[過去ログ] 自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 46 (884レス)
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613(1): 書き捨て 2006/07/15(土)17:12 ID:??? AAS
その時であった。
彼が今までに全く聞いたことのない、大気を震わす響く重低音を耳にしたのは。
彼だけではない。
騎士団の他の者たちも、歩兵たちも。その天空より伝わる聞き慣れぬ音に、空気の震動に戸惑い、あたりを見回していた。
魔王軍は対照的に、その音が合図だったかのように機敏に反転すると、騎士団の隙を突いて速やかに後退を開始する。
その敵の動きで我に返った騎士は、急ぎ追撃指示を出そうとしたが、前方に向き直った瞬間に再び凍り付いていた。
同じものを見た兵の中の誰かが、引きつった声を張り上げた。
「魔獣だ!」
騎士団の視線の先にあったのは、槍さえ届かぬ空に漂う異形の存在。先ほどからの重低音は、彼の存在の咆哮であったのだ。
魔王軍が魔王軍たる理由、それは魔界より召喚されし闇の軍勢にある。
彼らの操る“魔界魔術”は国中の魔術師の常識を打ち破り、彼らの僕たる“魔獣”は、剣も魔法も通じぬと聞く。
しかし、これは魔獣というよりも、怪鳥ではないか?
そんなどうでもいい事を呆然と考えた騎士だったが、すぐさま現実に戻り、現状を理解する。
「矢を放て!」
だがそれはもう遅すぎた。無論、早かったとしても何の効果も無かったであろうが。
怪鳥のクチバシから、轟音とともにブレスが吐き出され、騎士団を薙ぎ払う。
ほんの一瞬。
怪鳥がほんの一息吹いただけで、騎士団はその存在を過去のものとされていた。
怪鳥の名は、AH−1S“コブラ”。
クチバシから放たれる息──20ミリ機関砲の前には、栄光ある騎士団の甲冑も、神に祝福されし聖なる盾も、全てが無意味であった。
魔王軍。
それは魔王と呼ばれる存在が、魔界より召喚した異質なる軍勢。
彼らは魔界ではこう呼ばれていた。
──陸上自衛隊と。
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