【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる その16 (233レス)
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67: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:47 ID:lRflSWdX0(1/21) AAS
こんばんはー
ほんともうどうしようもなく間が空いていますが、ロウルパートを投下していきたいと思います……
68: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:48 ID:lRflSWdX0(2/21) AAS
――

「んっ……!」

主のコートに袖を通す。
本来の従者であれば、そのような真似はしないだろう。
だが、彼女はこれが初めてではない。

「アベル、さん……」

まだ、性知識も何もなかった頃から。
子供の頃から、自分の隣にいてくれた人の匂いが好きだった。
助けられたというのに、あの頃は人が信じられなくて酷いことを口にした。
それでも彼は見捨てずにいてくれて。
省25
69: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:48 ID:lRflSWdX0(3/21) AAS
部屋に響く呼吸音が、嫌に耳につく。
荒く、熱を含んだ音。
今ならわかる。発情した、雌のものだ。
そしてそれの出処は考えるまでも無く自分自身。
主人の服を着て想いを寄せて、匂いを嗅ぐだけでこの有様とは。
ロウルの顔はより一層上気し、朱に染まっていく。

(本当に、獣みたいです……)

恥ずかしい、はしたない、止まれ。
頭の片隅でそんな言葉が飛び交う。
省29
70: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:49 ID:lRflSWdX0(4/21) AAS
舌先に、じわりと独特な味が広がる。
大好きな人の、味。
まるで口内に彼の指でも入れられたかのような錯覚。

「あっ……あぅ、うぁぁ……」

ようやく袖から口が離されるが、でろりと大きな唾液の橋ができあがる。
コートを汚してしまったことなど、気にも留めない。
だらしない顔で涎を垂らす姿さえも、今はどうでもいい。

(アベルさん……)
省30
71: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:49 ID:lRflSWdX0(5/21) AAS
軽やかに、そこへ飛び込む。
もう遠慮などはない。この寂しさを埋めてしまいたい。
高級なものではないが、自分の体重くらいは受け止めてくれる。
ぎしりと軋む音ともに、ロウルの身体がうつ伏せのまま沈み込む。

「――ッ!」

そのまま思いきり息を吸い込めば、それと同時に身体は大きく跳ねた。
意外と綺麗好きな彼は、自分の身の回りはきっちりとしている。
とはいえ自分の鼻にかかれば、残り香を十分に堪能可能。
この部屋そのものが丸ごと吹き飛びでもしない限り、自分は彼を感じることができる。
省26
72: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:50 ID:lRflSWdX0(6/21) AAS
わかっていたことだ。
黒づくめで悪ぶり、凍えるような氷魔法を扱っても、彼の本質は変わらない。
見ず知らずのこんな獣人の子供を、危険を冒してまで助けてくれるようなお人好し。
皇族だからと偉ぶることもなく、対等に接してくれる。
優しい彼に、惹かれて焦がれた。
それはみんなも同じこと。
そして優しい皇子様は、それを全て受け入れて、愛した。

「アベル、さん……ひぐ……ぅっ……!」

鼻がいいというのも時には考えものだ。
省32
73: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:51 ID:lRflSWdX0(7/21) AAS
「あ……」

もぞりと動けば、擦られた太ももからにちりと小さな水音が聞こえた。
匂いを嗅いでしまった時から、ロウルも濡れている感覚はあった。
そしてこうして慰めれば、いよいよ愛液も溢れ出す。

「ふっ……ふぅ、ぅ……っ!」

もう一方の手を、ズボンの中へと潜らせる。
太ももまで伝っているのだから、当然湿っている程度では済まない。
匂いと夢想、僅かばかりの自慰でここまで濡れるとは……
まだどこか冷静な頭の片隅で、ロウルは自嘲する。
省30
74: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:51 ID:lRflSWdX0(8/21) AAS
「あっ、はぁん……んぁっ、く……んうっ……!」

ぐちゅぐちゅと淫猥な音は次第に大きくなっていく。
優れた耳を持つ故に、ロウルは自身の股から響く音も鋭敏に感じることができる。
なんてはしたない音なのだろうと当然に顔は朱に染まるが、指は止まらない。
顔に押しつけた枕の匂いも手伝い、本来であれば絶頂していてもいい頃合いなのだが……

(赤ちゃん出来る程、アベルさんに……っ)

子供の事を考えると、踏み出せない。
しかしここ数日の親友達の夜の疲労からの寝込みに聖女の痴態……
それが、蓋をし続けている本当の願いを刺激しているのもまた事実。
省19
75: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:52 ID:lRflSWdX0(9/21) AAS
一気に全身の熱が引いていくのがわかった。
はだけていた服を慌てて直すが、身体を隠すのが彼のコートという墓穴。
まさか、この自分が鍵をかけ忘れたというのか。
だが思い返せばこの部屋には本来書類を置きに来ただけだ。
すぐ去るつもりの部屋だったからこそ、施錠を怠った。
そしてコートの匂いで発情し、駄目だと思いつつ寝台に飛び込み自慰をした。
挙句それを汚し、自分の声で主の帰還にも気がつかない有様。
愚の骨頂と言うほかない。本当にティアのことをとやかく言えやしない。

「ア、アベルさん、違うんですこれは……っ」
省36
76: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:52 ID:lRflSWdX0(10/21) AAS
「……すまなかったな」

「え――んむっ!?」

びくりと顔をあげたロウルが目にしたのは、困ったような顔をしたアベルだった。
怒っていなかったという安堵感と共に、唇に降った柔らかな感触に思わず目を見開く。
伏し目がちな彼の表情を間近で見ることは非常に稀で。
見開いた瞬間に溢れた涙も、優しく拭われた。
情報の処理が追いつかない。
少し動き、口唇が吸い上げられたことがわかった時。
ロウルの頭は、これの処理を最優先事項に定める。
省33
77: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:53 ID:lRflSWdX0(11/21) AAS
「……少し、私の話を聞いて頂けますか?」

「手短にな」

アベルの事だから了承し動きを止めるかと思えば、まさかの返答。
ぐいと抱き寄せられ、ロウルは顔の熱が高まるのを自覚する。
本当にこのまま身を任せてしまいたい。
そうすればきっと、幸せな気分になれる。そんなことは想像に容易い。
それでもこれだけは、話しておかないといけないと思えた。

「アベルさんは、あの腐竜……前国王コーネリアスを覚えていますか?」
省31
78: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:54 ID:lRflSWdX0(12/21) AAS
「馬鹿だな、ロウルは」

「なっ!? 馬鹿とはなんですか!?」

笑いながらそう告げれば、赤い顔のまま反論がやってくる。
ほんの少し前にした甘い口付けの情緒など、もうどこにも残っていない。

「そんなことで悩むなんて、ロウルらしくもない」
省31
79: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:54 ID:lRflSWdX0(13/21) AAS
「ところで、ロウル?」

そんな幸せから引き戻すように、アベルの声が立ち上がった耳に嫌に刺さった。

「な、なんでしょうか?」

「お前の不安、悩みはわかった。それは俺達が現実のものにしないと誓おう」
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80: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:55 ID:lRflSWdX0(14/21) AAS
「はぁ……はぁぁ……!」

もっと。もっと欲しい。
これまで我慢していた反動なのだろうか。
己を慰め、口づけを貰い、不安を拭われ、焦らす様な愛撫を受けて……
本能でわかってしまう。自分の身体はこれまでで一番、狂おしい程に彼を求めている。
もう抑え込む必要もない。貪欲に求めてしまいたい。
なのに肝心のこの青年は、加減をして虐めてくる。

「あ、あう、あうぅ……!」

また、涙や涎が零れてしまったかもしれない。
省31
81: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:56 ID:lRflSWdX0(15/21) AAS
「俺の服は、こんなことができたか?」

「はひゃぅっ!?」

アベルの中指が、下着諸共に蠢く秘境に突き立てられる。
待ち焦がれていた強い刺激にロウルの全身はびくりと跳ねた。
しかしまだだ。まだ足りない。
それはお互いにわかりきっていることだ。
このまま、達するまで執拗にどろどろに掻き乱されるのだろうか……

「俺の服では、お前の可愛いここを触れないだろう?」
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82: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:56 ID:lRflSWdX0(16/21) AAS
「――それとも、もっと激しくした方がいいのか?」

「はにゃぁ!?」

一際低く、耳元で囁かれながら舌が挿入された。
人一倍敏感なそこを直接刺激されたロウルの身体は大きく跳ね上がる。
その後も休まることは無い。
舌はいやらしく動き、まるで耳は性器なのだと言わんばかりに愛撫してくる。
時に歯と唇も合わさり、本当に食べられてしまっているかのような錯覚を引き起こす。
そうされればされるほどに耳はより鋭敏になっていく。
そして淫らな音と感触をこれでもかと拾ってしまう。
省29
83: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:57 ID:lRflSWdX0(17/21) AAS
そして、それでは終わらない。
ロウルの股を通ったアベルは、本当の目標であるロウルの尻尾の付け根を掴んでいた。

「――挿入せずとも、コートになんぞ無くとも、俺はお前をこうしてイかせられる」

「―――ッ!?」

耳がじくじくと熱を持って、音を拾うだけでひくついてしまう。
そこにこう言われてしまえば、僅か数秒後の自分の未来は想像に容易かった。

「あ……」
省32
84: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:58 ID:lRflSWdX0(18/21) AAS
――

……

「あっ、あぅ、はひぃ……ひぁ……! 奥に、奥にきてますぅ……!」

今の時刻のことなど、二人は忘れ果てていた。
灯りを消すことも忘れ、そこには二人の獣がいた。
アベルが軽快な音と共に一突きすれば、その度にロウルの口からは嬌声が漏れた。

「まだだ。まだ、足りないだろうロウル?」
省34
85: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)22:59 ID:lRflSWdX0(19/21) AAS
自分で勝手にコートを拝借して抱かれた気分になるのとは、訳が違う。
この獣染みた体位も、聖女もしていたというのならそう忌み嫌うものでもない筈だ。
何よりも、これこそが自分の望んでいたことなのだと、ロウルは確信していた。

確かに身体のあちこちで絶頂を迎える度に跳ねあがり、潮に愛液を撒き散らし、
きっと明日には自分も動けなくなっている程に身体への負担は大きいだろう。
そしてそれはアベルも同じこと。真面目な彼は、どこの愛撫にも一切の手間を惜しまない。
通常の行為よりも、体力も気力も使ってしまう筈だ。
申し訳ない気持ちもあるが、だからこそ彼から本当に愛されているのだという実感が持てる。
獣の身体でも問題ない、獣の身体だからこそできることもあるのだと安心できる。
自分の抱いていた不安が、ちっぽけなものであったのだと教えてくれる。
省27
86: ◆gEU9La026k [saga] 2021/02/07(日)23:06 ID:lRflSWdX0(20/21) AAS
――――
―――
――


……

ロウル「んひぃ……♪」スヤァ…

アベル「……」ナデナデ

アベル「本当に、愛らしい耳と尻尾だと思うぞ?」クニ…
省14
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