【テイルズオブゼスティリア】ロゼ「アリーシャがいるなら」 (287レス)
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1: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)21:37 ID:qk22a3rC0(1/9) AAS
テイルズオブゼスティリアのR18指定百合小説です。
性的な表現が多く含まれていますので苦手な方はご注意ください。
アニメ版未視聴のため、ゲームの設定のみを使用しています。
主観にて書いておりますので、キャラ崩壊、矛盾等も発生するかと思いますがご了承ください。
2: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)21:41 ID:qk22a3rC0(2/9) AAS
ロゼ「ありがとうございましたー、またよろしくお願いしまーす」

ロゼはレディレイクの王宮から出ると、案内の女性と見張りの兵士に向けて元気よく挨拶をした。

災禍の顕主との戦いでしばらく商売から離れていたため、貴族や兵士から度々「久しぶりだね」なんて何度か声を掛けられた。戦争が始まる前と今では、王宮内の雰囲気が変わった気がする。以前は張り詰めた空気を感じていたが、今は慌ただしくも活力の気配に満たされていた。

ロゼ「さて仕事も終わったし」

ロゼは商売人の愛想笑いを切り替えて、自分の笑顔に戻した。
3: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)21:47 ID:qk22a3rC0(3/9) AAS
ライラ「アリーシャさんのお屋敷ですか?」

ロゼから赤い光が飛び出し、彼女の目の前には髪の長い女性が現れた。

ライラだ。それに続いて黄色、青、緑の光も放たれた。

エドナ「なにか頼まれているの?」

エドナは傘をばさっと開いて、自らに降り注ぐ強い日差しを遮った。
省3
4: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)21:53 ID:qk22a3rC0(4/9) AAS
ロゼ「おみやげがあるから渡しておこうと思って。みんなも会いに行くでしょ?」

ロゼはアリーシャの屋敷の方に足を向け、返事を待つこともなく歩き出した。誰も異を唱えることはなく、自然とロゼの後ろについていく。

このところ、レディレイクに立ち寄るとアリーシャに会いに行くことが多かった。ほとんどはアリーシャからの依頼があったからだ。各地の伝令や物資の配達、個人的な買い物等、いつの間にかすっかり使い走りになってしまっている。

アリーシャの屋敷は王宮のすぐ近くにある。いくらも歩かないうちに目的地には到着した。すっかり顔馴染みになった警備役の兵士が、ロゼを見つけて体を向ける。
5: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)21:55 ID:qk22a3rC0(5/9) AAS
衛兵「これはロゼ殿。アリーシャ殿下とお約束ですか」

ロゼ「いや、ただ寄っただけなんだけど。今日は家にいる?」

衛兵「はい。しかし、あいにく来客中でして。そんなに長くはかからないと思いますが」

はきはきとした口調で告げると、彼は門の中を覗きこんだ。

ロゼ「また嫌がらせ?」
省4
6: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)22:21 ID:qk22a3rC0(6/9) AAS
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宿に戻ったロゼは自分の部屋で机に突っ伏していた。

仲間達はあの後、揃って聖堂に向かい、レディレイクの加護天族であるウーノに会いに行っている。ロゼだけは気乗りせず、一人で宿屋に戻ってきていた。

今日は大した仕事でもなかったはずなのに、ひどく疲れた。その疲れの原因が、あの衛兵の一言であることは分かっている。

ロゼ「縁談……か」
省2
7: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)22:23 ID:qk22a3rC0(7/9) AAS
今やアリーシャはローランスとハイランドの両国にとって重要な人物だ。市民からも支持は高い。そんなアリーシャの結婚相手となればそれなりの釣り合いというものがあるだろう。めでたいはずなのに、なぜか気持ちが落ち着かない。

本当にアリーシャは幸せになれるだろうか。

ロゼ「アリーシャ、そういう相談はあたしにはしないよな……」

頭をぐしゃぐしゃと掻いていると、部屋をノックする音が響いた。

アリーシャ「ロゼ、いる?」
省3
8: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)22:51 ID:qk22a3rC0(8/9) AAS
特別な心境の変化等ではなく、元々からそういった本質がアリーシャにはあるのだろう。容姿に関しても華があるアリーシャにはよく似合っていた。

ロゼは自分のベッドに腰掛け、アリーシャには椅子に座るように促した。アリーシャはそれに従い、カタンと椅子をロゼの方に向けて腰を下ろした。

アリーシャ「屋敷に来てくれたと聞いたから。いつもの宿屋に来てみたら女将さんが部屋を教えてくれたよ。忙しかった?」

ロゼ「ううん。会いに来てくれて嬉しい」

ロゼが目を細めると、アリーシャもにこりと笑った。
省5
9: ◆U8ABys6DMo 2022/03/26(土)22:57 ID:qk22a3rC0(9/9) AAS
ロゼ「アリーシャ」

ロゼの声のトーンが落ちたことに気付いたアリーシャが、表情を曇らせた。

すぐには口を開けずにいると、彼女は様子を伺うように身を乗り出した。

アリーシャ「どうかした?」

真剣な目で覗き込んでくるアリーシャから気遣いの空気を感じる。
省6
10: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)07:26 ID:yweB4NBm0(1/31) AAS
ロゼ「そういうの、王族だから仕方ないって思うけど、アリーシャはいいの?好きとか嫌いとかないの?」

目を伏せて「それが当たり前だと思っていたから」とアリーシャが口にした時、ロゼは胸の奥からぐっと感情が込み上げてくるのを感じた。怒りなのか悲しみなのかは、よく分からない。

アリーシャ「それなりに覚悟しているよ。必要な縁談には応える義務があると思っている」

ロゼ「それってなんのためなの?国民のため?アリーシャがいい家柄の人やいい政治家と結婚すれば誰かのためになるの?」

まくしたてるつもりなんてなかったのに、ひどく苛立った声が出てしまう。
11: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)07:40 ID:yweB4NBm0(2/31) AAS
アリーシャは困った顔をしながらも、怒る様子もなく、静かに笑った。

アリーシャ「場合によるけれど多くの口利きが有効になったりはするよ。今の立場ではすんなり行かないことも、それでうまく行くようになるかもしれない」

ロゼ「それはアリーシャのためになるってこと?」

口調に棘が混じっていくのがロゼ自身にも分かっていたが、自分では止められなかった。

アリーシャもそれに気付いて怪訝な顔をした。
省3
12: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)07:42 ID:yweB4NBm0(3/31) AAS
アリーシャ「怒ってるよ」

アリーシャは立ち上がり、ロゼの頭を抱いた。

アリーシャ「ありがとうロゼ。侍女も私の気持ちを考えてくれた。王族の縁談はとてもめでたいことだから、そう口にするのは勇気のいることだったと思う。本当に私に幸せになって欲しいと言ってくれた。だからロゼが言いたいことも分かってるつもりだよ」

ロゼはアリーシャの穏やかな声を聞きながら、そのぬくもりになぜかやるせなさを感じた。

アリーシャ「でもちゃんと聞いて」
省2
13: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)08:52 ID:yweB4NBm0(4/31) AAS
ロゼ「はっ?」

自分でも驚いてしまうくらい間の抜けた声が出た。

アリーシャは椅子に座り直し、ロゼに意地悪な笑みを向ける。

アリーシャ「ロゼもやっぱり女の子なんだね。恋愛感情が大事だって思ってるんだ。心配してくれてすごく嬉しい」

からかうような口調だったけれど、今はそんなことは気にならなかった。
省4
14: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)09:02 ID:yweB4NBm0(5/31) AAS
しかしまだロゼの胸騒ぎはおさまらない。求めているものがなにか違っている。安心できる言葉がまだ足りなかった。

アリーシャ「だからしばらく結婚は考えない」

続く言葉にロゼは立ち上がり、アリーシャに詰め寄る。

ロゼ「アリーシャ!」

アリーシャが驚いた顔をしてロゼを見上げた。どうしたの、と目が語っている。
省4
15: 2022/03/27(日)09:04 ID:2PpXH4P0O携(1) AAS
期待
16: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)09:04 ID:yweB4NBm0(6/31) AAS
ロゼ「違うんだ。あたし、」

『あんたを誰にもとられたくない』

口にしかけた言葉を飲み込んだ。そのまま後ずさり、ベッドに腰を落として脱力する。

結論が出た瞬間に胸の奥がすいた。アリーシャを心配していたのではなくて、ロゼ自身が不安だったのだ。アリーシャがいなくなると思って、単に駄々をこねただけだった。

アリーシャ「ロゼ?」
省4
17: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)09:06 ID:yweB4NBm0(7/31) AAS
アリーシャ「大丈夫?」

再度アリーシャの声が聞こえて少し冷静になる。

ロゼ「ごめん。早とちりしてた。アリーシャ、すぐ自分を犠牲にしようとするからまたなんか一人で抱え込んでるのかと思って。お節介だったね」

咄嗟に誤魔化して、焦りをそっと押し出す。

とにかく心を落ち着けたい。この気持ちを押し付けてアリーシャを困らせたくない。今は自分の中でも何も整理できていないくて、感情に何が起こっているのかも実はよく分かっていない。
省2
18: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)09:08 ID:yweB4NBm0(8/31) AAS
ロゼはアリーシャの手を引いて自分の隣に座らせた。さっきよりも近い距離でそのまま話を続ける。

屋敷に行った時に渡すつもりだった土産を持ち出し、旅の話を再開した。しらじらしい気がしたが、アリーシャはきっと何も気付いていない。

しばらく話しているうちにいつもの空気に戻っていく。何に対しても興味を持つその態度が、なぜなのかいつもより可愛らしく見えた。

名前を呼ぶ声、上品に笑う姿、感じる女の子の香り、整った顔立ち。

どうしてこの魅力に今まで気付かないでいたんだろう。
19: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)09:37 ID:yweB4NBm0(9/31) AAS
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アリーシャが宿を出て行くのと同時に、仲間達が宿屋へ戻ってきた。

それから食堂へ行って顔を突き合わせると、エドナがいつもと変わらない無感情な様子で口を開いた。

エドナ「やっと言ったのね」

ロゼ「なにを?」
省5
20: ◆U8ABys6DMo 2022/03/27(日)09:38 ID:yweB4NBm0(10/31) AAS
エドナ「失礼ね。そんなに無粋じゃないわ」

エドナが口を尖らせると、すぐにライラがフォローを入れた。

ライラ「ロゼさん、すっきりした様子でしたのでそうなのかなと思っただけですわ」

ロゼ「え、なによ。なんなの?どういうこと?」

ロゼは困惑しながら、二人の顔を見比べた。
省2
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