[過去ログ] あの作品のキャラがルイズに召喚されました part106 (1001レス)
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450: もう一人の『左手』(その9) 2008/01/29(火)05:13 ID:H3sQCASI(4/9) AAS
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「ミス・ロングビル!! 一体、何をやっているのかね!? これは全部貴女の仕業なのか!?」
コルベールが、この一目瞭然の現実を信じられないように叫ぶ。
フーケは、そんなコルベールに流し目を送ると、
「いいえ、全部だなんてとんでもない。少なくとも、どうやって破ろうかと苦心していた宝物庫の外壁を、いとも簡単に蹴り破ってくれたのは、そこのダンディさんですわ」
「なっ!?」
コルベールが、驚きの表情で、風見を見る。
「そうそう、宝物庫の扉を開けるより、物理的な力で破った方が早いと教えてくれたのは、貴方でしたわね、ミスタ・コルベール」
今度は、風見がコルベールをじろりと睨む。
眼下の二人を嘲弄し終わると、フーケはそれまでのお上品な口調を、がらりと変えた。
「さあ、ご協力感謝するよ昆虫男!! 謝礼の証しとして、この坊やは適当な所で解放してやるよ。もっとも、アンタらが私を追わなかったらの話だけどね!!」
「俺たちが追わなかったとしても、貴様が平賀を殺さない保障がどこにある!?」
女は、にやりと口を歪めた。
「無いさ、保障なんてね。――ただ、私が嫌いなのは、偉ぶった貴族だけなんでね。行きがかりとは言え、人質の平民を殺すような寝覚めの悪い真似をする気は無いさ……多分ね」
恐らくは、それも嘘ではなかろう。
この女は、無用な血は流さない。それを誇りとさえしているようだ。だが、それと同時に、血を流す事をためらう甘さも持ち合わせていないだろう。自分が、少しでも追う素振りを見せたら、躊躇無く才人を殺すはずだ。
風見は、屈辱の中でそう判断した。
才人は、失神したのか、もはやピクリとも動かない。
風見は叫んだ。
「いいだろう、行け! その代わり平賀を殺したら、俺は貴様を絶対に許さんぞ! それだけは覚えておけ!!」
「カッ、カザミさんっ!?」
コルベールが青い表情で振り返るが、風見の眼差しがコルベールに向けられる事は無かった。
彼女は、その言葉を聞いてニヤリと笑うと、
「そうかい。じゃあ、見逃してくれる御礼をしなきゃねえ……!!」
その瞬間だった。
ゴーレムの巨大な爪先が、風見を襲った。
「ぐふぅぅっ!!」
――完全に不意を突かれた。
風見は、躱しもならず、数十トンの威力を持つサッカーボールキックを、どてっ腹に喰らい、文字通り虫けらのように吹き飛ばされ、塔の壁に激突した。
「カザミさんっ!!」
「きゃはははははっっ!! ミスタ・コルベール、オスマンのスケベジジイに伝えておくれ!! 『破壊の杖』は、この『土くれ』のフーケ様が、確かに戴きましたってねぇ!!」
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