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【剣も魔法も】ヘヴィファンタジーTRPGスレ【重厚】 [転載禁止]©2ch.net (273レス)
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◆xAR6oa9/33KJ
2015/12/28(月)04:18 0
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183: ◆xAR6oa9/33KJ [sage] 2015/12/28(月) 04:18:38.45 0 火災の通報を受けて、北地区に冒険者が集まってくる。 ヴィクトルはその様を高所から観察していた。 火災の際に冒険者達が緊急の依頼という体で現場に駆け付ける事は珍しくない。 だが――「消火活動もろくに進んでいないのに放火魔を見つけ出そうと駆けずり回る冒険者」は、極めて珍しい。 「間抜けだな……お前達じゃなく、お前達に指示を出した人間が、だが」 ヴィクトルが弓に矢を数本まとめて番え、引き絞る。 そして上空へと放つ――風の魔法により「道」を用意された征矢が地上へと降り注ぐ。 それらを察知し身を守る事は、放火魔を探す事に集中する冒険者達には出来なかった。 作戦と人員の関係上、華翼達と戦う際には矢面に立ったが――ヴィクトルも本来はこういう戦いを主体としていた。 魔女狩りの敵は魔女――人の形をした怪物なのだ。 故に必然、己は無傷、敵は一方的に殺められる戦法こそが至上という価値観に辿り着く。 だが――どれほど手を尽くしても、魔女狩り達がその戦法を一貫出来る事は少ない。 魔女の魔法は無軌道、無規則と称しても過言ではないほどに優れている。 例えば――立ち上る煙に時間停止を施し、それを踏み台に「地を走る」かの如く一瞬で鐘塔の頂上に至る。 その程度の芸当は、真の『魔法』を持つ者ならば容易い事なのだ。 「うふふ、隙だらけ」 鐘塔の上で弓を構えるヴィクトルに地走の前蹴りが迫り――その首から上を吹き飛ばした。 頭部を失ったヴィクトルが――ぱしゃりと、水音を立てて弾けた。 水鏡による鏡像だ。 戦闘の勘や魔法の素養がある者ならば、魔法による欺瞞を見破る事は難しくない。 だがそれは十全な判断力が発揮出来る状態ならば、だ。 先入観や思い込みを抱えた状態では、本来見破れる筈の幻惑に掛かる事もある。 例えば「矢は上から射掛けられた」と考えている状態で鐘塔の上の鏡像を見れば――それが下手人の姿だと、思い込んでしまうだろう。 薬物による症状か生来のものか、精神の均衡の乱れた地走には、覿面だった。 「……なんだ?今のは」 自分の鏡像に攻撃を仕掛ける地走の姿を、ヴィクトルは別の建物の屋根から見ていた。 地走が虚空を踏み抜き、空へと駆け上がる瞬間を。 「高練度の飛翔魔法……いや、だとしたらあんな動作は不要だ。 風魔法によって固化させた空気を足場にしたのか……?」 まずは敵の「強み」を暴く必要がある。 ヴィクトルの呟きは風の魔法によって堕廃の魔女と魔笛の少女にも通じていた。 「……もう少し、動かせてみるか」 ヴィクトルは弓矢を構え、鐘塔に一旦足を乗せた地走を射る。 雷光の如く閃く征矢は音もなく地走へと迫り――その鏃が彼女の皮膚に届く。 瞬間、矢の動きが静止した。 地走が体表の極一部のみに時間停止を施したのだ。 鏃の先端が皮膚に触れ、それにより生じた僅かな痛みを感じた瞬間に。 それは超人的な反応速度と時空魔法の才が成す――絶対防御。 「……どうなってやがる」 地走は飢えた狼の如き俊敏性でヴィクトルへと振り向く。 同時に射掛けられた矢を掴み――彼へと投げ返した。 時間の加速によって驚異的な速力を秘めた尖矢は一瞬にも満たない間にヴィクトルを貫く。 http://tamae.5ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1447151379/183
火災の通報を受けて北地区に冒険者が集まってくる ヴィクトルはその様を高所から観察していた 火災の際に冒険者達が緊急の依頼という体で現場に駆け付ける事は珍しくない だが消火活動もろくに進んでいないのに放火魔を見つけ出そうと駆けずり回る冒険者は極めて珍しい 間抜けだなお前達じゃなくお前達に指示を出した人間がだが ヴィクトルが弓に矢を数本まとめて番え引き絞る そして上空へと放つ風の魔法により道を用意された征矢が地上へと降り注ぐ それらを察知し身を守る事は放火魔を探す事に集中する冒険者達には出来なかった 作戦と人員の関係上華翼達と戦う際には矢面に立ったがヴィクトルも本来はこういう戦いを主体としていた 魔女狩りの敵は魔女人の形をした怪物なのだ 故に必然己は無傷敵は一方的に殺められる戦法こそが至上という価値観に辿り着く だがどれほど手を尽くしても魔女狩り達がその戦法を一貫出来る事は少ない 魔女の魔法は無軌道無規則と称しても過言ではないほどに優れている 例えば立ち上る煙に時間停止を施しそれを踏み台に地を走るかの如く一瞬で鐘塔の頂上に至る その程度の芸当は真の魔法を持つ者ならば容易い事なのだ うふふ隙だらけ 鐘塔の上で弓を構えるヴィクトルに地走の前蹴りが迫りその首から上を吹き飛ばした 頭部を失ったヴィクトルがぱしゃりと水音を立てて弾けた 水鏡による鏡像だ 戦闘の勘や魔法の素養がある者ならば魔法による欺を見破る事は難しくない だがそれは十全な判断力が発揮出来る状態ならばだ 先入観や思い込みを抱えた状態では本来見破れる筈の幻惑に掛かる事もある 例えば矢は上から射掛けられたと考えている状態で鐘塔の上の鏡像を見ればそれが下手人の姿だと思い込んでしまうだろう 薬物による症状か生来のものか精神の均衡の乱れた地走には面だった なんだ?今のは 自分の鏡像に攻撃を仕掛ける地走の姿をヴィクトルは別の建物の屋根から見ていた 地走が虚空を踏み抜き空へと駆け上がる瞬間を 高練度の飛魔法いやだとしたらあんな動作は不要だ 風魔法によって固化させた空気を足場にしたのか? まずは敵の強みを暴く必要がある ヴィクトルのきは風の魔法によって堕廃の魔女と魔笛の少女にも通じていた もう少し動かせてみるか ヴィクトルは弓矢を構え鐘塔に一旦足を乗せた地走を射る 雷光の如く閃く征矢は音もなく地走へと迫りそのが彼女の皮膚に届く 瞬間矢の動きが静止した 地走が体表の極一部のみに時間停止を施したのだ の先端が皮膚に触れそれにより生じた僅かな痛みを感じた瞬間に それは超人的な反応速度と時空魔法の才が成す絶対防御 どうなってやがる 地走は飢えた狼の如き俊敏性でヴィクトルへと振り向く 同時に射掛けられた矢を掴み彼へと投げ返した 時間の加速によって驚異的な速力を秘めた尖矢は一瞬にも満たない間にヴィクトルを貫く
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