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【剣も魔法も】ヘヴィファンタジーTRPGスレ【重厚】 [転載禁止]©2ch.net (273レス)
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リタリン
◆77DMiRtfME
2015/12/31(木)19:55 0
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189: リタリン ◆77DMiRtfME [sage] 2015/12/31(木) 19:55:39.12 0 オメルタ傘下の乙種冒険者『鋭鋒』は随所から火の手の上がる街を駆けずり回っていた。 これだけ走り回って額に汗の一つもかいていないのは日頃の鍛錬の賜物であるが、 額の下の双眸は、怪訝と驚きと釈然としなさ、多種の感情によって複雑に歪んでいた。 やっとその実力を見ることができると期待していた甲種『地走』。 しかし彼女は最初に訪れた薬屋の安否を一人で確認した後、鋭鋒を置いて疾走していってしまった。 向かう先は先ほど高所から弓を降らせてきた狙撃手だ。居所が知れれば近づいて殴りに行くのはまあわかる。 しかし地走のサポート、言ってみればお目付け兼小間使いとしてつけられた鋭鋒は、地走から目を離すわけにはいかないのだ。 「しっかしすげえ魔法だな。あれが『地走』の時空歪曲……」 立ち上る煙を『停止』させ、それを足場にして地走は空を疾走する。 試しに鋭鋒も登ってみようとしたが、地走が使ったそばから解除されていくらしくすっ転んでしまった。 話には聞いていたが、改めて目の当たりにするととんでもない高位魔法だ。 魔法の心得のない鋭鋒には専門的なことはわからないが、十三階梯は余裕で超過する禁呪の領域であろう。 あんなものをまるで呼吸でもするみたいに乱発できる出鱈目な魔力、まさに甲種の面目躍如といったところか。 とまれかくまれ、こうなってしまっては地走を追いかける手段はない。 それよりも『砂漠の海亀亭』の方を押さえて、それから合流した方がスムーズにことが運ぶだろう。 狙撃手の人着は鋭鋒も確認した。先の処刑台で乙種二人を制した魔女狩りだ。紛れも無い掛け値なしの凄腕である。 それでもなお、甲種には敵わないだろうという確信めいた予感があった。 ただの地上げ屋に過ぎなかったオメルタを、フロンティアラインの支配者にまで躍進させた礎の一つ。 数々の利権渦巻くこの街で、これまで何度も訪れた抗争、戦闘、小競り合い…… そのすべてに勝利してきたのが地走であり、甲種冒険者なのだ。 鋭鋒が『砂漠の海亀亭』にたどり着いた時、既に消火活動はヤマを超えていた。 近隣住民の手によって延焼防止に周囲の建物が崩されていく。 その中で、破壊消火の音頭をとっていた自治班長に鋭鋒は声をかけた。 オメルタが支配するこの街のこと、この班長も当然オメルタ傘下の人間で、鋭鋒とも顔見知りだった。 「状況はどんな感じだい?」 「おお、ボスの所のあんちゃんか。今ちょうどぐるっと周囲の建屋を潰したところさ。 他のところも順調だって聞いてる、あとは消防隊が来るのが先か、燃え尽きるのが先かって所だな」 水源が限られているこの街において、破壊消火は非常に有効な消火手段だ。 しかし消火と言っても直接火を消すわけではないので、たった今燃え盛る大衆食堂自体に手出しをすることはできないのだ。 「そりゃ良かった。ここの店主は?」 「それがな、店員を脱出させた後に家財を取りに行くって中に残っちまって。 俺たちゃ止めたんだがな。命あっての物種だろうに、なんだってこんな……」 班長は心底気の毒そうに言った。 彼には、そして鋭鋒も知る由のないことだが、ここはオメルタの薬物精製所も兼ねている。 家財はともかく上納分の薬物だけでも確保しておかないと自分に明日はないと店主も理解しているのだろう。 「他になんか変わったことはあったかい」 魔女狩りに関する情報が何かないか、確認するつもりで鋭鋒は尋ねた。 班長がそういえば、と手を打つ。 「逃げてきた客の誰かが、まだもう一人客が店内に残ってるって言ってたな。 非常時で曖昧な情報だし、火勢がこんなだからまだ確認はとれてないんだが……。 苔みたいなローブを着た、肌の白い陰気な女だって話だ」 ―――――― http://tamae.5ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1447151379/189
オメルタ傘下の乙種冒険者鋭鋒は随所から火の手の上がる街を駆けずり回っていた これだけ走り回って額に汗の一つもかいていないのは日頃の鍛錬の賜物であるが 額の下の双は怪と驚きと釈然としなさ多種の感情によって複雑に歪んでいた やっとその実力を見ることができると期待していた甲種地走 しかし彼女は最初に訪れた薬屋の安否を一人で確認した後鋭鋒を置いて疾走していってしまった 向かう先は先ほど高所から弓を降らせてきた狙撃手だ居所が知れれば近づいて殴りに行くのはまあわかる しかし地走のサポート言ってみればお目付け兼小間使いとしてつけられた鋭鋒は地走から目を離すわけにはいかないのだ しっかしすげえ魔法だなあれが地走の時空歪曲 立ち上る煙を停止させそれを足場にして地走は空を疾走する 試しに鋭鋒も登ってみようとしたが地走が使ったそばから解除されていくらしくすっ転んでしまった 話には聞いていたが改めて目の当たりにするととんでもない高位魔法だ 魔法の心得のない鋭鋒には専門的なことはわからないが十三階梯は余裕で超過する禁呪の領域であろう あんなものをまるで呼吸でもするみたいに乱発できる出鱈目な魔力まさに甲種の面目躍如といったところか とまれかくまれこうなってしまっては地走を追いかける手段はない それよりも砂漠の海亀亭の方を押さえてそれから合流した方がスムーズにことが運ぶだろう 狙撃手の人着は鋭鋒も確認した先の処刑台で乙種二人を制した魔女狩りだ紛れも無い掛け値なしの凄腕である それでもなお甲種には敵わないだろうという確信めいた予感があった ただの地上げ屋に過ぎなかったオメルタをフロンティアラインの支配者にまで躍進させた礎の一つ 数の利権渦巻くこの街でこれまで何度も訪れた抗争戦闘小競り合い そのすべてに勝利してきたのが地走であり甲種冒険者なのだ 鋭鋒が砂漠の海亀亭にたどり着いた時既に消火活動はヤマを超えていた 近隣住民の手によって延焼防止に周囲の建物が崩されていく その中で破壊消火の音頭をとっていた自治班長に鋭鋒は声をかけた オメルタが支配するこの街のことこの班長も当然オメルタ傘下の人間で鋭鋒とも顔見知りだった 状況はどんな感じだい? おおボスの所のあんちゃんか今ちょうどぐるっと周囲の建屋を潰したところさ 他のところも順調だって聞いてるあとは消防隊が来るのが先か燃え尽きるのが先かって所だな 水源が限られているこの街において破壊消火は非常に有効な消火手段だ しかし消火と言っても直接火を消すわけではないのでたった今燃え盛る大衆食堂自体に手出しをすることはできないのだ そりゃ良かったここの店主は? それがな店員を脱出させた後に家財を取りに行くって中に残っちまって 俺たちゃ止めたんだがな命あっての物種だろうになんだってこんな 班長は心底気の毒そうに言った 彼にはそして鋭鋒も知る由のないことだがここはオメルタの薬物精製所も兼ねている 家財はともかく上納分の薬物だけでも確保しておかないと自分に明日はないと店主も理解しているのだろう 他になんか変わったことはあったかい 魔女狩りに関する情報が何かないか確認するつもりで鋭鋒は尋ねた 班長がそういえばと手を打つ 逃げてきた客の誰かがまだもう一人客が店内に残ってるって言ってたな 非常時で昧な情報だし火勢がこんなだからまだ確認はとれてないんだが 苔みたいなローブを着た肌の白い陰気な女だって話だ
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