【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】 (783レス)
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375: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2022/05/17(火)22:17 ID:ThbKJ4CcO携(2/5) AAS
√ 2018年 10月08日目 夜:病院
聞き覚えのある電子音のようなものが、とても小さくどこかから聞こえてくる
目を開けているはずなのに、全然、まったく何も見えなくて自分の居場所さえうまく掴むことが出来ない。
けれど、また、結局自分は生きているということだけは、分かった。
陽乃「……ぅう゛」
意識がはっきりとしてくるのを待っていたとでも言うかのように、
ずきりと腕が痛み、半身の痺れと、喉の焼けるような感覚といった複数種類の苦痛が混ざり合ったものが襲い掛かってくる。
それに叫ぶほどの余力もなくてただの呻き声が零れると、
冷たいなにかが、額に触れた。
「わ……す……? く……」
何かを言っているというのは分かるけれど、
何を言っているのかまでは分からず、それに何の反応もできずにいると、
痛みだけしか感じなかった右手を、額に触れていた何かが握る。
握られて初めて、それが人の手だと分かって。
陽乃「ぁ……っ……」
見えない分、触って確かめようと思ったのに、
やっぱり、左手はびくともしなくて、断念する。
「……さ……ど……て……」
傍にいる誰かの声らしきものは、聴きとれない。
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