[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 (503レス)
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13: 黒の騎士団 2 ◆P2vcbk2T1w 2007/11/09(金)01:50 ID:182ASbsJ(2/9) AAS
「さ、さあ、そうと決まれば善は急げです。先ずは、温泉施設へと向かいましょう!」
「はい!」
逃げ出す様に民家を出るゼロと、犬の様にそれに付き従うカレン。
その後に、機械猫と俺が、渋々と追従する。
現在、この集団の意思決定権を握っているのは、間違いなくこの偽ゼロだ。
だが、その判断力は高くない。寧ろ、劣っていると言っていいレベルだ。そう断言できる。
自らが持つ発言権を有効に使えず、只々無駄に時間を浪費するだけのこの男。見ているだけでも苛々する。
例え4人の小集団であったとしても、若し、自分がその長で有ったならば、選択肢は無限に広がるだろう。
だというのに……
自分の行動を、このような道端のちっぽけな小石に妨害されるのがここまで不快なものだったとは、夢にも思わなかった。
では、どうするか?
隙を見てギアスを行使するか?
それとも、いっそこのまま、消えてもらうか……?
温泉施設への道を歩く中、様々な可能性を検証し、選択肢を吟味する。
今、自分に与えられたカードは何だ?
その手札で、何が出来る?
リスクは? リターンは?
負けることの許されないこの勝負、どう、打って出るべきなのか?
どうすれば勝てる?
どうすれば……アイツの仇が討てる?
「あ、どうやら見えてきたみたいですよ!」
思案を妨げるカレンの声に、我に返る。
いつの間にか、ずいぶんと先まで歩いていたようだ。
前を見ると、確かに、カレンの言うとおり、眼前の、木々の合間から――
『新装開店記念! 熱烈歓迎!! ようこそ、エイチロク温泉へ!!!』
と読める電飾が、チカチカと目に喧しく光っていた。
「……派手ですね」
「……派手だねえ」
頭痛がまた、悪化した。
「と、とりあえず中に入りましょうか」
「待てカレン、迂闊に入るな、もし待ち伏せされていたら――」
しかし、俺の忠告も一歩遅かった。
魔境の扉が、開かれてしまった。
――ガラガラガラ
そして、その扉の先に広がっていたのは。
目を覆いたくなるような、信じ難い程の……絶望だった。
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