[過去ログ] かめはめは【バキスレッドRound151】 (65レス)
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56: 03/07/15 21:36 ID:5RVJUFEW(5/10) AAS
声が続けて聞いてきた。
「ここには、電話があるか?」
(なに?電話?)
奇妙な問いかけに、親父はとまどった。。
携帯電話など無い時代のこと、こんな山中に電話などあるはずがない。
間の抜けたその言葉に、親父は少し気を緩めた。
「そんなもの、あるはずないだろう。」
「そうか。」
不意に背後から気配が消えた。時間をおいて怖々振り向いてみると、やはり誰も居ない。
鬱蒼とした林が静まりかえっているばかりだった。
親父は、さっきの出来事を振り返ると同時に、改めて恐怖がぶり返して来るのを感じた。
恐ろしくて仕方が無かったが、火の側を離れる訳にはいかない。
念仏を唱えながら火の番を続けるうちに、ようやく東の空が白んできた。
あたりの様子が判るくらいに明るくなった頃、
祖父(親父の父親)が、二人分の弁当を持って山に上がってきた。
「どうだ?」
「いや、昨日の夕方から焼いてるんだが、釜の中へ火が入らないんだ。」
親父は昨夜の怪異については口にしなかった。
「どれ、俺が見てやる。」祖父は釜の裏に回って、煙突の煙に手をかざして言った。
「そろそろ温くなっとる。」そのまま、温度を見ようと、 釜の上に手をついた。
「ここはまだ冷たいな・・」そう言いながら、炭釜の天井部分に乗り上がった・・・
ボゴッ
鈍い音がして、釜の天井が崩れ、祖父が炭釜の中に転落した。
親父は慌てて祖父を助けようとしたが、足場の悪さと、立ちこめる煙と灰が邪魔をする。
親父は、火傷を負いながらも、祖父を救うべく釜の上に足をかけた。
釜の中は地獄の業火のように真っ赤だった。火はとっくに釜の中まで回っていたのだ。
悪戦苦闘の末、ようやく祖父の体を引きずり出した頃には、
顔や胸のあたりまでがグチャグチャに焼けただれて、すでに息は無かった。
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