[過去ログ] 【この檻を抜けろ】能力者スレ【明日を掴むために】 (1002レス)
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775
(3): ◆moXuJYo6C0cW [sage saga] 2019/03/23(土)01:49 ID:bV+iW3Xeo(4/6) AAS
>>773
>>774
【飛んでくる石は、過去の証。少女の脳裏には、あの汚らわしい盗賊の言葉がよみがえっているだろうか?】
【「過去はお前を収穫しにくる――――必ず」。それを示すかのように、今あまりにも悲痛な表情で精一杯の攻撃をし続ける誰か】

【彼女を助ける者はいないのか。いるはずはない。そこにいるのは、最早か弱い少女ではなく、正体を暴き立てられたカルトの幹部】
【つい今しがた、周囲に破壊と混乱を振りまいた怪物と、そう認識されているのだから】
【唯一、彼女を庇うだろう外務八課の面々も、恐らくすぐには駆け付けられないことだろう】

【ただ一人、いるとすれば。彼女自身の身体から、靄のように湧き出したその影】
【彼女に託された禁術、『因果を逆流する術』に残された残骸。もはや生前の意志などないに等しく】
【それでも今、彼女の激情に反応して現れ出でたのは。かつての同志の姿】
省12
776
(2): [sage saga] 2019/03/23(土)02:16 ID:HCViXu8r0(3/5) AAS
>>774>>775

【――――――うれしかった。気づいたら身体中の痛いのもなんだかぼんやりと滲んでいた、いつか全身の骨を折られたときは、もっといつまでも痛かったのに】
【たぶんきっとおんなじぐらい身体は傷つけられたのに、痛くなかったし怖くなかった。抱きしめられているからかもしれなかった。――――もう全身に力も入らないから】
【地面に寝かされて、彼女はきっとぼろきれみたいに横たわった。ぼおと開いたままの眼から涙はまだ落ちていたけれど、痛いのか、違うのか、それすらも誰にも分からなくて】
【――小さく呻き声をあげることの、その意味すらも説明したがらなかった。なれば瞼に振れられるのも、――拒むはずない、なら、現るマゼンタ色、待ちわびたように】

…………………………………………。

【ぐたりと弛緩する身体は何を発することもなかった。ただぼおっと開いたままの眼差しが、ともすれば微笑んでいるかのように緩んでいた。口元も、また、どこか笑みに似て】
【ああもういいかなって思ってしまいそうになる。このまま死んでしまえたら、みんな、私を赦してくれるのかななんて。思ってしまうの、決してないとは言えないから】
【いっぱい頑張った。神様を取り戻そうとした。――だけど駄目だった。誰かを好きになること、知ってしまった。それが幸せだって覚えてしまった。そんなの、悪い子だもの】
【痛くて苦しくて嫌なことをいっぱい頑張れば幸せになれるって信じてた。そうしたら神様が私を赦してくれるんだって信じてた。――だのに、人間は、ばかみたいにばかだから】
省7
777
(1): [sage saga] 2019/03/23(土)02:16 ID:HCViXu8r0(4/5) AAS
>>774>>775

ぁ、ッ、

【――――――――――、そうして向けた目を投げつけられた石が打ち据えた。指を差し入れたならきっと指先に纏わりつくように甘く瀞む色をした眼差しごと、衝撃に頭が揺らぎ】
【反射的に抑えた指の隙間からぼたり滴る雫は涙などではありえなかった。――真っ赤な真っ赤な血が滴る、それこそ虹彩の紅紫漏れ出るように/それよりよほど命の色をしていた】
【呆気にとられたように瞬く刹那を再び打ち抜くように、――投擲された石が、けれど、彼女までは届かない。瞠られた眼差しが何かを見つけて、そうして理解した、なら、】

マルフィク、さ、――、ぁ。いや……、わたし。私……。

【――もうきっとどうしたらいいのかなんて分からなかった。ひどい事ばかり言われて。ひどいことをされて。――――――だけれどそれはどこまでも道理であったから】
【だのに苦しいと思ってしまう。止めてほしいと思ってしまう。ましてや助けてほしいだなんて願ってしまう。きっと彼女は狡い子だから、狡くて弱くて、駄目な子だだから】
【逃げて/生きて。――そう言われたって、身体中が無理を訴えていた。だから、もう、やめてしまおうよ。――誰かが囁いていた。誰が。(たぶんそれは私/ムリフェン/私じゃない)】
省14
778
(2): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)02:28 ID:mHCNoPnp0(4/4) AAS
>>775>>776

「逃げるのか、人殺し、人でなし、クソッ、死ね、死ね死ね死ねッ!! 父さんを返せ!!
 母さんを返せ!! ■■を返せええええっ――――――畜生ぉおおおおッッ!!!」

【彼はずっと石を投げ続けていた。そしてそれがどうしてか届かないことを悟っていた】
【だというのに投げるのをずっとやめずにいた。やめられなかったのだろう。届かない暴力の塊の代わりに】
【逃げゆく少女へ張り裂けんばかりの絶叫を浴びせかけ――やがてそれも聞こえなくなるのだろう】

【――――抱きしめられた弟(だったもの)は、今度こそ何も言わなくなった。動かなくなった】
【肉屋に刺殺されたのが一回目。夢の中で姉に絞殺されたのが二回目。ならば三回目、】
【今度こそ「正しく」殺されたのだろう。自身が害した人に復讐されて、因果応報】
【なるほど、使い古されたテレビドラマの安っぽい脚本が好みそうな結末だった。人はそれを正しいと言って】
省7
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