[過去ﾛｸﾞ] ´ω`)ﾉ こんぬづわ10 (1002ﾚｽ)
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880: 読書 2017/08/24(木)19:07 ID:50vEcFL/0(1) AAS
C■~ *原尞(りょう)「ミステリオーソ 映画とジャズと小説と」(早川書房 1995年)
☆(再読)先日、佐藤正午さんが直木賞を受賞したが原尞はデビュー2作目にして受賞。本書でも触れてるが直木賞は当初菊池寛が制定したときの"ささやかな新人賞"からかなり変わったものになったなと。ボク基準で言えば佐藤正午は村上春樹よりも遥かに面白い作家だし、世界的に売れるべき人であります。それが直木賞って。本人の感想「今？」が見事に物語ってます。
現在、原尞の名前を知ってる人は少なくなってるだろうけど、今後も彼の佳作兼寡作を読むつもりであります。
p114
探偵小説である以上、事件の真相を暴くという大きな難問があるのは当然で、マーロウはそれに対しても、冒頭の小娘の言葉に対しても、同じように最上の応対をする。警察の圧力、友人の振舞い、女性の情熱、金持の暴言、そして彼自身の孤独に対しても、それらを切り抜けるべき難問として、彼にしか成しえない言動で対処していく。マーロウ(同時にチャンドラー)は、街の描写や部屋の中の家具の表現ですら一種の難問として書きすすんでいるようにみえる。それには模範解答も正解もない上に、常に読者の厳しい眼が光っている。答え方を一つでもあやまれば、その瞬間に読者は「こんなものはハードボイルドではない」と断定してしまう。"ハードボイルド"とは、あらゆる難問に答えていく小説だと私は考えている。
p123
(映画「太陽がいっぱい」の)殺人のあと、主人公が魚市場をひとりで歩くシーンの104秒間を自分の人生に重ねられない人は、救いがたいほど不幸であるか、あるいは滑稽なほど幸福な人ではないだろうか。
省9
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