友人に注意をしようとした刹那の隙を突かれ 楽子の手によって無防備な腰からスルリと最後の一枚を脱がされた美音の悲鳴が更衣室に響く。 だが、うるさいと声を上げる者はいなかった。 女でも目を奪われてしまうほどの美しさと、男に美味しそうと思わせ誘う淫靡さを両立させている 水無月美音という少女のグラマラスな裸体に皆思わず見入ってしまったのだ。 「……うん、やっぱりヤバイわこれ。美音、あんたならアクアメロディにも勝てる!」 「か、勝つって……何を?」 「お色気!」 キッパリと断言する眼鏡娘に、美音は今度こそ呆れの溜息をつかざるをえなかった。 というかそもそも同一人物なのだから勝つも負けるもない。 「今からでも遅くはないわ! 美音も怪盗デビューして……」 「―――逮捕されれば大笑いね」 「え? あ、日野森さん……」 変な方向に流れ出した話題に焦りを感じ始めた美音が友人の口を塞ごうとしたその時。 調子に乗った楽子の台詞を強制的に中断させる鋭い声が間に入ってきた。 水着姿の女子の群れの中央を割るようにして姿を見せた声の主は隣のクラスの女子生徒であり それは楽子も、そして美音もよく知っている人物だった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/339
340: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:00:01.34 ID:SFM7CiMU 日野森美緒。それが彼女の名前である。 パーマをかけた金髪に気の強そうな吊り目が印象的な美少女で、男子人気は美音に次ぐほどなのだが その自尊心の高さと目立ちたがりな性格ゆえに同性からの評判は芳しくない。 美音も正直なところ、苦手な相手だ。 彼女は己よりも人気のある自分のことを嫌っておりそれをまったく隠さない。 名前の読みが似ているところも癇に障るらしく、目が合うたびに睨まれる始末。 それにもうひとつ、彼女のことを苦手とする理由が美音にはあった。それは――― 「まったく、犯罪者になりたいなんてどんな神経をしてるのかしら? それもあんな薄汚いコソ泥と張り合おうだなんてありえないわね」 「ちょっと! 美音は何も言ってないじゃない! それにアクアメロディは怪盗! コソ泥じゃない!」 「言い方を変えただけで同じでしょ、ふんっ」 このアクアメロディに対する敵愾心だった。 目立ちたがり屋な彼女は自分より目立つ人間をとにかく敵視する傾向がある。 だから現在シティで一番目立つ存在であるアクアメロディを嫌悪するのもわからないではないのだが その負の感情を同一人物ゆえに二人分向けられる当の本人としては困るとしか言いようがない。 「それに何よ、あのいかにも男に媚びてる格好は。アイドル面してるけど実際はただの露出狂ね」 「あんた、言っていいことと悪いことがっ」 「楽子、ダメよっ」 大のアクアメロディファンを自称する楽子にとって、その言いざまは許せるものではなかったのだろう。 怒り心頭と言った表情で手を振り上げるが、流石にマズイと見た美音は咄嗟に抱き着いてそれを止める。 一触即発の空気となり、騒然となる女子更衣室。 そんな重苦しい空気を掻き消す予鈴のチャイムが鳴ったのは眼鏡娘が再度口を開きかけた瞬間だった。 「……さて、そろそろプールに行かないと怒られちゃうわね」 「待ちなさいよ、逃げる気!?」 「ふん、犯罪者を持ち上げるような奴なんて相手にしてられないわ」 言いたいだけ言って去っていく勝気な少女を、しかし美音に捕まえられている楽子は追いかけられず 遠く小さくなっていく背中に罵倒を浴びせることしかできない。 「なによ! ただの貧乳の僻みのくせに!」 「えっ」 「だってアイツ、最後美音のおっぱい見て顔をしかめてたし! 間違いない!」 言われてみれば、確かに去り際の彼女は抱き着きで大きくたわんでいた自分の胸を睨んでいた気がする。 先程の日野森の憎悪に満ちた顔を思い出し、美音は理不尽な恨みの理由に溜息をつくしかなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/340
341: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:03:02.67 ID:SFM7CiMU 「まったく楽子ったら、授業が終わっても怒りっぱなしなんだから……」 険悪な空気が漂うプールを含めた授業も終わり、放課後。 一人で帰宅していた美音は友人の直情さに呆れつつも、感謝の気持ちを覚えていた。 本来ならば日野森の暴言に対し怒るべきだったのは自分。 だが、もしあの場面で感情の赴くがままに言い返していれば、楽子がそうしていたように 流れ上アクアメロディを庇う発言をしなければならなかった。 けれども、自分とアクアメロディを同じくらいに嫌っている彼女の前でそんなことをすれば 二人は同一人物じゃないのか、と突っ込まれる可能性も零ではない。 そこで否定するのは簡単だし、誰も信じたりはしないだろうが、言い分が真をついている以上 用心をするに越したことはない。知らずに自分がボロを出す可能性もあるのだから そういう意味では、楽子が激発してくれたのは好都合だった。 勿論打算的な意味だけではなく、友達としても自分を庇ってくれたことは嬉しかったのだが。 「それにしても、思っていた以上にマスコミは厄介ね……」 ふと、最近のメディアによるアクアメロディフィーバーについて思いを馳せる。 怪盗である自分がシティのアイドルとして持ち上げられるのは気恥ずかしいが、今まで見たものは あくまで内容が健全だったから特に気にしないでいられた。 しかし、撮馬久留夫の例があるように、メディア関係者の全員が節度を持っているわけではない。 不健全な写真に限らず、怪盗少女の弱点や醜聞をハイエナの如く嗅ぎまわる者も一定数いる。 幸いにも自分は芸能人や政治家と違い素性不明なので彼らと関わるのは事件の時だけだ。 仮に遭遇したからと言ってインタビューに応じたり、写真写りの良いポーズをとる必要はない。 警察の追跡すら撒ける以上、仕事帰りを尾行されて家を突き止められるということなどありえないし そういう意味では警察や標的の警備以上の脅威と捉える必要はないのだろうが…… (けど、油断していたらこの前みたいなことが起きちゃうのも確かなのよね……ううっ) 初対面の男にあんなところやこんなところまで見られて撮られてしまったことを思い出してしまう。 撮馬久留夫を気絶させて撮影データを消去した後、美音は彼の服を失敬してその場を脱した。 都合よく帽子もあったため、深く被れば顔も隠せたのでそのまま帰宅するのは難しくなかった。 当然、あとには大の字に倒れたパンツ一丁のカメラマンが残されることになったわけだが 自業自得気味だったとはいえ、恥ずかしい目にあわされた怪盗少女が彼に対して同情心を抱くことはなく。 (これで少しは懲りてくれればいいのだけれど……) 写真は勿論だが「アクアメロディはノーパンだった!」みたいな文章すら載せていないあたり ある程度のダメージはあったのだろう。単純に絵がないと説得力がないと思っただけかもしれないが。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/341
342: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:05:02.24 ID:SFM7CiMU 「ふたつめのミッションでは最初の時みたいにマスコミに顔出しをしろって指示はなかったってことは 次以降もない可能性は高い。それなら極力彼らのいるあたりを避ければとりあえずは大丈夫よね」 それでも望遠カメラなどで姿を捕らえられることはあるだろうが、これはもう仕方がない。 パンチラやおっぱいが揺れるところを撮られる程度ならば必要経費と割り切るしかなかった。 勿論、アクアメロディとしてはともかく、水無月美音としては非常に複雑な結論ではあったのだが。 「さてと、今日の晩ご飯はどうし……?」 考え事をしている間にいつの間にか自宅に到着していたため、美音は入口の門を潜り玄関へと向かうが ドアの前に何か見慣れない物体が置かれていることに気がつく。 そこには、自分ならばなんとか一人で抱えられそうなくらいの大きさの木箱がひとつ。 「何、これ……ッ!?」 宅配便の配達員が置いていった自分宛ての荷物だろうか、と箱に近寄った美音は目を見開く。 蓋の上には「AMへ。ISより」と書かれた紙が貼ってあった。 AMはアクアメロディの略だろう。つまり、この木箱の差出人は知っているのだ。 水無月美音のもうひとつの顔が怪盗アクアメロディだということを。 「間違いない、これを送ってきたのは電話の男……!」 ここ最近の出来事を考えれば、このISと名乗る人物の心当たりなど一人しかいない。 事実、罠を警戒しつつも木箱の蓋を開けてみれば、そこには拳大の宝石ケースに入れられた黒い宝石。 すなわち、エレメントジュエルのひとつであるダークが入っていた。 ―――ピリリリリ! 刹那、まるでタイミングを見計らったかのようにスマホに着信が入る。 画面を見れば予想通りの非通知表示。 不安と緊張に心臓の鼓動を早めつつ、美音は通話をクリックした。 『やあ、第二のミッションのクリア報酬は受け取ってくれたかな?』 「ええ、ちょうど今蓋を開けさせてもらったところよ」 『そっか。いやあ、前に勝手に家に入り込むなって怒られちゃったからね。 今回はちゃんと反省して中に入らないようにしたんだ』 「……それはいい心がけね。それで、聞きたいことがあるのだけれど」 『それは次のミッションについてかい? それとも―――』 「IS。あれが貴方の名前なの?」 余計な会話はいらぬばかりに、美音はズバリと切り込んだ質問をぶつける。 性別以外は事実上何もわからない相手の素性を探る絶好のチャンスを逃すわけにはいかなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/342
343: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:09:49.33 ID:SFM7CiMU 『やっぱりそれを聞いてくるよね! ああ、ISっていうのは僕のイニシャルではないよ。 アクアメロディのような、格好いいもう一つの名前が欲しくてねぇ。それで考えてみたんだ』 「……」 『あれ、反応薄いね? まあいいや、このISっていうのは「Invisible stalker」の略だよ。 見えない、けれど寄り添う者。僕にピッタリな名前だと思わないかい?』 「ええ、ストーカーってところがとてもね」 『アイタタタ、それを言われると痛いなぁ〜。でもまあ、そういうことだから今度から僕のことは アルファベットの頭文字を撮って「アイズ」って読んでおくれ』 ちなみに火野にもこの名前を名乗っていたんだよ。 と楽しそうに告げる謎の男改めアイズに美音は閉口しつつ、今得た情報を分析する。 声だけのことなので断言はできないが、今まで数々の悪党と対峙してきた経験からすると 一貫してふざけたような言動をとっているように見えても、彼は決して愉快犯ではない。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/343
344: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:12:03.28 ID:SFM7CiMU 強い執着―――この場合は自分に対してだろう、を原動力にして動いているように思える。 ストーカーというマイナスイメージの強い単語を使っているのもその表れだ。 (だけど、目的が見えてこない。『君を僕だけのモノにしたい』なんて言っていたけれど やっていることは嫌がらせ紛いのミッションを私にやらせているだけ) 毎回のターゲットの情報収拾だけ見ても、その精密さからして多大な労力と金銭がかかっているはず。 アイズがそれなり以上の財力と権力の持ち主であることは間違いないだろうが、限度がある。 ミッションクリアの報酬としてエレメントジュエルをアッサリと返還してくるのも異常だ。 超常の宝石は、使い方さえ間違えなければいくらでも持ち主に利益をもたらしてくれるというのに。 (とにかく、このアイズという男の正体と目的をハッキリさせないことには前に進めない) 『じゃあ、自己紹介も済んだし、そろそろお待ちかねだろう三つ目のミッションを発表しよう』 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/344
345: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:16:38.74 ID:SFM7CiMU そのためにも今は悔しくても彼の言いなりになってミッションをこなすしかない。 けれどもし、次のミッションがまたあんな恥ずかしい内容だったら――― 上下の下着を身に着けていない状態でアクアメロディとして盗みを働いた先日のことを思い出すと あの時の自分はなんて恥ずかしい真似をしてしまったのだろう、今でも頬が上気してしまうが http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/345
346: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/07(木) 13:17:00.97 ID:SFM7CiMU 勿体ぶる男の声を聞き逃すわけにはいかず、美音は静かに耳を澄ませた。 『ターゲットについては後で情報を送るとして、今回の「条件」だけど……』 「……また、あんな変態みたいなことをさせるつもりなのかしら?」 『ハハッ、今度はちゃんと全部着てて構わないよ。ただし、こちらが用意した特別なものを……ね』 「用意? 特別? それって一体……」 『論より証拠。木箱の中にはまだ包みが入っていただろう? 次のミッションはそれの着用が条件だ』 改めて箱の中身を確認すると、確かに宝石ケース以外にも包みが入っていることに気がつく。 中から出てきたのは、見慣れた衣装一式。すなわち、怪盗アクアメロディのコスチュームだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/346
347: AM [sage] 2017/12/07(木) 13:17:26.65 ID:SFM7CiMU 以上で投下終了となります。今回は日常回+次のミッションへの導入。 楽子は前からちょくちょく出てきていた友人ちゃんです。ようやく名前がつきました。 美緒のほうは後々活躍してもらいます、性的な意味で。 あと、今更致命的なミスに気がつきました。インビシブルじゃなくてインビジブルだ… ネタバレ:用意されたコスチュームは水に溶けます http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/347
348: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/07(木) 16:34:53.09 ID:jb4TZLot お疲れ様です! 水に溶ける衣服とは、下着姿での活躍が約束されたようなもので また次も恥ずかしい目にあいそうで凄く凄く楽しみです! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/348
349: 名無しさん@ピンキー [] 2017/12/07(木) 19:41:14.72 ID:psFAEZm9 撮馬久留夫は他にカメラを四家家テなかった見ないですね。 と、いうことは雑誌に載せていた写真も自分の足で追いかけて撮影していたんでしょうか。 逃亡するアクアメロディに追随し、最後は正面に回りこみ、しかもまったく気づかれずに写真を撮ってみせたってことですかね。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/349
350: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/07(木) 20:02:42.50 ID:6m50V7Ij >>347 お疲れ様でした。 毎週の投稿には冬の寒い体をもっこり、ではなくてほっこりさせてもらっています。 水に溶けるコスチュームとはこれはもっこり、いやびっくりしました。 次回が楽しみです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/350
351: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/08(金) 01:23:57.81 ID:FfYar2rJ 楽子はいい友人だなー そんな彼女も、美音が前作ラストで晒した痴態に痴女だと軽蔑していたと思うと興奮する http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/351
352: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/09(土) 13:07:11.50 ID:rUgxa1yB どこまで用意された衣装でしょう。それによって展開が変わってきますね。 前作のダーク編のストリップではスカート、上着、ブラ、パンツ、手袋、ニーソ、ブーツでした。 手袋、ブーツは装備であり元のままかと、上着とスカートは確実に溶けるでしょう。 下着はどうか?上着よりも溶けにくいが溶けると面白そうですね。 ニーソは溶けるかもしれないし、針の仕舞う場所として元のままかも というか、ポシェットなどの仕舞う場所が無いのに麻酔銃やスタンガン、そして盗んだ宝石をどこに持っているのかの疑問が出てきます。 ウエストポーチを装備して裸にポーチのバックルで活躍するとか見ごたえがありそうです。 仮面やリボンは溶けない使用か、溶けても非常に溶けにくい(後回し)にするべきですね。 下着が溶けて丸出しもいいですが、アクアメロディらしく、♪のニップルや、♯の前張りとかもありですね。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/352
353: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/10(日) 08:55:19.35 ID:lpSk2pbw >>352 あんま要素だらけでネタ潰しっぽいことは書かないほうがいいのでは… http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/353
354: AM [sage] 2017/12/14(木) 10:52:53.55 ID:QEmObDns 昼過ぎくらいから投下開始します。 作品は「怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー 第十四話」となります。 アクアメロディの怪盗道具及び盗んだ宝石などは基本的にウエストポーチにしまわれています リボンの中の小型ナイフのように、コスチュームの中に隠されているものもあるんですけどね 無印第一話のハンググライダーについては、軽量&圧縮技術が凄いってことにしといてください 最初はリュックとか考えてたんですが、それだとビジュアル的にダサイですし… ほら、コナンの怪盗キッドも手ぶらなのに色々出すじゃないですか、それと同じってことでw http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/354
355: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/14(木) 12:26:48.76 ID:QEmObDns アイズから告げられた三つ目のミッション当日。 日曜日の昼間という怪盗が動くにはやや不似合いな時間帯にアクアメロディは動いていた。 ローラーブレードで軽快に走る彼女が今いるのはシティ全域に張り巡らされた地下水路の一角。 このまま進んでいけば今回のターゲットの住む屋敷の直下に辿り着く予定になっている。 「ふぅっ、直接走っているわけじゃないからそれほど疲れないとはいえ、やっぱり遠いわね……」 今度のミッションにおける標的の名前は青広豪水。 代々続く鰻の養殖で財を築いた人物で、シティの郊外に居を構えている。 保有する土地面積だけで言えば佐竹緑郎を凌ぐが、広大な土地の大半は鰻の養殖所となっているため 竹林で見通しの悪かった佐竹領とは違い、全体的な見晴らしがよいことから隠密潜入が難しい。 また、彼は傲慢からくる油断で隙の大きい富豪が多い中、情報を大切にしていることで知られている。 その秘匿力は、美音の情報収集力では屋敷内部の情報を手に入れることができなかったほどだ。 「だからアイズの情報に頼るしかないのも確かなんだけれど……」 美音がポケットから取り出した一枚の紙には青広邸の見取り図が詳細に記されていた。 過去五件と同じく、アイズから送られてきた情報には屋敷の見取り図は勿論、警備の人数はおろか 屋敷内で働いているメイドや養殖所の作業員の数までが詳細に記されてあった。 今移動中の地下水路で青広邸に辿り着くまでの最短ルートも彼によってもたらされたものだ。 (今までのことから考えて、アイズは全部は言わずとも嘘をつかないタイプなのは間違いない。 だから、この情報も基本的には信用していいとは思う。だけど……) 彼が自分にやらせてきたことを考えれば、信じすぎることが危険なのも確か。 だが、疑ってばかりではキリがなく、精神が摩耗するだけである。 警戒を解くことはできないが、今は割り切ってミッションに注力するのが正しい選択だった。 (それに、今回も気を付けておかないといけないことがあるしね) 今回のミッションにおける不安要素は三つ。 ひとつは前述の通り、自分の手で情報を集められなかったことだ。 しかしこれはこの段階になっては気にしている場合ではないし、アイズの情報を信じるほかない。 それに、何らかの不測の事態が起きても諦めなければ切り抜けられるはず、という自信もあった。 ふたつ目は前回で苦戦を強いられる原因となった「前提条件」だ。 ノーパンノーブラという、年頃の女の子に強要するにはありえないことを既にやらされているだけに 今度はどんな破廉恥な条件を告げられるのかと美音は戦々恐々だった。 そんな中、指示された内容は「こちらが用意した衣装を身に着けてミッションをこなすこと」 最初は過剰に露出度を上げた破廉恥コスチュームでも着せられるのかと思っていたのだが 向こうが用意したという衣装は仮面やリボンを含め、いつも自分が着ているものと同一のものだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/355
356: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/14(木) 12:30:15.99 ID:QEmObDns 勿論、サイズがピッタリであったり、下着まで同封されていたことは引っかかる点ではあったが 恥ずかしい思いをしないで済むのならばそれにこしたことはない。 だが、今までのことを考えれば当然であったが、アイズはそんなに甘い相手ではなかった。 添付されていた紙には「注意:この服は水に溶けます」と書かれていたのである。 「今度は普通に……なんて一瞬でも思った私が馬鹿だったってことよね、はぁ」 またしても、一歩間違えれば恥ずかしい姿を晒してしまう危険性がある状態を強いられている。 その屈辱と不安に苛まれ、溜息をつく美音は自分の身体を覆う怪盗衣装を見下ろした。 そこにあるのはどこからどう見ても普段通りの怪盗アクアメロディのコスチューム。 しかしその実、それは水に濡れると溶けてしまうという危うさを秘めている。 一着しか用意されていない以上、実際に布地が溶けるか試すわけにはいかなかったが アイズの今までの言動からしてただのハッタリということはないだろう。 「下着のデザインは私好みなんだけどなぁ。これが自分で買ったものだったら……」 クイッ、とコスチュームの胸元の襟を引っ張り中を覗き込むと、そこには怪盗少女のEカップ巨乳を きつ過ぎず緩過ぎず包み込む純白のブラジャーが艶やかな光沢を放っていた。 所々でフリルと上品そうな刺繍が縫われているそれは一見しただけで高級品とわかる。 実際、着け心地も肌触りも抜群であり、揺れるミニスカートの下に隠れているお揃いのパンティと合わせ 得体のしれない男からの贈り物でさえなければこれからもずっと愛用したいくらいの逸品だ。 「今のところ特に服に変化はなし。書いてあった通り、汗では溶けないようね」 どういう材質なのかは不明だが、この生地はあくまで水にしか溶けないらしい。 今は夏場なので動き回ればどうしても汗をかく以上、それで溶けるのでは流石にどうしようもないため 注意書きの続きに記載されていたことが実証されてホッと一安心といったところだった。 (けれど、それにしてはここまで何もなさすぎる……) 最後の不安要素。それは「ハンデ」の存在だった。 アイズ曰く、今回のミッションはこのままだと最も簡単なものになってしまう。 だから内容は秘密だが、無敗の美少女怪盗に相応しいハンデもこちらで用意した、とのことだが この衣装を着ること自体が既にハンデだと抗議したいのが正直なところだった。 (てっきりこの地下水路に罠が張ってあると思ったんだけど) 水に溶けるコスチュームを着用している自分に対するハンデなのだから、水が豊富にあるこの場所に 何らかの罠が仕掛けられていると踏んでいたのだが、現状その気配は見えない。 天気も出発時は雲一つない晴天だったし、天気予報でも雨が降るという情報はなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/356
357: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/14(木) 12:33:44.22 ID:QEmObDns そもそもの話、盗みに入る上で水に濡れてしまうような事態など早々起こるはずがない。 いくら青広豪水の土地の大半が鰻の養殖所とはいえ、人が通ることができる道はいくらでもあるし 屋敷の中には養殖所は存在しない。精々屋敷の南側に隣接する形で一ヶ所ほど池があるくらいだ。 だが、だからこそ何も起きない現状が解せない。一体アイズの言うハンデとは――― 「―――っと。そろそろ着くわね」 考え事をしているうちに目的地が間近となり、思考を中断する。 警戒をすることは大事だが、だからといって集中力を欠いてしまうのはマイナスだ。 美音は即座に精神のスイッチを切り替えると、進行速度を落として目的地へと近づいていく。 (……ッ!? 誰かいる!?) ほの暗い地下水路の一角。 情報通りならば青広邸の地下倉庫に繋がっているはずの扉の前に立つ人影に驚きを隠せない怪盗少女は しかしすぐさま気持ちを落ち着けると、サッと物陰に潜み相手を観察する。 (えっ……あれって、メ、メイドさん?) そこにいたのは白のエプロンドレスにカチューシャと、実にわかりやすい格好をしたメイドだった。 光の差し込まない静寂の空間の中、微動だにせず佇むその様は人形と見間違えるほど。 しかし時折何かを探すかのように左右を確認する姿から、彼女が生きている人間であることがわかる。 (物腰からは荒事ができるようにはとても見えない。それなら……) 何故こんなところにメイドがいるのかは疑問だったが、いつまでもこうしているわけにもいかない。 意を決したアクアメロディはさりげなく、しかし堂々とした態度で物陰から姿を現した。 当然謎のメイドの無表情は驚愕に染まるかと思いきや、意外にもまったくの無表情のまま一礼。 「こんにちは。貴女がアクアメロディ様ですね」 「あ、はい」 「では、こちらへ」 驚かせようとした相手のまさかの対応に、美音は反対に驚かされ素で返事をしてしまう。 だが、そんなこちらの呆けた様子を一顧だにせず、メイドの女性はクルリと反転して背を向けると 目の前の扉を開き、まるで初めから決まっていたかのような動作でサッサと歩き出した。 「えっ? ええっ? ちょっと待っ……」 どう考えても怪しい、というか意味不明な事態に混乱する怪盗少女は慌てて女性の後を追い この状況の説明を求めるべくエプロンドレスの後姿を引き留めようとする。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/357
358: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/14(木) 12:38:07.42 ID:QEmObDns 「青広豪水様がお待ちです」 しかし、肩に触れようとした手はその言葉に止められた。 そして同時に理解する。青広豪水はアクアメロディの侵入経路を知っていた。否、知らされていたのだ。 そう、自分に対するハンデとして―――アイズを名乗る男から。 (まさかそう来るとはね) 自分に情報を流す一方で、相手方にも情報を流すというアイズの蝙蝠行為には呆れるほかない。 だが、賊がどこから侵入してくるのか予めわかっていれば警備は大幅に易しくなる。 逆にアクアメロディからすれば目的の達成が難しくなるのだから、それは確かにハンデだった。 「明るくなりますのでご注意ください」 倉庫を通り抜け地下の階段を上がりきると照明の光でパッと視界が明るくなり、微かに目を細める。 各所に置かれた調度品や床に敷かれた絨毯、窓を覆うカーテンなどははいかにも高級そうだが それぞれが出しゃばらずに調和がとれており、成金趣味にありがちな下品さは感じられない。 廊下には一定間隔で警備と思わしき黒服が直立しており、傍を通ると視線を向けてくる。 だが、明らかに賊だと分かる格好の自分を見ても彼らが襲い掛かってくる気配はまるでない。 先導するメイド同様、青広豪水から待機の指示が出ているのだろう。 相手が何を考えているのかはわからないが、無駄な交戦がないのは歓迎すべきだ。 それでも警戒を怠らず、アイズの送ってきた屋敷の見取り図と実際に見た間取りの照合を行いながら メイドの後ろをついていく美音だったが、徐々に居心地の悪さを感じ始めてしまう。 (この人たちの視線……侵入者に対する警戒とは違う。もっと別の、ううん、まるで私を……) 黒服の男たちはアクアメロディに対して敵意や警戒心を向けてはいなかったが その代わりに、舐めるような視線を彼女の年齢離れした発育を誇る身体へと送っていた。 歩くたびに蠱惑的に上下に揺れるバストやキュッとくびれた腰、フリフリと揺れるミニスカートから 見えそうで見えないヒップに、その下で美味しそうな肉付きを見せる太もも。 男好きする、という形容を実際に体現している女体に目を奪われた男たちは怪盗少女が近くを通るたびに 鼻の下を伸ばし、色欲に満ちた表情を浮かべてニヤニヤと口元を緩ませる。 (うう、落ち着かない……) 怪盗として行動する中で、男から性的な欲望を向けられることは今までにも幾度となくあったが それらは基本的に一過性のものが多く、仮に直接ぶつけられる形になったとしても 敵として相手を倒すことですぐさま解消されることが怪盗少女にとっては当たり前だった。 けれども、今感じている視線はそのどちらでもなく、身体に纏わりついて離れない。 すぐに意識から消えるわけでも、敵として倒して消えるわけでもない男の生々しい視線。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/358
359: AM [sage] 2017/12/14(木) 12:41:19.44 ID:QEmObDns 例によって規制にかかってしまったため あと四レス残ってますが、それはまた二十四時間後以降に投下します http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/359
360: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/14(木) 13:30:18.11 ID:QABFj+1s お疲れ様です! 怪盗ではなく一人の女として性の対象としか見られてない状況とは、美音にとっては居心地悪くても、 読んでる側としては、そんな彼らの前でどんな痴態を晒して屈辱を味わうことになるのか、とても興奮するシチュですね! 明日を楽しみにしています! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/360
361: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/14(木) 22:17:22.46 ID:Z64NnBrs 一旦乙ー 汗には溶けないにしろまさか下着まで含まれているとは良いですなぁ 男の視線も案外情報リークで水に弱いのまで知られてしまっているからだったりして http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/361
362: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/15(金) 13:21:41.42 ID:aqAbC2Xe クラスメイトの男子たちが自分をいやらしい目で見ていると知ってしまったあの時から 羞恥心という名の鎖が未だ男を知らぬ一人の少女の心を知らず知らずの内に縛り始めていた。 「あ、あの! 青広豪水は一体どんなつもりで……?」 「私は貴女様を案内をせよという命令を受けているだけですので」 気を紛らわそうと前方にかけた声はあっさりと一蹴される。 ここまで徹底して己の職務にだけに集中できるプロ意識はいっそ清々しい。 向けられる視線をどうしても意識してしまう自分からすれば、見習いたいくらいだと美音は思った。 「次の突き当りを右に行けば、青広豪水様がお待ちになっている部屋となります」 「……そう、ようやくというわけね」 時間にすれば数分。しかし美音にとっては数時間にも感じられた移動が終わりを告げる。 普通に考えれば自分を捕らえようとする罠が張り巡らされているであろう場所。 何が起きても対処できるように、と身構える怪盗少女を迎えたのは扉の前に立つ二人の黒服だった。 「おい、その女が例の?」 「はい。それで豪水様は?」 「中にいらっしゃる。しかしそうか、情報は本当だったってわけか」 「へえ、これが生の怪盗アクアメロディか。テレビや雑誌のよりずっと美人じゃないか」 右側に立つ黒服は感心したような、そして左側の黒服は軽薄そうな態度を見せる。 「それにイイ身体してやがる……早く邪魔なもんを溶か―――」 「オイ!」 「っとすまねえ。でもまあ、この後が楽しみってもんだぜ……ケケケッ」 (……この後?) 意味深な左側の黒服の言葉に不穏なものを感じる美音。 女へのゲスな欲望を隠そうともしないその視線に思わず身体を両手で庇いたくなってしまうが 怪盗アクアメロディとして弱みを見せることはできない、という強い意志で衝動を抑え込み 逆に胸を張って堂々とプロポーションを誇示するような姿勢で目の前の男を睨みつけた。 正直気恥ずかしさはあったが、その甲斐あってか相手の目を逸らさせることに成功する。 「ケッ! あとで見てろよ……豪水様、開けてもよろしいですか?」 「ああ、構わんよ」 忌々しそうに捨て台詞を吐く軽薄そうな黒服は、しかし職務を優先し扉をノックする。 そして中からの返事の後、遂に屋敷の主が待ち構えている部屋の扉が開かれた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/362
363: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/15(金) 13:25:26.58 ID:aqAbC2Xe (……中にいるのは二人で護衛はなし。左右に扉があるからその向こうに伏兵がいるのかも。 罠は……パッと見た感じだと特にないようだけれど……) メイドに促されて入室した怪盗少女は予想とは裏腹に何も起きなかったことに拍子抜けした。 やや広めの部屋の中にいたのは食事中と思わしき一人の初老の男と、給仕らしき老人だけ。 言うまでもなく、初老の男が屋敷の主にして今回のターゲットである青広豪水だ。 大勢の黒服が武器を向けて待ち受けているわけでも、強化ガラスで部屋が区切られているわけでもない。 これではたとえ何らかの罠が仕掛けてあったとしても、豪水に攻撃が届く余地は十分にある。 余裕か、それとも何か考えがあるのか。注意深く相手を観察する美音に対し、屋敷の主は口を開く。 「すまないね。君が来るまでに食事を終わらせておくつもりだったのだが」 「こちらこそ、食事中の訪問をお詫びしないといけないかしら?」 「それには及ばない。それに、もう一口で終わるところだ……うむ、美味い」 彼が食しているのは鰻の蒲焼きだろうか。 丁寧な所作で皿に残った最後の一切れを口に運ぶ男は本当に食事を楽しんでいるようにしか見えない。 「鰻はいい。栄養があって精がつく。それに、他にもいろいろと使い道が―――」 「講釈は結構、こちらとしては早く要件を済ませたいのだけど」 「ふむ、確かにその通りだな。遅れたが自己紹介をしておこう、自分が青広豪水だ。 これからよろしく頼むよ、怪盗アクアメロディ」 「よろしくするような時間をかけるつもりはないわ。貴方が何を考えているのは知らないけれど―――」 会話を交わしながらも豪水の動きと周囲の観察を続ける美音だったが、今のところ異変はない。 目の前には予告状を出し、自身の大事なものを盗みにやってきた有名な怪盗がいるというのに 彼は欠片も動揺の気配すら見せず、優雅にも食後のワインを味わっている。 一見すれば上品そうな老紳士といった感じの男に、しかし怪盗少女は一層の警戒心を抱く。 経験上、こういう人間こそが最も油断ならない、弱みを見せてはならないと知っていたからだ。 「フフフ、つれないね。しかしシティを騒がせる女怪盗というからどんなものかと思っていたが なかなかどうして、美しさは申し分なく、仮面の奥の意志の強そうな瞳が素晴らしい」 「お褒めの言葉をどうも。それで―――」 「まあ待ちたまえ。本題に入る前に君には話しておくべきことがある」 「……話しておくべきこと?」 「そう、君にとっても重要なことのはずだ。何故侵入経路にメイドを待機させることができたのか。 その情報提供者について……アイズについて知りたいのだろう?」 「っ! その名前は……っ!」 屋敷の主の口から出てきた名前にドキリ、と心臓が大きく跳ねる。 アクアメロディにとって、その名前は捨ておくことはできないものだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/363
364: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/15(金) 13:28:45.93 ID:aqAbC2Xe 「答えなさい、貴方はアイズの正体を知っているの!?」 「おや、急に余裕がなくなったね。だが、ご期待に沿えなくて悪いが自分の持つ情報は多くはない。 彼はそうだな……一言で言えばビジネスパートナーでしかないからね」 「ビジネスパートナー、それは……?」 「数か月ほど前のことだ、携帯に非通知の電話がかかってきてね、それがかの人物だったんだが…… まあ、色々とあってね。それ以来多方面にわたる情報提供者として重宝させてもらっている」 「……彼の正体を調べようとはしなかったの?」 「考えはしたがね、すぐに止めたよ。情報の秘匿を人一倍大事にしているこの自分の携帯番号を 調べ上げ、平然と連絡を取ってきた存在だ。この手の者は下手にさわると火傷では済まないのが常。 君子危うきに近寄らずというやつだよ。だから彼の本名は勿論、容姿や素性も知らない」 ナプキンで口元を拭きながら語る男の口調や表情に淀みはない。 つまり、嘘はついてはいないということだ。 「なのに彼のもたらす情報は利用している、と。危険だとは思わなかったのかしら?」 「思ったとも。そもそもこちらが一方的に利益を得るだけで彼にメリットがなさすぎるからね。 だが、だからこそ危険ではないと判断した。自分を罠に嵌めるならもっと他に手段はある。 ということはだ、自分には理解できないメリットが彼にはあるということになる」 ならばそのメリットを得るまでは切られることはない。 そう言葉を閉める豪水には、酸いも甘いも噛み分けた実力者の風情がある。 情報を重要視するという慎重さと正体不明の男からの情報を利用するという豪胆さを併せ持つその様は 流石にシティでも有数の富を築き上げてきただけのことはあると納得できるものだった。 「そして今日になってようやくわかったよ」 「……それは、アイズのメリットが?」 「そう、彼のメリット……というか目的だな。それは君だったんだ、アクアメロディ」 「わ、私……?」 「正確に言えば今この状況を作ることが狙いだったんだろうな。 つまり、自分は君の為に用意された敵役だったというわけだ。なんともまあ愛されているね?」 「これが愛からくる行動なら、迷惑の一言ね」 愉快そうに笑う初老の男に対し、不快そうな表情を浮かべてアイズへの嫌悪を露にする怪盗少女。 結局この男も自分も彼によっていいように動かされているだけなのだ。 違いがあるとすれば、それを受け入れているか、そうでないかという点だけ。 「まあ、そうなると彼の筋書きでは自分はこの後まんまと君に盗みを働かれてしまうわけだが……」 「そうはさせない、と?」 「操り人形でいるのも中々に楽しいが、少しくらいは意趣返しをするのも悪くはない。 それに自分は君のことを大変気に入ってしまった。彼から奪い取ってしまいたいくらいにはね」 「私は私のものよ。それに私は奪う側で貴方は奪われる側、いずれはアイズからも……!」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/364
365: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/15(金) 13:31:45.80 ID:ZzvBY8iA 支援 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/365
366: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/15(金) 13:32:08.35 ID:aqAbC2Xe 改めて闘志を燃やすアクアメロディに、しかし屋敷の主は不敵に笑う。 「残念だが、君が自分から盗みを働くことは絶対に不可能だ」 「残念だけど、今まで私にその台詞を吐いて実際に成功させた者はいないわ」 「いいや、今回に限っては絶対なのだよ―――オイ」 パチン、と豪水が指を鳴らすその仕草にすわ開戦かと身構える美音。 しかし罠が発動することも、黒服がなだれ込んでくることもなく、動きを見せたのはただ一人。 自分をここまで案内してくれた後は無言で退室していたメイドだった。 背後から入室してきた彼女はこちらに襲い掛かってくる気配などまるで見せずにしずしずと近寄ってくる。 両手で抱えたお盆の上には一枚のメモリーカードと、淡く輝く濃蒼の宝石が乗っていた。 「どうぞ」 「これは……」 「市長への不正献金に違法な薬の使用による品種改良など、それには自分の悪事の証拠が詰まっている。 宝石のほうは知っているだろうが、秘蔵の『グランレイクブルー』だ」 「……どういうつもりかしら?」 「言っただろう、盗みを働くことは絶対に不可能だと。何せ盗まれる前に差し出すのだからな」 ハハハッと愉快そうに笑う初老の男に怪盗少女は困惑を隠せなかった。 偽物、あるいは罠かと考えたがそんな様子は見えない。 しかしこれが本物だというのならば、後は屋敷を脱出するだけでミッションはクリアとなる。 「おやおや、そんなに眉間にしわを寄せては折角の美貌が台無しだぞ」 「ふざけ―――」 「クハハ、冗談だ、そんなに怖い顔をしないでくれたまえ。だがね、前言を翻すことはしないよ。 何故ならば―――」 それは怒りによって視野の狭まった美音の隙をついた一瞬の出来事だった。 流れるような無駄のない手慣れた動きで懐に手を伸ばし、引き抜く。 時間にすれば一秒にも満たない中で、青広豪水はその右手に黒い棒状の何かを掴み そして、それが拳銃であることに気がついた時には既に照準は怪盗少女の胸元にセットされていた。 「―――君はここで死ぬのだから」 引き金にかかった指が曲げられ、発砲。 パァン! という乾いた音がその場に響いた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/366
367: AM [sage] 2017/12/15(金) 13:37:18.38 ID:aqAbC2Xe 以上で投下終了となります。前置きが長くなり過ぎた… というか書き終わって気がついたんですが、これ火野の時と同じヒキだ! コス溶けシチュは既にシーフイントラップでもやってますが、好きなシチュなので気合を入れていきたいです http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/367
368: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/15(金) 13:52:11.84 ID:hEhEspdh お疲れ様です! 左側の護衛の反応から、色々エロエロされそうで、もう次が待ち遠しくて興奮が止まらない アクアメロディ初の複数相手を前に、大立ち回りに、羞恥・屈辱を味わいそうな展開で 本当に次が待ち遠しいです! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/368
369: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/15(金) 22:37:52.21 ID:/3rn4bDr アクアメロディが死ぬところは見たくない。でも社会的に死ぬのはぜひ見たい。 見るといえば男のゲスな視線には気丈に対応していましたが、 もしメイドたちが哀れみの視線でかわいそうなものを見るようにしていた方がダメージでかそうな気がします。 前回と違い、見晴らしのいい所を逃げるのも楽しみにしています。がんばれマスコミ。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/369
370: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/16(土) 14:39:22.25 ID:mFdckIqz 2週にわたってエロが無いだと、、、。 来週は期待しています! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/370
371: 名無しさん@ピンキー [] 2017/12/19(火) 05:36:57.18 ID:LUZ+9zC7 レスが多いので覗いてみたらAM氏が復活しているとは おめありがとうございます http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/371
372: AM [sage] 2017/12/21(木) 06:23:56.50 ID:9NttQ/54 昼過ぎくらいから投下開始します。 作品は「怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー 第十五話」となります。 来週は微妙なので恐らくはこれが今年最後の投下になるはず。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/372
373: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/21(木) 08:47:37.33 ID:KVVA02tf 楽しみに待ってます! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/373
374: 名無しさん@ピンキー [] 2017/12/21(木) 12:23:38.74 ID:ert03AMo 頼みます! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/374
375: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/21(木) 14:25:21.76 ID:9NttQ/54 人は銃で撃たれると、痛みより先に熱さを感じるという。 しかし、アクアメロディが発砲音の後に感じたのは熱さではなく冷たさだった。 恐る恐る顔を下げてみると、胸元の一部だけが何らかの液体で濡れて濃い深青色になった上着が見える。 勿論液体の正体は自分の血ではない。それどころか、弾丸が貫いた痕跡すら存在していない。 何が起こったのか。一目瞭然のその答えはすぐ目の前にあった。 青広豪水の持つ拳銃の銃口からは硝煙が出ておらず、その代わりに水滴が垂れていたのである。 「水、鉄砲……?」 「その通り」 まるで悪戯が成功した子供のような表情の屋敷の主の後ろに見えたのは、床に散らばる紙テープの残骸。 よく見れば、彼の傍に控えている給仕の後ろ手にはクラッカーが握られている。 おそらく、銃声に聞こえた音の正体はこれだったのだろう。 「このっ……え? 待って、水鉄砲……水……!?」 突然の暴挙に怒りがこみ上げかけるが、それよりも優先すべき気づきが脳裏を走る。 水鉄砲ということは、発射されたのは水だ。つまり、コスチュームを濡らしているのも――― その事実に思い至った怪盗少女は再度目線を下ろした。 そこには、一部がドロドロに溶けた上着と、その下から姿を現したブラに包まれた柔胸があって。 「ほう……」 「きゃああッ!!」 豪水の感嘆を引き金に、頬を恥じらいに染めた美音は反射的に前傾姿勢になりながら胸元を両手で隠した。 次の瞬間「迂闊」「駄目」「いけない」などといったマイナスの思考が流れていく。 アイズが情報を敵にも流しているという時点で、衣装のことも知られているのは当然だった。 それを考えていなかったのは明らかな失態だが、本当にまずかったのは今のリアクションそのもの。 咄嗟のこととはいえ、否、咄嗟のことだからこそその行動には羞恥心という本心が出ている。 それゆえに、怪盗ではない、水無月美音としての素を目の前の男に見せてしまったという事実は重い。 「中々良い趣味をした下着をつけているじゃないかね」 「……ありがとう、というとでも? そういうあなたは悪趣味ね」 「クハハッ、上手い返しだ。これは一本取られたな」 苦笑する初老の男だが、ギラリと光るその瞳は高揚する感情を隠せてはいなかった。 美音は確信する。今のリアクションで間違いなく見抜かれてしまった。 怪盗アクアメロディの正体は決して世間で言われているような無敵のヒロインなどではない。 一皮剥けばただの女の子でしかないのだということを。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/375
376: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/21(木) 14:27:38.75 ID:9NttQ/54 (くっ……!) 弱みを握られる、ということは主導権を奪われるということに等しい。 それでもせめて気圧された姿は見せまいと胸元の両腕を下ろすと、羞恥の残る赤ら顔で敵を睨み据える。 しかし、そんな健気な取り繕いを嘲笑うかのように、屋敷の主は手を挙げ、パチンと指を鳴らした。 それが合図だったのだろう。左右の扉から数多くの黒服が整然と入室してくる。 彼らは青広の周囲を固めると、美音を、正確にはブラを露出させた胸の谷間をニヤニヤと見やった。 その明白な好色の視線に羞恥心が刺激されるが、負けん気が上回った怪盗少女は恥じらいを押し込め 逆に胸を張って義賊ヒロインとしての堂々とした立ち姿を見せつける。 だが、そうすることでふよんっと乳房が揺れ、男たちを喜ばせる結果になってしまったのは皮肉だった。 「クハハッ、いきなり撃ったりしてすまなかったね。死云々は勿論冗談だ。 今の本来の目的は、確認だ。何せアイズの言とはいえ、流石に信じがたい情報だったからね。 ……あの怪盗アクアメロディの衣装が水に溶けるなどということは」 「……っ」 「そう怖い顔をしないでくれたまえ。どういうことなのか興味はあるが、事情を聞いたりはしない。 肝心要の確認はできた。だからその宝石とデータは詫び料、そして参加料と思ってくれればいい」 「参加料……? それはどういう……」 邪な視線に耐えつつも、美少女怪盗は意味深な言葉の意味を問い返す。 初老の男の返答は簡潔だった―――これからはじまる狩りに参加してもらう代価だ。 ハンターは黒服たち、獲物は言うまでもなく侵入者であるアクアメロディ。 この屋敷から無事に逃げ切れれば怪盗側の勝ち、できなければ負けというシンプルなルール。 「暴力は極力禁止するから安心してもらっていい。折角の美貌に傷がついては勿体ないからね」 その代わりに、と屋敷の主が言葉を切ると、一斉に黒服たちが懐から銃を抜いていく。 それが上部分にタンクついたそれは間違いなく水鉄砲。これを武器とするということなのだろう。 と同時に、美音は案内中に男たちから向けられていた視線の意味をようやく理解する。 彼らにとって自分は侵入者ではなく、一方的に狩られるだけの獲物。 必死に逃げ続け、しかし最後はあえなく裸に剥かれ捕らえられ嬲られるという結末を迎えるだけの存在。 だからこその、牡として雌を物色する視線だったのだと。 「さて、それでははじめようか」 「―――くッ!」 侮られていることを悔しがる暇もなく出された号令にハッとなった美音は考えるよりも先に横っ飛び。 すると、一瞬遅れて彼女がいた地点に十を超える水弾が降り注ぐ。 床を転がる勢いのままに立ち上がり、ブーツをローラーモードにして後方の扉へとダッシュ。 流れるような動作で逃げる獲物を慌てて追いはじめる部下たちを見送りながら、青広豪水は呟いた。 ―――見事。しかしこの屋敷からの脱出は決して叶わない、と。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/376
377: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/21(木) 14:32:05.69 ID:9NttQ/54 「―――クソッ! 当たらねえ! なんでだ!?」 「馬鹿、よく狙え! あのアクアメロディをひん剥くチャンスなんだぞ!」 「よっしゃ、当たっ……てねえ!? 誰だあんなところに壺置いたのは!?」 不意打ち同然に開始された一対多数の狩り。狩る側の圧倒的有利は疑いなしと思われたそれは予想に反し 黒服たちは逃げるアクアメロディに未だ一射すらヒットさせられないでいた。 「ほらほら、どうしたのかしら? 私を裸にするんじゃなかったの?」 大の男が四人並んで走れる程度の広さの廊下を駆ける怪盗少女の後ろ姿へと五発の水射撃が飛ぶ。 しかしそれらは見当外れな場所に着弾するか、ヒラリとかわされるか。 あるいは備え付けの調度品や仲間に当たるかで、肝心の獲物娘に当たる気配はない。 無理もなかった。そもそも走りながら狙いをつけるのは難しい。相手が動き回るなら猶更だ。 しかもアクアメロディは身軽さにかけては並外れているため、本物の銃弾ならともかく 水鉄砲程度の弾速ならば、不意を突かれなければそうそう当たるはずがない。 更に悪いのは、逃走経路に存在している障害物の多さだった。 壺や甲冑といった調度品や部屋のドア、屋敷内で働くメイドや立ち塞がる黒服などよりどりみどり。 (よし、いける……!) こんなはずでは、と焦燥する黒服たちを尻目に逃走を続けるアクアメロディ。 青広豪水にはいいようにしてやられたが、いざ動き出して見れば優位性はひっくり返っていた。 水が当たれば服を溶かされてしまう、という常とは別種の緊張感が動きを阻害するのでは。 という懸念も、むしろ逃げの一手という単純な状況になったことで集中力が増す結果となっている。 (次のT字路を右に曲がれば屋上へ続く通路に出るはずっ) 屋上からならハンググライダーが使えるし、水鉄砲の射程範囲に出ることも容易。 敷地の外にはマスコミが陣取っているが、空を飛ぶ相手には無力であり、歯噛みして見送る他ないはず。 青広豪水の余裕からして何かあるかと思ったが、今のところ異質な気配もない。 (でも、油断は禁物ね) 前回の件では油断から端を発して散々な目にあっている以上、最後まで気は抜けない。 だからこそ、美音は次に目にしたものに対しても大きく動揺することはなかった。 「そう、ここで裏切ったのね……アイズ」 被弾なしで脱出間近。望み通りのはずの状況で目にしたのは、そこにあるはずがない「壁」だった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/377
378: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/21(木) 14:36:59.65 ID:9NttQ/54 受け取ったデータ通りならここは屋上へと続く通路が広がっているはず。 なのにこうして壁がそびえ立っているのは、データ偽りがあったことに他ならない。 しかし、美音の中に裏切られたと落胆する感情はなかった。元より信用などしていないのだから。 そもそも、脅しをかけてくるような相手をどうして信じられるというのか。 (こんな形っていうのは、少し予想外だったけれど……) ただ、横やりに対する警戒は常に頭の片隅にあったが、ここまで露骨なものだとは思っていなかった。 アイズには愉快犯的なところこそあるものの、嘘はつかないという印象があったからだ。 見る目がなかったといえばそれまでだが、一方でこの状況にどこか違和感が残るのも確か。 何かを見落としているような気持ち悪さが美音の思考を覆いかけるが、それが形になる前に 黒服たちが後ろから追いついてきたため、思考は打ち切られてしまう。 「フゥーッ!! ようやく追いついたぞ。散々手間かけさせやがって!」 ハンターたちの先頭に立つ軽薄そうな黒服が悪態をつきながらも勝利を確信したのかニヤリと笑う。 早くも獲物を捕まえた後のことを妄想しているのか、だらしない顔を隠そうともしていない。 足を止めると同時に十数人の黒服が廊下の隙間を塞ぐように隊列を組み、水鉄砲を構えた。 前には物理的な壁、後ろには人の壁。常識的に考えればどう見ても絶体絶命のピンチ。 「くすっ、この程度で私を追い詰めたつもりなのかしら?」 しかし、そんな状況であっても怪盗らしくアクアメロディは余裕たっぷりだった。 何故なら、この程度の危機ならば乗り越えられる自信があったから。 (チャンスは斉射をしてくるタイミング……) 単発やバラバラの射撃で命中が望めないのはいい加減黒服たちも理解しているはず。 ならば彼らがとりうる手段はひとつ、全員での一斉射撃による面攻撃しかない。 だが、その瞬間こそが怪盗少女にとっては場を切り抜ける絶好のチャンス。 全員の射撃となると場に一瞬の隙ができる。後は距離さえ詰めれば容易く乱戦に持ち込めるはず。 乱戦ならば敵自体が射線の邪魔になるので被弾のリスクは最小限であり、人の波さえ抜ければ 改めて屋上に向かうことができる。唯一の問題は最初の斉射をどうかわすかだが、これも問題はない。 すぐ傍の窓にかかっているカーテン、これを盾にすればいいだけだ。 (さあ、撃ってきなさい……!) いつでもカーテンを引き抜いて前面に展開できるよう準備しつつ、攻撃を待つ。 しかしここで美音にとって本当の意味での予想外が発生した。 既に銃口はこちらに向け終わっているというのに、誰一人として引き金を引こうとしないのだ。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/378
379: AM [sage] 2017/12/21(木) 14:38:37.42 ID:9NttQ/54 例によって規制にかかってしまったため あと四レス残ってますが、それはまた二十四時間後以降に投下します http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/379
380: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/21(木) 14:41:17.15 ID:KVVA02tf お疲れ様です! 続きがとても気になるところで とてももどかしく、明日を待ってます! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/380
381: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/21(木) 17:58:56.06 ID:B+UyeDh+ はたして何を見落としてるのか?黒服たちの行動の意味は?明日も楽しみです。 今週で今年最後ですか。二か月、楽しませてもらいました。良いお年を。来年もよろしくお願いします。 …これ、催促に見えますね。応援してるのは本当です。 終盤まで本番エロ描写はないとあったので、前作では宝石で失った処女を今回はどう失うのか? とラストまで読みたい理由もありますが、単純に面白いんですよね。 毎週このスレを何回も更新するのが週末の過ごし方になるくらいには。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/381
382: ぽん [] 2017/12/21(木) 18:31:44.46 ID:tNQMEk// http://bit.ly/2zR1wiw http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/382
383: 名無しさん@ピンキー [sage] 2017/12/21(木) 18:51:35.57 ID:1FEjsv0A 来週はやっぱりあの祭典だからかな http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/383
384: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/22(金) 14:45:27.61 ID:SWkZBhkT これは一体どういうことなのか。 相手の意図が読めず困惑する怪盗少女へと言葉を発したのはやはり先頭の軽薄そうな黒服だった。 「ケッケケ……なんで撃たないのかって顔だなオイ」 「……こんな絶好の機会に撃てないあなたたちの臆病さに呆れているのだけれど?」 蔑んだ視線を送ると共に挑発するが、黒服たちは激高するどころか笑みを深める一方。 これには流石に薄気味悪いものを感じ、警戒レベルを引き上げるが周囲に変わった様子はない。 この時、アクアメロディには間違いなく油断はなかった。 黒服たちの動きに注意を払い、いつでも銃撃に反応できるように心も体もシッカリ身構えていた。 「ケケッ! お嬢ちゃんはそもそもの部分で勘違いしてるんだよ……!」 「何を言って―――!?」 だが、それは裏を返せば目に見える場所にしか意識を向けていなかったということ。 私生活、マスコミやアイズの存在、破廉恥なミッション、異性から向けられる欲望の視線。 ここしばらくの間、多くのことに思考のリソースを取られ続けていたがゆえに 知らず知らずの内に美音の視野は狭まっていたのだ。 「追い詰めるもなにもなあ、そこが行き止まりだって……誰が言ったんだ?」 バリッ、バリッ、バリッ! ビシュッ! ビシュビシュッ―――ビチャッ! 発泡スチロールを突き破るような音が背後から聞こえてきたのは次の瞬間だった。 振り向く暇もなく、続けざまに怪盗少女の無防備な背面へと複数の着弾音が響き渡る。 勿論本物の銃弾ではなく、水鉄砲から発射された水が当たった音だ。 当然、特別性の布地は化学反応を起こし、被弾箇所がグズグズと溶けて形を失っていくわけで。 五秒も経たないうちに、アクアメロディの背面の肌面積は一気に広がってしまう。 「な……!」 『オオッ!!』 遂に生意気な獲物少女が被弾したという朗報に黒服たちの歓声が上がった。 ポニーテールの影から見えるうなじやシミひとつない背中は水に濡れて艶めかしさを醸し出している。 肌と一緒に顔を出したブラジャーの紐はまだ無傷だったが、明らかに細く薄く頼りなさげなそれが アクアメロディの巨乳を支える一部だと思うと、嫌らしく見えるのが不思議だ。 一方、下に視線を移すとスカートの破損の酷さがすぐに見て取れる。 ベルトは無事なためなんとか腰には留まっているものの、装飾としての役割は既に果たしておらず 純白のフリル付きパンティに包まれたヒップは丸見え同然の状態となってしまっていた。 しかも、飛沫が何滴かかかったらしく、最後の砦たる布地にも小さな穴が数ヶ所できている始末。 そんな扇情的な後ろ姿を見せる美少女怪盗に男たちの視線が集まるのは当然の帰結で。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/384
385: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 [sage] 2017/12/22(金) 14:50:05.42 ID:SWkZBhkT 「あ、ああッ! ―――いやッ!」 ひんやりとした感触に、自分が今どんな格好を晒しているかを察した美音は慌てて両手を背後に回す。 しかし、それによって今度は前面がノーガードになってしまうのは自明の理だった。 「今だ、撃て!」 この時を待っていた軽薄黒服の号令による一斉の射撃。 十を軽く超える水の線が宙を走り、棒立ちの獲物少女へと迫っていく。 動揺から思わず身を硬くしてしまったアクアメロディにそれをかわすことは不可能だった。 ―――ビチャッ! ビチャビチャッ! つい先程の焼き直しのように、発育著しい起伏を見せる身体の前面に多くの着弾音が発生した。 胸元を手始めに、肩、お腹、腰、足と各所を覆う布地が水を吸っていく。 それだけに飽き足らず、仕上げとばかりに狙われたのは怪盗少女の素顔を隠す仮面だった。 「―――ッ! ダメぇっ!!」 ビチョッ! 咄嗟に頭を下げることによって前髪で水弾を防ぐことで仮面を守ることに成功した美音は ホッと安堵の息をつくが、背面同様に被弾した箇所が溶け始めるとドキリと心臓が跳ねてしまう。 「あ、ああ……」 スラリと伸びた二本の美脚を包むニーソックスは虫食い状態となり、膝やふくらはぎの大半が露わに。 ミニスカートは後ろ同様ボロボロに溶けて、残すは下着一枚だけとなった股間が衆目に晒され。 被弾箇所の多い上半身は胸から下がほぼ全て外気に触れ、可愛いおへそもよく見えている。 そして、一番被害が大きかったのは胸元だった。 狩りが始まる前の時点で青広の不意打ちによって穴が開いているところへの直撃ゆえに ブラジャーまでもが大きく破損してしまい、ボリュームたっぷりの乳肉は既に三分の二ほどが姿を現し カップ部分の穴からは薄紅色の乳輪が、更にはその奥の突起が今にも零れてしまいそうだった。 「ケケケ、いい格好になったじゃねえか」 「いっ、いやあぁっ!」 大勢の男の前でセミヌード同然の姿にされてしまったことで羞恥心が限界に達した美音はたまらず 両膝をピッタリとくっつけ、両腕を胸元で交差させながらその場にしゃがみこんでしまう。 ムニュンッ、と押しつぶされたバストが存在を強調されるがそれを気にする暇はない。 そして、聞こえるはずのない声が背後から届いたのはその時だった。 「クハハ……まんまと引っかかってくれたようだね、アクアメロディ」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319468991/385
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