[過去ログ] ´ω`)ノ こんぬづわ10 (1002レス)
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876: 読書 2017/08/19(土)19:13 ID:D99SgUnY0(1) AAS
C■~ *内田樹「『おじさん』的思考」(晶文社 2002年)
☆タイトルに騙されてはいけません。いつも通りの内田本であり、なおかつ初期ということもあって実名批判があり、さらにGoodであります。
第四章の「漱石論」も読みごたえあり。
ただし、TBS「ガチンコ」の佐野を評価してるのは頂けません(´・ω・`)。古くは'94の文章も。
p27
彼らは九条を「空論」だという。「もしどこかの国が侵略してきたらどうするのだ」と脅かす。
だが、よく考えると、このロジックは、刑法が「空論」だと言っているのと同じである。
なぜなら、刑法一九九条があるにもかかわらず、毎日のように日本では殺人事件が起きているからである。改憲論者が憲法九条は「空論」だから戦力の行使を認めろと主張するのは、刑法一九九条は「空論」だから、市民は銃器で武装すべきだと主張するのと同型のロジックである。
p34
現に、私が会った学生は、高校の担任の教師に「在日としての誇りをもって生きろ」と言われて、卒業式の日にみんなの前で「私は実は在日韓国人です」とカムアウトすることを促されたそうである。彼女のくちぶりからはそれが不本意な選択であったことが窺い知れた。
「民族の誇りをもって生きる」というような言い方というのは誰が使うにしろ、ちょっとやだね、ということで私たちは意見の一致を見た。
p78
「中年シングル生活評論家」の関川夏央によると、男の正しい生き方は「人並みに結婚、しかるのちに人並みに離婚。娘だけ引き取って、父娘ふたり暮らし。これが人生のベストチョイス」だそうである(『中年シングル生活』)。
なんと、私はそれと知らぬ間に「人生のベストチョイス」をしていたのである。どうも人生が楽しいなと思っていたら、そういうわけだったのか。
p89-90
ラカンもこう言っている。
「人間の欲望が欲望するのは、欲望そのものであり、その全く満たされることのない空虚状態にある欲望そのものである。」
つまり、「ああ、腹減った、カツ丼食べたい」と思っていたら、カツ丼が目の前にでてきた、というような時に人間はもっとも欲望の充足に接近しており、欲望を満たすべくカツ丼をわしわしと食べ進んでゆくにつれて、急速にカツ丼への欲望は失われる。だから、欲望の絶頂と欲望の充足が同時的に経験されるということは原理的にありえないのである。それゆえ、欲望の激しい人間は、欲望の充足をではなく、充足の延期(カツ丼が目の前にあって、いままさに箸を伸ばそうとしているその至福の不充足感)そのものを欲望するようになる。それと同じことが核兵器とそれがもたらす妄想の愉悦についても言えると私は思うのである。
p114-115and119
そして、学生たちの政治運動が現実的にほとんど無意味だということが分かっても、「革命」が幻想だということが分かっても、なお党派や組織にしがみついている「きまじめな人たち」がいた。私が「言い訳」を用意しなければならなかったのは、たぶん、この人たちに対してである。
この人たちはずいぶん酷いこともしていたけれど、その「つけ」もきちんと払っていた。彼らは約束されかけていた快適なポジションやプチブル的な快楽を棄てて、誰も感謝せず、誰からも尊敬されな「革命闘争」にその青春を費やし、彼らが求めた理想を何一つ実現できぬままに、何人かは無惨な死を迎え、何人かは白髪の老人となった。
私は彼らにシンパシーを感じないけれど、彼らが二〇代の一時期にいささか性急に選択した一つの生き方の「つけ」を生涯かけて払い続けていることにはいくばくかの敬意を払う。彼らはとにかく「自分の負債は自分の身銭を切って払う」という態度を貫いているからだ。
では、私と重信房子のどちらがより「妄想的」であり、どちらがより「現実的」だったのであろう。そもそも誰にそれを判断する権利があるのだろう?
p204
「予定を立てる」ということは、現在の「私」の価値判断や推理能力を固定的なフレームワークとして、それを未来に適用するこである。
「予定」というのは、未知のもの、予測不能のもの、フレームワークを逸脱するものを、「想定しない」ことによって成立している。
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