[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2 (594レス)
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242: 紙は舞い降りた ◆LXe12sNRSs 2007/09/26(水)22:29 ID:jvOw9Ix5(9/11) AAS
校庭に散らばった紙を回収し終え、ロイドはそれをアニタへ渡す。
くしゃくしゃになったり砂塗れになってしまったものばかりだが、使う分には問題ない。
紙を渡し終えると、ロイドは含みのない穏やかな笑顔でアニタへと言葉を続けた。
「そのときは、ありがたく分解させてもらうよ。中身が分かれば解体する自信はあるしね」
「……それ、マジで言ってるの? アイツが持ってくるのは、そこら辺に落ちてる首輪じゃない。
誰かを殺して、誰かの首を切って、そっから持ってきた首輪だよ!?
おじさんがあんなこと言ったせいで、誰かがアイツに殺されるかもしれないんだよ!?」
「それはそうだけど、あの場を切り抜けるにはあれしかなかったと思うけどなぁ。
彼に目をつけられた人には悪いけど、それは仕方がないことだよ。止められなかった僕らが悪い。
それに、一応これは殺し合いだよ? まさか、正義とは何かなんて恥ずかしい議論をふっかける気じゃあるまいね」
痩せ細った身体に平和ボケしたような笑顔を常備しているロイドだが、彼はこれでも軍人だ。
平和が綺麗事で片付かないことは重々承知しているし、生き死にがどれだけ不条理なものかも知っている。
おじさんという呼称を甘んじて受けるわけではないが、アニタにとって、ロイドのスタイルは悪い意味で大人すぎていたのだ。
「君に彼を止めることはできないよ。不思議な力を持っているらしいが、たぶん彼はそれ以上だ」
「それでも……」
「僕は一応、爵位持ちの貴族でね。フェミニストを語る気はないが、女の子をみすみす死にに行かせるつもりはない。
それに、殺し合いに乗らないにしても、君は君でやるべきことがあるんじゃないの?」
アニタには嫌味に聞こえたが、ロイドの表情には曇りがない。それだけ正論だということだ。
もちろん、アニタにだって優先すべき事柄はある。ねねねを捜し出して一緒に帰るという目的が。
赤の他人にピンチが訪れるかもしれない、などという程度のことに、首を突っ込んでいられない。
その間にねねねが誰かに殺されそうにでもなっていたら、後悔するのは、きっと自分だ。
「……割り切れとは言わないさ。君はまだ子供だ。子供は子供なりに、頼りがいのある大人でも見つければいいさ。
ああ、僕を頼るのはやめておくれよ? 僕はただ、面白おかしく未知の文明に触れられればいいから……ってあらぁー!?」
ロイドの言葉を最後まで聞かず、アニタは学校を出ようと歩き出してしまった。
その顔はどこか俯いて――いるかに見えたが、すぐに前を向きなおし、普段の溌剌な表情を取り戻していた。
まずは、ねねねを捜す。後悔したくないから。話はそれからだ。
「ちょっと待った! 行くならこれを持っていくといい!」
「ん? …………ゲッ! 本じゃん」
去り際、ロイドはデイパックから一つの書物を取り出し、それをアニタに放った。
掴み取ったそれは、やや大型なハードカバーの本。スカイブルー一色の表紙に、見慣れぬ文字のタイトルがついている。
中を開いてみるが、やはり難解な字面が広がっているだけ。なんの本なのか、アニタには理解不能だった。
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