【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】 (1002レス)
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(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/25(木)19:05 ID:W2213yFJ0(1/6) AAS
>>100

【――――腥いにおいがする。腥いにおいがする。腥いにおいがする。腥いにおいがする】

【たとえば牛、豚、鳥、なんでもいいけれど、ぎっしりと肉の入った――それもあまり新鮮でなくて】
【赤い液のしたたりが底にたまっているタイプのパック、そのラップを開いた瞬間のようなにおいが、きっと】
【あなたを、襲って――――。……異常を察知してそのまま逃げるのならば、それで平和に終わるのだけど】

【そうでないのなら。においの源を探して足を進めてしまうなら――行き着く先は袋小路だ】
【人影がある。立っているのがひとり、地面に頽れているのがひとり。ここまで書けば、もう、わかるのだろう】
【言うまでもなく周囲の地面には、赤い水面が広がっている。どこかから入り込んできた光がぎらり、】
【なにかに当たって反射される――刃だ。立っているほうがそれを持っている(あたりまえだが)、そして】

――――――――――ア、見られちゃったア!
省14
102
(1): [sage saga] 2019/04/25(木)19:33 ID:eglF3Egj0(2/7) AAS
>>101

【――はてさて。まず最初に述べるならば、女はまごうことなき変人である】
【先に言ってしまえば、この路地に迷い込んだ理由も"幽霊を探しに来た"という訳のわからないものなのであった】
【人並みの良識を持ち合わせているなんてお世辞にも言えない。――しかし、ただひとつだけ、】

 …………これはまた、参ったね。
 荒事ぐらいは想定のうちだったんだけどな。
 

【予想の百倍ぐらいひどい、なんて。異臭を察知してなんの迷いもなく突き進んだその先で、女は思わず自嘲する】
【血だまりに転がるかつてヒトだったものを前に――やや顔を顰めはするも、悲鳴を上げることも逃げ出すこともせず】
省10
103
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/25(木)19:52 ID:W2213yFJ0(2/6) AAS
>>102

【彼女が刀に手を添えたのを見るなら、わあ、と歓声を上げるのだろう。疲れただなんてきっと嘘だった】
【そうして、女は――完全にそちらへ身を向けるのだろう。両手にひとつずつ曲刀を握っていて】
【ほとんど裸みたいな身体、白い肌には言い訳のしようもないくらいにべっとりと返り血がついていた】

【そして、】

? なんで殺したかってそんなに重要かナア? まあ、いいけどお……
ギンちゃんね、あっあたしギンコって言うの、だからギンちゃん――娼婦やってンだよネ。
そんでこの人が今日の「お客さん」だったからあ、

【「だからだよ」。 ――――、――、】
省9
104
(1): [sage saga] 2019/04/25(木)20:17 ID:eglF3Egj0(3/7) AAS
>>103

 ……そっか。「だから」か。
 うん。納得した。

【その、あまりにも子供じみて――。まるで、殺すための理由なんかなくて、殺したあとに勝手に理由がくっついて来たみたいなそれを】
【女は一度頷いて、あまりにもあっさりと受け入れるのだった。微笑を浮かべたまま半身を引き、鞘を握り込んで】

 ギンコちゃんか。可愛い名前だね。
 わたしの名前はイスト。職業は……自称になるけど"蒐集家"だよ。
 こういう怪しい場所を探検して、隠れている"怪異"を探すのが趣味なんだ。

【実を言えば。この子とは相容れないのだという、そのどうしようもない実感は、既に女のなかで事実となり始めていたのだけども】
【――決して表情は変えなかった。あまつさえ、そのへんの子供にでも自慢するみたいに、「かっこいいでしょ?」とウィンクをひとつ】
省11
105
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/25(木)20:32 ID:W2213yFJ0(3/6) AAS
>>104

イストさんって言うんだネエ。しゅーしゅーか? ……コレクターってことかナア。
うふふ、変なのお、ユーレイなんてどうやって集めるのお? ハコとかに入れとけるの?

【「まあそれはどうでもいいけどネ」、】

イストさんはこーいうトコあんまり来たコトないのかナ? じゃあひとつ教えといてアゲル。
たぶんネエ、ユーレイってもうちょっとお上品なトコにいるんだと思う――だってさ、

自分の死体見つめ続けるのってきっと悲しいコトじゃない。こんなトコ、ユーレイだって居たくないよ――
省12
106
(1): [sage saga] 2019/04/25(木)21:06 ID:eglF3Egj0(4/7) AAS
>>105

 ご忠告ありがとう、"ギンちゃん"。……ふふ、かわいいからこっちで呼ばせてもらおうかな。
 わたしが蒐めるのは怪異そのものじゃなく、それが生み出す物語……"怪異譚"の方なんだ。ああ、ちょっと難しいかな?

【顔も知らない誰かの死に、本気で涙を流せるほどに善くはなく。本気で怒りを覚えるには、少しばかり博愛が過ぎる】
【ギンコを恨み切ることも、動かない死体を悼み切ることもなく、ただただ、この物語を"蒐める"ことをいま決めた】
【せめて、そのヒトが"ここで死んだ"という物語だけは、この手に収めて持ち帰る。……たとえ、ギンコを殺しても】
【これがイストの性格であり、習性だ。そしてその悲しげな表情のまま、平気で刀を振るえるのもまた――】

あぁ――――重っもいな!?

【ガギギ、と。白く光る銀と赤く光る銀とが、その軌跡の交錯点で火花と共に停止した。受け止められる、そこまでは想定内】
【だが、三つの刃が拮抗していたのはほんの一瞬であって。――イストは「そうではない」側の存在なのだった】
省14
107
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/25(木)21:22 ID:W2213yFJ0(4/6) AAS
>>106

うんっ、難しーい! だからもっとシンプルに行こーヨ、――イストさんの首を刎ねられたらギンちゃんの勝ち、
イストさんがギンちゃんの物語を持って帰れたら――イストさんの勝ち! あっはは、負けないぞー、お……

【離れる距離を詰めるためにギンコも駆ける――蹴りつけた地面に小さな小さなクレーター、のような罅割れ】
【そこまで観察できるのであれば、こと「脚力」に至っては殊更に異常であることを伝えるのだろう】
【そのままの勢いで愚直に突っ込もうとする。しかし――発光、異能の気配を察知するならば】
【急停止。すればまた踏み締める地面に罅が入り、笑うのをやめて――蔓を真っ向から睨みつけるのだろう】

ああっははハ――――おっきくて、ふっとぉい、こんなの受けたらひとたまりもないネエ!

【だけどそれも一瞬のこと。可笑しくて仕方ないみたいに笑う、そうしたらまた地を蹴りつけて――罅が一層細かくなる】
【ギンコは跳んだ。真上に、そして――轟とうなる風切り音を伴って伸びる蔓の上に、着地しようとするだろう】
省7
108
(1): [sage saga] 2019/04/25(木)21:57 ID:eglF3Egj0(5/7) AAS
>>107

 ああ、そうさせてもらうとしよう。
 ……喋りすぎるのはわたしの悪い癖でね。ここからは、こっちで語り合うとしようか……!

【跳ねるギンコの声を受け止めたなら、にまりと笑ってそう返す。彼女の言う通り、シンプルに戦闘用の思考だけが頭を支配して】
【然らばここまでのやり取りで、その怪力の――恐ろしき"脚力"の怪異にこの蒐集家が気づかないわけもなかった】
【距離を取れたはいいけれど、あの調子では一瞬で詰められる。さてどうしたものか、暢気に考えていたその矢先に、】

 ――――うわ!?
 くっ、思ったより器用なことをするなあ……!
 

【ひゅう、と思わず口笛が衝いて出た。冷や汗も一緒にだ。蔓を踏み台に走ってくるギンコに抱く感情は、心の底からの驚嘆と恐怖】
省16
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(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/25(木)22:25 ID:W2213yFJ0(5/6) AAS
>>108

【刃が空ぶることは想定内。だから涼しい顔して右手でぱしりとキャッチする、の、だが】
【――続く事象までは読めていなかった。見開かれるすみれ色、宙に投げ出される身体】
【まずいと思った瞬間にはもう捉えられていた。その瞬間にはもう、イストの刃が、届かんとするのだから】

――――――――――≪パーティ≫!!

【なれば此方も出し惜しみナシ、ということ。ギンコもまた異能を行使する――単純な術だった】
【目の届く範囲に、そう大きくはない障壁を生み出す。それだけのこと、しかも強度もそれほどではなく】
【突きを受ければばりんと音を立てて破片を撒き散らすのだろう、それ自体にさしたる殺傷能力はないけれど】

【そうして役目を終えた/終えさせられた障壁は、けれど立派に働いたのだろう。突きの衝撃を幾らか殺して】
【蔓を引き千切るだけの余裕を作り、しかし逃げ果せるには叶わず――貫かれるまでは行かずとも】
省9
110
(1): [sage saga] 2019/04/25(木)22:51 ID:eglF3Egj0(6/7) AAS
>>109

【渾身の銀閃が煌いて、――結果的には彼女に血を流させることには成功した】
【しかしイストの意識は既にそこにはない。掌に残る硝子を砕いたような手応え、眼の前で展開されたそれを、】

 障壁の展開、か。なるほど、これがキミの異能というわけだね。
 興味深い……ふふ、楽しくなってきた!

【思わず、真っ先に楽しんでしまうのが、この女の性だった。砕ける障壁のその一欠片すら"蒐集"せんと、しかとその光景を見届け】
【そうしたならばようやく、ギンコに意識を向けた。反撃が来るかと思いきや後方へ退かんとするその矮躯を、熱に浮かされた瞳が追う】
【夜天に揺れる銀の髪に、月の兎を幻視した。愛らしくも美しくもあり、――油断すれば狩り殺される。その殺気を感じ取って、】

【――ならば輝く月輪ごと、わたしはキミを撃ち墜とす。瞬時に、そう考えた】
省8
111
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/25(木)23:09 ID:W2213yFJ0(6/6) AAS
>>110

【あなたが楽しいならわたしも楽しい。そうとでも言いたげに、ギラつく笑顔が顔に固定され】
【空に月でも浮かんでいればよかったのに。そうすればそれを背負って、もっと美しく/狂おしくなれたのに】
【いずれにせよギンコと言う女は、楽しむのだろう。命の遣り取り、一方的に奪うのとはまた別の感触】

あっははははァ――――器用だネエイストさん、でもそれじゃダァメ。

【「あたしを撃ち落としたいんなら、もっと速くないと」 ――――転瞬。またもや障壁が展開される、】
【しかしそれは間違いなく防御のためにされたものではないと、わかる。だって射線上に作られていない】
【二枚、三枚。それはギンコの落ちゆく先、落下の軌道上に作られて――――「ばりん」!】

【砕ける音。それはギンコが踏み締めた衝撃で割れてしまった障壁の悲鳴。であるなら、】
【この瞬間、これらの障壁は彼女の「足場」となるために作られたものであったことを明かす。「ばりん!」】
省9
112
(1): [sage saga] 2019/04/25(木)23:45 ID:eglF3Egj0(7/7) AAS
>>111

【最初の感想は――しまった、とか、やばい、とかそういうものではなく。そういう使い方もあるのね、と。感心の方が強いのが、この女らしかった】
【障壁を足場に兎が跳ねる。空を駆けた一矢は容易くかわされた。間髪入れず、必殺の一撃が首筋に迫る。その、致命の瞬間に――】

 はぁ……。
 いや参ったよ。ギンちゃん、キミ強いなあ。

【――――そう、実を云うならば】
【それをすべて、イストは想定していた。足場にしたのは予想外だったが、障壁で防がれて失敗するぐらいのことは考えていた】
【蒐集家などと容易く自称はするが、それは即ち、ギンコのような凄まじい脅威とも数多くやり合ってきた――そういうことに他ならず】
【ひどく、戦い慣れている。格上に打ちのめされることに慣れている。なればこそ、この女のやることは、常に徹底していた】
【手札を隠し、最後の最後で背後から騙し討つ。――まさに今が、その時だった】
省17
113
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/04/26(金)00:04 ID:wiB1p+cK0(1) AAS
>>112

――――――――――え、

【食い込んだ刃のそれ以上動けないさまを、手に伝わる感触で察知した。すれば引っこ抜くしかないのだが】
【それにはまあ時間がかかる。であれば余裕もなくなる――前しか見ていない。そも余裕があったとしても、】
【後ろを振り向けるかはわかりはしなかった。そんなものはイフの話。現実には起こり得ないなら、意味はない】

【だから対応できたのは居合だけだった。「≪パーティ≫、」焦ったような声音で障壁を眼前に作り】
【さらにその向こうに戻ってきた刃で受け止める構え、――――「ばりん」。破砕の音が、鳴ったなら】
【障壁の残滓と散らばる破片に赤色が撒き散らされるのであろう。背後からおなかの辺りを突き刺されて】
【かふ、と息を零した。その中にも血が混じっていた。居合を受け止めた刃から、力が抜けてゆく】

【――そのまま膝を突くのだろう、かと、思われた。けれどギンコはそうしなかった、虚ろな手つきで背後を探り】
省12
114: [sage saga] 2019/04/26(金)00:25 ID:CcwABreg0(1) AAS
>>113

【掌に感じるのは、障壁を断ち刃と刃が弾けるその手応えだけ。首元に走る激痛に耐えながら、ただ策が成るその時を待ち】
【――その、結果として。イストは賭けに勝った。獣を貫く自らの眷属の姿を見やり、しかし最後までギンコから目を離すことはなく】
【やはり、とそう思ったのが正直なところだ。……この程度で蒐めきれる"怪異"ではない。これまでの手合わせで、それをひしひしと感じていた】

 そうだね。……今日のところは、わたしの勝ちにしておこう。
 キミの行いは許せないけれど――でも今宵の物語は、とても良いものになったよ。

 さようなら、ギンちゃん。うん、経緯はどうあれ、わたしはキミに逢えてよかったと思ってる。
 ――キミをこの手に納める日を、楽しみにしているね。

【継戦不能を察知するや素早く駆け上っていく彼女の姿を、しかしイストは追わない。弓で狙うこともしなかった】
【"石化"が解ければ――首元から少なくない量の血が吹き出す。即死するレベルではないが、すぐに処置しないと病院に付く前に倒れそうだったから】
省8
115: 2019/04/29(月)19:19 ID:w5okkF+10(1) AAS
【酒場】

【ここが何処の国でどんな雰囲気の店かはあなたに任せよう】
【天気も、時間も。星座占いの順位も任せよう】
【ただ、其処にふらっと来た男にBGMだけは任せさせてほしい】

【それとこの男を狙った刺客が約30分後にやってくることは運命づけられている】

【背の高い痩せた男だった。ボサボサの白髪であごひげをはやしていた】
【サングラスを掛けていてわかりにくいが、年は相応、50かもう少しといったところだろうか】
【ジャケットスタイルだがTシャツで、ブーツは編み上げ10ホールで脱ぐのがめんどくさそうだった】
【細身のジーンズの裾を捲って、開いているところに勝手に座るだろう】

来たのは20年ぶりだ
省4
116
(1): ◆zlCN2ONzFo 2019/04/30(火)22:38 ID:zO20mpyW0(1/2) AAS
【それは、今より遡る事二月以上前になる】
【能動的3分間と呼ばれた、かの櫻州軍港での大戦闘】
【人類有史においては、実にどれほど振りとなるかも解らない、国家間戦闘】
【その幕開けとなったかの戦いの、その前の話】
【この日、天之原将軍家居城より、会談を終えた櫻国三勢力】
【魔導海軍、連合艦隊司令長官蘆屋道賢は、ヨシビ商会社長秘書、馬酔木善弥をその場所へと内密に呼び出していた】

――天之原港、特務艦『橋立』――

「わざわざのお越し、痛み入ります善弥殿」

【少女がその係留された船の、その階段を昇り甲板へと立てば、そこには先ほども居城にて対面した道賢が待っているのだろう】
【軍艦でありながら、武装を持たない、賓客接待用の白い艦】
省11
117
(1): ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga] 2019/04/30(火)23:29 ID:gy5jaS5X0(1) AAS
>>116

【天ノ原港・特務艦『橋立』】
【その甲板に降り立ったのは二十歳にもならぬ年頃の少女】

【祖父と居城を出た後に態々着替えて来たのだろうか?その肢体は緋色を基調とした着物に包まれていて】
【礼の言葉を述べられれば少女は少しばかりやつれ気味のその顔に可憐な笑みを乗せる】

いえ、此方こそこのような素敵な場所に御誘いいただいて光栄です
その上貴方自ら案内していただけるなんて!

【心からの言葉、なのだろう。その歩みはどこか浮き足立っているようで】
【きらびやかな内装の船内を物珍しげに見渡しながらも進む姿は腹に何かを抱えた悪女、というよりはごく普通の、その辺りに居てもおかしくない町娘といった様子】
省4
118
(1): ◆zlCN2ONzFo 2019/04/30(火)23:48 ID:zO20mpyW0(2/2) AAS
>>117

「さあ此方に、善弥殿……」
「我々海軍士官は、軍服を着た外交官とも呼ばれております故、此の様な特別な艦も運用しているのです」
「ふむ、良い色合いだ、善弥殿はやはり着物は此方の方が良くお似合いです」

【ゆったりと余裕を見せて、善弥を案内する】
【何処か浮かれ気味の少女の様子を、微笑ましげに、そして幾分も優しげな表情でエスコートして行く】
【船内はその照明に至るまで上品な物が選ばれ、やはり軍艦と言う部分を感じる事は無いだろう】
【さながら、洋上のホテルとも言える】
【やがて広間の、これもまた丹念な装飾に彩られ、クロスが掛けられたテーブルと椅子、そこに善弥を座らせれば】
【その対面に道賢が座して】
省6
119
(1): ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga] 2019/05/01(水)00:38 ID:ln19Vs4k0(1/3) AAS
>>118

【道賢の言葉に感嘆の息を吐きながら辺りを見回す善弥】
【着物の事を誉められればその頬は薄桃色に染まって。何かしらの気のきいた返しでもしなければとは思えど言葉にならない声が幾つも発せられるばかり】
【社長秘書だなどと大人ぶってはいてもやはり本物の大人の余裕には勝てないのだろう】
【しまいにはごくごく小さな声で、ありがとうございます、とだけ返して】
【その後は豪華絢爛といった様子の内装を見る方に気をやる事にしたようで】
【時折「これ本当に戦艦なんですかね……」「豪華客船というやつでは……」などと感嘆の声をあげつつも広間へと通される】

【そうして着いた席。並べられた前菜とシャンパンに目を向ければその表情は一瞬輝いてしまうが、すぐにハッとなって真面目くさった表情に戻って】
【緊張の面持ち。そんな彼女の緊張を見透かしたような相手の優しげな一言に、緑青の瞳をぱちりと瞬かせ】
省7
120
(1): ◆zlCN2ONzFo 2019/05/01(水)01:04 ID:xwsLot5U0(1/2) AAS
>>119

【やはり、とも言えるのだろう、この暗躍と謀略の中においても年頃の娘の様な部分が出ている善弥だった】
【それを、道賢はただ優しげに、時に愛おしげに見つめて】

「ほほう、なるほど、流石は善弥殿だ……部隊の運用も差配も手の内と言う訳ですな、素晴らしい」
「……なるほど」
「つまり、闇狗部隊とは、そもそもまともな人間ではない、と?」
「なかなかに、苦労と研鑽の後造り上げられたのですね、闇狗は……」

【少々この問いは悪戯っぽく、そう答える様に問いかけた】
【先ほどからの少女の言を、考えてみるにそう言う事なのだろう、と当たりを付けて】
【人工生命か、あるいは自身も使役する式神の類か、はたまた……】
省7
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