[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2 (594レス)
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55: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:51 ID:3WZf49N1(1/25) AAS
投下します
56: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:53 ID:3WZf49N1(2/25) AAS
AA省
57: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(3/25) AAS
いきなり殺し合いをしろ、なんて可笑しなことを言われたら、誰だって必然と視野が狭くなるもの。
 灯台下暗し――なんて諺があるが、暗くて見失ってしまうようなものは、何も手元にあるとは限らない。

「まぁ。今まで気にも留めませんでしたけれど、ここから見える月夜もなかなかのものじゃありませんの」

 空に上る満月を見ながら、獣耳の女――カルラは、物思いにふけるような素朴な笑顔を作る。

「まったく、こんな厄介なことに巻き込まれたりしなければ、今頃ウルトあたりと一緒に月見酒と洒落込むところですのに」

 素朴……そう、月を見上げる彼女の笑顔は、確かに素朴だったのだが、
省8
58: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(4/25) AAS
「あ、あ…………」

 やらかしてしまった失敗への後悔のせいか、それとも単純に、カルラへの恐怖からくるものか。
 分からない。分かるのは、自分が彼女に攻撃を仕掛けてしまったということだけだ。

 普段の冷静な思考が、取り戻せない。
 タヌ機による幻覚作用が齎した最悪な不幸――親友が人を殺す、という悪夢がフェイトを混乱の渕に追い込んでいた。
 目の前の女性は誰か? 耳や尻尾など、獣の象徴的なパーツを宿しつつも人型を成すその姿。アルフやザフィーラと同じ使い魔なのだろうか。
 そもそも自分は、殺戮を続けるなのはを追ってここまで来たはずなのに。当のなのはは何処に消えてしまったのか。
省4
59: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(5/25) AAS
「…………通る」

 殺し合いに乗った親友――高町なのはを止める。
 フェイトは意思を強め、見失わない内になのはを追おうと、再び進み出そうとするのだった。
 それこそ、降りかかる火の粉、行く手を阻む障害は、全て蹴散らしてでも。

「あらあら。殺気を放っても臆せずに向かってくるなんて……本当に困ったお子様ですわね。忠告しておきますけれど、わたくし、そんなに優しくありませんことよ」

 微笑の影に強大な剣気を隠し、カルラは杖を構えるフェイトに向き直る。
 ホーホー、と何処からか梟の鳴き声が聞こえてきたような気がした。いや、ひょっとしたら虫の鳴き声だったかもしれないし、周囲の参加者が高笑いでもしていたという可能性もある。
省14
60: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(6/25) AAS
 余談だが、キママゥとはカルラが居た世界『ウィツァルネミティア』に生息する猿のことである。
 木の上から飛び出したカルラが向かう先は、魔法陣の上で光球の操作を行っているフェイト。
 カルラの想像以上のスピードに目を白黒させつつ、残った三つ目の光球を引き戻そうとする。が、
 時、既に遅し。カルラはフェイトの眼前に立ち、フェイトの額を目掛けて右腕を伸ばす。

「おイタはいけませんことよ」

 大人女性特有の、優しげだがどこか迫力のある微笑を見せ、フェイトの額にデコピン一閃。
 普段、大人の男四人がかりでも持ち運ぶのが困難な大剣を振り回すカルラのデコピンは、もはや単なるお仕置きのレベルを超越していた。
省5
61: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:55 ID:3WZf49N1(7/25) AAS
 立ち上がりながら、フェイトはブツブツと何かを呟く。
 その複雑な言語様式が何を意味するものかは分からなかったが、フェイトの足場に形成された陣が未だ消えぬことに、カルラは警戒した。

(ウルトやカミュが術を使うのと似た雰囲気……まだ、何かがきますわね)

 フェイトから距離を取り、来るべき何かに備えるカルラ。
 その間も、フェイトは呪文の詠唱を止めなかった。

「サンダー……フォール!」

 瞬間。
省4
62: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:55 ID:3WZf49N1(8/25) AAS
「…………やった?」

 砂埃舞う森林地帯。焼け焦げた草の大地に立っていたのは、フェイトただ一人だけだった。
 獣耳の怖い女の人はいない。影も気配も見当たらない。
 クロノのデバイスを通して放った魔法、死ぬことはないはずだが。

「……!」

 消えたカルラを捜すフェイトの視線の先、その場に倒れた一本の木を発見して、顔色が変わった。
 長さはそれほどでもなく、太さは人間の女性といった細い倒木。
省14
63: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:56 ID:3WZf49N1(9/25) AAS
「――――――――ッ」

 言葉が、出なくなった。
 非殺傷設定があるから、クロノのS2Uがあるから、相手が死ぬことはない。そう思って攻撃魔法を放った。
 しかし、そのせいで木が倒れた。その先に彼女がいて、下敷きにされてしまったのだとしたら。
 ――死ぬ。間接的だが、自分が殺した。

「…………わたし、が?」

 殺すつもりなんてなかった。殺戮に走ってしまった友人を止めるため、ちょっと退いてもらおうと思っただけなのに。
省9
64: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:56 ID:3WZf49N1(10/25) AAS
 涙が溢れ出す――その間際、フェイトの涙腺を閉めるきっかけとなったのは、ひょうひょうとした女性の声だった。
 倒木が持ち上がり、その下から獣耳の女が姿を現す。
 頭部から血を垂れ流し、痛みに苦しむ顔をしているにも関わらず、手では軽々と倒木を持ち上げている。
 若い女性が血を垂らしながら木を持ち上げる。その光景にも驚かされたが、それよりも何より、

「…………生き、てた」

 ――殺して、なかった。
 その現実に、フェイトはいたく喜んだ。
省12
65: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:56 ID:3WZf49N1(11/25) AAS
「う、うぅ……」

 実力……いや、違う。『覚悟』が違いすぎた。

 身も心も、全て捧げた主ハクオロのため。楽しく過ごした仲間たちと、一緒に帰るため。また、平穏を取り戻すため。
 カルラは戦うのだ。死ねないのだ。降りかかる火の粉は何度も振り払い、押しのけてでも進まなくてはいけないのだ。

 片やフェイトは、親友を取り戻すため……本当に、そうだったろうか。
 あれは本当に真実だったのか。なのはが、あんなことをするというのか。
 今では、全てがまやかしであったようにも思える。それに、振り回されていただけのようにも思える。
省12
66: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(12/25) AAS
「なのは…………」

 呟く。小さくもしっかりと、会ってもう一度呼びたい、その名を。

「なのは、なのは……なのは」

「……その『ナノハ』というのは、あなたの恋人か何かかしら? それとも家族?」

 フェイトの呟きを聞き漏らさず、興味を持ったカルラが尋ねてみる。
 フェイトは、カルラのその問いを拒絶することなく、立ち上がって正面から返答する。
省13
67: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(13/25) AAS
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』

 杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。

「……参りますわ!」

 倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。

「……ファイア!」『Fire!』
省9
68: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(14/25) AAS
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』

 杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。

「……参りますわ!」

 倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。

「……ファイア!」『Fire!』
省9
69: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(15/25) AAS
 そこには、極めて明確な勝敗結果が示されていた。
 先程まで構えていた杖はカード形態に戻し、立ったままの状態で、横たわる女性を見つめる少女が一人。
 地面に仰向けになりながら、開けてきた朝空と少女の顔を見つめる女性が一人。

「…………負けて、しまいましたわ」

 どこか陽気に聞こえるのは、彼女の楽天的な性格故のことだろうか。
 大した悔しさも見せず、カルラが終わりを告げた大地に倒れていた。

「ウルトやカミュの術も凄かったけれど、あなたの術の規模も相当なものでしたわよ」
省11
70: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:58 ID:3WZf49N1(16/25) AAS
「よろしければ……名前を教えていただけるかしら」
「……フェイト。あなたは?」
「カルラ、ですわ。別に覚えていてもなんの得もない、つまらない名前でしてよ」

 カルラのふざけたような物言いが、妙に心地よい。
 殺し合いという不安な境遇に置かれた中で、少しだけ元の世界の暖かさを取り戻せたような、そんな気がした。

 背後に死神が迫ってきていたことに気づけなかった。
 それは、一瞬でも殺し合いの世界から脱線してしまった意識のせいなのかもしれいない。
省12
71: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:58 ID:3WZf49N1(17/25) AAS
 人気の薄くなった森の奥まで連れて来られ、フェイトはやっと、状況を理解した。

「あ、あ、あ……」

 差し伸ばした手――カルラの背中辺りから、ヌメッとした感触を感じる。
 そして、暖かさも。
 確認するまでもなかった。自分の手にカルラの血が付着したことも、カルラの背中にどうしてこんな液体が付着しているのかも。

「カルラさん……あの時、誰かに撃たれて……」
「……あらあら、そんな泣きそうな顔をしちゃって、せっかくの可愛らしい顔が台無しですわよ」
省7
72: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:58 ID:3WZf49N1(18/25) AAS
「わたしは……なのはに……」

 もう一度、確かめるかのようにその名を呼ぶ。
 もう二度と、この気持ちを失わないように。
 もう二度と、目的を見失わないように。

「なのはに、会いたいぃぃ……………………………………」

 目から大粒の涙をたくさん流し、フェイトは、号泣しながらカルラにそう言った。

「……その言葉さえ聞ければ、わたくしはもう満足ですわ。そうだ、あなたが無事に友達と再会できるよう、おまじないをかけてあげましょう。
省5
73: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(19/25) AAS
 何が「おっぺけぺ〜のぺ〜」だ。
 正直、あんな状態になってしまった時はどうなるんだろうかと心配したものだったが、意外と早めに効果が切れたようで助かった。
 バカになっている最中に誰とも遭遇しなかったことは、運が良かったとしかいいようがない。
 あの尻尾の子には報復が必要ね……フフフ……いえ、それにお礼も必要かしら。
 なにせ、現在のこの状況を招く、きっかけを与えれてくれたんですもの。

「……つくづく、子供運がないですわね、わたくしも。まさか、襲撃者があなたのような可愛らしい娘だなんて」
「フフフ……あれだけ大きな戦闘音をたてれば、誰だって気になって調べてみようとするものよ。すぐにその場を立ち去らなかったのは、失敗だったわね」
省7
74: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(20/25) AAS
 私は満面の笑みを見せながら、銃を内蔵した傘を突きつける。
 女は既に死を受け入れたのか、木に凭れ掛かったまま静かに目を瞑った。

「何か言い残すことはあるですか? 今が最後のビッグチャンスなのですよ」
「遺言……ですか。そんなもの特にはありませんけれど、残念といえば残念ですわね……」
「みぃ? ここで死んでしまうことがですか?」
「後悔……というほどのものでもありませんけれど。叶うなら、もう少し居たかったですわね……あの居心地のいい食卓に……」
「食卓? ごはんが食べたいのですか? 心配しないでも、天国へいけばお腹まんぷくで、ペコペコフラフラになることもないのですよ」
省9
75: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(21/25) AAS
  『それは俺の芋だァーーーー!』      『バカっ、テメー一人で食いすぎなんだよ!』

        『クロウ、あなたもいい加減にしておきなさい』

            『若様、おかわりはどうですか?』      『あらあらウフフ』

     『おいしいねーユズっち』          『はい……』

        『うぅ……聖上ぉ……某は、某はぁ……』   『ちょ、トウカさんそれお水じゃなくてお酒じゃないですか!』
省8
76: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(22/25) AAS
 後に残ったのは、怪しく笑う青髪の少女が一人。
 木に凭れ掛かったまま、体中を銃弾で貫かれた死体が一つ。

「まずは一人……そろそろ夜も明けるだろうけど、まぁまぁの滑り出しといったところかしら。
 役に立ちそうな支給品も手に入ったことだし、早めにこの場から立ち去ったほうがいいわね」

 カルラを銃殺した古手梨花は、彼女の四次元デイパックを回収し、その場を離れる準備を進めていた。
 震源地から少し離れているとはいえ、あの戦闘音を聞きつけた参加者がまだ湧いてこないとも限らない。
 それらと接触するというのも手だが、近くに死体がある以上、無駄な誤解をされる危険性もある。
省5
77
(2): 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)04:00 ID:3WZf49N1(23/25) AAS
 風が吹く。
 その風は、少女を覆っていた布をバタバタとはためかせ、空へと舞い上げる。
 むき出しにされた少女は目元に涙を溜め、すぐ傍で起こっていた惨劇に気づけぬまま、朝を迎える。
 カルラが死亡前、フェイトに被せた布――『透明マント』が、梨花の目からフェイトを救ったのだ。
 だが、死は免れても、悲しみから逃れることは出来ない。

 フェイトは目を覚ましたあとも、きっと泣きじゃくることになるのだろう。

 分かり合えた、戦友になれると思えた女性の、死を受け止めて。
省11
78: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)04:00 ID:3WZf49N1(24/25) AAS
【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:気絶、疲労大、全身に軽傷、背中に打撲
[装備]:S2U(元のカード形態)@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム残数不明
[思考・状況]1:なのはに会う。それ以外の思考は停止中。
[備考]:タヌ機による混乱は治まった様子。

【カルラ@うたわれるもの 死亡】
省6
79: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)04:01 ID:3WZf49N1(25/25) AAS
終了
80: ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:03 ID:cGCfh01Z(1/6) AAS
「ウ、ウヌゥ……」
会場の一角に停泊する、殺し合いの場には不釣合いなほど豪華に飾り立てられた豪華客船の、医務室のベッドのシーツの上。
「こ……、ここはどこなのだ!き、清麿はどうなったのだ?」

そこから、金髪の、小柄な姿が、飛び起きた。

正直な所、ガッシュはまだ現状を良く理解してはいない。突然、謎の場所に呼び出され、突然、殺し合いをしろと言われ、
そして―――突然、自らの最も信頼するパートナー、高嶺清麿と引き離された。
わかっているのは、そのくらいのものだ。自らを呼び出し、「螺旋王」と名乗った者の正体はおろか、その「螺旋王」に
省29
81: ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:05 ID:cGCfh01Z(2/6) AAS
しかし、ガッシュは、ポルヴォーラを知らない。だから、この毛だるま生物が、「武器」として支給されたなど、思いも寄らない。
精々、自分と同じように世界のどこかから螺旋王と名乗る男に連れてこられた生き物、としか思ってはいなかった。
人間界ならいざ知らず、この程度の異形なら、彼の故郷の魔界には掃いて捨てるほどいる。

「……」
「……」
「……………………」

だから、この魔物も話が分かる、と思い、話しかけたガッシュであったが……、帰ってきたのは長い沈黙だけ。
省28
82
(1): 2007/09/25(火)04:06 ID:N5clpOmA(1) AAS
あれ?投下宣言あったっけ?
83: 2007/09/25(火)04:06 ID:cGCfh01Z(3/6) AAS
「逃げられぬ……となれば、あやつらが居なくなるまで、ここで待つしかないのか……?」

冷汗まみれの顔でそう呟くガッシュ。しかし、ここで待っていても、助かるとは限らない上、隠れて時間を無駄にすれば
無駄にするほど清麿が危険な目に会う確率が高くなり、無事に出会える確立は下がっていく。
で、あるから、奇襲をしよう。と、ガッシュは考えた。
一気に突っ込んで、驚かせるか何かして隙を作った後、息が続く限り全速で逃走する。それが、ガッシュの考えうる限り、
最良の方法。

「今行くぞ、清麿ッ!」
省30
84: 2007/09/25(火)04:07 ID:GvHQaTFw(3/3) AAS
 
85
(1): ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:08 ID:cGCfh01Z(4/6) AAS
AA省
86: 2007/09/25(火)04:09 ID:0cQldrsZ(1) AAS

87: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:10 ID:kAm7og1W(1/18) AAS
『警告します。禁止区域に抵触しています。
あと30秒以内に爆破します』

無機質な声が響き渡る、それと平行して放送の声が聞こえる。

「圭一君!」
「レナ、逃げるぞ!」
『――えられた!、 これもひと・・・』

そういうが早く、俺はレナの手を掴み、正反対の方向に向かって一気に走り出す。
省11
88: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:10 ID:kAm7og1W(2/18) AAS
『・・・ワハハハ――』

その不快な声とともに、あの仮面の男の立体映像は消え去った。
よかった、みんな無事だ。そうさそうだ、そうだよな。
俺たち部活メンバーが、こんなことで脱落するわけが無い!
あの策士である魅音の奴はこんなことではうろたえる訳がねえ。
沙都子は自慢のトラップワークで飄々と生き延び、梨花ちゃんはにぱー☆と笑いながら他の誰かをファンクラブにしている。
そんな光景が、不謹慎ではあるが浮かんだ。ふいにレナから声がかかる。
省11
89: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:10 ID:kAm7og1W(3/18) AAS
奇跡、そう、奇跡なんだ。俺たちは出会いも奇跡なら、経過も奇跡だった。
奇跡は間違いなく起きている。それは証明されたんだ。

「なあ、レナ」
「何?圭一君」
「やっぱり、俺たちはツイてる。いや、奇跡はちゃんと起きてたんだ。」
「ただの小学生や中学生の集まりに過ぎないはずの私たち部活メンバーが・・・」
「誰一人欠けることなく残っている。だから俺たち部活メンバーは、絶対にこの悪魔の脚本を打ち破る。」
省11
90: Flying the Sky ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:11 ID:cGCfh01Z(5/6) AAS
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】
[状態]:健康、おでこに少々擦り傷
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュベル!!
[道具]:支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム
[思考]
基本思考:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ!
1:なんとしてでも高嶺清麿と再開する
省6
91: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:11 ID:kAm7og1W(4/18) AAS
「圭一君、どうしたの?」
「すまんレナ、放送の内容をすっかり忘れてしまった。教えてくれないだろうか」

レナの表情が変わる。あの表情はまさか・・・

「放送を忘れちゃったうっかりやの圭一君かぁいいーーーー、おっ持ち帰りぃぃぃぃぃ」
「だあああああ、レナ待て!、今はそれ所じゃないだろうがああああ」

レナが緩みきった表情で思いっきりじゃれてくる。というか首が絞まってるって、ギブギブギブだから!

・・・レナに散々弄り倒されながらも、俺はなんとかレナを落ち着かせるという任務を成功させる。
省8
92: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:11 ID:kAm7og1W(5/18) AAS
「圭一君、どうしたの?」
「すまんレナ、放送の内容をすっかり忘れてしまった。教えてくれないだろうか」

レナの表情が変わる。あの表情はまさか・・・

「放送を忘れちゃったうっかりやの圭一君かぁいいーーーー、おっ持ち帰りぃぃぃぃぃ」
「だあああああ、レナ待て!、今はそれ所じゃないだろうがああああ」

レナが緩みきった表情で思いっきりじゃれてくる。というか首が絞まってるって、ギブギブギブだから!

・・・レナに散々弄り倒されながらも、俺はなんとかレナを落ち着かせるという任務を成功させる。
省8
93: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:11 ID:kAm7og1W(6/18) AAS
――俺は開いた口が塞がらなかった。タチの悪い冗談だろ?

タバコは咥えていないはずなのに、ポロっと落ちた気がした。

銭型のとっつあんに、五ェ衛門。あの殺しても死ななそうな二人が死んだって・・・・・・?
放送が嘘であることはあの変態仮面の性格からしてありえないだろう。
だが、ありえないはずの二人の死、これは一体どういうことだ・・・・・・。
不覚にもありえない二人の死から、そんな都合のいい考えをしてしまった自分が情けない。

涙は出ない、流さない、流せない。
省6
94: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:12 ID:kAm7og1W(7/18) AAS
「なあ、ソロモン」
「なんでしょうか?次元」
「予定変更だ、探し人が増えた。」
「どうしたんですか急に?・・・・・・ああ。」
「ま、そういうことだ。手の掛かる相棒が気になっちまってよ」

隣の男は変わることなく微笑を浮かべ、無表情な人形を抱っこし続けている。
本当に食えない男だが、少なくとも背中から刺されるといった事態にはならなそうだった。
省13
95: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:12 ID:kAm7og1W(8/18) AAS
「さて、じゃあ行きましょうか次元」
「おう」

この古びた高校の探索は既に済ませており、ここには誰も居ないことは確かめた。
探索の途中にソロモンが拡声器を拾っていったほかに、役に立ちそうなものはなかった。
拡声器もこの殺し合いで何に役立つのか疑問だが、ソロモンの奴があるに越したことは無い。
とかなんとかで持っていくことになったっけな・・・・・・。
そんな調子でギシギシと床のなるこの高校の階段を下りていると、ふいにソロモンの奴が声を出す。
省10
96: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:12 ID:kAm7og1W(9/18) AAS
私は圭一君と談笑しながら、目の前にそびえる古びた高校へと歩いている。
圭一君はまず人のいそうな施設に向かってみようと言い、私はそれに従うことにした。
人と接触することで情報を得るのは大事なことだ。今のところ私たちは今まで誰とも会っていない。
だからこそ情報を得る必要がある。そうでなければこの殺し合いでうまく立ち回ることは出来ない。
だが、もう一つ私は、先ほどはかぁいいモードで誤魔化した圭一君の言葉を反芻し続けていた。

「信頼しあえる、仲間」

そう、私にとっては隣の圭一君であり、魅ぃちゃん、沙都子ちゃん、梨花ちゃんのことである。
省15
97: Flying the Sky ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:13 ID:cGCfh01Z(6/6) AAS
>>82
すみません、コピペが終わったようなので早く投下しようと焦ってしまい、宣言を忘れてしまいました、ごめんなさい。
98: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:13 ID:kAm7og1W(10/18) AAS
銃を避けるために移動し、戦闘態勢に入るはずだった。
だが、私達が行動に移った段階で相手は沈黙し、圭一君はこの状況下でただ鉈を構えているだけだった。

戦意が無い?と思ったが早く、圭一君が大声で叫んだ。

「聞いてくれ!俺はこの糞ッ垂れな殺し合いには乗ってねえ、信じてくれ!」

すると二人と一つの人影がこちらに向かってくる。
だが髭男が銃から手を離していないところから見て、警戒はまだ解いていないらしい。
だからこそ私もいつでも踏み込んでナイフを差し込めるように警戒を解かない。
省11
99: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:13 ID:kAm7og1W(11/18) AAS
次元という男は手を出さない。私を警戒しているのかもしれない。
まあ、それは私の行動に少し問題があったことで、次元さんを攻める訳にはいかない。
圭一君と握手をしたソロモンという男は私にも手を伸ばす。

「よろしくお願いしますね、レナ」
「よろしくお願いします。」

私と握手するときは表情は微笑からよりにこやかな笑いに変化する。
それにつられる形で私は笑顔を浮かべ、握手することにした。
省12
100: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:13 ID:kAm7og1W(12/18) AAS
ソロモンさんが、蒼星石という人形について話し始めた。

「この子は私の支給品なんですが、これが蒼星石との契約の指輪です。」

そう言って指輪を見せる。やっぱり何かおかしい。違和感じゃない。

「この指輪を通じて私と蒼星石は心が通じ合っているんです。
 そして、蒼星石は彼女の姉妹である人形を探したいといっています。」

クールになれ、レナ。どこからおかしい、どこがおかしい?よく考えろ・・・・・・
省13
101: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:14 ID:kAm7og1W(13/18) AAS
相手に弁解の余地を与えない、そのまま続ける。

「レナはちゃーんと知ってるんだよ。名簿あったよね、名前が・・・」
「蒼星石、ってね!!!!」

私があの放送の内容をメモしているとき、名簿の中でひときわ難しい漢字が並んでいる下りが確かに存在した。
ちょっと読むのに苦労したが、あの中には蒼星石という名前が存在したはず。いや、存在している。
あの動揺こそが証拠である。
私は明確な証拠であるはずの、ここに居るならかならずあるはずのアレを確認する。
省15
102: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:14 ID:kAm7og1W(14/18) AAS
さっきまで馬鹿みたいに呆けてた圭一君が私達の前で盾になる。ああ・・・邪魔だ邪魔だ。
圭一君が私のほうに向き直る。

「レナ、俺は言った!信頼できる仲間を探そうって
 レナはソロモンさんを信用できないかもしれない。でも俺はちゃんと謝罪して説明してくれたソロモンさんは信用できるッ!
 この人は殺し合いなんてしない!俺がそれを保証するッ!!!
 だからレナは、俺のことだけでいいから信じてくれ!こんなことはもう止めてくれ!
 誰かを疑うのはもう沢山なんだよおおおおおおおッ!!!!!!!」
省15
103: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:15 ID:kAm7og1W(15/18) AAS
その後、信頼の証として支給品を含めた手の内を全て見せあうことにする。圭一君が支給品の食料を取り出す。
そういえばお腹がすかないかという圭一君の発言から、みんなで朝食を取ろうということになった。
そして私達は落ち着いて食事が出来る教室に移動し、談笑しながら食事を取る。
圭一君はまるで雛身沢に帰ってきたみたいに面白おかしく場を盛り上げて楽しく食事をしていた。
何も気が付いてない圭一君だけが

それから私達は今後のことについて話し合い、人が集まりそうな市街地に向かうことに決めた。
この辺りには人が居ないのは私たち自身の情報交換から明らかであり、私達5人の知り合いが向かいそうな施設。
省17
104: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:15 ID:kAm7og1W(16/18) AAS
真剣な表情を見せたソロモンはやり取りを終え、ヤレヤレと言った様子で歩き出す。
他にも言いたいことはあったが圭一君との約束の手前、あまり不振なやり取りは出来ない。
最後に残った次元さんにも声をかける。

「悪いな嬢ちゃん、自分も前を歩きたい気分じゃないんでな。」
「信頼できない、って言ってもいいんですよ。」
「そう言われると弱いなぁ・・・」

やり取りが終わり、私と次元さんは最後尾から互いの距離を開けて歩き出す。
省8
105
(1): Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:15 ID:kAm7og1W(17/18) AAS
音無小夜、ソロモンの最愛の人。ソロモンの表情からも容易に存在の重要性が分かる。
ソロモンが私達を騙そうとしたことの理由が、ようやく推理可能になる。
音無小夜を生かす為に邪魔な存在を騙し討ちで排除し、優勝する。自然な考えだ。
しかしこの考えでは、蒼星石の存在がキーとなっている。
ソロモンが蒼星石を騙しているのか?それとも蒼星石とは互いに守るべきものの為に協力している?
蒼星石との情報交換から考えるに後者の可能性が高い、
だが、いずれにしろ決定的なキーを得る機会は無い。今この状況下でこちらから動くことは難しいだろう。
省7
106
(2): Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:16 ID:kAm7og1W(18/18) AAS
状況の確認、行動方針の確認を私は終えた。
やはり、圭一君は甘い。この状況下がどれだけ危機的か分かっていない。
情報交換をして分かったことから、私達のような普通の中学生では漫画の世界に出てくるようなやつらにはかなわない。
圭一君がべらべら喋ってしまったから、もうハッタリなんて使えるわけが無い。
ソロモンが嘘を付いているかもしれないが、他に違和感は無かった。
完全に信頼できるわけじゃないが、あの青狸の存在からして、普通では及ばないような存在が居ることは間違いない。
それを考慮に入れれば、ソロモンは強力な力を持ち、もしかしたら私達が束になってもかなわないかもしれない。
省9
107: 2007/09/25(火)04:23 ID:6sUjt+sz(1) AAS

108: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:12 ID:lj2yLf7+(1/13) AAS
「……ミス・ヴァリエール! ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」

 教員の怒鳴り声に刺激され、ルイズは机に突っ伏していたその身をがばっと引き起こした。
 涎の垂れた口元を拭おうともせず、ぼやけた頭を振って周囲の光景を確認する。
 そこは、無数の椅子や机と黒板の置かれた教室内。タバサやキュルケ、ギーシュやモンモランシーといった級友の姿が窺える。
 ……どうやら、こともあろうに授業中に居眠りをしてしまったらしい。
 恥ずかしさに口を噤みながら、ルイズはクラスメイトたちの笑い声を浴びせられて顔を赤面させる。
 その笑いの渦中に、やたらと聞き慣れた男の声が混じっていた。
省19
109: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:13 ID:lj2yLf7+(2/13) AAS
 茹蛸みたいに顔を火照らせて、ルイズは少年の耳を力いっぱい引っ張った。
 ……何故だろう。この少年の前に立つといつもこうだ。
 言いたいことが言えなくて、発言を失敗するたびに胸が締め付けられるように苦しくなる。
 病のようで怪我のようで、そのどちらでもなくて。
 ルイズは純真な瞳に笑う少年の素顔を映し、正体の掴めぬ感情に胸を焦がすのだった。

「……ったく、こんなガサツで乱暴な性格だから、みんなに『ゼロのルイズ』なんて呼ばれるんだよ。少しはシエスタとかを見習えよな」
「そ、それは昔の話じゃない! っていうかなんでそこでシエスタの名前が出てくるのよ!」
省13
110: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:13 ID:lj2yLf7+(3/13) AAS
 今宵の城は、漆黒ではなく真紅に染め上がることだろう。
 爆砕か、炎上か、血染か、それとも――真紅を超越した『虚無』か。

「我が名はルイズ! ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール!」

 杖である戦鎚を振り、唱える。

「宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ!」

 サモンサーヴァントだけは自信があった。
省13
111: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:13 ID:lj2yLf7+(4/13) AAS
 放送は既に、ルイズの耳には入っていなかった。
 ギガゾンビの声を掻き消すほどの音も原因の一つだが、ルイズにはもはや、誰が死のうがどこが禁止エリアになろうがどうでも良かったのだ。
 ホテルを壊して、目に入った人間は殺して、グリフィスの下へ、才人と一緒に帰る。
 それだけ。たったそれだけで、才人は帰ってくる。
 誰にも邪魔はさせない。朝倉涼子も問題じゃない。
 才人と一緒にいれば、なんだって出来る。
 だって才人は、ルイズが召喚した世界でたった一人の平民の使い魔だから。
省21
112: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:14 ID:lj2yLf7+(5/13) AAS
 ――そこにはいないはずの才人と交わす、二度目のファーストキス。
 突き出した唇は空を捉え、ただ唯一といえる彼の象徴は、何も返してはくれなかった。
 今は、まだ。
 でも、これが終われば、きっと。
 グラーフアイゼンを頭上高く振り上げ、彼女の内に眠る潜在魔力を解放させる。
 生み出された特大の鉄球の数は、一発。その一発に、ルイズの魔法の特性である『虚無』の力を加える。

「これが、決まれば!」
省26
113: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:14 ID:lj2yLf7+(6/13) AAS
「どうしてホテルを破壊しようとするの? それに、なんであなたがヴィータちゃんのグラーフアイゼンを……」
「……キュルケにシエスタに、アンリエッタにタバサ……こっちに来てからは朝倉涼子! みんな、みんな才人と私の邪魔をする!」

 慟哭を鳴らし、ルイズが雄叫びを上げた。
 子供とも女とも思えない、獣性を帯びた咆哮はなのはを唖然とさせ、身を引き締めさせた。
 同時に、虚無の力を更に行使する。
 グラーフアイゼンにこれでもかというくらい魔力を込め、その形状を変えていった。
 ハンマーヘッドの片方に推進剤噴射口が現れ、もう片方にはスパイクが取り付けられる。
省37
114: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:15 ID:lj2yLf7+(7/13) AAS
 がむしゃらに振り回され続けてきたグラーフアイゼンが不意に軌道を変え、なのはの顎下を狙ってきた。
 バルディッシュの間合いを縫うように潜り込まれた一撃は、バリアジャケットに包まれていない頭部を掠めようとしている。
 反射的に身を引いてそれを回避するが、そこからさらなる隙が生まれてしまった。
 横合いから、真っ直ぐな軌道で振るわれるグラーフアイゼン。
 バルディッシュのか細い柄がそれを防ぐが、発生した衝撃はなのはの小柄な身体を容易く吹き飛ばした。
 流星のように煌びやかに、暗闇を帯びてきた市街地へとなのはが落下する。
 受身として即席の防御魔法を展開するが、それでも落下の勢いを減少させるほどの効果しかなく、音を立ててビルの壁へと衝突した。
省40
115: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:15 ID:lj2yLf7+(8/13) AAS
 破壊神が通り過ぎた跡は、それはそれは無残なものだった。
 八階建てという、高く堅牢な誇りを掲げていたホテルという名の巨城は面影もなく崩れ落ち、今や元の半分、四階フロアまでを残すのみとなっていた。
 五階から上は既に残骸として地に落ち、周囲に散らばっている。
 ガッツや野原みさえがホームとしていた三階フロアも、上の階層から雪崩れ落ちてくる天井やら何やらによって、凄惨な有様となっていた。
 壁に穴が空いているのも別段珍しくはなく、中からでも日の落ちた世界が一望できる。
 崩れゆく鳴動は止まった。だが、これで崩壊が終わったとはとても思えない。
 三階フロアの天井は現在進行形でパラパラと崩れ落ち、なおも残骸の数を増していっている。
省20
116: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:15 ID:lj2yLf7+(9/13) AAS
 翠星石の言葉で、みさえはようやく思い出す。
 あれはたしか六時丁度、ギガゾンビの声がしたと思った瞬間の出来事だった。
 凄まじい怒号と地震のような波に襲われ、すぐに天井が崩壊してきたのだ。
 おかげでみさえも翠星石も、放送での死者や禁止エリアの情報を聞き逃してしまった。
 しんのすけは無事なのだろうか、蒼星石は無事なのだろうか、考える暇もなく、自分の命を拾うことに精力を注がなくてはならない状況に陥る。
 結果として、二人はホテルの倒壊にあっても即死は免れた。その際翠星石は意識を回復させ、同時に強奪された銃も奪還することに成功したのだ。
 みさえは微かに振り向き、翠星石のやや後方に目を向ける。
省26
117: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:17 ID:lj2yLf7+(10/13) AAS
 獰猛な獣のように声を漏らし、現状が把握できていないのであろうキャスカは、混乱気味にみさえと翠星石を襲った。
 グリフィス以外は敵。これはキャスカが定めたルールのようなものであり、目に付く人間、殺せるチャンスがあれば、深く考えずに襲えという本能からくるものだった。
 女と人形のように小さな子供……戦力的に見てもなんら問題ない。右足は骨折により使い物にならなくなっていたが、腕さえ動けば十分に殺せる。
 キャスカはエクスカリバーの柄を握る力を強め、片足で跳躍してみさえに飛びかかった。
 巻き起こる剣風は、みさえのような平凡な主婦には到底回避し切れぬ代物だったが、キャスカが満身創痍なこともあってこれは難なく回避する。

「ねぇ、ちょっと落ち着いてよ! おち……落ち着きなさいってば、ねえ!」

 攻撃を回避しつつキャスカを宥めようとするみさえだったが、混乱の度合いが強いのか、彼女は剣を収めようとしない。
省36
118: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:17 ID:lj2yLf7+(11/13) AAS
 見た目にそぐわぬ豪快さもまた、女性のステータスの一部。ゲインはそう捉えていた。
 だがその力を自分のため『のみ』に使うとあっては、とても褒められたものではない。
 血気盛んなレディは嫌いではないが、少々痛い目を見てもらう必要がありそうだ……ゲインは疼く脇腹を押さえ、キャスカの剣とバットを交わした。

(自分の命に、興味などはない……。私は決めたんだ。グリフィスを優勝させ、鷹の団を再興する)

 囁くように発した言葉は、ゲインの耳には届いていなかっただろう。
 ゲインは思い違いをしている。キャスカは決して自分が生き残りたいがために戦っているのではなく、ただ一人、敬愛した男の無事を祈り剣を振るっているだけなのだ。

(グリフィス……ジュドー……ピピン……リッケルト……コルカス)
省21
119: 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:18 ID:lj2yLf7+(12/13) AAS
【D-5/ホテル3階(倒壊寸前)/1日目/夜】
【キャスカ@ベルセルク】
[状態]:左脚複雑骨折+裂傷(一応処置済み)、魔力(=体力?)消費甚大
   :疲労大、全身各所に軽傷(擦り傷・打撲)、軽い混乱症状
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night
[道具]:なし
[思考・状況]
省28
120
(2): 「ゼロのルイズ」(前編) ◆K1z/mB9tDA 2007/09/25(火)06:18 ID:lj2yLf7+(13/13) AAS
【翠星石@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:全身に軽度の打ち身(左肩は若干強い打ち身)、頭が痛い、全身各所に擦り傷
   :服の一部がジュンの血で汚れている、左肩の服の一部が破れている、人間不信
[装備]:FNブローニングM1910(弾:4/6+1)@ルパン三世
[道具]:無し
[思考・状況]
1:あんなバカな人間共は放っておいて、さっさとここから逃げるです!
省21
121: 2007/09/25(火)10:20 ID:Dh3mOZFV(1) AAS
カルラなんて死んでいいよ
122: 2007/09/25(火)12:56 ID:dx3Vo96h(1) AAS
ローゼン勢頑張ってるな
123: 2007/09/25(火)13:30 ID:wmkDHabD(1) AAS
他のひぐらし勢も頑張れ
124: 2007/09/25(火)13:45 ID:IIm9byVK(1) AAS
マーダー化した梨花ちゃまとこなたの勝負希望上げ
125: ◆kILBiSHoqM 2007/09/25(火)13:55 ID:VixlqIYP(1/4) AAS
マタタビ投下します
126: マタタビの欲求!! ◆kILBiSHoqM 2007/09/25(火)13:57 ID:VixlqIYP(2/4) AAS
H−6の山の中、何かが飛んでいた。
それは銀色に輝く流線型のフォルム。
スズキ目 アジ科 ブリ属の魚、そうブリが空を飛んでいた。
無論ただのブリが空を飛ぶわけがない。
詳しい原理は不明だがラジコンで操作可能な機械でできた空を飛ぶメカブリだった。
ただし別に空を飛ぶ以外に別の機能はなく本来ならハズレ支給品であった。
だが人によってはハズレだった物が他の者にとっては当りになることがある。
省5
127: マタタビの欲求!! ◆kILBiSHoqM 2007/09/25(火)13:58 ID:VixlqIYP(3/4) AAS
マタタビはこのバトルロワイアルに参加する気は欠片もなかった。
もともとかなりのものぐさであり生涯のライバル兼悪友であるクロ曰く「世界一快楽に溺れやすい猫」と言わしめたほどであったため『やりたいヤツがやってればいい』と思っており
殺し合いはキッド以外とはする気もなかった
余程のことがない限り、通りすがりの猫で済まそうと考えていた

そんなことをメカブリに乗りながら考えていると暗闇の中に建物が見えた。
H−6の温泉施設だった。
この猫とりあえず一っ風呂浴びようとしている。なんて猫だ。
省11
128
(1): マタタビの欲求!! ◆kILBiSHoqM 2007/09/25(火)14:02 ID:VixlqIYP(4/4) AAS
【H-6 温泉 1日目 深夜】
【マタタビ@サイボーグクロちゃん】

[状態]:良好
[装備]:大工道具一式@サイボーグクロちゃん、マタタビのマント@サイボーグクロちゃん
[道具]:デイバッグと支給品一式、メカブリ@金色のガッシュベル!!(バッテリー残り95%)
[思考]:
1、この建物を直す。
省15
129: 2007/09/25(火)14:32 ID:PNeurLyW(1) AAS

130: 2007/09/25(火)14:48 ID:4NWZqz8Q(1) AAS
>>105
レナ…
131: 2007/09/25(火)18:42 ID:V891c6QL(1) AAS
ここまで感想

>>46 まで
>明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕

大変面白く読ませていただきましたが
ちょっと・・・が多いような気がします。

>>53 まで
>少女の幸運と少女の不幸
省18
132: 2007/09/25(火)18:48 ID:IZfrm5bC(1) AAS
>>52 >>77 >>106 >>120
…?
133: 2007/09/25(火)19:04 ID:5WQVgOh3(1) AAS
 
134: 2007/09/25(火)20:00 ID:FP6gfCs0(1) AAS
一応忠告。

ここはスレタイどおり【アニメキャラ・バトルロワイアル2nd】の作品投下スレです。
ただしロワ企画を目の敵にしている荒らしによって【アニメキャラ・バトルロワイアル(1st)】の作品がコピペされています。
1st企画に興味をお持ちの方は
外部リンク:www23.atwiki.jp
2nd企画に興味をお持ちの方は>>1からのテンプレをご覧ください。

なお荒らしは反応すると増長しますので、
省2
135: 2007/09/25(火)20:18 ID:d39ScRvS(1/2) AAS
違うだろ?
1-
あと 459 レスあります
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ぬこの手 ぬこTOP 0.039s