[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 (503レス)
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320: 螺旋博物館U ◆j3Nf.sG1lk 2007/11/22(木)19:30 ID:wcdseFUK(2/8) AAS
「ヌッ……」
大男、つまりジェットの額に僅かばかりの汗が浮かぶ。
喰らい付いたら離さない「ブラックドッグ」と言う異名を警察官時代に持っていた男は、現在は賞金首を追いかける賞金稼ぎとしてその豪腕を振るっている。
荒仕事から情報戦に至るまで何でもこなす彼にしてみれば、単純な力作業でさえ手を抜くような事はしない。
その為、この瞬間も本気になって目の前の障害をぶち破らんばかりの勢いで力を込めているようだ。
しかし、ジェットの太い腕には、残念ながらピクリとも反応が返ってこなかった。
「……フゥー、なんて硬い扉だ、びくともしないとは」
疲労の溜まった息を吐き出し、ジェットが感心したように呟く。
すると、今度は隣にいた少年が扉に触れた。
「ただ鍵が掛けられてるから、とかじゃないみたい……。
ほら、見た目金属質で作られた扉みたいだけど、こうやって触ると、なんだか押し返されるような感触がするよ。それに、なんだか少し暖かいような……」
ドモンと名乗った少年の言葉にジェットが同じく扉に手を触れながら答える。
「ああ、どうやら、下の入り口と同じ自動ドアのようだが、こっちは何か不思議な力で守られてるようだな」
ジェットの指先は確かに扉に触れていた。
しかし、指先の皮膚には、集中しないと分らない程度に押し返されるような不思議な感触が伝わってきており、少年の言葉が真実だと告げていた。
「不思議な力?」
少年の顔に疑問の色が浮かぶ。
その顔を見下ろし、ジェットはゆっくりと説明するように語りだした。
「爆弾やら危険な物が参加者に支給されてるこの殺し合いじゃ、鍵を掛けた部屋なんて何の障害にもならないはずだ。それこそ紙切れと大差ない。
それなのに、こうやって時間制限付で立ち入りを禁止している部屋を無理やりにでも作らなきゃいけないって事は、
この部屋は参加者が持ち出すどんな兵器より強くなきゃいけないって事になるだろう。
それこそ、一番最初にあの螺旋王とやらに向かっていた男が放った、あの光の攻撃にも耐えられるぐらい頑丈なのは絶対だ」
そこで一呼吸置き、ジェットは扉から手を離し、その周囲の壁を見つめる。
「となるとだ、話はこの扉ばかりというわけじゃなくなってくるんだよ。
荒っぽくなるが、扉が開かないなら、今度は周りの壁を壊せばいい、てな事を考える奴が必ず出てくる。
そうなると、もう鍵だの何だのは意味が無い。その考えが出た時点で、扉だけを頑丈にすれば済む話じゃなくなっちまうのさ。
だから、俺が思うに……」
「部屋一つ丸ごと、最初に螺旋王が使ったバリアーってので守られてるって事?」
「ま、そう考えるのが妥当だろうな。
見たところ、扉は金属性でも、周りの壁は明らかにコンクリートだ。
入り口が玄関の自動ドアと同じと見る限り、厚さも大して無い。ダイナマイト一つで穴ぐらいは簡単に開くだろう。
て事はだ、本気で侵入者を拒みたいのなら、何か特殊な力で覆っちまうしか手が無いってわけだ。
そして俺達は、一番最初にその特殊な力を見ている……」
そこまで言って、ジェットは大きく息を吐き出した。
そして、ただ漠然とこれからの事を考え始める。
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