【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】 (999レス)
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/
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122: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/12(土) 22:50:29.09 ID:UJhl3x3So 水都は、一度開きかけた口を閉じて、 茶器の底にわずかに残ったお茶で濁す。 水都「本当に、絶対ですか?」 陽乃「ええ」 水都「向こうからこっちに来た時、倒れたのに?」 陽乃「あの時と今では違うもの」 今の体なら、九尾に乗り続けたって 暫く戦っていたって、気を失うほどの影響はないはずだ。 イザナミ様の御力を借りてしまうとその限りではないが、 それを使うのはたぶん、他に誰もいないときに限定するから。 陽乃「なに? 私が死ぬとでも思ってるわけ?」 水都「……思ってると言ったら、怒りますか?」 陽乃「醜態を晒した以上、怒ることは出来ないと思ってるけど」 陽乃はそう言って、水都をじっと見る 陽乃「思われてるのは心外だわ」 水都「仕方がないじゃないですか。今まで、そうだったんですから」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/122
123: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/12(土) 23:08:04.39 ID:UJhl3x3So 水都「……」 だから無理をして欲しくない。 そう言ったところで、陽乃は止めたりはしてくれない 無理に帰るか、 救援を期待して待つか どちらが楽かなんて、考えるまでもないことのはずなのに、 陽乃は迷わず、向こうに帰ることを選んだ。 水都「陽乃さん」 陽乃「なに?」 水都「だったら、全員は諦めるしかありませんね」 陽乃「貴女……」 陽乃が目を見開いたのを見て、水都はぐっっと噛んだ唇を放す。 水都「話、聞いたんですね」 水都は、悲し気な笑みを浮かべがら言う。 住民のみんなはもう、四国に行くかどうかの話を聞いている。 何度も話して、考えて貰って、答えを出してくれている。 そこに陽乃のあの姿を見てしまっては、水都達が避けたかった方向で決心してしまう人も少なくなかったはずだ。 水都「以前にもお話しましたけど、ここに残るつもりの人はいました。 でも、それ以上の人たちまで、自分たちはここに骨を埋めたいんだって、答えを変えて……」 陽乃「……」 水都「無理矢理連れ出しても足を引っ張るだけになると思うので……安全を考えるなら置いていくしかありません」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/123
124: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/12(土) 23:29:47.85 ID:UJhl3x3So 水都「さっき、囲んでいた人達はみんなそう……陽乃さんとうたのんのことを考えて、ここに残ることを決めた人たち」 陽乃「そう。だから?」 水都「諦められますか?」 陽乃「諦めるの意味が分からない」 陽乃は、まっすぐ水都を見る。 何を言いたいのかと、やや、不機嫌になっているように感じるそれを、 水都は避けることなく、受け止めて。 水都「出て行くってことは置いていくってことなんです。あそこで、話していた人たちを――」 陽乃「本人が望んでるならそれでいいじゃない。諦めてる人達を助けてあげるほど、私は勇者じゃないし」 水都「本当にいいんですか?」 陽乃「……私に聞かないで」 いいかどうか聞かれても困る。 その決定は陽乃にはできない。 本人がそうすると言っているのなら、それまでだ 陽乃「駄目だと思うなら説得したらいいじゃない。任せるわ」 水都「……なら。いつ。戻るつもりなんですか?」 1、9月半ば(9月8日目) 2、9月後半(9月14日目) 3、10月前半(10月1日目) 4、10月半ば(10月8日目) 5、10月後半(10月14日目) 6、その他 ↓2 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/124
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/12(土) 23:31:36.11 ID:A6VBWPDb0 3 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/125
126: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/12(土) 23:38:17.90 ID:Qag9kqp0O 4 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/126
127: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/12(土) 23:43:00.96 ID:UJhl3x3So では本日はここまでとさせていただきます 明日も可能であればお昼ごろから http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/127
128: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/12(土) 23:54:42.30 ID:Qag9kqp0O 乙 住民についてはもう説得次第か… あといつの間にかみーちゃんが陽乃さんを名前で呼ぶようになってるな http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/128
129: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/13(日) 02:48:56.29 ID:dyBkTphUO 乙 今まで耐えてようやくここまでいい方向に向かってきてて後味の悪い結果になるのは嫌だなあ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/129
130: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 15:50:44.26 ID:mpTeSUYQo では少しずつ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/130
131: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 15:51:39.34 ID:mpTeSUYQo 陽乃「10月半ば(10月8日目)には、四国に向けてここを発つわ」 水都「1ヶ月の猶予をくれるんですね」 陽乃「実に好意的な解釈ね」 水都「正直、9月中に発つって言うと思ってました」 今はまだ、9月初め 来週、再来週……9月末 今週末と言われる可能性だって、水都は考えていた。 だけど、陽乃は一月後を指定した。 それだけの時間、救援を待つことが出来る 人々を説得することが出来る。 決して長くはないけれど、短くもない。 陽乃「準備する時間だって必要でしょう? 今すぐ発つだなんていわれても困るじゃない」 水都「置いていく気は、ないんですね」 陽乃「言葉の綾よ」 水都「ふふっ……そうですね。言葉の綾です」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/131
132: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 16:41:41.46 ID:mpTeSUYQo 水都「陽乃さんの考えは解りました。うたのんにも、その予定で話します……というか、陽乃さんも一緒に話した方が良いですよね? うたのんはたぶん、文句を言ったりはしないと思いますけど、念のため話し合いしましょう」 陽乃「どうせ貴女と変わらないんだから、私が話す意味なんてないんじゃない?」 水都「駄目です」 大雑把に手を振って払う素振りを見せる陽乃に、水都は強く言い返す。 確かに、歌野も水都と考えは似ている。 水都から報告したって、歌野が気を悪くすることもない。 だけど、 ただでさえ話す機会を葬ろうとする中で、 一応は重要な話なのだからと、引っ張り出せるこの話は大事だ 水都「うたのんだって、何か言いたいことがあるかもしれないので」 陽乃「それを聞くのが億劫だって私の気持ちを酌んではくれないのね」 水都「大事な話ですから」 陽乃「……そう」 水都は、相変わらず笑みを浮かべている。 突き放し、拒絶し、 そして今、多くの人々を見捨てる決断をした陽乃を、 しかし、水都は穏やかに見ている。 その好意的な視線を、陽乃は不快に思う。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/132
133: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 16:47:45.17 ID:mpTeSUYQo 陽乃「気が向いたら話すわ」 水都「お夕飯の時で良いじゃないですか」 陽乃「嫌よ。食事が美味しくなくなる」 水都「なら、お風呂の時はどうですか?」 陽乃「1人で入るから」 水都「広いんですから、いいじゃないですか」 最低でも、5人6人は入れるような広さの浴室。 1人独占できるというのも気持ちは良いけれど、 仲良く入るのも、修学旅行みたいで楽しいと言ってたのは、球子だったか。 陽乃「貴女ね……私が何も言わないからって、調子に乗らないで」 水都「言われてはいますよ……ただ、めげても仕方がないと思っただけです」 どさくさに紛れて、陽乃さん。と呼び始め、 特に何も言われないから、 そのまま変えていない水都。 それが誤解を生んでいるならと目を鋭くさせた陽乃に、やはり、水都は笑みを浮かべた。 水都「私は、陽乃さんと親しくなりたいです」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/133
134: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 16:56:03.47 ID:mpTeSUYQo √ 2018年 9月3日目 夜:諏訪 01〜10 歌野 23〜32 水都 89〜98 九尾 ↓1のコンマ ※それ以外は通常 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/134
135: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/13(日) 17:00:10.05 ID:NVrC0iHcO あ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/135
136: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 17:12:45.55 ID:mpTeSUYQo √ 2018年 9月3日目 夜:諏訪 陽乃「はぁ……」 陽乃のため息が、湿気に圧し潰されて広い空間に小さく木霊する。 1人で使うには広すぎる浴室。 朝と違って、温かさに包まれているからか、 湯気と湿気に満ちている空間は、 ほんのりと息苦しさを感じさせるが、体に大きな異常は感じられない。 今朝のように、血を吐くことはないだろう。 ――だけど。 陽乃「どうしてついてきたのよ」 歌野「良いじゃない。たまには」 陽乃「……確かに貴女が来るのは珍しいけど」 広い浴室に、大きな浴槽 建築資材に詳しくはないので、これが実際にそうなのかは知らないが、 木製の……檜でできているかもしれない縁の部分に、陽乃は爪を立てながら、歌野を一瞥する。 歌野「みーちゃんばっかり相手にして……狡いわ」 陽乃「何言ってるのよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/136
137: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 17:25:04.90 ID:mpTeSUYQo 歌野「良いじゃない。相手にしてくれたって」 陽乃「……知ってるでしょ。私はそういうの好きじゃないの」 歌野「残った二人の勇者だから、仲良くした方が良いと思うわ」 そうでなくても、力のつながりがある。 歌野が陽乃に依存しているような力関係だが、 陽乃の身体的ダメージの感覚の一部が歌野に伝わっていたりと、 その制御は陽乃自身にもしきれていない節がある。 歌野「久遠さんが人にどれだけ嫌な思いをしたかは知らないけど、でも、私達は二の轍を踏まないって約束する」 歌野はそう言って、 疲れを癒すかのような溜息をこぼしながら、 ずるずると浴槽の中に体を忍ばせていく 歌野「一蓮托生って、言ったじゃない」 陽乃「私は言った覚えないわ」 歌野「そうね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/137
138: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 17:41:11.03 ID:mpTeSUYQo 歌野「10月半ばで、本当にいいの?」 陽乃「遅すぎるって言いたいの?」 歌野「そうじゃないけど、行こうと思えば今月中だって可能だわ。聞いてたとは思うけど、9月末ごろに出る予定で準備していたから」 かなりの規模の行進予定だったから その分、準備だって早々に始めておく必要があった。 持ち運び出来て、保存も利く 賞味期限に目をつぶるとして、消費期限に重視した携帯食料だとか。 持っていく総量も減少したから、 最悪、今週末と言われてもどうにかなる状態ではあったのだ。 歌野「なのに、一ヶ月も時間をくれたじゃない? 期待はしていないみたいだけど、みーちゃんと私の意を酌んでくれたみたい」 陽乃「……私が準備をしたいだけよ」 歌野「体の調子が悪い?」 陽乃「違うわ」 陽乃の迷わない否定に、歌野は小さな笑い声を上げる。 ばしゃんっと音がしたかと思えば、 歌野の上半身が湯船から出ているのが見えた。 歌野「今朝、ちょっとだけ痛みを感じたの……残念だけど、久遠さんの体について、嘘は通用しないわ」 陽乃「自分のことだとは、まったく思っていないのね」 1、そうよ。まだ少し残ってる 2、気のせいよ。私じゃないわ 3、貴女は聞いたの? 残留希望者の話 4、貴女、鍛練する気はある? 5、そんな話のためについてきたの? ↓2 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/138
139: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/13(日) 17:44:42.43 ID:oVVv1fNY0 3 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/139
140: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2021/06/13(日) 17:45:03.56 ID:NVrC0iHcO 1 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/140
141: ◆QhFDI08WfRWv [saga] 2021/06/13(日) 17:54:33.11 ID:mpTeSUYQo 陽乃「そうよ。まだ残ってる」 陽乃は諦めて、答える つながりがあって、それが実際に伝わってしまっている以上 ここで嘘をついたところで、何の得にもならない 陽乃「今は平気だけど、朝は血を吐いた」 歌野「どうして、何も言わなかったのよ」 陽乃「いう必要なんてないじゃない。気を失ったわけでもないんだから」 歌野「だけど、体が」 陽乃「今更でしょ」 一応は回復しているし、どこかが壊れたままというわけじゃない。 ただ、まだ残っていた穢れのようなものが、 神聖な儀式によって排出されたようなものだった。 だから、別に、報告が必要なほどのものではないと、陽乃は思って。 歌野「やめて」 陽乃「……」 歌野「そういうの、隠さないで」 陽乃「なによ。能天気な笑顔はどうしたの?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1622816025/141
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