[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ10 (447レス)
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151: Nightmare of Mao 4/5 ◆1sC7CjNPu2 2007/12/16(日)23:16 ID:QzySime8(4/5) AAS
 炎は、消える寸前が一番綺麗に輝くと言う。
 マオと可符香が眼を合わせた時、可符香の命の炎はまさに消える寸前であった。
 制限されているとはいえ、心を知ることに慣れていたマオが悶絶したのにはそんな一因もあったのだろう。
 そしてその燃え尽きる寸前の炎は、マオの精神に意図せず焼き痕を残していった。

 マオの思い出のC.Cが、風浦可符香に入れ替わるように。

 とはいえ、人の心はコンピューターのように簡単に置き換えられるものではない。
 マオに残された焼き痕とて数日か、ひょっとしたら数時間もしたら消え去るかもしれない。
 しかし、そんなことがマオに分かるはずもなかった。

 ――奪われた。
 ――C.Cとの思い出が、奪われた。

 呆然とした意識で、マオは笑っていた。笑うしかなかった。
 C.Cはマオにとって唯一の思考が読めない人間で、それ故に全てだった。
 その全てが奪われた今、マオは空っぽの抜け殻になってしまった。

 「……しーつー」

 力無げに呟いた所で、マオは首が疲れたので見上げるのを止めた。

 そして――緑色の鉱石を、その眼に留めた。

 それはマオに支給された品の一つで、役に立たないだろうとデイパックにしまっておいた物だ。
 ステッキを取り出した時に一緒に出てきたのだろうかと思いながら、何かに引き寄せられるようにマオは鉱石を拾う。

 ――C.Cの髪と、同じ色だ。

 そう思うと、その鉱石は他のどんな鉱石よりも価値のあるものに見えてきた。
 まじまじと観察していると、その鉱石に赤黒いものが付着しているのに気づいた。
 おそらく、可符香の血だろう。
 緑の鉱石に付着するそれを見て、マオはC.Cをたぶらかすルルーシュを連想した。
 マオはイラついて鉱石を拭い――ふと、閃いた。

 「ルルーシュだ!」

 一言恋敵の名を叫び、マオは立ち上がった。
 生気のなくなっていた眼は、いまや爛々に光り輝いている。

 「ルルーシュならC.Cを思い出せる!」

 マオが閃いたのは、そんな方法だった。
 ルルーシュにC.Cの情報を考えさせ、それをマオが読むことでC.Cを取り戻す。
 憎き恋敵に頼ってしまう方法だが、拘ってる余裕はなかった。
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