白雪千夜「名前をつけるなら」 (14レス)
白雪千夜「名前をつけるなら」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1584289797/
上
下
前
次
1-
新
通常表示
512バイト分割
レス栞
1: ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga] 2020/03/16(月) 01:29:58.06 ID:faqEAmx60 白雪千夜さんの逆レSSです http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1584289797/1
2: ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga] 2020/03/16(月) 01:30:53.78 ID:faqEAmx60 「今度、結婚することになってさ」 そいつの口から放たれた言葉を、私は――白雪千夜は、咀嚼するのに時間がかかった お嬢様と別々になる仕事も最近は増え、こいつに頼ることも多くなってきた。信頼はともかく、芸能プロデューサーとしてのこいつは信用していた 実際、自分がアイドル以前の自分と変わってきたのを実感する。自分の思考回路に新しい選択肢が増えたというか。自分の考え方に幅が出来た。美術作品に感銘を受け価値観が変わるように、私はこいつの手腕によってこれまでとは違う人間になれたのだ 「で、彼女のご両親に挨拶しに行くことになったんだけど……どんな格好が良いかな、カジュアルなのかフォーマルなのか」 そんな、私を変えたこいつは、勝手に他の女のものになろうとしている。胸の奥から吐瀉物がこみ上げるような不快感が、息苦しくなるようにぎゅっと掴まれる感触と共にやってくる それらはこいつへの怒りへと変わっていった 「……別に、彼女と相談すれば良いのでは? 高校生に尋ねるよりも、お前には彼女がいるのだから。その彼女が、妄想じゃなければだが」 「妄想じゃないって……ほら、待ち受けにしてるけど」 舌に乗る言葉が重い。目に入った女の写真に憎しみを覚える。惚気るようなセリフは、遠くで響いて耳に入りにくい。 徹夜した時のように胸が静かに高鳴る。体中を黒い血液が回るようだ。鼻で息を吸い、二秒ほど肺で溜めてから、吐き出した ノロケ続ける男を睨む。殺意に近い感情と、泣きたくなるほどの寂しさが同時に私へ訪れた http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1584289797/2
3: ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga] 2020/03/16(月) 01:31:53.28 ID:faqEAmx60 「ずっと同棲しててさ、この仕事にも理解があるし、趣味も合うし……本当に、出逢えて良かったと思うんだ」 「そうか」 「反応薄くない?」 「他人の恋路や恋愛遍歴にそこまで興味を抱いていない。」 歯の浮くようなセリフを私に向けるな。誰かを口説いた舌で私に言葉を投げるな。だんだんと怒りが高まる。 「私はそろそろレッスンに向かう……が、他のアイドルに観られる前にそのニヤケ顔を直すべきだ」 捨て台詞を吐き、私は部屋を後にした 不快だ。唾がこみ上げてくる。飲み下しても飲み下しても、止まることがない。 レッスン場までの道のりがヤケに遠く感じた。通い慣れだしたというのに。アイツのせいだ。間違いないだろう 不整脈ではないのに、動悸と息切れが止まらない。これもアイツのせいだ。アイツが私やお嬢様を新しい世界へ導いたのに、もう戻れなくなってしまったのに、他の女と一緒になろうとしているせいだ。 初めて得た不快な感情に、とりあえず「怒り」「憤り」「寂しさ」「不安」と知ってる言葉を総動員してラベルを貼って、整理した http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1584289797/3
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 11 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
Google検索
Wikipedia
ぬこの手
ぬこTOP
0.087s*