[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ10 (447レス)
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376: 黒き鳥は空を舞う ◆j3Nf.sG1lk 2007/12/26(水)22:23 ID:MDRyTAml(5/14) AAS
 マオは最後に聞こえた金田一の心の声を頼りに南に向かい、途切れていた金田一の声を再び捉えた。
 風浦可符香に与えられた衝撃から未だ頭痛は鳴り止まないが、それでも僅かなノイズだけで金田一の声を聞き取れた事に安堵する。

「アハハ、なんだい名探偵君、君は本当に情け無いねぇ……」

 金田一から漏れる悲痛にまみれた声を聞き、心の底から笑みを零す。

(そう、これだ。
 この悲しみに震える絶望の声は何時聞いてもたまらない……)

 風浦可符香に砕かれかけた精神を悲痛の叫びで潤し、マオは漸くと言った具合に一息つける程度に余裕を取り戻す。
 そして、これからの事をじっくり考え始めた。
 哀れな少年の止めを間違いなくさすために……。

 しかし、その時、マオは取り戻した余裕を再び掻き乱す要因の気配を感じた。
 どうやら、金田一が誰かと接触したらしい。いつの間にか声が三つに増えていた。

(……アレンビー?キール?)

 二人の名前と思わしき単語をギアスで思考の中に受けつつ、他に何か情報が得られないギアスの効果範囲を広げる。
 その瞬間、突然頭痛が酷くなってマオの思考を襲った。

(クッ!)

 浮かび上がったのは言うまでもなく風浦可符香の声である。
 それが、聞こえてくる三人の声と交じり合い、マオの頭をガンガンと叩くのである。
 どうやら、効果範囲の100メートルは変わらないようだが、それを維持しようとすると集中力が乱れ、あの声が聞こえてくるらしい。
 マオは一旦ギアスの効果範囲を狭め、心を落ち着けるために何も考えないようにした。
 そして幾分落ち着いた後、再びギアスを広げる。今度は慎重に。

(クソ、ホント厄介な置き土産を残して行きやがって、あの女!)

 心の中で愚痴を零しつつ、マオは声の聞こえてくる方に足を勧めつつ、声の分析を始めた。
 どうやら、金田一が突然泣き出したらしい。
 アレンビーとキールというヤツ等からは、その対応に苦慮している声が聞こえてくる。
 その関係から、どうやら二人は殺し合いには乗っていないらしいことが分り、そして、無防備な少年に優しい声を掛ける程度には冷静な精神を有している事が分った。

「ふ〜ん、どうやら、良い人に拾われたみたいだねぇ、金田一君。
 でもま、その幸運もここまでかな?」

 気が付けば、金田一、アレンビー、キールの3人とマオの距離は20メートル程までに縮まっていた。
 入り口から高速道路に上がり、3人がいる道路の中央からは死角になっている壁際にソッと身を潜める。
 そして、マオは三人の姿を肉眼で確認した。

「やれやれ、君はやっぱり女の子に守られるのかい?どれだけ僕を笑わせれば気が済むのさ」

 アレンビーに慰められている金田一を見つめながら、ゆっくりとその右手に持ったスッテキを持ち上げる。
 そして、ステッキの先にポッカリと開けられた暗い銃口を金田一へと向けた。

「でもまぁ、とりあえず十分楽しんだし、君もう死んでいいよ」

 マオに一部の迷いは無い。
 引き金は、何の躊躇いもなく引かれた。

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