【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】 (1002レス)
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1: ◆S6ROLCWdjI 2019/03/23(土)09:15 ID:mHCNoPnp0(1/10) AAS
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
省37
2: 以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします 2019/03/23(土)09:52 ID:qjuKmnzw0(1) AAS
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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省24
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(1): ◆S6ROLCWdjI 2019/03/23(土)13:40 ID:mHCNoPnp0(2/10) AAS
【街中】
【そいつは今日も買い出しに出かけていた。向かう先はスーパー。今日も今日とて料理の練習をしたくって】
【無数にブックマークしてあるレシピサイト。はたまたSNSのお料理アカウント、見ながら何を作ろうか】
【鼻歌交じり、呑気に考えているだけだった。だけだった、はず、なのに】

………………あれっ?

【スマホの液晶を撫でる指先がふと凍りつく。フォローしているお料理アカウントのひとつ、ホームを覗いて】
【目が釘付けになる――料理のりの字もないよくわからないリツイート。じっと見つめるのなら】
【そこからハッシュタグに飛んで、さらにまとめサイトにまで飛んで――歩む足取りが完全に止まる】

【黒いオーバーサイズのスウェットを、ワンピースみたいに着ている少女。目立つ赤髪。スマホを見つめる視線も同色】
【すっかり暖かくなったからタイツの類は履かないで――生足の先に靴下と、これもまた真っ赤な厚底靴】
省10
4: ??????◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)14:18 ID:QhqfSCns0(1/9) AAS
【――――国を越えての情報の伝達は、ネットワークが発達した今の時代、それこそノータイムで成立するもので】
【『コト』が起きてからさほどに間を置かず、『彼ら』は自分たちが、知らぬ間に危うい立ち位置にいる事を、知らされる事になる】

【――――風の国 『導人会』出張所】

――――ジャファー、ジャファー聞いたか!?
「声がでかいぞガゼル……言われずとも、こっちにも報告は届いたって……」

【現在、風の国にて急速に、知名度と支持とを伸ばしている、政治結社。次の国政選挙に名乗りを上げるだろうと、しきりに話題を浚っていた『導人会』】
【その最高幹部の2人――――ガゼルとジャファーは、共に切迫した様子で、顔を突き合わせていた】

……これは、どう考えれば良い? このカード……そうおいそれと切っていいものではなかったはずだが……!?
「言われずとも……相談なしに、こんな危ない橋を渡るもんかい。見ろ……流れの着火点は別だ
 恐らく……誰かの描いた絵だな。個人が、こんな詳しく事情をペラペラできるもんかい……
省21
5
(1): ??????◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)14:39 ID:QhqfSCns0(2/9) AAS
>>3

――――良い様だ、来な……!
<……本当に、意味あんのかよコレ……?>
しょうがないじゃないさ……見つかったら負け、遅くても負け……旦那の頼みだってんなら、少しくらい身を張るしか、もうしょうがない……
<そりゃ、そうだけどよ……――――っ、い、行こうお姉ちゃん?>
……えーと――――そうだね、急ごう……
{(……2人とも、ぎこちないの、もう少しどうにかならないのかしらぁ……?)}
<(うるっせ! 俺に女の振りしろとか、カメに空飛べって言ってる様なもんだぞ!)>
「(良いから2人とも……今は急がないと……)」

【雑踏の流れは、その時まではなんて事も無かったのだろう。その中に紛れた彼女らが、多少特異な見た目でも、それは正常の中に紛れていた】
省16
6
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)14:48 ID:mHCNoPnp0(3/10) AAS
>>5

……………………?

【朦朧とした目で近づいてくる二人を見上げる。顔色はやっぱりよくなくて】
【ただ、口元を隠していた手だけはのける。スマホはそのまま――例のまとめサイトを開いて】
【本当にぼうっと力なく、辛うじて前を見ているだけの状態だった。それでもなんとか口を動かし】

…………、……おねーさんは、……アーディンさんの知り合い?
そっか、そうだよ……うん。あたし、アーディンさんにたくさん世話になって……
夕月っていうの。ごめんネ、なんか、心配かけちゃったみたいで……大丈夫だから、

【ふらり、危うげな足取りで立ち上がるのだろう。そうして何でもないと言いたげな顔して笑うから】
【明らかに何かしら無理しているのは明白だった。本人的にはうまくやっているつもりなのだろうが】
省4
7
(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)15:01 ID:QhqfSCns0(3/9) AAS
>>6

(――――随分な感じだねぇ。何があったってのさ……――――なんか、見てたのか?)

【サングラスの奥で、女性はふと考え込む。不意に体調を崩したというよりは、何かにショックを受けた様な状況だ】
【では、そのスマホに映っているのは何なのか――――流石に、そこを問いただすほどには、胸襟は開かれていなかった】

……やっぱりそうかい?
実はあたしもさ、あの旦那には色々と世話になっててね……話は、ちょっとばかりだけど、聞いてたのさ
――――あたしゃ、ブラックハートって言う。で、こっちが……何というのかな、友達、で良いのか……
<……リベルです。リベル=アシェル……よろしくね?>

【手を貸そうとも思ったが、何とか少女――――夕月は自力で立ち上がり、それを見守りながら、女性――――ブラックハートは名を名乗る】
【ただ、手を貸すのもどうかと言う話だったかもしれない。彼女の両手足は、鋼鉄のニセモノ。通常の義肢と違い、ある程度自在に操れているようだったが】
省13
8
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)15:13 ID:mHCNoPnp0(4/10) AAS
>>7

【――目を凝らさなくても。そのうちにニュースで見る羽目になるかもしれないのだから】
【ここで聞かなくていいのは本当のことかもしれなかった。「それ」に、何故少女がショックを受けていたか】
【そこまでは解らずとも。……それとも、アーディンに聞けば諒解できるのかもしれず】
【どっちにしたってここで聞かなくてもいい話なのは変わらないけど。それでもいつかは――ばれるのだろうが】

ブラックハート、さん、に……リベルちゃん。うん、よろしく。
……そんな大切な荷物だったんだ。そっか、アーディンさんが頼むくらいなんだったら
本当にすごいものなんだろネ、…………そっか。じゃあ、気を付けて――

【口ごもる動作にはさしたる反応を示さなかった。示す余裕もなかっただけ、とも言えるけど】
【それだけ聞いたら――あろうことかさっさと踵を返し、帰ろうとまでするのだった】
省6
9
(1): ◆1miRGmvwjU [saga] 2019/03/23(土)15:32 ID:qRStJCCTo(1/11) AAS
【焼け付いたような白い午後だった。マスメディアの垂れ流すニュースは何時にも増して喧しかった】
【 ─── 水国の外務省に属している秘匿機関が、種々の違法な軍事作戦に関与し、剰え壊滅した筈のカルト教団/その幹部を雇用していたという風聞】
【街頭を見上げる人々の騒めきが途絶える事はなかった。誰もが誰もを疑っていた。この街に平和が齎された事などあったろうか】

【水国/首都フルーソ。"最高議会"野党の主要本部/その一ツである高層複合ビル、"ウォーターゲート"】
【硝子を基調に彩られた、ごく清潔なエントランス。 ─── 入口近く、柱の裏側。人影一ツが佇んでいた】

    「状況、開始。」

【冬も終わるというのに厚手のトレンチコートを着込んでいた。一瞥するに上等なスーツは一張羅にも見えた】
【ハンチング帽を目深に被って、 ─── 耳朶と口許に何かを付けていた。嗄れた声が独白のように囁いた】
【ひどく人目を引くべき男だった。それでも傾き始めた陽に晒されて雑踏は疎らだった。ならば、或いは】
省1
10
(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)15:33 ID:QhqfSCns0(4/9) AAS
>>8

……色々訳ありでさ。あたしの身体、ほとんどがニセモノなのさ……
ま、生きてるだけで儲けものだから、今更そんなに気にしちゃ、いないんだけどね?

【夕月の機微から、ブラックハートは自分の体に、夕月がまた、何らかのショックを受けたらしい事を理解したようだった】
【苦笑しながら、黒鋼の腕で、金属繊維の髪を掻き撫でる。流石に、間接的に面識があったとはいえ、初対面の人間に対して詳らかに話す事でもない】
【ただ、自分は気にしていないと笑ってごまかすのが、精一杯だった――――夕月の方にも、事情があった事など露知らず】

(……流石に、メンテナンスも……限界が近いかもしれない。あたしゃ、くたばる前に……何が出来るってんだろうね……)

【そして、ブラックハート自身はと言えば、既にいつ死んでもおかしくない環境に身を置いている】
【表層を取り繕いながら、ふと心に陰が差さる。生き延びた事の意味を、なす事はできるのだろうかと】
省20
11
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)15:47 ID:mHCNoPnp0(5/10) AAS
>>10

えっ? …………あ、そんな、あたし別にそんなつもりじゃ……
身体がニセモノだなんて、そんなこと! ぜんぜん気にしてないよっ、これ本当だから――

【はっとする。間違えた風に捉えられてしまったことを深く恥じて、ぶんぶん首を振る】
【そうして言うことは取り繕っているようにも聞こえるかもしれないが――かぎりなく本当のことだった】
【そも、夕月という少女自身が「ニセモノ」の命をしているのだから。……それは今、どうでもいいかもしれないけど】

…………そうだね、櫻も、水も――いろんなことがあって。
アーディンさん、やっぱり忙しい? だったらパーティしてだなんてワガママ言えないや。
あのネ、……あたし、アルクさんやレグルスさんにたくさんお世話になったから。そのうち会いに行きたいって、

【「思ってたんだけど――」 声がどんどん細くなる。ふたりの口から聞くに、そんな暇はないのだと】
省9
12
(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)16:10 ID:QhqfSCns0(5/9) AAS
>>11

お、おいおい……そんなに焦るような事でもないんじゃ――――
(ぁ――――アリア……そういや、「そういう事」も、有り得る訳か……)
ま……良いじゃないのさ。どうあれ『今』が、一番あたしらに結びついている。それだけさ……

【確かに、取り繕いに思えていた。ブラックハートとしても、昔に比べて丸くなったのか。それを宥めるような言葉がすんなりと出てきたが】
【――――そうれは同時に、相手の事を察する能力が低減している事も、意味していたのかもしれない】
【昔のブラックハートなら、もう少し早く察する事も出来ただろう。アリアの様に――――「自分みたいな」奴も、いない事はないのだろう、と】

――――あ……あぁ、そういう事かい……
……奴らの事は、あたしも悔しく思うよ……一度、危ない所を助けてもらっちまってたし、ね……
でも……そうだね。旦那、何でも近頃、敵に一杯食わされたって言ってて、最近ピリついてるのさ……
省23
13
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)16:21 ID:mHCNoPnp0(6/10) AAS
>>12

…………そっか。今みたいなときこそ、……会ったほうがいいのかもしれないのか。
ならそのうちにでも行こうかな、えへへ……アルクさんとレグルスさんってどんなものが好き?
プレゼント、持っていきたいの――あたしはアルクさんにもらってばっかりだったから、……、

【曇り行く空気を振り払うようにして、またしても話題の転換。ふたりの墓前に供えるものについて】
【あれやこれやと思いを広げていくのも――束の間の話でしかなかったのだろう】
【近くのベンチにでも座って、三人は休息を取り始めるだろうか。そしたら、ブラックハートは見てしまうから】

【蜜姫かえで。外務八課。その単語が耳に入っただけだとしても、きっと夕月は怯えただろう】
【何せ前者は友達だった。後者に至っては、伴侶の属する組織だった。それが今や「炎上」だなんて】
【そんなスラングじゃ言い表せないほどに燃え上がっている。だけど問題はその次であり、】
省8
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(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)16:42 ID:QhqfSCns0(6/9) AAS
>>13

……本当ならね。会えるうちに会っておく。今はそれ、馬鹿に出来ないんじゃないか、多分ね……
――――2人の場所だったら、あたしも知ってるし、レグルスは1度、『会って』きた……

【今のご時世、どうしてもネガティブな意味合いを払拭し切れないが、それは大事な事なのだろう】
【レグルスの言っていた「悔いのない様に」――――例え戦士として生きる人間でなくても、個の心がまえは、大事なのかもしれない】
【それは、生者に対してだけでなく、死者に対しても同じ事だと言わんばかりに】

アルク? ……あいつはね、なんでも……意外と、料理なんかが好きだったそうだよ
よく、サンドイッチだのラスクだの、頬張ってたらしいし、たまに自分で作ってたらしいね……
<レグルスは……レグルスさんは、お酒……重たいビールなんかが、好きだって言ってました……
 お姉ちゃん……お墓参りに、お酒持って行ったって……>
省21
15
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)16:58 ID:mHCNoPnp0(7/10) AAS
>>14

………………、そっか、じゃあアルクさんにはお料理――ピクニックに持ってくみたいなやつがいいのかな。
あたし最近練習してるんだ、だからきっとマシなのが作れるようには、なったし、……レグルスさんはお酒、
そっか、………………そっか。ふふ、ふつうに、パーティの準備、するみたいな――――

【青い顔のまま。話の節々に意味深な沈黙を挟んで。話すのはやっぱり、話題を逸らしたいからか】
【少なくとも無理矢理作った笑い顔はもはや引き攣り顔と言ってしまったほうが、正しかった】
【そのまま楽しい、幸せな――近しい未来の話だけしていたい。させてほしい。どうか、そうさせて】
【願うように呟くのはほとんど譫言のような響きを持って、……しかし、ブラックハートは気づいてしまうから】

ち、が…………違うっ、……ちがわないけどっ、何もなかった、わけじゃないけどっ、
…………むしろたくさんあるんだけど、…………、そうだよね、「畜生」だよね。
省13
16
(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)17:20 ID:QhqfSCns0(7/9) AAS
>>15

(……考えようによっちゃ、これ……これも、残酷だな……ドラッグに逃げるってのを、まんま見てるみたいだ……)

【なんて事のない話題に興じながら――――興じようとしながら、必死の作り笑いをしている夕月に、なんとも言えない心境になる】
【無理をしている事が、手に取る様に分かってしまうから。そして、その無理を、更なる『無理』で塗りつぶそうとしている】
【――――こんな時に「しっかりしろ」などと言うべきではない。正解が、正着手が見えないから、ブラックハートは何も言う事が出来なかった】

<……ブラックハート、ちょっと……>
――――夕月、今はもう何も考えなくていい。余計な事は、雑音は、もうこれ以上……ッ――――!?

【そんな無理が、逆方向に溢れ始めた――――リベルはもう、偽装している口調を投げ捨てて、ブラックハートに厳しい視線を向ける】
【ブラックハートとしても分かっていた。夕月に、この現実を見せるべきではない。シャットしなければならない、と】
【――――だが、もう遅すぎた。恐らく、崖際の巌を、転がしてしまったのだ】
省20
17
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)17:41 ID:mHCNoPnp0(8/10) AAS
>>16

【描かれたシンボルを見て、引き攣っていた唇がぐっと噛みしめられる。それだけで十分だった】
【肯定も否定もしなかった、けれど前者であるのは明らかだった。だって見覚えのないものを見るなら】
【こんな顔などしないはずだ。こんな、――ああ全部が終わってしまった、なんて悟ったような、顔】

……………………こども、を、…………ずたずた……?

【そうしてオウム返しのように呟く声色にも――やはりどこか心当たりがあるとでも言いたげな色が含まれる】
【だって彼女は、件の女から直接聞いていた。「ちょっと難しいお仕事があるから」、つい最近のこと】
【であれば「それ」が「そう」だったのだと、理解してしまうのだ。もはや逃げる場所、逸らせる話題などどこにもなく】

【――――もいちどぐう、と唇を噛みしめる。何も言い返せることなどない。これで終いだと思って、けれど】
【ブラックハートがいくらでも言葉を選んで、思慮して、言ってくれているのがよくわかった。……わかったからこそ】
省20
18
(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)18:06 ID:QhqfSCns0(8/9) AAS
>>17

<……やっぱり、な……>
…………

【その反応を、傍から見ていれば、実に分かりやすいものだったのだろう。『リベル』――――現在は『ランド』の人格だが――――は、静かに頷いた】
【それを、ブラックハートも理解して。すぐにその紙を握りしめて、手を下ろす】

あぁ――――この国の、大物と手を組んで、上手い事その子を誘拐して、その『大物』に言われるままに、道具に仕立て上げちまったんだよ……ッ
あたしゃ、アーディンの旦那があんなにキレたの、見た事ないよ……

【自分たちの身に何があったのか、それをブラックハートは、知ってる限りに話していく】
【つまるところ、ブラスフェミアと言うその女は――――アーディンにとって、シャッテンにとって、不倶戴天の敵と化したのだろう】
【それこそ――――ラベンダーにとっての、アルクにとっての、鈴音の様に】
省18
19
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)18:21 ID:mHCNoPnp0(9/10) AAS
>>18

………………そっか。あいつ、代価さえ貰えればなんでもやるもんね。
どれほどひどいことでも、……ひどいことされるのでも、なんでも、やるもん……

【どこか納得したように、やはり諦めきった声で呟くのだろう。しかし、代わりに謝るなんてことはしなかった】
【そんなことをしても無意味だと知っていた。冒涜者、その死で償うことすらできるのかもわからないのに】
【そんな無責任な言葉で、この場をなあなあにしようだなんて、できなかった。ぎゅうと目を瞑って】

違わないかな。どうだろう――――あたしはハートさんのこと、よく知らないから、あれだけど。
…………あたしは人のことが、みんなのことが大好きだよ。大好きな人のこと、傷つけるヤツ以外はみんな好き。
いろんな好きのカタチがあるの、友達としての好きとか、信頼できるから好きとか、それ以外にも――

――――――――でもね、「好き」にはね、順番があるの。どうしても。
省8
20
(1): ◆rZ1XhuyZ7I [ saga] 2019/03/23(土)18:29 ID:juD1R3Ct0(1/3) AAS
>>764

「氷の国軍上級大佐メルツェル≠ニいう、ロクな手合いでないという事は肯定しておくよ。」

                ―――メルツェル先生。

【現れたのは無機質な雰囲気を漂わせる存在だった。】
【絹のような腰まで伸びる白髪、機械で出来た二本の角のようなものが耳の上より伸びており】
【瞳はカメラのシャッターのように幾重にも層が重なっており金属的な光を放っている】
【ネイビーのロングスカート型軍服の上から銀色のマントを羽織っている長身の女性。】

【その姿を見て少年は感極まったような、悲しみのような、複雑な表情をしてから】
【何か言葉を発しようとするが、メルツェルと名乗った女性はそれを制して少女へと向き直る。】
省9
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