[過去ログ] 猟奇・鬼畜・グロ・嗜虐・リョナ系の総合スレ 第5章 (858レス)
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217: 『ドジまっぴー』救済 ◆Tt.7EwEi.. 2006/05/14(日)13:14 ID:k2aqsYLP(4/8) AAS
「ひゃっ! 何だろ……。まさか絵の具までこぼしちゃったとか……?」
まひろは何か生暖かい液体に濡れた掌を目の前に持ってきた。
眼に映るのは掌全体を染めるくすんだ暗い赤。
「何、コレ……? 絵の具……じゃない……」
周りをよく見回すとその赤は床だけではなく倒れた椅子や作品棚、果ては自分の身体に
まで飛び散っている。
そして作品棚のガラスに映った自分の姿に眼をやると、まひろはようやく我が身に振り
掛っている事態を把握し始めた。
「あ、あ、あ……うあぁ……!」
首の右側がパックリと大きな赤い口を開け、そこから勢い良く血が吹き出している。
その勢いは噴水の様にと言っても決して大袈裟ではなかった。
まひろは椅子から転落した拍子に、頚動脈を割れた胸像の鋭利な破片に深々と切り裂か
れたのだった。
壊れた噴水と化したまひろは独特の鉄に似た臭いを漂わせながら周囲の風景を真っ赤に
染めていく。
「いやあああ……! 血が……血がいっぱい出てるよぉ……!」
見慣れている月経の出血など比べ物にならない程の大量の血液。
しかもその血液は止まる事を知らずに物凄い速さでその量を増やしていく。
まひろは反射的に両手で傷口を強く押さえたが、そんな事で止まる訳が無い。
「ど、どうしよう……血が止まらない……。どうしよう……どうしよう……」
生まれてこのかた大きな怪我などした事の無いまひろはこの異常な大量出血にパニック
を起こしていた。
自分ではどうしたら良いのかまるで分からない。
「だ、誰か……誰か、助けて……」
傷口を押さえたまま助けを求めて立ち上がろうとしたが、恐怖と錯乱で足がガクガクと
震えて言う事を聞いてくれない。
立ち上がろうと足を踏ん張る度に尻餅を突くという行為をノロノロと繰り返すだけであ
る。
やがてまひろはそのささやかな努力すら許されない状況に陥っていく。
大量出血による貧血症状と出血性ショックの影響で悪心やめまいに吐き気、平衡感覚障
害がまひろを襲い始めた。
まひろは身体を動かす事を止め、うなだれるだけとなってしまった。
「うぅ……誰か……」
昼休みの美術室には誰も用は無い。
大半の生徒は教室や屋上、中庭で昼食を食べながら楽しい一時を過ごしている。
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