[過去ログ] まほらば〜鳴滝荘のまろやかな十二時〜 (1001レス)
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904: 彼女とかくれんぼ 2006/06/12(月)00:06 ID:GTzdqF5y(3/5) AAS
「………………………」
そのまま、もう十分ほど経ったのかな。
あれからは誰もこの物置に踏み込まず、静寂が続いていた。
「………白鳥」
不意に、早紀ちゃんが声を上げる。
「あ、何?」
「白鳥って…体、大きいんだな」
「そ…そうかな」
「ん。大きいし、暖かい」
そのままぎゅうーと日向ぼっこ中の猫のようにうにーとした顔で擦り寄る早紀ちゃんに、何度目かの臨界点。
「白、鳥」
「、なに?」
数秒の間を置いて、早紀ちゃんは赤い顔に負けないぐらい朱ののった唇から言葉を紡ぐ。
「あたし、このまま死んでも、いいや」
、イキナリ話がぶっトんでるね早紀ちゃん。
等とは口には出せず、黙って話を聞く。
「あたし、の居場所は、白鳥の中にあるから。こんな近くに白鳥が居てくれるなら…このまま死んだって、世界が滅んだって、いい」
「早紀、ちゃん………」
早紀ちゃんの髪の毛から香る、甘い香りが鼻をくすぐる。
熱を帯びた、赤い早紀ちゃんの頬が、胸に置かれていて熱い。
早紀ちゃんの柔らかな膨らみが、密着するように触れている。
細い早紀ちゃんの足が、僕の足と交わるように当たっている。
早紀ちゃんの、全てが。
僕をおかしくしてしまう。

「早紀ちゃん………」

僕の心臓の音が、うるさい。

「白鳥………」

早紀ちゃんの心臓の音が、トットット…と、心地よいリズムで伝わってくる。

「大好き、だよ………」

片方の腕を腰に回し、もう片方の手は早紀ちゃんの顔に添える。

「あたし、も…だいすき………」

そっと目をつぶる早紀ちゃんの顔にそっと自分の顔を近づける。
互いの体温を間近で感じながら、唇と唇が、重な―――
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