【安価・コンマ】Dランク神獣「Sランクまでつき進む」(その2) (714レス)
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(9): ◆lFOXrxX/4g [saga] 2021/01/11(月)12:10 ID:vCsxmFIe0(1/17) AAS
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この世界には美しい花から様々な生命を産む1本の世界樹が存在します。
そのお姿は尊大で厳かで、その腕は広く大陸丸ごと1つを覆い尽くしています。
たった1枚の枝の先の葉ですら町のような大きさで、その上にもまた森が広がっています。

人間世界の時間にして約1月前、世界樹は1つの儚く脆い、小さな生命を産み落としました。
それは、額に一本の小さな角を持つ、純白の仔狼でした。
産まれたばかりの彼はその日の食料さえ満足に探せないほどか弱く、何かの小さなきっかけでもあれば死んでしまうほどでした。

しかし、今は8人(+卵1つ+ストーカー1人)の仲間がいます。
この世界樹の上でこれだけの邂逅をしたのは、偶然だったのか、それとも運命だったのか......

産まれてすぐに彼は自身を護ってくれる存在、神獣キュウビに出会い、安全、食料、言語、生きていくための全てを与えてもらいました。
もちろん、キュウビはそれまで小動物などを狩って暮らしていました。
彼が気に入られたのは、たまたま運よく気に入られる容姿だったかも知れません。
もしかしたら、もう少し成長した後なら食料にされていたのかも知れませんね.......
最初こそ仔狼の事をぬいぐるみやペットと同じように思っていたキュウビでしたが、時が過ぎていくうちに彼女の仔狼に対する認識は、同じ群れの仲間に向ける物に、自身と同等に見るようになっていきました。

群れをはぐれた小鳥は仲間がいなくなり本能的な危機感を感じていました。
それよりも、生きるために普段通りに木の実や虫を食べていました。
しかし、ある時仔狼に捕まり、咥えられた時は野生の鳥らしく死を覚悟しました。
仔狼は仔狼で、一度食料として捕らえた小鳥に情が移り、自身が牙でつけてしまった傷を癒しながら共に過ごす事になりました。
最初こそ仔狼の事を恐れていた小鳥でしたが、時が過ぎていくうちに彼らの間には仲間意識が、小鳥の中には自我が芽生えていきました。

時を操る兎は、孤独でした。
仔狼と違い、産まれた時から自我を持っていたがゆえに孤独だったのです。
しかし、ある時仔狼の一行と出会い、孤独ではなくなりました。
その一行は、圧倒的存在のキュウビに、自分を見つけ仲間に引き入れた仔狼、そしてなぜかいる小鳥という奇妙なものでしたが、彼女は独りの時に感じていた不安から解放され、彼女は安堵と、仲間を手に入れました。
最初こそその奇妙な群れを自分の拠り所として、本能的に利用しようとしていた兎でしたが、時が過ぎていくうちに兎はそこを自分の居場所として認識するようになり、仔狼に産まれてそれまで感じたことの無い感情を持つようになってきました。

川に住む猫は、一目惚れしました。
自分を覗き込んできた仔狼に胸を撃ち抜かれ、発情したのです。
しかし、彼女はただ側にいるだけで満足しました。
知識の未熟さ故に番になり子を成そうという考えまでには至らず、擦り寄り、毛繕いをし、共に寝るだけで発情の欲求は収まっていました。
彼女の発情は出逢いから今の今まで続いていますが、一度も身体の関係には至っていません。
でも、彼女はそれで満足なのです。
少なくとも、今は......

焔纏う鳥は、流星のように、いくつもの大地を渡りながら空を舞っていました。
ある時、眼下に仔狼の巨大な魔力の反応を見つけ降り立ったところ、猫に威嚇された挙句キュウビに殴り飛ばされました。
一瞬キュウビと敵対した彼女でしたが、仔狼のおかげで誤解は解かれ、その後一行に同行する事になりました。
好き勝手に焔を振りまいていた1人の頃とは違い、近くにか弱い存在のいる今は焔は上げられません。
最初こそ慣れない焔の制御に戸惑っていたのですが、一行と共に過ごす内に焔を出さないのが普通になり、焔を出すのは灯りや傷の再生、そして仲間を護る時だけとなりました。

水の精霊は、水と同じでした。
はっきりとした考えも時間の流れもなく、ゆらゆらと巨大な湖の中でたゆたっていました。
しかし、水のそばで誰かの話し声が聞こえた時、彼は覚醒しました。
不定形ながらもしっかりとした形を保ち、湖の中から話し声の主を覗いていた彼はその内、仲良くなりたいと言う衝動に駆られ、湖から出て行きました。
一度は警戒された彼でしたが、共に過ごす内に、望み通り仲良くなる事ができました。
そして今では、生まれ育った環境を離れ別の大地までついていくまでに、彼らの仲は深まっています。

竜と呼ばれる生物の卵は、三つ子でした。
彼らは世界樹の花から産まれたのではなく、誰かが産んだのです。
しかしこの世界に産まれたにもかかわらず、失くしたのか捨てたのか、親から引き離されてしまった彼らは捕食され、そのまま消化される運命にありました。
ですが、危機一髪の所で仔狼の一行に助けられた彼らは、そのままキュウビの尾の適温の中で魔力を注がれながら着々と育って行きました。
今まで産まれたのは、風の才を持つ緑色の竜と、氷の才を持つ群青色の竜でした。
彼らは無意識ながらも自分たちに魔力を注いだキュウビを親と慕い、一行に子育てされています。
まだ孵化していない最後の卵から何が生まれるのか、それはまだ分かりません。

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