[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2 (594レス)
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537: 風のイ・タ・ズ・ラ ◇tu4bghlMIw 2007/09/29(土)00:25 ID:3iq+DZzL(5/12) AAS
何を持っている、という事はつまりこの右手で掴んでいる"暗視ゴーグル"の事を言っているのだろう。
他に怪しいものと言えば……まぁ、一応あのデイパックの中を埋め尽くしていたパンツの山も怪しさ爆発ではあるが。

とはいえこれら女物の下着は所詮既製品。遠目から見て区別が付くとは思えない。
余程特徴的な形をしているか、強い思い入れが無ければ在り得ないだろう。
この暗視ゴーグルが、あれほどの大声を出す原因になる理由も良く分からないとはいえ。

「よこせッ!!」
「はぁ?」
「いいから早くそれをこっちに渡せ!!」

女は一歩前へと足を踏み出し、強く要求する。
こちらの事情など何も考えていないと思われる直情的な行動。
俺はそんな事よりもこのパンツの山を処分したいのだ。
身勝手な相手の態度には、こちらもそれ相応の対応で構わないと判断した。

「……やだね、少なくともコレは俺に支給されたものだ。元はアンタの持ち物だとしても所有権は俺にある」
「な、何だとっ!! いや……まぁ、確かにその通りだとは思うが……とはいえ、お前には不要なものだろう?」

正論。確かにコレは元々女の持ち物かもしれない。
だが、このゲームの中では俺に支給された道具だ。ソレをタダで渡す理由は無い。
女は俺の台詞に大層衝撃を受けたようで、ウッと嗚咽を漏らし一歩後退。

しかし妙な事を言う。
この道具は別に使用者を選ぶものでは無い筈なのだが。
だから俺は言った。ごく普通に。
息をするように、食事をするように、睡眠を取るようにその一言を発した。

「使えるだろ? 普通に」
「へ?」
「不要も何も、そのまま身に着ければいいじゃないか」
「――ッ!!!!!」

女が息を呑んだ。
……俺、そんなに変な事言ったか?
疑問に思いつつも続ける。
この"暗視ゴーグル"の用途を。

「これは……頭に巻きつけたりすればいいのかな」
「こ、こ、こ、」
「ん?」
「この……ド変態がああああッッ!!」

瞬間、俺は信じられない光景に遭遇した。
『女の両手に銃』が出現したのだ。
背筋に電撃が走る。だが戦いに慣れた身体は自然とその状況における最善の行動を取る。
右手で投影しておいた干将莫耶を構え、デイパックを背負う。そして対峙。

だが頭の中は混乱したままだ。
在り得ない。なぜなら今、彼女は俺が行うソレと同じように――銃を投影したのだから。
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